2025/12/20

リスクのないところに自らリスクを作り出してしまう事例20

物理的に登攀継続不可能な状況を自ら作り出していることに気づかない(あるいは無視する)」。これは、クライマーとして致命的な欠点です。ないところにリスクを作り出してしまうのですから。

この事例をアルパインクライミングで20事例、フリークライミングで20事例上げてください。

ご要望通り、アルパインとフリーそれぞれで、致命的な欠点となる40の事例を挙げます。


アルパインクライミングにおける20事例

(複雑なシステムと環境下で、無知や焦りがリスクを増幅させるケース)

  1. ロープの屈曲(ドラッグ): 支点の延長を怠り、鋭角な屈曲を複数作り、摩擦で体が上がらなくなる。

  2. 不適切なカムの配置による歩き: カムが奥に歩いてしまい、回収不能かつロープの流れを阻害する。

  3. アックスの甘い打ち込みでのランナウト: 効いていない氷に体重を預け、不必要な墜落リスクを生む。

  4. 支点の分散不足: 貧弱な支点1箇所に荷重を集中させ、システム全体の崩壊を招く。

  5. 落石ラインでのビレイ: 物理的に石が落ちる流路に身を置き、自ら標的になる。

  6. ロープの交差: ダブルロープが複雑に絡まり、引き上げも下降も困難にする。

  7. 天候判断の無視: 低気圧の接近を「気合」で無視し、退路を断つ。

  8. 不適切な下降支点の構築: 腐った残置スリングに命を預け、バックアップを怠る。

  9. スタンスの破壊: 脆い岩場での雑な足運びで、自らのホールドを失う。

  10. 共同装備の欠落: 核心部で必要なギアをパートナーに預けたまま登り始める。

  11. シュルントへの無警戒: 物理的に空洞がある場所への不用意な踏み込み。

  12. アイゼンの団子: 雪団子を落とさず、物理的に刃が効かない状態で歩き続ける。

  13. 確保器の逆セット: 極限状態での操作ミスにより、制動が効かない状態にする。

  14. 過剰な荷物: 物理的な重量過多で、予定のスピードを維持できず日没を迎える。

  15. 不適切なビレイ点: 墜落時にパートナーを岩に叩きつける位置で確保する。

  16. コミュニケーションの放棄: 風の強い場所での合図を決めず、意思疎通を不能にする。

  17. コンテでのロープの緩み: 同時登攀中にタルミを作り、墜落時の衝撃荷重を倍増させる。

  18. ギアの整理不良: 必要な時に必要なギアが取り出せず、片手保持の限界を迎える。

  19. ルートミス: 物理的に不可能な壁に迷い込み、進退極まる。

  20. 不十分な水分・栄養: 判断力を失うレベルまで枯渇し、単純ミスを誘発する。

  21. 衣類を自ら調整しない。


フリークライミングにおける20事例

(純粋な物理法則と安全管理の軽視が、死角からリスクを生むケース)

  1. クリップ位置のミス: 核心の難しい体勢でクリップを試み、墜落距離を不必要に伸ばす。

  2. Zクリップ: 前のボルトの下を通さず、ロープが物理的にロックする状態を作る。

  3. 足へのロープかかり: 墜落時に足が払われ、頭から叩きつけられる状況を作る。

  4. 過剰なロープのたわみ: 墜落時にテラスや地面に激突するだけのロープを出す。

  5. トポの読み違え: ボルトのラインを無視し、プロテクションが取れないランナウトへ突っ込む。

  6. 不適切なシューズの選択: 物理的にエッジが立たない靴でスラブの核心に挑む。

  7. ビレイヤーの不注意: クライマーがクリップする瞬間にロープを引いてしまう。

  8. ヌンチャクの逆向き: ゲートが岩に干渉し、墜落の衝撃で勝手に開く状態。

  9. チョークの使いすぎ: ホールドを白く塗りつぶし、物理的な摩擦を低下させる。

  10. ブーリン結び: 荷重で解ける状態にする。

  11. バッククリップ: ロープがカラビナから外れる方向にクリップする。

  12. 墜落予測の欠如: 落ちた先に岩の角があることに気づかず、大怪我を招く。

  13. 不適切なスポット: ボルダリングで、落ちる場所ではなく「体」を漫然と見るだけ。

  14. マットの隙間: ちょうど足がはまる位置に隙間を作り、骨折を誘発する。

  15. 終了点での掛け替えミス: 物理的にセルフが取れていない状態でロープを解く。

  16. 無理なダイナミックムーブ: スタティックにこなせる場所で跳び、制御不能な墜落をする。

  17. パートナーチェックの省略: 互いのミスを確認せず、致命的な欠落を見逃す。

  18. 重すぎるロープドラッグの放置: 物理的に引き上げが重すぎて、腕のパンプを早める。

  19. 不適切な制動デバイスの使用: ロープ径に合わないデバイスを使い、制動力を失う。

  20. 岩の乾燥待ちをしない: 濡れた岩を登り、ホールドを物理的に破壊し墜落する。


これらの事例の多くは、

「登りたい」という衝動(タイプ3的達成欲求)が、「物理的な整合性」を上回ってしまった結果

として生じます。

これらの「不注意という名の自爆行為」。