グレードを駆け上がらさせられる…
私はまだずっと10Aでいいのですが…なんで嫌って言ってるのにグレードピラミッドを駆け上がらさせられるのか…?それが九州では悩みでした。
小山田大さんは、
”ある一つのグレードは40本くらい登らないと分からない”
と雑誌に書いていましたが、九州では
”4本登れたら次”
だそうです。
40:4 10分の1ですよ? 10分の1の努力で次のステップに駆け上がってしまう…これがイケイケクライミングでなくて、何クライミングなんだろう…?
■ 細かいステップを踏む = 安全
そのやり方だと、ステップがおおざっぱなので、私は嫌なのです。
なんなら、5.10A100本ノックでいいんです…
5.11A100本というのをやっている人を知っていますが、11でやるのは許されるのに、なんで5.10A100本ノックは許されないのか?
5.11Aは、どんな内容か?というと、(男性の標準体格の人のフィジカル)+ (努力をほとんどしないか微量…正体と側体が身に着いた程度)で到達できるレベルです。
同じ技量でも持っているフィジカルが女性並みなら、届くグレードは、スライドダウンして10Aになります。これは師匠を見ていたら分かるようになった。スキル、私と変わらないです。それでも背が高く(=取れるホールドのオプションが広く)、力が強い(=持てるホールドのオプションが広い)とそうなります。なので、おじいさんでスタートした人は私と同じくらいしか登れないですよ?
ジムでも、女性は7級や6級を登れるようになるのに1年、若い男性は1日です。
ちゃんと普通に努力すれば、男性なら12は中級者、女性は11で中級者だと思いますが…そういう努力が要らないレベルが、男性の11、女性の10だと思います。(子供から登っているエリートクライマーは論外ですよ)
そういう風に多様な人材を受け入れられる課題作りは日本ではされていない…のは、まぁそれは、現状なので致し方ないですが、男性のメインストリームと同じ価値観を持てないからと言って、その人が考えを変えないといけない、というのは、おかしい。
■迷ったらハードプッシュ!
迷ったらハードプッシュ!は男性で若く予備体力が豊富な人にしか通用しない作戦です。
迷ってもハードプッシュしないで、ムーブ解決してきたから、私はまだ生きているんであって、その方針でやっていたら、今頃、とっくに死んでいます。
しかも、こんなに用心していても、頭7針縫っているんですよ? 2度目のグランドフォールがあったら、もう命はないでしょうね。
迷ったらハードプッシュの人が、それがクライミングで通用する唯一の解でないと気が付くには、大怪我するしかないのではないでしょうか…
いくらメインストリームの考えであっても、メインストリームだから正解、というわけではないのです。
蛮勇が必要、も同じです。クライミングに蛮勇が必要と思っている人は、自分には必要と言うだけで、私にクライミングで蛮勇が必要だとしたら、それはもう、クライミング一生しなくていいって意味ですから…。
フリークライミングというのは、気軽な墜落が許容されるクライミングなんであって、蛮勇が必要なクライミングではないはずですが…。
ボルトルート(スポーツルート)では、低グレードであるほど蛮勇系である仕組みになっている日本の課題…
それが男性中心主義というのは、男性には分からないので、子供や子供並み身長の私のようなクライマーが声を上げていくしかないのではないかと思ったりします。
その声を拾えるかどうか?が、日本でフリークライミングが市民のものになるかどうか?の試金石であるのかもしれません…
蛮勇やハードプッシュの俺ってかっこいいと思っている人は、どうしてもそれを必要としないクライミングを許容できないのではないかと思います…。やってしまうと、自己否定になってしまうからですね。