■押し付けと気が付いていない無謀の押し付け
私は、沢登りを教わりに行った東沢釜ノ沢でチェストハーネスをしている労山事務局長(K2登ったことある人)を見て、”内心、私もいるかも~”と思った口なのですが…
しばらく、前に日向神で、相方がチェストハーネスをしていると、九州のクライマーが、「え?なんでチェストハーネス?」と怪訝そうに言ったのでした…。その発言者はユージ風ニット帽。
相方は、「落ちた時、頭が下になったことがあるので」とちゃんと返事していましたが…。
明らかに、”何こいつ、変な奴”という空気を醸し出す発言者で参ったのでした…。フリークライミングはチェストハーネスなんかしないもんだろ、オーラ全開。
私も嫌だったなぁ…。マルチで出てくる下りで、明らかに一歩のミスがさよーならーにつながるところでロープを出さない。ロープだして懸垂で降りたら、変な顔されました。でも、私は、難易度ではなく、そこが危険かどうか?がロープを出す判断基準と教わったんですよ。
あと切れたところで、ザックを下ろして、渡ったら、それも変な顔されたうえ、こんなところで、とか言われました。でも、私は小さいですから、同じザックの重さでも、体が持っていかれることはよくあります。しかも、そんな私ですら、会にいた33歳室野君より、強かったんですからね…。彼がいたとしたら、ザックを下ろすどころか、確保してあげないと彼そこ通れないレベル。
というので、まぁ要するに、現代的初心者について、見聞不足が顕著で、昔の大学山岳部のノリのまま、で事故は、手弁当、の九州クライミングなのでした…きちんと統計出していないから、不透明ですが、かなりの事故件数なのではないかと思われます。
チェストハーネスの件は、私なら、”そんな自分の価値観を押し付けるような言動はしないなぁ…”と、傍で聞いていて、思ったりしたのですが…
この問答に立ち会ったことで、用心深いクライマーに対しては、私以外であっても、誰に対しても、私にしたのと同じこと…人の安全対策をこ馬鹿にする…をしているんだなぁ…と分かったのでした。
別に、私だけが否定されたわけではないのかも?
というか、ホント、命の価値を考えていない、ええかっこしいな土地柄で、それをみんなが同じだと無邪気に思い込んでいる、という土地柄なんだなぁ…。
それにしても、発言した人はヒマラヤで友人を亡くしている人でしたが、そのような人でも、セーフクライミングではなく、価値観の押し付け、なんだなぁと。自分と同じ価値観以外は、”は?”と言う…そして、それが全世界の標準だと思っている…。違うよ、世間はもっと進化しているよ?
なんだか感動したというか、つくづく理解したというか。
ホントに自分の周りの変化に気が付いていなかった人たちなんだなぁ…と。
フリークライミングへの理解っていうのは、なんだか本当にオールドスクールのクライマーには難しいのだろうと。まぁ、若い人、入ってこないですもんね、会に。入ってくる人も、知識をもたらしてくれるようなタイプの人ではなく、その逆だし…。
今日は、6年生の、まだクライミングを一回もしたことがない男の子が、お風呂で後ろに転んだことがあるからアブナイ、と感じて登らなかった。
子どものほうが立派で、大人の方が…ですね。
価値観の押し付けは、押し付けられているほうには分かって、押し付けているほうには分からない。
気を付けよ!