■ アドバイスを貰いました
九州は40年遅れだからなぁ…。
九州では12RP=凡人という情報が与えられていないので、12RPで俺ってすごい?とうっかり誤解してしまうようですが、最低でも凡人のレベルに達していないと、冬壁は厳しいですよ。
ーーーーーーーーーーー
私が5.11aをオンサイトできた頃で、雪がべったりついた一ノ倉沢衝立岩中央稜がやっとでした。
ーーーーーーーーーーーーーーー
■アイスクライミングは別口です
ーーーーーーーーーーーーーーー
YCCの佐野友康(烏帽子大氷氷柱第三登)が無雪期の10aのグレードを、冬期にアイゼン手袋で、1ピッチノープロテクションで登れると言っていました。これM6ですね。彼はフリーはやりません。
夏に沢で魚釣りをしていて、そのシーズン初冬壁で烏帽子奥壁のYCC右ルート(核心は10a)を第二登しました。
冬季初登攀者が何年もトライして登れず、最後は核心にボルトを打つ許可をYCCに求めてきました。佐野は、2000年代初め頃に誰も来ない大谷や米子を登りまくってました。夏の5級ルートを冬に一撃で幾つも登っています。冬の一ノ倉(単独もあり)を幾つも登った人が、どうしても越えられない所を佐野があっさり登って、「俺の時代は終わった」と言っていました。
冬の一ノ倉沢を単独で登っていた秀峰登行会の向畑さんは、60歳くらいで二子の13aを登っていました。
ーーーーーーーーーーー
一般にアルパイン出身のクライマーって体がデカく体重が重たいので、歩荷向きですが、そういう人は、フリーは不利で、フリーでは、
のっぽでガリガリに痩せた人が有利
なんですよね…。
指力というのは、個人差が少なく、体重というのは個人差が大きいので、指の力vs体重で、体重が勝つと、どうしても、外岩では不利になり、それが小柄な女性がルートによっては、13が登れてしまったりする理由の一つになっています。
逆に老人になって体が痩せて、グレードを伸ばすタイプの人もいます。年を取った時の体型は親を見れば分かります。
■ アイゼントレのレベル
アイゼントレ=冬壁を意識した特化したトレーニングです。
ーーーーーーーーーーーー
越沢の6級ピッチをアイゼンで登っていた女性がいました。彼女はフリーはたいして登れませんでした。
越沢でのアイゼントレは、ランナウトしている所もあるので、墜落で足首の骨折なんてあり得ます。
蒼氷の青田浩さんは越沢をアイゼン手袋で、縦横無尽にフリーソロで登り降りしていたそうです。そういう人だからアンナプルナ南壁が登れたのでしょう。
ーーーーーーーーーーーー
アイゼントレは、私も越沢でしていますが、傾斜がない岩場では、バランスクライミングなので、女性でも行ける場合があります。
要するに、目標に合わせたトレーニングをするべし、ということです。オールラウンドに何でも屋になっても、特定のルートが落とせるわけではありません。
目標のルートに即したトレーニングを専門的に積むべき、なのです。ということは、
目標のルートを落とすには、どのような要素が必要か?という因数分解が上手にできる
必要があり、これは知性の問題、ということになります。
逆に言えば、何でもやっていて節操がない=知性は使っていないで、自分の楽な山をしているだけという状態です。
目標ルートの因数分解というのは、人の山の腰ぎんちゃくをしていても出来ないですよ?
ボルダーで身につくのは、突破力一点です。そりゃ、突破力はあって困らないものですが。
人工壁で身につくのは、ムーブだけです。リスク管理能力はゼロですし、外岩にインドアリードの論理を持ち込むことになると、逆にリスクが上がります。 インドアのビレイを外岩でやってはだめです。特にコンペのビレイです。
■ 5.12RPは、凡人クライマーですよ 目指せ!13、10便
ーーーーーーーーーーーーーー
私は凡人クライマーは5.11-がオンサイトで、5.12-はレッドポイントはできたほうがいいと思います。これぐらいは登れるという最低限の自信をつけるためで、精神安定剤みたいなものです。
13aが10便で登れるくらいだと、冬壁の自由度は上がるでしょう。
ウーリ・ステックと三大北壁の記録を抜きつ抜かれつしていたダニー・アーノルドは、5.15aを登ります。
ーーーーーーーーーーー
■ エイドクライミングは、もはや迷惑行為扱いの時代です!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昔の湯河原幕岩正面壁のグレードはⅢ級A1(笑)
桃源郷の一番下のシルクロードがある所は、アイゼンの爪跡だらけでした。Ⅳ級くらいでした。今よりホールドは大きく、エッジも十分にありました。今はエッジはなくなり、ホールドは丸くなってⅤ+(5.8)です。フリーのグレードをアイゼンで登れるのは、一般クライマーならⅤ級(5.7)くらいでしょう。
錫杖岳の左方カンテの中間部は垂直にやや欠ける傾斜に、アブミで登れる間隔で残置がありました。これってⅣ級+くらいです。冬季にこれがフリーで登れない人たちが支点を打ちまくったのでしょう。何年か後にジャンボ達にクリーニングされました。
ーーーーーーーーーーーーーー
ハーケン回収しなかったんですかね?? 普通はセカンドが回収するものですが。
もはや、回収なしのエイドは、迷惑扱いの時代です。沢くらいでしょう、ハーケン残置してOKなのは…。
沢でも、どうせ朽ちるので、へたに人工物を残しまくるのは、見た目からして嫌だなと私などは思いますが。だいたい、沢で残置していあるのは、敗退ハーケンだし。
九州のクライマーは、現代クライミングの情報を受けていないと思うので、ご参考に。
■ 事例