あなたはクライミングインストラクターです。
・「オリンピックでビレイ(インドア)を学んできたから、奥村会長(アウトドアのビレイ講習には出なくてもいい」
・「祝子川はボルトが打たれたスポーツルートみたいな沢だから、2名で行ってもいい。」
・「5.10Aを4本登れたら、次のグレードへ」
・「皆が怖いというから、古いボルトのルートにエイドで足を掛けたら支点崩壊して墜落した」
・「○○(ボルト間隔が遠くて適切にビレイしても墜落で腰椎骨折者が出たルート、トポには5.10bとある)に登ったけど、体感は5.10dででした。そのルートはほかで登れるようになってから取りつくものだ」
以上に対する反論を作ってください。
Gemini回答
🧗♂️ クライミングインストラクターによる反論と指導
1. 「オリンピックでビレイ(インドア)を学んだから、奥村会長(アウトドアのビレイ講習には出なくてもいい)」
これは大きな間違いであり、極めて危険な考えです。インドアとアウトドアのビレイは、同じ「ビレイ」という名前であっても、その目的と技術的な要求が全く異なります。
インストラクターの反論:
「インドアのビレイ技術は、固定された構造物と均一な環境の中で成立しています。一方で、アウトドアのクライミング、特にマルチピッチやアルパインクライミングにおけるビレイは、自己責任での支点構築、墜落荷重を吸収するための複雑なシステム、環境の変化(天候、岩の状態)への対応が求められます。
これは、インドアでのビレイ技術だけでは絶対にカバーできません。奥村会長の講習が示すのは、外岩環境下で命を守るための基盤です。インドアの経験を過信し、アウトドアの安全基準を軽視することは、自己だけでなくパートナーの命をも危険に晒す行為です。直ちにアウトドア特有のビレイ・支点構築・レスキュー技術を学ぶ必要があります。」
2. 「祝子川はボルトが打たれたスポーツルートみたいな沢だから、2名で行ってもいい。」
沢登り(シャワークライミング)とボルトルート(スポーツクライミング)は、環境とリスク管理が根本的に異なります。
インストラクターへの反論:
「祝子川(ほりこがわ)がボルトで整備されていても、そこは『沢』です。沢登りの本質的なリスクは、増水、天候急変、落石、そして濡れた岩場での滑落です。スポーツクライミングと異なり、沢登りでは水による抵抗や予測不能な環境変化が常に伴います。万が一、2名体制で片方が行動不能になった場合、救助や脱出が極めて困難になります。沢登りの安全基準は、基本的に3名体制以上です。これは、『アクシデント時の対応・サポート』と『救助要請へのバックアップ』を確実に確保するための鉄則です。ボルトの有無に関わらず、沢を『インドアジムの延長』のように考えるのは、沢のリスクを軽視しすぎています。」
腐食(錆び)による強度の低下
沢の水は常に流れており、金属製のボルトを継続的に濡らし続けます。
インストラクターの補足: ボルトの材質がステンレスであっても、岩の隙間から染み出す地下水や雨水に含まれる化学物質(特に二酸化炭素、酸性物質)によって腐食(錆び)は進行します。
ボルト本体の腐食: 繰り返し水にさらされることで、ボルトの金属自体が脆くなります。
アンカー部分の腐食: 特に岩の中に埋め込まれた**アンカー(支点全体を岩に固定する部分)**が内部から腐食すると、外見は問題なくても、少し荷重をかけただけでボルト全体が岩から抜け落ちる「支点崩壊」のリスクが極めて高くなります。
3. 「5.10Aを4本登れたら、次のグレードへ」
これはクライミング技術の習得における、極めて短絡的な考え方です。グレードアップは「数」ではなく「質」と「再現性」で判断されるべきです。
インストラクターの反論:
「グレードアップを判断する基準は、『5.10Aを何本登ったか』という数ではなく、『5.10Aをいかに安定したフォームとムーブで、オンサイト(またはフラッシュ)で登れるか』という再現性と技術の成熟度です。
4本登れたからといって、すべてが異なる種類のムーブ(例:バランス、持久力、ピンチなど)をカバーしているとは限りません。本当に次のグレードに進むべきクライマーは、そのグレードで『余裕』を持ち、『疲労せず、的確にムーブを解決する』ことができます。5.10Aを登れたら、異なる岩質や異なる傾斜の5.10Aに挑戦し、どんな状況でも安定して登れる基礎力を固めることが先決です。焦って上のグレードに行っても、基礎が不安定なため、すぐに壁にぶつかり、モチベーションを失う原因になります。」
4. 「皆が怖いというから、古いボルトのルートにエイドで足を掛けたら支点崩壊して墜落した」
これは、古いボルトを信用し、支点に過度な荷重をかけたことによる、判断の誤りです。支点は命綱であり、特に古いものは登攀のために使用すべきではありません。
インストラクターの反論:
「支点(ボルト)は、ルートのムーブを解決するための足場ではありません。 支点は、万が一墜落したときに命を確保するための安全装置です。特に『古いボルト』が打たれたルートでは、ボルトの信頼性は極めて低く、自己の体重を預けるなど論外です。エイドクライミング(人工登攀)の技術を使う場合であっても、支点の強度をまず確認するか、カムやナッツなどのプロテクションを併用するのが鉄則です。今回の事故は、『怖い』という感情で適切なリスク判断を怠り、『支点=安全な足場』と誤認した結果です。古いボルトは、装飾品、またはルートの目安程度に考え、信用しない姿勢が必要です。」
5. 「○○(ボルト間隔が遠くて適切にビレイしても墜落で腰椎骨折者が出たルート、トポには 5.10b とある)に登ったけど、体感は 5.10dでした。そのルートはほかで登れるようになってから取りつくものだ」
これは、グレードが持つ意味と、ルートの持つ固有のリスク(ランナウト)を混同している典型的な例です。グレードは「ムーブの難しさ」であり、「危険度」ではありません。
インストラクターの反論:
「『グレード』とは、そのルートのムーブ(技術的困難さ)を示すものであり、『ルートの危険度』や『ランナウト(ボルト間隔)の遠さ』は反映していません。トポで 5.10b とされていても、**ボルト間隔が遠ければ(ランナウトしていれば)、墜落リスク(怪我のリスク)は極端に高くなります。これは、体感グレードが $5.10d$ だったということではなく、『ムーブの難しさは 5.10bだが、精神的なプレッシャーと危険度が非常に高い』ということを意味します。
このルートに挑むべきは、『ムーブが 5.10bよりも遥かに簡単で、ランナウトしても冷静に対処できるクライマー』です。つまり、グレードでは 5.11 や 5.12$を安定して登れるクライマーが、安全を確保するために取りつくべきルートなのです。ムーブの難易度(グレード)と、ランナウトのリスク(危険度)を混同してはいけません。」