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これは、すごい良書でした。
『高みへの憧れ』でしたっけ?
文登研の登山教科書がありますが…
登山家の心のありよう
は、あまり触れられない書籍が多い中、この本のクルティカの言葉は、かっこいいです。
お釈迦様みたいな感じです。
お釈迦さまとお金の話は仏教徒には有名ですが…
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「そこに、毒蛇がいるぞ。かみつかれぬように」
「ハイ、心得ております」
お釈迦様に従って歩いていた弟子の阿難が答えます。
その会話を聞いた農夫が、怖いもの見たさにのぞいてみました。
なんとそこには、まばゆい金銀財宝が、地中から顔を出しているではありませんか。
「昔、だれかが埋め隠したのが、大雨で洗い出されたに違いない。こんな宝を毒蛇と間違うとは、釈迦も、まぬけやろうだ」
農夫は喜んで持ち帰りました。
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さしづめ、これを、名誉、あるいはヒロイズム、ナルシズムに置き換えると、いいですね。
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「そこに、毒蛇がいるぞ。かみつかれぬように」
「ハイ、心得ております」
師匠に従って登っていた弟子が答えます。
その会話を聞いたクライマーが、怖いもの見たさにのぞいてみました。
なんとそこには、新品で、残置のカラビナが、終了点からぶら下がっているではありませんか。
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とか…
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「そこに、毒蛇がいるぞ。かみつかれぬように」
「ハイ、心得ております」
師匠に従って登っていた弟子が答えます。
その会話を聞いたクライマーが、怖いもの見たさにのぞいてみました。
なんとそこには、大ランナウトしたルートがあるではありませんか。
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そんな感じかなぁ(笑)。
まぁ、私が思うには、登攀能力と匹敵する範囲では、ランナウトというのは受け入れざるを得ないものですが、それでもランナウトを自慢する、というのは、大蛇と同じレベルの煩悩のような気がしますね… 負けてはいけない誘惑、という意味です。
冒頭にクルティカが、ピオレドールの生涯功労賞を辞退するところが出てきます。 誘惑に負けないように頑張るという感じが、よく表れている箇所です。
これだけ頑張っても、山が競争の世界になってしまう…グレードの弊害、ということなんだろうかなぁ…。
まぁ私はクライミングは、グレードではないというような教育を受けたのですが、かといって、アルパインのルート選択ではある程度のグレードの理解がないと、とんでもない不釣り合いなところに行ってしまう…という問題があります。
もちろん、きちんと敗退を前提に行くならば、どんな難しいところでも取り付いても構わないのですが…
その敗退を前提に行くならば…ってのが出来ないと? リスクですね…
敗退を想定しないロープ構成で行くなど、100年くらい早いのかもしれません。
まだ、読み始めですが、大変な良書なので、皆さんも是非読んでください☆