2022/03/09

”リスペクトのレバレッジ”、が男性を魅了する

■ 昔アルパインをしていても、理解できない、”現代のフリーが困難ではあってもリスクフリーである”ということ

先日、”ん十年前だが、かつて大学山岳部で雪山をやっており、アルパインという言葉くらいは分かる”という年配の男性とお話しする機会がありました。

初対面の方だったので、アイスブレークで、”アイスクライミングですか~すごいですね~”というセリフを貰いました… 私のズーム背景がアイス登っているところだったから。

ただ、真実を言えば、アイスクライミングのほうが、豪雪の雪山より、100倍リスクが低いのです。

…その方の想定している、”すごい”は、全然すごくないです。

つまり、40年前の基準ではスゴイですが、2022年の基準では、まぁ、岩登りしたことがないずぶの素人でも、3年みっちりやれば、私が登ったくらいなことは誰でもできます。

40年前だと、5.9がリードできるだけで、会でトップクライマーって時代なんですよ。その実力で、パーティの命を背負っていたなんて、今のフリークライミングのレベル感から見ると、ひょえ~全員死んでもおかしくないね!ですね。全くよくやるよ、っていうあきれ顔が出てくるレベルってことです。

2020年代のレベルでは、5.9がリードできることは、まだまだひよっこ…新人さん、です。つまり40年前は現代の新人さんのレベルがベテランさんだったわけですねぇ…。

この男性は、私が説明しても、この誤解がどうしても解けないようでした。つまり、一般人の理解力しかないということです。

その微妙な誤解に基づく敬意をくださったのですが… その方の好意ですから、その是非はおいておくとして、起きていることを要約すると?

 少ない努力で、大きな敬意を勝ち得ることができる、

というリスペクトのレバレッジ、が働いていることがわかります。

■ リスペクトのレバレッジ

この、”リスペクトのレバレッジ”こそが、おそらく、多くの男性をクライミングに魅了しているんではないでしょうか?

現代は、競争社会ですが、個人誇示人の強みを持って自負を持っていても、なかなか相手から、リスペクトを勝ち取ることは容易ではありません…

例えば

 郵便局で働いています、と言うのと、外資で働いています、というのでは?

 岩場の開拓をしています、と言うのと、子供のコーチをしています、というのでは?

結局、比べられない、ですよね。その立場にいないと、苦労や強みすごさって分からないからです。

人を同列の基準で比べるということは、実は不平等ですが…例えばグレーディングシステムは不平等です、つまりリーチが長い人に有利で、リーチが低い人にとっては、同じ5.9でも、困難度が全く違います。

センター試験とかも同じですね?勉強が得意な人に有利になっている。世の中には、グラフィックラーナーというものもあり、文字ではなく、画像的記憶の人もいるわけです。そういう人には、なかなか厳しいのが社会。

5.14を登れるようになる!っていうのは、大人からクライミングを始めた人にとって、かなり困難ですよね。

ところが、クライミングだと、5.14と5.9の差が分かる人が超少ない訳なんですね(笑)。

■ 男性の瞬発力を最大に評価できるのがボルダー

だって、5.9が登れない奴でも、男性だったら瞬発力で、エイハブ船長は登れてしまうんですからね…

気軽に、

 俺スゲー!!!

を実感する活動としては、これほど楽に評価を稼げるもの、ないですよね…。つまり、ボルダーは、男性の瞬発力、一気に力を出し切る能力、を最大限に生かしたスケール(モノサシ)と言えるわけです。

ちなみにアイスクライミングは、アックスを使うので、バランス感覚と体幹だけで登れるので、女性向きです。リーチも指力も関係ないです。ので女性の能力を最大に生かしたスケールと言えるでしょう…

それだけ、リスクペクトに飢えている男性が多いということなのでしょう…

2022/03/07

クライマーが知るべき心理学 リスク行動へ傾く心

■ 後悔を活かすには?_石渡崇晶_高校生のための心理学講座(日本心理学会)_18


ここでは、受験がリスク行動として取り上げられていますが、クライミングは、そのものがリスク行動ですので、メタ認知力が後悔しないクライミング(怪我をしない、死なない)ににつながっていきます。メタ認知とは自分を客観視する力です。


■発達障がいの臨床心理学_金澤潤一郎_高校生のための心理学講座(日本心理学会)_3

クライマーは、コミュニケーション能力に制約があるタイプの人が多いような気がします。



■みんなで渡れば怖くない、はなぜ起こるか?_横田晋大_高校生のための心理学講座(日本心理学会)_16

みんなで渡れば怖くない=アイツも、コイツも、カットアンカーのボルトで登っているから俺も大丈夫、というのは、真実ではありません。10年どころか20年以上の時間を経過した、カットアンカーが崩壊するのは、”時間の問題”ですので、ロシアンルーレットです。

前のひとが大丈夫だからと言って、自分が大丈夫という保証はない。雪の山で、トレースがあるから大丈夫と言って、読図を学ばないことと同じになります。



リスキーシフトは男性で極端化しやすい。

誰かこの分野、まじめに研究したほうがいいと思いますけど!!

■ スポーツと体罰

httスポーツにおける体罰の背景 ─根絶に向けて取り組めること
為末 大

2022/03/06

ロジンをエイド認定すればいいだけなのでは?

 こんなニュースが来ました…

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【注意喚起(エリア関連):東京都・御岳ボルダー】

当協会宛に、青梅市市議会議員の方から「岩についたロジンを落とすいい方法はないか」との相談の連絡があり、電話で詳細お話しました。

先方の了解と周知依頼がありましたので、以下に内容を共有致します。

●御岳渓谷内のチョーク跡が議会内で問題視されだしている。

●クライミングの楽しさ、チョークの必要性は理解しているが、掃除の徹底とロジン入りチョークの使用自粛は周知願いたい。 

 ※相談者の方はクライミング経験あり。

●清掃活動をしている団体も確認できた。クライミングを排除したいわけではないので、協力・連携できることはやっていきたい。

●とは言え、状況が改善されない・悪化する場合は自粛要請看板の設置等の声も上がっている。

御岳ボルダー特有の状況(利用者数・途切れないトライ・岩質)、最近のクライミング事情等も説明して、一定のご理解はいただけました。

御岳ボルダーは関東で電車でも気軽に行ける貴重なエリアです。今回は相談ベースでしたが、クライマー側の行動によって今後問題が波及していくことも十分に考えられます。当地が観光地であり他の利用者が多いことも考慮し、特にロジン入りチョークの使用自粛、登攀後のブラッシングのより一層の徹底をお願い致します。

なお、奥多摩町・鳩ノ巣渓谷でも同様にチョークが問題視され出しているとの情報も提供いただきました。

こちらの利用についても十分にご配慮下さい。

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人は安きに流れるもの…チョークだけなら分からないでもないが、チョークにロジンって粘着性を持たせたい、滑り止めにしたい、って意図ですよねぇ?

それって発想がエイドクライミングなんですけど! ボルダーってフリークライミングなんじゃないの?

2022/03/05

アイスクライミングでの墜落画像

普通はないよなー、こんな落ち方

アイスでの墜落は致命的なので、絶対に落ちないようにしか登らないんです。落ちそう、な時というのは、アイスではゼロですから。この人テスティングもしていないし…下手くそ。

2022/03/01

世界的レベルの人は視野も世界的、責任も世界的。

■コンラッドアンカーの投稿

世界的レベルの人は視野も世界的、責任も世界的。

有名になって影響力を持つこと…は、多くの男性の究極の望みだ、と思うのだが、その影響力を、

自分がモテること=自己利益

にばかり使う人が多い。その事例としては、

”5.14登れました、〇〇登れました” … つまり、自分の実力のPRばかり…

ということ。 実力のPRは、まだ無名のうちはしないと仕方ないが、実力が証明された跡にも長期にわたってずっとやる必要はない。もっと建設的なことに力を使うほうが意味がある。


その、”建設的なこと”とは??

こういうことですよ。

日本のクライミング界の問題は、発言力のあるトップクラスのクライマーが、みなお子様、ということにあるんだろうな。




2022/02/28

【世界情勢】ロシアが大会から外れる

今日来た情報です

ーーーーーーーー以下引用(機械翻訳文)ーーーーーーーーーーー

PZAは、ロシアとベラルーシの連盟を国際的な登山団体から除外することを訴える!

ロシアの不当で残虐なウクライナへの侵略に直面して、私たちも、

クライミング環境の代表者たち、私たちは無関心ではいられない。 理解とともに

我々は国際オリンピック委員会の役職を受け入れました。

名前にちなんだもの。 ロシアとその協力的なベラルーシ、自由侵略

独立したウクライナ、オリンピック休戦に違反した。 2つの国際連盟が、全国登山団体を集めて、MKOLの足跡を追った。 UIAAとIFSCは、ロシアで行われていたアイスクライミングとスポーツクライミングの大会を中止することを決定しました。

しかし、スポーツ大会の中止は、ロシアの未曾有の攻撃に対応する多くの環境が取るべき第一歩でしかないと信じています。 UIAA、IFSC、ISMFにロシアとベラルーシの組織をこれらの連盟のメンバーから除外するよう訴えました。 想像できなかった

ロシアの登山家は競争で障害なく競争したが、同時にウクライナ人は祖国を守るために戦った。

この非常に困難な時期に、ウクライナの登山者とウクライナ国家全体との深い連帯を表したいと思います。

ウクライナに栄光あれ、友よ!

ポーランド山岳協会の理事会

ウクライナ語の発表は以下でも、こちらでも入手できます:

http://pza.org.pl/.../apel-pza-o-wykluczenie-rosyjskich-i...

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ウクライナにおけるロシアの不正で残酷な侵略の顔の前で、

ロッククライミングコミュニティの代表者たち、私たちは無関心ではいられない。 我々は理解者と共にいる

もの名付けられた国際オリンピック委員会の立場を受け入れる

彼らの名前に。 それに協力するロシアとベラルーシはオリンピックに違反した

休戦、自由で独立したウクライナを攻撃。 IOCのポジションは2つに続いた

全国山岳とロッククライミング組織の国際連盟。 UIAAとIFSCは、開催されたロッククライミングとスポーツロッククライミング大会を中止することを決定

ロシアで楽しい時間を過ごすために。

しかし、スポーツ大会の中止は最初の1つに過ぎないと信じています。

我々のロッキー社会が前例のないものに対応するべき一歩

ロシアの攻撃。 我々はUIAAとIFSCにロシア語と除外するよう訴えた

ベラルーシの組織はこれらの連盟の倉庫から。 その状況を想像できない

ロシアのアスリートが大会に参加し、この時のウクライナ人は戦っている

母なる土地の保護。

ウクライナのロッククライマーと皆さんと深い連帯を表したいと思います

ウクライナの人々は、この非常に困難な時期に。

ウクライナに栄光あれ、友よ!

ポーランド山岳連盟の管理

UIAA - International Climbing and Mountaineering Federation 

International Federation of Sport Climbing (IFSC) Федерація альпінізму і скелелазіння України 

Climbing federation of Russia

ISMF World Cup Ski Mountaineerin

2022/02/27

9Aをやっている動画


難しいものを登る能力と、未知の場所に挑む能力は、まったく別ものです… 

この9Aへのトライを見ても、未知の場所に挑むために必要な能力は、全く必要とされていませんよね(笑)
一方で、世界的レベルのアルパインクライマーは、みな読図は当然のようにできます。難しいものを登る能力としては、一昔前の5.11は全く不十分で、5.12は必要最低条件で、十分条件ではありません。

2022/02/26

ウクライナ情勢 クライマーバージョン


■ アダムオンドラ君の投稿

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I have always thought that I live in a country where all the wars in the world seemed to be very far away or a thing of the past. Unfortunately, the war is raging not that far from Czech borders and even closer to Slovak borders. Join me in supporting People in Need (Člověk v tísni), an organization that can quickly help the Ukrainian people suffering from war. They really need our support now.
At this link, you can pay directly by credit card: http://www.peopleinneed.net/donate/once?amount=1000...
Thank you all.
CZ:
Až dodnes jsem si myslel, že žiji v zemi, kde se všechny války světa zdají být velmi daleko nebo věcí minulosti. Bohužel, ne tak daleko od českých hranic a ještě blíže slovenským hranicím, zuří válka. Připojte se ke mně a podpořte organizaci Člověk v tísni, která může rychle pomoci ukrajinskému lidu trpícímu válkou. Naši podporu nyní opravdu potřebují.
Číslo účtu SOS Ukrajina Člověk v tísni: 0093209320/0300
Na tomto odkazu můžete zaplatit přímo platební kartou: https://www.clovekvtisni.cz/darujte/jednorazove...
Děkuju vám všem.
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何度も言うようですが,治験中。2023年5月になるまで死んでも自己責任

■ 同調圧力に弱い皆さまへ

何度も言うようですが、2023年5月までワクチンは治験中の扱いです。死んでも、自分のせいね、って意味。

”自己責任”というのは、クライミングでは、言い古された言葉ですが、その意味を実践している人はほとんどいない、という不思議な言葉です。

大体、基本的に、勝ち組の都合の良い特権保護のための言葉になっている。

九州ではショートでも2グレード下げて登りましょう

■ 今日のウィークエンドホイッパー

は、ユージさんもいたらしいクライミングでのホイッパーでした。

5.14を登るような人なら、墜落は慣れているハズです。それでもクリップ飛ばしとかしてしまうんですねぇ…

私も、福岡に来てすぐのころ、米澤さん開拓の10Aでクリップ飛ばしをしてしまいました。クリップするゆとりがなくて飛ばしたんですよ。あれ、絶対10Aではないと思います。
後から聞いたら、米澤さんの課題はかなり辛いそうでした。

5.14の高グレードを登る人がクリップ飛ばすくらいなんだから、低グレードしか登れない人が、追い詰められたときにクリップを飛ばすことに対して責めることはできない…

しかも、グレード付与が適切でない場合は、かなり設定者に問題があると言わざるを得ない。なぜなら、より高い次元で物事が見えているのは、開拓者の側であるからだ。

ということで、私は九州では、2グレード下げて登るのを、アルパインのルートではなく、普通のショートのルートでもお勧めします。

四阿屋も、2グレード辛いと言われていますが、その意味は、10Aが10cになるのではなく、10Aが11Aになるという意味だそうです。

2022/02/23

小山田さんのフィンガーボード 

 小山田さんの投稿を見ていて、非常に強く共感しましたので、記載します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー引用ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、僕のフィンガーボードに対しての質問があったのでちょっと書きます。

いきなりですが、なぜフィンガーボードを使うのか?です。

僕の場合は単純に自分のクライミングに対して良い効果が得られると感じるから、そして、やっていて楽しいからです。

フィンガーボードをやってみて効果を感じられない、又は楽しくないと感じる人は無理してやらなくて良いと思います。

大事な事は、フィンガーボードがゴールでは無く、その先に自分の登りを見据えてボードを使うという事です。

そして、ここが一番重要。

何を何セット何分何秒とかに囚われない事、そんなん人それぞれです。

あくまでも対自分の身体、身体と対話しながらやる事が重要です。

自分で良く考えて、自分で良く感じながらボードと接する事です。

そうすれば、エッジにぶら下がるという単純な動作にさえ、非常に奥が深いという事が解ってくると思います。

細かく書くとキリが無いので、だいたいの輪郭というか、心構え的な事を書いてみました。

これから何回かに分けて僕がいつもやるようにしている基本的なメニューを動画で紹介していきたいと思います。

続くかな?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー太字、当方ーーーー

■ 考察

1)効果がないことはやらない

2)楽しい=内発的動機、そのこと自体で満たされる

3)その先に自分の登り

4)自分の体、と対話

5)自分で考え、自分で感じる = 自分に問いを発し、自分から答えを貰う

■ 自分だけで延々と楽しめたアイスでの経験

私はアイスクライミングでの経験しかありませんが… アイスでは、中級者と言えるところまで行きましたので、私のクライミング経験の中で、もっとも豊かなのはアイスです。

■ 筋力アップから

さて、そのアイスですが、実は、私は、アックスを振る、というところの筋力から、なかったのです。え?!そこから!!です。男子は普通にアックス振れます。

なので、フィンガーボードをするのと同じことで、最初はビール瓶を振っていました。

振り方も、振りかぶるように師匠の鈴木さんに指導を受けたので、振りかぶり式です。うまく触れるようになるまで、アックスを振って氷柱を登っている自分をイメージしていたので、振ること自体は全く苦にならず。

これは効果があり、あっと驚くスピードで、登れるようになりました。女子は単純に上半身を使う運動の経験値が異様に低いためです。小山田さんの言っている1)、2)、3)、4)はここです。

とくに、4)。振る練習なんて、男子にはイラナイ人がほとんどですが、それは人の事。自分の体は自分にしか分からないのが当然です。

■ じぶんで自分の体に問い、自分で自分の体から回答を貰う

私は当然ですが、リードを目指すわけなので、そのために練習にどれくらいの量がいるか?洗練度があれば、本人が満足したリードができるか?

そういうものは、自分でしか答えを出せません。

あなたの基準を押し付けないでください。