■イケていない観光案内の人
今回の旅を通じて感じたのが、観光案内の人がイケていないこと…。
事例1:旭川駅でも到着してすぐ、観光案内所に行ったが、層雲峡に行く方法すら案内できない有様で、となりのバスセンターで聞け、とか言う。層雲峡って旭山動物園の次くらいにみんなが行く場所なんだから、案内できるようになっているのが自分の仕事だという自覚がゼロのようだった(汗)。
事例2:その上、この日はアサヒカワライドに泊ると言ったのに、どうやってたどり着くのか、道案内されず。携帯で見れば分かるでしょという最初からそんな感じだ。しかし、Googleの案内は、時に大きく間違えるので、ただまっすぐ行けばいいだけの道で、雪が深々と降る中を遠回りして着いた…(ーー;)
たぶん、旭川市は、一般的な観光案内、普通に自分で立案していくとしたら、こうやって調べるだろう、という案内が可能なくらいには、係員をトレーニングしたほうがいいですよ…あれじゃ、案内にならないだけで、観光客むしろ追い返している…
ま、糸島もそんな感じでしたけど…。
■ スキーが超ビックなアトラクション
が、アサヒカワライドは、海外の、ワールドツアー型スキー客の滞在がある、バッパー型のゲストハウスで、海外からのゲストのマルコとケビンに話を聞くことができた。
オーナーの杉浦さん自身も旅行経験が豊富なようで、海外の地図がいっぱい置いてあった。
風呂はシャワーのみ。キッチンは必要なものは、大体、何でもそろう。必要十分して、簡素な宿で定宿にしたい。
私はお風呂は入らないタイプというか、好みがうるさすぎて、塩素がダメとか言うし、それくらいなら、入らない、みたいな感じで、2週間くらい山小屋みたいに入らないで平気なので…施設も十分だった。もちろん、温泉は大好きなんだが。
オーナーの杉浦さんはもとはクライミングもしたようだが、今はあまり興味がないようだったが…。海外のMTBとか投稿があったので、楽しそうだったんだが、ちょっと疲れていそうだった。ゲストハウス運営は、拘束時間がネックなのかもしれない。ちなみに、台湾のTheBivyでは、ゲストは誰もいない部屋につくことになる(笑)。勝手に鍵を探して家の中に入るんだけど(笑)。オーナーのケリーも、QXも他に仕事持っていて忙しそうなんだよな。
コモンルームの本棚には、ちゃんと『生と死の分岐点』や『百岩場』もおいてあり、その他山の本が多くて、大分、参考になった。クライミングもするが、アルパイン寄り、山寄りなのか、フリークライミングの技術書はあっても、ロクスノは置いていなかった。
北海道のクライマーは、全体に、ずいぶん、アルパイン寄り、というか、冬山寄りみたいだ。きっと北大山岳部が優秀だからなんだろう…そういえば、沢で一度ご一緒したNHKの米山カメラマンは、北大だったよなぁ。
私は岩場がある場所にゲストハウスがあって、ゲストたちが岩場に行くのに足を用意しなくていい、というのが肝だと思って適地を探しているが、スキーヤーは連日、あっちこっちのスキーリゾートに行きたいみたいなので、そうなると旭川がベストロケーションかも?
■ 北海道ではスキー三昧が正解
アルパインクライミングは、どこでも廃れているが、北海道では山が本格的過ぎて、私みたいな入門者が気軽に入れる山は、あまり見当たらないかもしれない。
いきなり冬山の大雪山ってないしなぁ…。初めての山に入るには、最初は夏山から。そして、ゼロ合目から…。できるだけ長いコースをたどって入るのが作法だ。
そういう山屋の礼儀を考えなくて良いのが、整備されたスキーリゾートに入る、スキーヤー。
それに雪もパウダーなので、雪洞も作りにくいみたいだし、北海道の冬に雪を満喫するなら、冬山とか、アイスクライミングより、スキーなのかもしれない。
■ マルコ、ワールドツアー中のスキーヤー
実際、アラスカから来ているマルコが、なんと4か国、16スキー場も回っているので、びっくりしてしまった。
ラオスでも、同じようなことをしているクライマーが一杯いて、グリーンクライマーズホームには、ヒマラヤ行って、韓国で登って、台湾に言って来て、今ラオスで、次はタイ、ってクライマーが結構いた…。
そこに日本は入っていないし、日本人クライマーも入っていない…。なんだかイケていないんだよなぁ…日本。なんでこんなことになってしまったのだろう?
■ ロングバケーション
ヨーロッパでは、みんなロングバケーションなので、一か所に滞在する時間も長く、一か月も国を開けることがそう珍しくないみたいだ。
そうやって、みんな、勤めを持ちながらも、バム・クライマーの夢をミニサイズで叶えている訳なんだが…。
そういう西洋人を見ながら、日本人だけは、労働改革が遅れて、いまだに24時間働けますか?みたいな勤労観から抜け出せず、ロングバケーションを取り損なって、嫉妬で怒り狂わんばかりになっているのかもしれない…
働いている人がみじめに感じられ、バケーション中の生理学者マルコは生き生きしていた(笑)。
したいことやるぜ!みたいな?ということで、色々北海道のスキー観光について、アドバイスを受けたんだが、日本で困っていることは、やっぱり交通の便。
レンタカーが高すぎる、
ということだった。
一般にレンタカーは先進国でも50ドル/日くらいなのに、日本は、ぼりすぎ。一日2万とか誰が払うの?
ちなみに合理主義の精神の西洋人は、お金持ちでも払わないと思う。
■ タクシー?
スキーもだが、クライミングもギアがいっぱいあるので、移動が大変だ。いわゆる身一つで移動できる、温泉宿に行くのにタクシーで行けば、みたいなわけにはいかないことが多い。
韓国のクライミングでは、タクシーが激安だったので、結構使ったが、日本では…高くて使えない。日本の登山ガイド資格では、お客を下界から車に乗せることが許されていないという、全く本末転倒なことになっており、そんな縛りがあるガイド業なんて、ほとんど海外でありえない。
言い分は白タク、タクシー業界を守るため、だが、お客さんから見たら、現地に行くのが難しいのに、現地に来たら案内しますよ、って言われても…(笑)。
現地についたら好き勝手に遊ぶから、ほっといてっていうのがクライマーなんで…
結局、日本ではクライミングガイドは意味がない、ので、どの課題が登りやすいか教えてくれる人がクライミングガイドみたいなことになっている…ので、その知識を誰も分かち合いたがらない…。
日本では、5.9は、5.12が登れる人が作っているので、ほとんどの場合、ランナウトしていて、5.9を登れる初心者が登るには適していない。
愚痴になってきたが、システムと市場にニーズがマッチしていない、ということが基本的問題としてあり、マルコのケースもそのようだった。
それでも、アラスカのさらに離島から、彼が知っているだけで7人も北海道に滑りに来ているそうですよ(笑)。
■ カムイスキー場とツリーラン
彼のようなワールドツアー組は、口コミで、情報が広がっているらしく、こうしたゲストハウスで情報交換がされるらしい… 私も色々教えられたからなぁ…
ジョージアにあるスキー場はねらい目だそうです。ニセコは、グリーンクライマーズホームのスキー版だったんですね…。予約が取れないクライマーの宿ですが。
スキーをするワールドトラベラーたちは、どうも、ツリーランが目当てだそうです。そして、出来れば、そのスキーで登ってもいいというようなのが好きなのだそうですが、スキー場は衝突などの面から許可していないのかもしれませんね…
アウトドア専門の、バンでのタクシー業がリーズナブルな価格であれば、流行るような気がします。海外だと空港のお迎えに来てくれるような奴。大体10ドルが相場だけどな。
カムイスキー場は大人気で、コロラド出身の人が、そのために移住を検討するほど、雪質が良いのだそうでした。
■ 地域おこし協力隊出身
というような、ゲストハウスでした。私以外は、アメリカ人の他は、韓国のカップルと韓国人男性一人でした。
杉浦さんというオーナーさんは、地域おこし協力隊でビジネスプランを出して、そこから、ゲストハウス業をスタートしたそうで、新聞記事が張ってありました。
岐阜にクライミングで地域おこししている若い人がいますが、北海道もクライミングを目的とする旅としては、アイス以外は、あまり岩場は無いと思います…。ボルトも悪そうだしね…。
北海道はまだレッドポインターの町なので、九州みたいなめちゃくちゃなランナウト文化はないと思うのですが、どうなのかなぁ…。
故・吉田さんは、私にランナウトしたルートを作るような指示はしなかったけど…。
ここは、Sさんに教えていただいたのですが、ホントに教えてもらって良かったです。
杉浦さんとSさんは仲良しなのかな?ここ、杉浦さん、突然泊まりに行ったため、驚いているようでしたが、泊めてくれて、ホントありがたかったです。
ビジネスホテルなんて、何が面白いの?誰とも合わない独房に閉じ込められるなんて。
何の情報収集にもならないところに、一円も落とす価値感じられないんだよな…。
何しろ、海外のクライマーのニーズと近いと思うんですよね、スキーヤーのニーズって。
たぶん、西洋の人は、中国やタイなどの新興中産階級とは違って、ただの観光っていうのはもはや興味がないと思います。日本人の私だってないくらいだもん。
旭川で他に行ったのは、ジムとスケート場、後はアイヌの歴史を知る博物館だけです。良かったのは、Yoshinoriコーヒー。2回も朝ごはん頂きました。
ギリシャのオリンポス神殿は、カリノモス行くなら、ついでで見てもいい、みたいな感じです(笑)。
なので、たぶん、クライマーやスキーヤーも、旭山動物園は行かないと思います(笑)。
マルコは、アイヌすら知らなかったくらいなんですよ(笑)。
私はクライミングの師匠に、山に登るなら民族や文化も知れ、という特殊な教育を受けましたが、普通のスポーツ愛好家は、文化や芸術、民俗とか、興味ないですよねぇ…
そういえば、よしのりコーヒーで、刑務所を見に愛別に行く、という人を見ましたが…。外国の人はテーマ型観光なので、一般的な観光客のように十パ一からげでは扱えないです。
あ、らーめんすがわらは旭川でおいしいラーメンでした。初日に堪能。