2023/02/11

山岸直将さんのワイドクラック談義… 「何やってんだよ、気分わりーな」

■地球永住計画公開対談「現代の冒険者たち」 山岸尚將(クラッククライマー)×関野吉晴
のアーカイブを見ました。(https://www.youtube.com/watch?v=Ba-6WSfVwXE)
 

あの市村さんが、「何やってんだよ、気分わりーな」って言ったんだそうです。

高いところでノーロープで粋がっているのを見て、です。

やっぱりなぁ…。この、”やっぱりなぁ”は、3つの意味です。

1)やっぱり、粋がりは、かっこわるい

2)やっぱり、一流クライマーは、粋がる必要がない

3)やっぱり、男性は、自分より上の奴に言われないと、聞く耳持たない

んですよね… (笑)。

山岸さんの、不動の拳とか、私はすごい!と思っていますが、ご自身の中ではアルパインの市村さんがスゴイ!と思っているってことですよね(笑)。えらい、堪えたみたいです。

≪参考≫ 市村さんの解説

https://www.yamareco.com/modules/diary/1946-detail-177269

山岸さんの写真で、きのぽんと澤田実さんで、生き残っているのが山岸さんだけ、というのが…(汗)

長生きしてもらいたいです。

■ 子どもを安全にクライミングに連れていくというミッション

私は父親を知らない娘です。私の父は、私、弟、妹の子どもを捨てて、別の人生を歩みました。

覚えている父は、泥酔して、お小水の中で寝ているあられもないオッちゃん。息くさい。

頼りない。だめんず。

私は子供として、父親なる存在に守られる日常を得たことがなく、ちょっと困ったら、Aちゃんのパパ、こっちで困ったら、B君のパパ、という感じで、人のパパを拝借して大人になりました。

覚えているのは、一級建築士の家の子のパパがパソコン持っていて、いつも借りていたこと…。一緒に、三国志というゲームをする程度ですが、パソコンの電源の入れ方とか、その程度でも知っていると知らないでは大違いな子ども時代。

うちは母親が先進的だったので、ビンボーでも、ワープロ、中学で来ました…でも、そこまで。やっぱりパパがいる家は、ワープロ止まりでなく、パソコン…。

クライミングも同じかな~。山岸さんの娘ちゃんが羨ましいです。

一般人のパパだったら、娘をせいぜい青年の家キャンプ場みたいなところにキャンプに連れて行ってあげるのが、せいぜいですよね?

それが、親がまっとうなクライマーってだけで、幼少期から海外クライミング~。すごいエリートみたいな印象を国内クライマーの価値観からは持ってしまうかもしれません。(実際は、クライマーは初級の段階で海外に出たほうが、安全に成長できます。日本では岩場の問題が大きいのです)

■ 女性初心者ニアイコール子ども

男性は、結婚して妻と登ったり、子供ができる前は、どうもわからないみたいですが、女性の初心者と組むということは、 子どもと組むのと同じですよ。

大体、女性の体力って、中高でアスリート教育を受けない限り、小学6年生~中学生くらいから、ほとんど進化しませんから。女性の体力は、腕力があるとか、重いものを持ち上げられるという風には発達せず、持久力、痛みに耐える、メンタルが強くなる、という風に発展するのです。その証拠に、フェリチン50で男性は鬱になり、人間さんではなくなるのに、女性はフェリチン10まで鬱にならないで耐えれます。

男性は、どうもジムでセッションするノリを女性に期待してしまうみたいですが、そんなの、男性同士でやって~って感じかもしれない。

■ モテようとする男子

女性は、男性の、肉体とか、野性味、とかに、つまり、男性が男らしさ、だと思っていることに惹かれるものだ、というのは、男性の思い込みかもしれないですよ。

うりゃーみたいな? 

基本、女性から見たら、キモイ…。私とかは弟がいたので、も~やんちゃねーみたいなノリで許している(あくまで許せる、みたいな意味合い)

なんで、一生懸命、モテようとPRしてくれていることが、女性には逆効果かもしれない。

女性は現実主義者なので、現代社会では肉体パワーって魅力にあまり入らないかもです。男性ならパワーあって当然だしなぁ。

それより、現代を生き抜く逞しさが欲しいですよね、男性には。

ポカやって、しょうもない理由で山で死ぬような男性の子どもを身ごもってしまって、未亡人になるっていうのが一番起きてほしくない、不幸なことかな…。

■ 子どもと登る山のアレヤコレヤ

私は子供と山に登ったことがあるのですが、子供は安全に敏感で、男の子でも、ちゃんと急な坂ではしゃがんだり、上手にリスクが避けられると思いました。

森のようちえんでは、子供をただ野に放って、先生は何もしないそうです。

なので、昨今フリークライミングがグレード競争になってしまったのは、子供時代に山で遊んでいないからかもですね。 

■ ロープクライミングの方が山より安全

山岸さんのリスク管理では、クライミングの方が山より安全って言っていたので、やっぱりそうよね~と思いました。

高齢者も同じですよね。

どこでも落ちれてしまうような、例えば妙義山とか、ジャンダルムとかにイチかバチかの命がけをしに行かないで、フリークライミングで、JFAがリボルトしたボルトルートに登っていれば、それが一番安全です。

問題は、安全な新しいボルトのルートが少ないってことですけど…。ホント、40年経過したカットアンカーでバンバン落ちるようなクライミングを指導するっておかしいです。

子どもを野外に連れていくための本を山岸さんに書いてほしいなぁ。私はこどもクライミング体験をやっていたのですが、子供でも、外岩はスラブからです。成人と同じですね。

私はスラブから、クラック、クラックからワイド、ワイドからフェイスと行くのがいいと思いましたが、女性は指が効く人が多く細かいかチラーも多いので、スラブからフェイスのかチラーに行く流れが主流なのかもしれません。私は指が弱いので、カチやフェイスには全く魅力を感じませんが…なぜかクラックは可能性を感じます(笑)。

なにしろ、背が低いので、プロテクションを自分で打てる、アイスやトラッドの方が私には安全なのです。なので、子供も同じかもしれませんね。

■ フリークライミングが競争に汚染されている

グレード競争に陥っているフリークライミング界…

たった4本 10Aを終わっただけで、次のグレードとか、練習方法自体が私にはまったく合っていないと思いました。

クラックも、トップロープクリーンで登れたら、ハイ次はリードね!って危険すぎますよねぇ?

そんな教わり方しか、学び方しか、みんなしていないってことです。

それじゃ、岩場で事故が増えて当然だわな~。 なんで、みんなが5.12楽勝で登れる時代になっているのに、グランドフォールで大怪我しているとか、フツーなのか?

それは、やはり、やり方が間違っているから、思想が間違っているからでしょう…。

同じ競争でも、ミニマムな道具で登るという原則を守りつつ、いかに安全に行えるか?で競争していたら、 こんなことにはならなかっただろうなぁ。

■ 強いクライマーはそもそも粋がる必要がない

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The thing about climbing is that there’s always somebody better.

 The best of the best don’t need to put up barriers, they are generous

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訳:クライミングってものは、常に上には上がいる。優れている人たちの中でも、特に優れている人は、心の防御線を張る必要がない。

です。

粋がっている時点で、”かっこわりーな”、になるのは、このためですね。市村さんが教えようとしたのは、このような姿勢ではないですかね?