2020/03/04

クライミングにおける女性性vs男性性

■ハーネスすら買えなかった話

俺が始めたときは、ハーネスを買う金すらなかったぞ、というスティーブ・ロングさんの話が回ってきました。

ハーネスは今でこそ、基本装備とされていますが、アルパインの基本からスタートすると、最初のスタートは、簡易ハーネスです。つまり、簡易ハーネスで登れるところしか登らない。要するに、そんな易しい、緩やかな、傾斜しか登らないって意味です。ちなみに簡易ハーネスに落ちると、かなりおまたが痛いハズです(笑)。

■ベイビーステップの遵守

ベイビーステップというのは、小さい小さいステップと言う意味です。

多くの現代クライマーに、私が、成長を拒否しているように見えているか、と思いますが…、5.9を十分にやることなく、ジムでクライミングスキルだけをあげ、クライミングピラミッドの底辺が狭ーい状態で、5.11に進むことに抵抗しているだけで、成長そのものにNoと言っているわけじゃないんですよ…

でも、まぁ今は怪我の回復期で、成長期ではないです。

どんなことでも、成長プロセスにおいて、事故や怪我を最小化する手法は、ひとつひとつの成長ステップの幅を非常に小さくする、と言うことだと思います。

まあ、時には大胆な手法も必要ですが、それはたまに、で、平素はベイビーステップです。

■ 女性性vs男性性

その幅が、男性から見たら、どんだけ小幅やねん!みたいになっているとは思いますが、まぁ仕方ないですね、それが女性らしさと言うことなんで。繊細さです。

結果、”できないです、できないです、と言いながらできる”、っていうことになりますが、それが安全につながる姿勢で、”できる、できる、って言いながらできない”、のがクライミングでは一番、危険です。これ、大胆さ、ということで、男性性、です。

去年、夏に、佐久でそんな初心者に会ってめっちゃ腹が立ちました…50代女性です、なんでも、行く行くって…。でも一般に”イケイケクライマー”のほうがクライマー間には評判が良いです。その人は他者から評価を受けるのがうれしくて、そう行動していたみたいです。

”行く”って気持ちが自分の、”行く”っていう気持ちなのか、それとも”他者が行け”と思っている”期待”に応えての”行く”なのか?気を付けましょう。

周囲も、チャレンジを応援しすぎないようにしましょう。

チャレンジ精神というよりも、教えるべきなのは、

 リスクとチャレンジの兼ね合い、

みたいな部分です。大体2グレードですよ。

私は、できないと明らかに分かっているリードを取りたがる人は評価しません。また、ビレイヤーを選ばないで登る人も評価しません。

■ 資金乏しく、物事を始める

スティーブさんは、資金乏しく物事を始めることの美点を語っておられます。

事例としては、今の時代、なんでもかんでも、ドメインドメインで、売れてもいないのにドメイン代金払っている人を見ると不思議に思います。

そんなの売れてからやればいいことなのに…。資金にゆとりがある人のやり方で、やらないで、ゼロでやれることからやるというのが、色々なリスクの取り方を覚える手段です。

なので、たいていの起業家は最初は2足の草鞋です。じゃないとリスクの取り方が分かるようにならない…と思います。

クライミングでは必須と言われるハーネスすら、実はなくても、クライミング自体はスタートすることができます。

ロープがなくても、ボルダーができる。
シューズがなくても、肌足クライミングという手もあります。
チョークは、大体は冗長なので、なくても可能。

まぁアイスクライミングでアックスがないとか、無理!ですが、ほぼ要ると言われているものは、ナシで実践可能ですので、小さくスタートすると

その装備で可能なこと、

に目が行くと思います。事業も同じで、今ある資源でできること、に目が行くと、

ある

に目が行き、

ない

に目が行かなくなると。そこが本当のスタートでは?