2022/12/29

壁での雪崩

■ 雪崩が起こる場所での区別 

私はアルパインアイスをしていたので、冬の沢の雪崩は警戒心があったのですが、壁で起こる雪崩について分かっていなかったので、アドバイスを貰いましたので、掲載します。

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壁でも雪崩は出ます。

私は剱岳で80度くらいの傾斜の岩に、新雪が20センチも付着したのを見たことがあります。

これ雪崩になって落ちました。

クライマーが吹っ飛ばされ、スノーバーでセルフをとっていたのでセーフでした。スノーバーは45度くらい曲がっていました。
 

人生クライマーで山野井さんがマカルー西壁前のトレーニングに、唐沢岳幕岩に行って降雪。壁一面の巨大スノーシャワーとなり、あれは雪崩と同じです。
 

12月一周目に私は黄連谷右俣のインゼルを越えたあたりで、自分の足元から雪崩を起こし、完全埋没したことがあります。運良く自己脱出が出来ましたが、口の周りの雪を除くまで、呼吸ができずに意識が遠のきました。後数秒で意識がなくなったでしょう。

新雪20センチで、雪崩の長さは30メートルでした。

こんなチンケな雪崩でも人は死ぬと思いました。私は以後雪崩については過敏警戒するようになりました。 

今年の4月1日の赤岳南峰リッジ取り付き近辺の雪崩事故は、事前の予兆があったときにエスケープしていれば避けられたかもしれません。

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確かに摩利支天に登りに行ったときは、前日30cmの新雪だったので、雪崩の警戒をし、滝に近づく前に

 弱層テスト

をしました。

福岡の山岳会レベルだと、阿弥陀北稜、南稜、主稜線の縦走くらいはするのかもしれないと想像しますが、いくら太平洋気候の八ヶ岳でも、前日30cmのときは、警戒が要ります。

余談ですが、雪崩講習会は、4-5万円講習費がかかりますが、出る価値があります。日山協のより、労山の講習会の方が細かくて、埋没と搬出もあり、価値があります。

一般縦走で雪になれたら、次はラッセルの山となるかなと思いますが、九州のメンバーがなれている大山は、湿雪です。乾いた雪の雪崩とはまた違う感じがしました。

どちらにしても、九州では雪について体験知を深めていくことはできないと思うので、いきなりヒマラヤでーす、となるのかもしれません。

数年雪国で暮らすと、雪や寒冷についての知識も増えるような気がします。 

八ヶ岳のように寒いほうが濡れに対する管理は楽ですが、濡れると寒くない雪山でも寒い雪山になってしまいます…。ヤツ程度の縦走でも、大学山岳部君たちは、凍傷で下山とかになっているので要注意です。

温かい九州と違って、寒い八つでのアイスはビレイは、ダブルのブーツが要ります。基本的に装備不足が目立つような気がします。 

あと黄連谷は正月前じゃないとダメというのが通例です。