■ ロクスノ096の九州アイスクライミングの記事
鹿児島黒稜会の記録で、ルートが紹介されている。私はちなみに行ったことがない。行きたいという気持ちにこれを見てなるか?というと…、せっかく紹介してくれたのに、なんだか申し訳ないような気がするんだが、ごめん…ならない。グレードも適切なのにね…。
黒稜会は、私が福岡でご一緒していた九州開拓クライマーの米澤さんの古巣で、私は米澤さんのことは、お会いする前から、折り目正しい由緒正しい山屋さんだな~と思って尊敬していた。近所の背振を歩きつくした記録に好感したから…なんだが、お会いした時点で、74歳で、もう今では80歳に差し掛かろうというご年齢です…。(知っていると思いますが、米澤さんは屋久島フリーウェイの開拓者)
それで、開拓していた岩場で使っていたボルトが、とっくに山梨や本州では使われなくなっている
カットアンカー
だった…としても、無理もないのかもしれない…
…んだが、そのような情報弱者であることを気が付かない、後進の人たちが、問題なのかも? 誰か、なんで教えてやらなかったのだろう…
クライミング歴3年しかなかった私だって、米澤さんにFixe社のボルトを進呈しようとしたくらいなんだから…当時クライミング歴3年の浅知恵ですら、現代クライマーなら、Fixe社くらい、知ってる。JFAが縁遠くて、フリーファン見たことがなかったのかなぁ。
だから、若い人があんまり頑張っていないのか?それとも、儒教の影響で、目上の人が言うことを丸のみしてしまうのか… そこは分からないが、
九州のクライマーの情報弱者ぶりは、若くても、かなり深刻…
は分かる。ロクスノ096号は、2022年6月の発刊で、九州ではM5のミックスで、なんだかすごいことだ、ということにされているような書き方なんだが…(誤解ですよね?)
ごめん、私、ただのオバチャンクライマーだけど、もうミックスM5のマルチ行きました…みたいな?
M5とか、M6は、20年前…つまり、2003年時点の難ルートで、もはや、トップクライマーは進化してしまい、”難ルート”ではなく、”入門ルート”&”エンジョイクライミング♪ルート”、なんですよね…。
アイス歴40年の往年クライマーの師匠にとっての、エンジョイクライミングルートは、私みたいな入門者にとっての入門ルート。ちょうどよいので…。
■ 記録とエンジョイクライミングルートは違う
もちろん、クライミングの喜びは、個人のものだから、M5だって私にはすごいことですよ!リードまだしていないし。
でも、それ、”私には”、で、現代のトップクライマーにとっては楽勝だってことくらいは、分かる…
こちらが現代アイスのグレーディング表です。
■ 現代はミックス時代は終わって、ドライ時代ですよ?
言葉の使い方も変わり、ミックスはまだ使うけど、ドライのDのほうが現代トップレベルです。
現代のトップクライマーってD14とかD15を外で登っているんですよ?
それでも、ボルトルートだから、トレーニングです、みたいな感じ。
MとDは、まぁ大体同じです。M5はD5とほぼ同じ。ドラツー(ドライツーリング)は、練習壁が東京の昭島と、長野の岩根、あと、たらこウォールくらいしかない…。
ドラツーのメンバーはみな顔見知りです。私はコンペ出たくらいで、知り合いができたときに引っ越しになったので、ギンちゃんくらいしか知らない。でも大分のクライマーですよ。
というわけで、M5は現代クライミングでは、難ルートとは言えない。どちらかというと、フリークライミングの5.9みたいな位置づけ。登れて当然みたいなグレードだ。
だから、M5とかM6だと、見つけても、もしかしたら、誰も発表しないかもしれないですよ…。
私も奥昇仙峡で、初心者のころ、見つけた滝ありましたが、誰にも教えていない…。ちっぽけな滝で、雑誌に載せるようなものではないと思いました…。というか、思いつきもしませんでした。
ロクスノって記録を乗せる雑誌だと思っていたので。
■ 長所をPRしているつもりで欠点をPRしている?
それにしても、ロクスノは、なんで、こういう記事が出たときに、相手に教えてやらないのでしょう?なんか嫌がらせ? それとも何にも考えていないのでしょうか…。
正直、これを表紙で見たときは、この号のロクスノ、買おうかな~とチラッと思ったんです…。
九州に来ている”不運な”アイスクライマーって私くらいしかいない…もしかして、私のために掲載してくれたのかな?って…私は長女なので、なんでもよい方に解釈してしまう癖があります。
が…、中身見て、買わなくて良かった、と思った。アイスは、一番好きなクライミングだけど、私は当然ですが、記録を作ることには興味がなく、
脆い氷瀑には決して登らないように指導
を受けました…。いくら支点がスクリューになっても、
スクリューは壊れないけど、氷は壊れます
から…。青ちゃんなんて、-24度にもなる冬の八ヶ岳の氷瀑でも、南面のは登らないくらい用心深いですよ?ベテランがベテランであるのは、脆いのは登らない判断がきちんとできるからです。
そうでないクライマーは、みんなベテランになる前に死んでる。
知り合いの男子は、登って足、折ってた…。一緒に行っていたらレスキューしてやらないといけない側です…。
■ 九州ではボルダーをしましょう!
でも、九州は温暖なんだから、無理してアイス登らなくていいんじゃないかな… いくら温暖でも、ピークを目指していれば、氷やミックス帯が出てくるときがある…その時に対応力がある、程度でいいのでは?
やっぱり、 九州では日之影ボルダーでしょう! 地の利を生かしましょう!
冬でも上裸で登れるのは、九州だけですよ(笑)。