さて…今日は、穏やかな晴れで、なんだか気分が良いです。
というので、色々と、考察の続きを書きます。
フリークライミング、を教える機関がどこにもないってハナシ
ですが…、やっぱり、フリークライミング協会、が基本的にフリークライミングの教育機関たるべきなのでは…???
ちなみに、私は実はフリーは、全然フリー(自由)じゃないから、あんまり好きではないのです…
■ 注文の多いフリー と 節操のない岩場 の考察
とは言っても、九州に来て、岩場に人工ホールドが取り付けてあったり、木っ端が取り付けてあったりすると、「これは、フリークライミング協会の人が見たら、悶絶&気絶するなー」くらいのことは分かります。
大体、フリークライミング協会のイメージって、”なんだか色々と注文多そう”というもので(笑)、私が、”フリーは全然フリーじゃないから好きになれない”というのと同じ理由です(笑)。
なんでフリークライミング協会が、そんなイメージを持たれるに至ったのか?
それは、たぶん、卵が先か、ニワトリが先か?みたいな話になると思いますが、結局のところ、岩場に人工ホールドとか、岩場に木っ端みたいな岩場が増えて、結局、外岩が過剰に人工化されてしまった=外岩のインドアジム化 が起こったということみたいなんですよね。
そういうのを見たら、そりゃ~誰だって、えー人工ホールドをつけてまでそこに登りたいなんて、それ、ズルでしょーと思うわけです。 ええ、それは、私みたいな、まだ10台でひいひい言っているクライマーだって、ちょっと変ねーと思うのは道理なのです。
付け足しホールドがないと登れないつー話なら、登れるまでトレーニングして帰ってくるか、登らなきゃいいじゃん、ってハナシで。
■ なぜ岩場が人工壁化したのか?
一方で、岩場の整備者の側の事情も分かる。 昨今のクライマーは、安全管理が未完なまま岩場に来ます。
昔はアルパイン全盛だから、懸垂下降やプルージック登攀ができないで岩場に来るクライマーがいるわけはなかったのですが、あれやこれやが分からないまま、基本的に入門の岩場っていうのは、誰しもを受け入れる岩場、です。
となると、初心者だけで登らせられない訳です。経験者も何か楽しむことがないと、連れてくる気にならない。ので、1本くらいは12台や11後半が欲しいとなります。
その人工ホールドがないと13になってしまうようでは、経験者が来ても登るものがない=初心者も岩登りに来れない=両者Lose Loseの選択肢…
その人工ホールドがないと13になってしまうようでは、経験者が来ても登るものがない=初心者も岩登りに来れない=両者Lose Loseの選択肢…
というわけで、これを避けるために、岩場に木っ端、みたいなことになってしまうわけですね。
なので、入門者用の岩場というのは、人工壁みたいなものです。
の割には、ボルト間隔が、成人男性に合わせてあり、あまり万人向けとは言えませんが、それは、今後デビューしていくだろう、フリークライミングの岩場、がそうなので、それはそれでいいのかもしれません。恐怖にも慣れないといけないわけですし。
というので、結局のところ、入門者用の岩場というのは、特殊な立場にある岩場というわけです。大体、都市部から近い近郊の岩場がそうなります。
いわば、クライミングジム代わり、というわけです。余談ですが、クライミングを難しくするのは簡単で、限定を増やせば、同じ課題でもどんどん難しくして行けます。
簡単すぎて登るところがないという人は、靴を悪くし、ザックを重くし、チョークを悪くし、プロテクションをギリギリまで減らして行きましょう。
■ 入門者への教育用岩場
というわけで、インドアジムスタートが主流の昨今の岩場においては、基本的に、入門の岩場では、フリークライミングの掟やイロハは、諸般の事情のために、先輩みずからが目をつむるということにならざるを得ません。
それは段階的な教育が必要ということです。例えば、城ケ崎のスカロップ5.12dに憧れるような男性クライマーは、正しく成長していると思いますが…そのプロセスで死んでもらっても困るわけです。
私は甲府時代に、親しくしていた、あるガイドさんから、「俺、先輩をビレイしていたら、その先輩、カム3つ飛んでさ」という話を聞かされていますが、そういう話を聞いても、それがどういうことか?というのが、基本的には、連想したり、空想したりできないのが、最近の若者のようなのです。
ちなみに上記のセリフを翻訳しますと、”カムのプレースメント技術を磨く前に、限界グレードに挑んではいけないよ”って意味ですよ。
つまり、リスクの取り方、というのを、言葉でストレートに伝えないと多分、分からないのでは?
というので、今というか、ここ30年くらい?求められているのは、たぶん、基本的なフリークライミングの掟を語った話です。
■ 入門者向けルートガイド
杉野さんのOldButGoldは、いぶし銀のような渋くて古いルートが、実はとても楽しいルートだということを紹介している良きルート紹介だと思いましたが、それは5.12代のクライマー向けであって、あまり万人向けであるとはいえません…
5.12にたどり着く人は、クライマー人口のうち数割だと思いますが、5.9を通過する人は、クライマー人口のほぼ100%です。
ですので、世の中に必要なのは、”5.9 But Gold”と言うようなルート紹介の記事であり、それがないから、まぁクライマーらは、ボルダーで糞詰まりを起こしているってことです。
ボルダーで初段を落とした後に、リードに来ても、5.8で登れない人はたくさんいます。
私の後輩だったO君は、元気よく「エイハブ船長登れました~」と言ってくれた(
エイハブ船長は1級の基準課題です)ので、じゃあ、そろそろ外でもリードしないといけないなと思い、私がオンサイト出来た5.10aを勧めましたが、登れず。若いクライマーにとってボルダー1級のほうが、リードより易しいのです。
ボルダーで初段を落とした後に、リードに来ても、5.8で登れない人はたくさんいます。
私の後輩だったO君は、元気よく「エイハブ船長登れました~」と言ってくれた(
エイハブ船長は1級の基準課題です)ので、じゃあ、そろそろ外でもリードしないといけないなと思い、私がオンサイト出来た5.10aを勧めましたが、登れず。若いクライマーにとってボルダー1級のほうが、リードより易しいのです。
”5.9ButGold”なルートは、実は、ガイドさんと開拓者、あるいは、山岳会のリーダーが握っています(笑)。 たぶん、その知識をできるだけ高く売りたいというのが、ガイドさんと山岳会のリーダーたちで、自分は無料で得た知識を、恩売りに使いたいみたいです。
そういう姿勢ではなく、この岩場の”5.9ButGold”なルートはこれだよ!という知識がもっと多くシェアされるようになれば、おそらく、日本のクライミング界は花開くに違いありません…