これは、一流クライマーを育てた樋口先生のコメントです。
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120cm,90cm,60cm,40cm,30cmそして一般的な20cmのものを使って、流れがいいようにセットしてます。
完登できない場合でも、ロワーダウンしてくるときに余分が有れば、さらに流れが良くなるようにセットを微調整して、次のトライに備えてます。
うちうちでは、短ヌン、中ヌン、長ヌンという呼び名で
「そこ、長ヌンがいいんじゃない」とか指示出し合ってますね。
少しでもローブは流れが良い方が、登る方にも負荷がかからなくて済むので。
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■ 精密度が高い!
私も、長ヌン、持っていますが…一本だけです。あとはスリングで対応、なので、120cmスリングと60スリングです。
この写真は小滝を登攀中の私ですが…やっぱり1本目は伸ばしていますね。
■ 登る場所を選びましょう
ノーテンションで登るのは、アイスでは当然というか、岩のように、”やった!オンサイトだぜ~!” とか ”レッドポイントだぜ~!”ってのはありません。
あまりにも当然で、スタイルの区別ないです。
そもそも、登る場所を見極めること、そこからスタートです。どこでも登れるので。
岩場の場合だと、ボルトにより、ココしか登れない、と登る場所が強制的に指定されています。
自由度? ひくーい。
これでは、見る目が育たないですよね。だって最初から、登る場所を選ぶ、という発想自体がないですからね。
ブランクの岩を見て、どこをどう登ろうか?と発案できないということです。
一般にアイスでは、もっともアイスの硬いところを探します。プロテクションの都合がクライマーの都合より優先です。
■ 結果、ロープの屈曲についても、無知でいられる
岩では、ボルトが指定され、登るところも固定されて、いいなり状態、またオンサイトか?レッドポイントか?くらいしか、評価の物差しがない…ので、その結果、ロープが屈曲したら登れなくなる、ということについて、かなり長い間、無知でいられます。(昔はプロテクションはリムーバブルで好きなところを登っていたので違いますが)
レッドポイントした後の登りについて、吟味しない。
逆にスタイルが、クライミングの安全知識を学習する阻害要因になっていますね。
レッドポイントできた!と思ったら、ロープドラッグがあっても、成功!っていう結論にまとめてしまえます…。
なんで、そんなに下手くそなのに、皆自信満々なんだろう?っていう疑問が少し溶けた(笑)。
アイスだったら、みんなに「うーん…」 「あちゃ~」という顔をされるロープの流れであっても、岩登りだと? 「レッドポイントおめでとう!」です。
これでは、反省が生まれないです。
なるほど、こういう訳だったのか。
■ 登りのゆとりは関係なし
ロープドラッグを考える…などは、クライミング中のゆとりの量が必要になります。計算する項目数がそれなりに多いからですね。
美しいライン |
これのどこを登ろうか~と考えて… |
こうなる。 |
つまり、楽しみは、どこを登ろうか~と考えるところからです。 ここを登りなさい!ではない。ボルトルートは不自由ですなー。