2021/05/02

核心

 ■ 優しくすると…どんどんつけあがる現代のクライマー

以前、アイスクライミングに、冬の靴も、ウエアも、アックスも貸して連れていく羽目になったことがあるのですが…、次を断ると、

「ケチ!」

と言われたことがあります…。冬靴4万円。冬のシェル4万円。アックス1本3万円×2が最低。+ロープ、アイス専用。他にも、いろいろありますが…


  連れていかれる人はどんどん増長


します。

■ 最初に親切にしたら、その人は次の人にも親切にする?? しません!!


”最初に親切にしたら、その人は次の人にも親切にする”、


は、現代の人心を正確には表現していません。これは最初の師匠の鈴木さんの思想ですが、間違っているということを確認しているのが、私のクライミングの歴史です。

■ 既得権益化

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人は一度手に入れた権利を既得権益として認識します。

一度手にしたものを手放す時の喪失感は、同じ価値をもらう以上に高いというのは、心理学でよく言われる話です。ここでも同じような「勘違い」が起きてしまうのかもしれません。

実際に自分がそのシチュエーションになって初めて気が付くのでしょうね。

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思い当たるなぁ… 師匠の青木さん、会を辞めてやっと会のみんなに自分が色々なわがままを聞いてもらっていたということに気が付いたのだそうでした。


■ 現代のクライミングの普及において、何が核心化しているか?というと

1)最初に親切にしすぎ…

 何もかも貸してお客様待遇でクライミングに連れて行ってあげる

 =既得権化して、権利意識が強いモンスターを作り上げる

2)マナーが悪い 

=岩場にうんこ

=なぜなら、岩場に愛着がない 

=だから、自治の発想がない

3)頭が悪い

=トップクライマーと登っても死ぬ人がいる

=なぜなら、事故内容を分析すると、ほとんど防げる自業自得の事故

=なぜなら、自学自習できない

=なぜなら、土台の知識レベルが下がっている

=加えて、教育が悪い(無い)

=つまり、昔はあったものが無くなっている


■ 対策

以上を対策すると?

1)最初にモノを貸してクライミングに連れて行くのは、一回目だけ。

  本当にやりたいかどうか?を確認する手段、と釘をさす。

2)岩場に愛着を持たせる

3)教育はかみ砕く、え?と驚くレベルへ。そもそも論が欠けているため。


JFA依存症は好きになれない

■そもそも JFA依存症は好きになれない

故・吉田和正さんも、別にJFA礼賛していなかったし、JFAがクライマーの中から発生した自主独立の、自治性の高い組織として尊敬、していますが… どちらかというと、今回の組織改編で、中央集権制の権力化に傾き、”JFAにさえお願いすれば大丈夫”みたいな、各地の岩場からのJFAに対する依存性を高めよう、とする方向性に移行しているようにしか思えない。

まるで、補助金行政に群がる市民みたいに、JFAにお願いお願い、という体制は好きになれない… 

以前、JFA所属のあるクライマーさんが、近所の岩場を整備した記録をこのブログに上げたら、”次からは俺らに報告するように”、となんか超エラソーでした…

はぁ?って感じでした。なんで自主的に岩場のコケを落としただけで、今日はコケを落としましたってJFAに報告しろって言う話になるんだ? それ言われた人の身に立って、考えたら、どういう方向に意識が働くか?っていうと、

そんな報告をしないといけないんじゃ、めんどくさ!二度と行くまい、

になるでしょう。

つまりこれを言ってきた人は、お役人根性ってやつですね。自分のものでもないのに、権力をかさに着ている、許可と提供の文化ってやつで、今、全国の地方自治で問題になっています…

つまり、なんでもお上にお願いお願い、ってやつです。お上の方も、お願い、されるんだったら、やってやろう、みたいなスタンス。ひらたく言えば、共依存、です。

本来は住民の自治で実践するべきことでしょう。お上不要。

JFAは存在価値がこれまでの時代はあったと思いますが、もはや、権力腐敗の匂いすらしてきていますね…

■ 温情的でないJFA

JFAは、日本のクライミング界に必要な組織で、これまでの功績は多大だと思います。

が… 温情的組織でないことは、今回、送られてきた議事録を見て残念に思いました。

書かれていた、去年まで事務局長だった井上大助さん(CW)へ対する処遇を見て、JFAへの信頼は、一気に減らしました。

なにしろ、リボルトしなくてはならない!という発想を作ったのが彼で、そしてリボルト職人への並々ならぬ情熱を傾けてきたのが彼、なんですよ?

一般クライマーからは、JFAと井上さんは、ほぼイコール関係に見えていました…。ま、小うるさいお母さんみたいには見えていましたけど…(笑)。

JFA=井上大助。その一体感というか、そのイコール関係は、彼が自分を案内してくれた影の功績者について言及しないから…であるのは、福岡を案内して分かりましたが…つまり、一緒にいるのに、なんか一人で行動しているように見える記述で驚いた…。

しかし、そこを引き算しても、JFAの事業のうち、リボルトだけが現在まっとうに機能している事業です。

悪口になり、すいませんが、『フリーファン』なんて、中身のない雑誌、誰も読んでいませんよねぇ…。名前は忘れたけど、別のですごい面白いのがあったでしょう…。ツヨツヨクライマーばかりが寄稿している…あっちのほうが普及しないのが不思議。

今回も、特集、”チョークとパモ”ですよ… 要するにボルダラーのマナー特集です。理由はボルダラーのマナーが悪いから。

そして、チョークを肯定するためのアルパインクライマーこき下ろし…。これじゃ、互いの理解ではなく、反目をさらに助長させます。

もはや、終いには、チョークに粘着力つけて、登り始めそうな勢いです。それ、エイドってば…。アルパインの奴らが気に食わない以前に、そもそも、フリーじゃない。アルパインの人に見下されて嫌なのは理解できますが。その嫌っているアルパインのクライマーがやっているエイドクライミングに、自分のボルダリングが同一化して言っているのを理解していないのでしょうか?

あ、話がそれましたが、リボルトがメイン事業って話です。それから井上さんを除外するって、どんだけ? 自分が育てた子供を引き離される母親でしょう…。ああ、かわいそう。

情報公開などがJFAの基準に合っていないとありましたが、そもそも、JFA自体が情報公開ほとんどしていない。

うさんくさーい感じ、です。

外注する職人が自分の調達した材料でやらせろ、って当然なんで、発注者のJFAが反発する意味わかりません。大工さんに、家の造作をお願いするときは、材料を施主は買ってきたりしません、そんなの、大工さんが持ってきた材にお金払うのが普通です。もちろん、床板は杉でお願いします、とかそういうのはやりますけど。クライミングに直すなら、”25kNの強度が出ているやつ”っていうのは必須でしょう。資材提供をさせず、作業だけにさせれば、労働の喜びを奪います。労働者への不遜な態度でもあります。

さらに言えば、リボルト職人としても、もっとも多くの知識が溜まっているのは、井上さんでしょう… せっかくの彼の10年、20年の経験値を葬り去ろうとでもいうのでしょうかね???

つまり、クライミング界全体のことを考えていないで、私怨の匂いぷんぷん… なにしろ貴重な、”他の人に教えられる”レベルの職人です。

井上さんは理事長時代も、JFAの月給が未払いで大変そうでした…。お金がなくてカツカツみたいでした…。今もリボルトが主力事業でしょう…なのに、干されたら、メインの収入を奪うことになります。

また、彼の過去の努力はどうなるの…?と、とても無念でしょう。お気の毒です…。

もちろん、欠点がなかった、とは思いませんが…(例えば、正確に職人を育てることに注力しすぎて、職人が育つのが、牛の歩み、とか)でも、仕方ないですよね、欠点がいない人間はいないし、いい加減なことはできない、と固く念じたためだったとしたら。

というわけで、2点の理由で、

 1)クライマーの自治
 2)開拓クライマーご本人によるリボルト

を提案したいです。

 1)そもそも、その岩場に登っている人がボルト代を負担すべき
 2)開拓クライマーは自分が開拓したルートの行く末に責任をもつべき

だからです。え~、みんなのためにやっているんだよ!っていうなら、”みんな”の存在を明白化するためにも、岩場個別のクライマーの自治団体が必要ですね。

なにしろ、「これ買って~」「ダメ」「だって、みんなも買ってもらってるよ~」「みんなって誰なの言って見なさい」の時代から、

 みんなのため

は、

 私利に悪用されるのが当然

なのですから… 

JFAは、組織が大きくなりすぎたのかもしれません。良く詳しいことは分かりませんが、本来のあるべき姿…クライマーによる自治…に立ち戻る時期が来ているということだと思います。

カットアンカーは終コンですよ

どうも九州では(というか日向神ではなのか?)理解されていないようですが…。

カットアンカーは終コン、ですよ。

私がカットアンカーの仕組みを理解していない(ボルトの短さは強度と関係がないのだそうです。へぇ~。Byマサさん。マサさん、ありがとう~)のは、事実かもしれないですが、

カットアンカーを理解することは、クライマーとして全く重要なポイントではない

です。

カットアンカーは悪くない、を主張する日向神クライマーにマサさんの指摘を伝えたところ、カットアンカーを理解していないのはお前だろ、と、連絡がきましたが。

私がカットアンカーを理解することより、九州のクライマーがカットアンカーのルートを主体性をもって判断しつつ登れる、ほうが大事です。

カットアンカーについて理解すべきは、唯一…終コンのボルトということです。

とっくの昔…30年前に賞味期限切れのボルトです。施工が成功していて、ピカピカ状態で、せいぜいカム並みの強度しかない。

(1kN~最大15kN。UIAAが規定するスポートルート(=ボルトルートと言う意味)の強度基準は、25kN。スポートルート以外で落ちまくる=リスクテイキングなクライム、が世界のクライマーの定義です。ボルトルート登っているつもりでトラッドやっているのと同じです)

ので、落ちたい人は、各自の判断で勝手に落ちればいいでしょう。

私は、サビたカットアンカーでバンバン落ちる登りをしたいとは思えない、ですので。

”古いカットアンカーは安全です”、みたいな話だったが、ではなぜ更新になるので?というので、この方面に突っ込むのは、めんどくさい議論だった。

結論: カットアンカーの支点は終コン。

    終コンのボルトで落ちる登りをするかしないかは、個人による。

    したい人はご自由にどうぞ。

ボルトの短さは強度と関係がない


ボルトの短さは強度と関係がないそうです

カットアンカーの全体像 今も新規開拓で使う人がいます

2021/05/01

なかなか気に入ったセリフ

 


含蓄のある画像 …街角の5.2

 どう見ても、登攀グレード、5.2。20cm置きにガバ。

それでも、ボルトレスで登るのが、いかに危険か? 

ボルトレス自慢が、いかに甘ちゃんの発想か、分かる事例ではないでしょうかね?



2021/04/30

含蓄のある言葉…支え、支えられる

ある時、三人の若者が山の中で吹雪にあい、遭難しそうになった。 C君はぐったりしてうごけなくなった。途方に暮れたA君、B君のうち、A君は頭の良い人で『このままでは皆があぶない。僕が一人で先に様子を見てくる』と言って、二人を置いて、身軽に行ってしまった。

ところが待てど、暮らせど、戻ってこない。残されたB君は、『まぁ仕方がない。ともかく凍えるよりは』と、倒れたC君を背にして、とぼとぼと雪の中を歩き始めた。

さいわいB君も、C君も救助隊に助けられたが、途中で彼が遭遇したのは、なんと一人で先に進んだA君の死体だった。

その時、B君が電光のように悟ったことがある。『僕はC君を助けるつもりで歩いていた。だが実は、背にしたC君の体のぬくもりで温め合い、自分も凍えず助かったのだ』



久しぶりの油山川♪ 10回目

 先日、久しぶりに油山川の岩場へ。私の10bクラックを触りに…。

相変わらず、岩場は平和そのもので、とってもご機嫌な場所だった。いるだけで満たされる場所。それが油山川の岩場だ。後ろに控える背振の山々と違って、なんと湿り気の多い山だろうか… ロープにぶら下がって見た藤の花が、蔦を伝って花を咲かせており…、ここは子供たちを連れてきたら、ターザンごっこに発展してしまいそうな、そんなリスクを感じさせる岩場だ。

この日は午後からの岩場だったが、それでも緑は、みずみずしく、いつも通りに私を待っていた…。が、残念ながら、怪我からの回復クライミングもままならない、この身で、そして、足ジャムをやはり忘れていた…。怪我の前は登れたのになぁ…。それも当時、連れて行った新人さん曰く、スイスイと…。体重も増えたせいだろうが、とてもスイスイとはいかなくなってしまっていたんだよなぁ…。トホホ。

とはいえ、一緒に行った人が面白い人で、愉快に過ごした。あっという間に楽しい岩場の時間が過ぎ、夕刻からはスタンプ(クライミングジム)へ…。

新しいトレーニング法を教えてもらった。なかなか難しかった…。忘れないための備忘録として書いておく…

1)左足を出す

2)右足を出す

3)左手

4)右手

つまり、手に頼らない体重移動。手先行の登りから、足先行の登りへの意識改革だ。

ポイントは、つま先がまっすぐであること。私はバレエの癖で、どうしてもターンアウトしてしまって、インサイドエッジになってしまっていた。ターンアウトって出てきてほしい時は出てこないのに、出てこないでいい時は何で出てくるんだろうな?

あとはかかとを下げること!これ大事。立ちこみの弱さをこれで解消できるかもしれない…

左右往復で100手でアップ完了なのだそうです…100か!けっこうあります。

スクワットも、教えてもらいましたが…どうも前傾しているらしく…バレエは、つま先バランスなので、さんざん、つま先バランスに直したんですよねぇ…トホホ。今でも毎朝歯磨きは、アティチュードでやっていたりするので、やっぱりバランスが前傾しているのだそうです…。でも、アティチュードで歯磨きは努力の結果なんですよね…、悲しい。

とはいえ、プリケツはバレエの時も、先生からさんざん直されて、治っていないので…これはインナーマッスルが根本的に弱いのだと思いますが…私は腸腰筋強いんだけどな…。微妙につじつまが合わず、納得感がない身体技能なんですが…頑張って、足で立つだけで腕の力に頼らずに済むようになりたいです。

どうも、教えてくれた人は体に鉄の棒が入っているように、と教わったそうです。バレエでは細い紐が一本筋を通っていると言います‥ので、紐から鉄の棒への剛性へ、かなりの強度向上が必要なわけですね… いや~鉄の棒か~太いよなーそのライン… バレエでは、軸(アプロン)は細ければ細いほど良いと言われるのですが…どれだけ細い軸にたてるかが勝負。軸の細さは、氷柱を登るときには役立ったような気がしますが‥‥それ以外では役立っている気がしない。スラブで役立ったことあるのかなぁ?微妙だなぁ…

しかし、この日はとても嬉しかったので、記念にスタンプでTシャツを買いました(笑)。

良き思い出を覚えていようと思って…。

というのは、私の個人的なクライミングの夢は…白亜スラブで脆く崩れ去ったから…です。

私がたとえ11を登れたところで、どんな選択肢も広がりはしないのが分かった…。そして、頑張ることが、むなしくなった。

今は九州にいるので、白い頂はお預け。つまり、アルパインルートもない。沢も大したものがない。では、何があるのだろうか…? 私の人生の喜びとしてきたものは?

もちろん福岡の自然は、山梨や長野、群馬の自然と違って猛々しくなく、女性的で美しいのですが…。私は厳しさが好きな人だったみたいなのです…。雪や氷があると、自動的に気分が盛り上がりますが、全然盛り上がらない無雪期の山…。ほとんど癒しです。ぜんぜん、チャレンジではないです。ただのあそび。まぁ、雪の山を登るのだって遊びなのですが、気合が違います。

■ プレゼンシング

帰ったら、日向神バルコニーエリアのリボルト報告が上がっていて、驚いた…。

日向神クライマーズクラブが去年できたことも驚いたが…。

九州で、クライマーの自治の機運が盛り上がって嬉しいです。

率直に言って、期待していなかった。(ので、期待以上です!)

このまま、日向神でリボルト基金が設立されたら良いと思いますが。

バルコニーエリアのリボルトのプレゼンシングにすごく驚いた。カットアンカー事件として、カットアンカー関連の記事をすぐにまとめました。

あまりに運命の不思議に驚いたためです。

カットアンカーがアブナイと言うことは、このブログでも再三、指摘していましたが、日向神に一緒に登りに行っていたクライマーからは、私が落ちるのが怖いから落ちないのだ、と言われ、不服を感じていました…。

でも、あの古いボルトを見たら、そう言っていた人も、気軽な墜落はできない内容だと理解したでしょう…

バルコニーエリアのボルトは、グレーの塗料でペイントされ、錆隠しではないか?という疑いが濃厚でした…。今回、抜かれたボルトを見ると、ハンガーとボルトの組み合わせが、ステンレスとスチールの異種金属の組み合わせで、やはりコロージョンしていたようでした。やっぱり落ちる登りをしなくて良かった…。しかも、カットアンカー…さびさびの。

実は、あったんですよ、私にも無邪気にバンバン落ちていたころが…。人工壁、最初の核心3mで落ちていたころが…。はるか昔ですが。もうそんな愚かで無邪気なクライミングは、私にはないですが。

まだ3mで落ちていたころ、会の会長が、ある女性を自分以外のほかのメンバーと登らせず、不思議に思った男子たちが騒ぐので、会長さんに理由を聞いてみたところ…「彼女に怪我して欲しくないから」が答えで、その答えをそのまま理解すると、私だったら怪我をしてもいい…つまり、会の男子らのビレイはダメビレイって意味でした…ので、私はすぐにその会は辞めたのですが。

当時、私が窮地に立たされたのを見知っていて助けなかった人…その人にも、私はその後、運よく大阪労山登山学校の校長先生だった青ちゃんと知り合ったので、お互いに勉強したいと思っても、山岳会が機能していない現代で、チャンスが与えられない境遇は一緒だし…と思って、私に与えられたチャンスを共有しようと声をかけてあげたことがありました…。

その人とは山梨ではほとんど登っておらず、こちらに来てから、あちこちの岩場をめぐりましたが…。私を落としたクライマーは、私を落としたおかげで神ビレイヤーとなり、彼はその後、その安全に変身したクライマーと存分に楽しくやったのだそうです。無邪気にその話を聞かせてくれました…私がどんな気持ちになるか?想像はできないみたいでした…。

まぁ、こちらでは、私が一緒に登るようになったわけですが、私は、”リードは今から”と言うところで、九州に来て、あまり初心者がリードするにはふさわしくない状況が待っている九州の岩場、という現状でしたので、12まで登る人とであれば、大体どこの岩場でも安全に楽しく登れるので、知らない岩場に行けて良かったです。リード経験も増えたし。

しかし、私は怪我でここ丸2年ボルトルートは登っていないので、それは正しい選択でした…私に適しているグレードのエリア、見せに連れて行ってくれたのですが、バルコニーエリアなんて比較にならないダメオールアンカー支点ですからね~!あれで登るバカいるの?って感じです… 

ですから、私が怪我をしたのは、まぁ良かったのです。怪我でもしていなければ、不必要にリードさせられるわけなので…。

しかも、その理由が、私が求めてもいない仲間からの承認欲求…しかも他人の欲求のために。(彼は、私がアイスではちゃんと登れるのだということを仲間に示すために韓国アイスを私に企画させようとしたくらいなのだ…いらんて。なんで私を見下している人たちのために骨折りしないといけないんだ?)

私がカットアンカーがアブナイ、日向神の終了点がアブナイと、このブログに記載しているせいで、クライマーの間で評判が悪くなったのだそうで(私本人は知らない)、もはや一緒には登っていません。というか登りたいとすら思えない…そう簡単に仲間を捨てる人と。しかも2度も。

私自身は、どんなことを世間に言われようとも、自分の命のほうが大事ですので…。チキンだとか、トップロープクライマーだとか、会の悪口を書いているとか、色々陰で悪口言われているのだそうです、彼曰く。そうなのか、なるほど。

でも、100歩譲っても…。

支点ビレイを今どきしている人は、やっぱり時代遅れ、ですし、なんでATC使っていてグリップビレイで待機なのか分かりませんし、5mも離れた位置では、いくら人工壁でもやっぱり、そのビレイは変ですし…。2名のリードクライマーを1人がビレイするって聞いたこともありませんし…。エイドのルートを怖がったら、チキン呼ばわりされましたけど、私女性の中でも、チビですよ?分かっていないのは、そっちの方では…。

なので、私はこんな無理解なところでクライミングするくらいなら、しないほうがいい、という個人的選択なのです。

クライミングは人生を楽しむためにするもので、その逆じゃないですから。

そして、これまであれこれ書いてきたことが、JFAだった井上さんを動かし、日向神を動かしたわけですからね!

クライミングをすることで、むしろ人生がややこしくなるんだったら、やらなければいいと思っています。

というわけで、バレたくない何かが、バレないかと心配している人、どうぞ、ご安心を。

私が愛しているのは、クライミングではなく、日本の豊かな自然と

自然界の在り方から、人としてのあるべき姿を学ぼうとする心、

です。

今回は、それがいくばくか、プレゼンシングして嬉しかったのでした…。

かかった期間は約2年ほどです。

■参考 前回の油山川

https://allnevery.blogspot.com/2019/01/blog-post_6.html

10本ノックしていたらしい…

https://allnevery.blogspot.com/2019/03/blog-post_18.html

リボルトの報われなさとグリーフケア

 ■ 開拓vsリボルトの比較

開拓   vs リボルト

自分が登るため ⇔ 他人が登るため

プライベート  ⇔ パブリック

白いキャンバス ⇔ すでに描かれたキャンバス

自由度あり ⇔ 自由度無し

名誉  ⇔ 名誉なし

命名権あり ⇔ 命名権無し

ボルト代100円時代 ⇔ ボルト代1000円時代


ということです。

先日、著名なボルダー開拓者から、「開拓者はつくづく損だ、誰かがやってくれるとみんな考えている!」という苦情が上がっていました。

ボルトを打たない、ボルダラーの開拓者からすら、そうなのです。

であれば、一番くたびれ損なのは、リボルトしてくれる人だと思います。

私が考える、もっともあるべき道は、自分が開拓して、その開拓したルートのボルトが、経年劣化したために、責任を取って、自分でリボルトする、ということです。

■ グリーフケア

クライマー向けグリーフケア

としてリボルト職人があるというのは、可能性があるかもしれません。

私は弟を24歳の若さで亡くしていますが…、クライミング活動は、なんとなく、弟に付き合っている感覚でした。ある意味、弟の死に対するグリーフケア。

アルパインでは、新井さん、講習生仲間、など、初期に亡くしています。リードで人を落としてしまった人にも会ったし、自分が落とされて頭を縫ったし、ソロで登っている墜落を見たり、九州では一発目のクライミングでグランドフォールを見たし…、もちろん、吉田さんの死もありました… というので、

 クライミングのリスク喚起=死者への弔い

です。リボルト職人と言うのは報いがない仕事ではありますが、グリーフケアとして、無心でボルトを交換する、というのは、ありうるかもしれないなぁと思いました。

死に筋を外す

 ■ クライミングで、死に筋を外すとは?

平地での安全安心は、足元が崩れない大地に立っていること、です。

高所での安全安心は、壊れない支点にぶら下がっていること、です。

死に筋を外すには、この平地と高所の大きな差を分かっていないとダメですが…そこが一番大きな発想の転換で、クライミングをスタートした初心者の人たちにとって理解するのが一番難しいポイント。

■ クライミングの成功とは?

死に筋を外していることです。

つまり、考え方として、常に高所ではセルフにぶら下がっている、という発想が身についていること。

落ちてもフリークライミングやスポーツクライミングではもちろん、平気で死にませんが、だからといって、バンバン落ちて無駄なリスクを取らなくても良いわけです。


ベテランのリスク、現代クライマーのリスク

私はクライミングをスタートして以来、相手を理解できず、なぜこういう行動をするのだろうか?ということで、苦悩することが増えたので、毎朝、仏教の説話を聞いています。

■ お別れの質

お別れが来たとき、ホッとするか?それとも残念に思うか…

 ホッとする ⇒ 悪い縁だった印

 残念 ⇒ 良い縁だった印

未練がないお別れに、薄情という印象を持つ人もいるのだそうです。しかし、仏教ではそうではなく、人の縁は流れゆくものだ、諸行無常を体得している=未練がない、そういうことだそうです。


■ この法則を当てはめると?

  ホッとする = もはやリスク管理に気を張っていなくて良い

  残念に思う = 楽しく登れていたということ

かなぁ…と思ったりしました。

■ 支点&ロープワークの共有

クライミングインストラクター協会の奥村さんによると、クライミング技術という言葉自体にそもそも、誤解があって、

 ムーブとかの上手に登る技術がクライミング技術なのではなく、支点、ロープワーク、その他をクライミング技術と言う

のだそうです…。みんな、誤解、そこからですもんね…。

私は、リスク管理から考えて、自分で自分のケツが拭けるクライマーになることを最初から目指していたので… まずは技術を確実にしよう、と考えていました…。ので、ベテランの師匠、青ちゃんと登るのは、私にとっては、観察から得るものが多かったです。登攀スキルは低くても、ベテランはリスク管理やロープの処理が大変美しいです。

私が若いクライマーに伝えたかったこと…それは、これです。若いクライマー君たちは、登れる技術を見せてくれて、”どうだ!”とデモンストレーションしてくれますが…、そこじゃないんですよ… 安心して一緒に登れるかどうか?は。なにしろ、まったくクライミング経験ゼロの男性でも、手が届けば、私より登れてしまうのは普通のことなので…。

ロープワークの汚さ、雑さ、そういうものが、核心化してしまうんです。ゲレンデ以外で、時間が核心になるようなマルチピッチでは…。セカンドにロープをまとめさせているようでは…。もちろん、セカンドは、トップを助けようとしているのですが…。

これを伝えたいと思って行ったのが、最後のインスボンでした。

(インスボンは東洋のヨセミテ。下手すると宮崎に行くより快適で安く行けるので、おススメです。最近はボルトも最新のに整備されていますし…。)

私がトップの時にも、ロープの始末が雑で、手間取ったことがありますが、それが核心化しないような時間の配分とか、そういうものを見込んで十分ゆとりがある計画を立てます。

インスボンでは、私が膝の脱臼で動けなかったことから、ベテランと先輩に組んで登ってもらいましたが、結局のところ、師匠の青ちゃんの手際の良さは、若いクライマーには理解できなかったかもしれません… そこが、唯一残念と言うか…。

というのは、私にとって、白亜スラブは、”失敗した登攀”だったのですが…、相方にとっては、自信をつけた登攀だったためです。


    私にとっては、大失敗のヒヤリハット体験
    トップを登ったクライマーにとっては、成功体験

その前に行ったマルチでも、失敗につながるような、雑なロープワークは見ていたのですが、私がうっかりしていて、それに対して反省を促すような流れが作れていなかったのです。

■ベテランと若手では、失敗につながるポイントが違います…

ベテラン ⇒ 情報不足、物忘れ、女性蔑視、古いリーダー観、がリスク
若手   ⇒ 雑なロープワーク、登攀能力への過信、フェールセーフの不在

ということがリスクになります。敗退の想定無しシナリオのロープシステムで行く、なんてことや、ギアが不足する、と言うようなことは、ベテランと行く場合は、考えにくいのです。ギアが不足した場合にも、どうしたらより良いか?というオプションが多いのです。

一方、若い方は、登攀そのものの、能力は高いのですが… 普段フリークライミングだけをしていたら、どう転んでも、ロープへの慣れは、蓄積していかない訳なのです。いわんや、ボルダー。ボルダラーにロープの知識を求めるわけにはいきません…

結果、こんがらがったロープをほどく時間のほうが、登攀そのものよりも時間がかかる羽目になります。

そうしたことが、伝わらなかったのではないか?と思う、それだけが残念、というか、自分の発信力の限界と言うか、伝えそこなったなぁと思う唯一の点です。



2021/04/29

資材調達×リボルト職人育成

 ■資材調達×リボルト職人育成

何があったのか、分かりませんが…。

「資材の手配をCWでできなければ、JFAのリボルトに協力しない」

か…。リボルト職人だけの日当では、生活や会社を維持するのに、十分なマージンがないんだろうと推測。

リボルト職人制度も大幅に変わるのだそうです…。たしかに現行の制度では、職人育成にかかかるコストが、大赤字でしたでしょう…何回受けても2万円という破格値では…。

リボルト職人と対照的なのは、セッターですね。どちらも高度な職人技なのに、リボルト職人は不人気商売、セッターは人気商売です。



■ ご縁と心理的拘束

私の最も強い資質のうち、責任感という資質はこのような資質です。

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あなたは責任感という資質により、自分がやると言ったことに対しては何でもやり遂げようという強い気持ちを持ちます。それが大きかろうと小さかろうと、あなたは完了するまでそれをやり遂げることに心理的に拘束されます。(中略)人が新しい責任を誰かに任せる時、まずあなたに目を向けるでしょう。あなたがその責任を必ず果たすことを知っているからです。人々があなたに助けを求めてくるとき――すぐにそうなるでしょうが――あなたは選ぶ目を持たなければなりません。進んで事に当たろうとするあまり、できる範囲以上に仕事を引受けてしまう場合もあるからです。

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クライミングは、私にとって、バレエの代替えとなるもの、で、健康を維持するために行いうる、安価で自然にやさしい活動、ということです。

当然、趣味の範囲。しかし、日本のクライミング業界が、”群盲、象を評す”状態だということに気が付いてしまいました。

さらに、きちんとしたクライミング教育がない、ということにも気が付いたのです…。

きちんと書かれた教科書的なもので、世界的水準を満たすものがない、というのは、UIAAのアルパインサマーの出版契機を作ったことで、運よく達成できました…。これで、やっとクライミング卒業できる…という気持ちでした。

心理的に拘束されていたんですね。

■ 岩場本来の在り方

日本人の一般的傾向として、対処療法、目先のことに走り勝ち、というのがあると思います。

実際、全国で岩場のリボルトが待たれているのは事実ですが…そもそも論として誰がリボルトすべきか?っていうと?もちろん、初登者たちなわけですよね。

本来の在り方的には、岩場は、その岩場を利用するクライマーにとって愛着を持たれ、メンテナンスされるべき、ものでしょう。利用者負担の原則です。

今の現状では、リボルトが進まないですが… 

本来は、一つの岩場と想定すると、

1)日本インストラクター協会のような、きちんとしたクライミング教育で、クライマーが育って、

2)色々登っている間に開拓したくなり…、課題を作り…

3)そして、年老いて自分の作った課題をリボルトする

というのが、あるべき流れです。

そうなっていないで、ある意味、他人の問題を肩代わりしているともいえるのが現体制。

■今ある問題

今ある問題は、ボルトが古くなって登るにはあぶないということです。ある意味、作品性を主張する人から、依頼を受けて、やったら筋が通るのに…。

人の作ったルートをリボルトするから、初登者の権利の尊重、とか訳の分からないことを言っている人におべっか使わなくてはならなくなるわけです…。もし初登者に、”ほかのやつにはリボルトさせない”と言う権利を認めるのであれば、

・きちんと地元の地権者に許可を取ったり、

・使ったボルトの品質を一般公開したり、

・経年劣化したボルトは打ち換える、

・あるいは、明らかにランナウトのルートで死者も出ているなら、賠償責任だって出てくる

かもしれません…。

そうした”義務”もセット販売だったはずです。権利あるところ義務あり、なのです。

そう枕を高くして、えらぶっている資格が初登者にあるか?というと、資格がある開拓者は、ほんの一部の方なのではないでしょうか。現在の岩場の地権者関係の様子からすると。

昔は責任より、開拓者としては、”作品作り”、”俺の名を後世に残すチャンス”と思っていただろうと思います…。

■ 不毛なリボルト

一方で不毛なのがリボルト… 地権者許可は、取り直しだし、資材は公的なお金を使ったものなので、責任重大。技術も生半可なものでは、許されまじ、と考えてしまいますよね…。

井上さんは、非常に厳しい方でしたが、それも全国から集めた皆のお金でやっている、という責任感ゆえ。許してあげなくては、と思える環境の厳しさと不毛さです。やっていることは、人の尻拭いなのです。

■ 情報の公開で無知の解消を

しかし、一方で、なぜか情報公開がお好きでないようで、それは謎でした。

リボルト職人の職人芸を例えばYouTubeで公開しても、誰も真似して、タダでやり始めるってないように思うんですよね… なぜなら、リボルトだからです、新規開拓ではなく…。

先日、タイの開拓者の友人、タオから、動画でリボルト風景が回ってきましたが…、普通に大変そうでした。あれを見て、簡単!俺もできる!と真似する奴はいないだろうと思いました。資材の公表とかも同じで、もっと情報を出していった方が、議論が盛んになって良いのではないかと思ったりします。

私はHiltiのボルトを購入しようとして、選択肢が多すぎて挫折した経験があるので。むしろ、JFAが販売窓口になってくれたら、楽に買えたかもです。JFA推奨の資材で開拓したい開拓クライマーはたくさんいるのではないでしょうかね?

今後のJFAに臨むことは、そうした核心的情報の公開です。

そうしないと、ローカルの開拓者は、トンデモ支点をホームセンター資材で作り続けることになるでしょう… 

(事例:https://allnevery.blogspot.com/2018/11/bad-anchor.html

それくらいだったら、初めから何もない岩だけのほうがマシ、ですから…

参考記事:

ボルトの安全性情報が少ない

https://allnevery.blogspot.com/2020/01/blog-post_37.html