2021/11/16

オーバーハングの時代 ドライのルート図

  ■ 日本のクライミングの遅れ


を また指摘してしまうようだが、

日本にはドライのルート図集は、まだない。

時代は石灰岩クライミングになったのは、ずっと昔みたいなんだが…

日本では40年前の価値観のままだ。

被っているほうが安全で楽しい。

D9とか、M9-とか、さすがに登れる人誰?みたいな高難度ではあるが、

M7なら登れる男性はいそうだし、

W6やD6だったら、私でも視野に入るグレードである。

ちなみにこの画像は、韓国に行ったときに同じゲストハウスに泊ったアイスのワールドカッパー選手からもらった。

アルパインをやっている人で、ドライツーリングをやる人は少ないが…ドライはどちらかと言えば、コンペ寄りの競技向けクライミングなので…

しかし、昨今の若者は、中・高部活→競技クライミング→ジムのお兄さん→選手という流れなので、その選手から 外岩となるコースとしては、現在ではドライのルートが最終終着駅になるはずだ。インドアクライミングで足踏みするなら、アダム・オンドラ君と同じコースをたどるべきだが…彼が圧倒的にすごすぎて遠く及ばないのではないだろうか。

九州ではアックスを使うクライミングは、やる人が本州の輪にかけてすくないとは思うが…お隣韓国に近いお国柄、有利な立地ではあると思う。





2021/11/15

開拓クライマー向けのロープワーク

■ 開拓クライマー向けのロープワーク

最近は、ボルダラーからいきなりボルダーの開拓へ進むクライマーもいると思います。

その場合、必要なロープワーク知識は何か?ということを、私の理解できる範囲でまとめておきます。

過不足があるかと思いますが、その場合、お気づきの方からご連絡いただけると幸甚です。

■ 知識編

地権者より、開拓許可を取る。何はなくとも、この許可がないと、岩に触ることすらできません。こちらの画像が参考になる手順です。


■ アプローチ整備

道を作ることです。

■ 岩の掃除

岩の掃除は、

 ・脚立に乗る
 ・ロープにぶら下がる

の二つがあります。ロープにぶら下がること自体は、確保器一つで可能です。結び目を作っておけば、それより下にロープが流れることがないので。ただし、利便性のためにグリグリを使う人が多いです。

また、ぶら下がる支点の強度や、片方を引き抜いたらロープが引っこ抜けることがないよう、支点でロープを殺すこと、あるいは、ロープの振られ止めの設置などに注意が必要です。

しかし、常識的な範囲でのことだと思います。

グリグリ以外でも、マイクロトラクション、ロープクランプ、ユマールなど、一方向にしか動かないタイプのギアが使えますが、グリグリは下降もできるのがメリットです。

■ 支点の強度

強固な支点というのは、25kN以上の耐荷重があることを昨今は意味します。

冗長性…はどのような場合でも有効な安全策です。2個、支点を作るという意味です。

ぶら下がるロープ自体も2本にぶら下がる人もいます。

■ 登ったり降りたりを繰り返す場合

グリグリ以外に、プーリー付きのアッセンダーがあると大変便利で楽です。

■ まとめ

最低限の道具は… そう大きくない場合、

 コケ落とし用 金ブラシ
 はしご

小さいボルダーならこれで大丈夫です。

大きなボルダーになると…はしごで届かないケースが出てくるので、ロープにぶら下がりたくなるかもしれません。

そうなると、
 
 ハーネス
 ロープ
 グリグリ
 振られ止めに使用する何か
 ロープがこすられて切断される可能性がある場合は、ロープを守るための敷物
 プーリー付きアッセンダー

などが、追加で必要になります。

■ ノーマットは許されない


一般公開する場合は、ノーマットは安全上ありえないので、ノーマットにこだわる場合は、公開しないで、自分だけで楽しむのが良いのかもしれません。

公開しないにしても、苔落としは必要になり、ロープワーク技術は必要になってくるように思います。 




九州にも豊富な基礎講習を

■豊富な基礎講習

 こちらは関西のとあるジムでの講習のお知らせ


■ 山岳総合センター

私がいた山梨県もクライミングは盛んでしたが、教えてくれる講習会は年に一回のレベルで、しかも、引退した山岳会の年配の人がやっているので、技術内容が古く、あまり参考になりませんでした。

それで、結局、大町の山岳総合センターまで通うことにしましたが…。通ってその後、山岳会に入ったので、教わることはほとんどない状態で入会したので…

一般に、山岳総合センターの機能の代替えは、プロのガイド資格を持ったプロガイドが、公的機関である山岳総合センターの料金よりも、少々高いくらいでもやっているのが、東京・大阪都市部だと思います。

名古屋、札幌、福岡、あたりもこれに続く流れになれば…と思います。プロガイドはいそうなのに、やっていないんですよね。なんでなのかな?

プロガイドと言ってもガイドの資格だけの人はトップロープで登らせて、支点構築も、自分で登れるようになるためのあれやこれやも教えませんので…フリークライミングインストラクター協会の資格保持者が良いと思います。

■ 指導者も困っている

これは、ある九州の指導者の方のお言葉です。私も激しく同意します。

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リードのジムもですが、私にとっては、これらのきめ細かな多くの講習が羨ましい。

人口壁で事前講習を受けて、外に出る。

半分、いや、1/3でもいいので、このような講習をセットでできるジムがあればですね。

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■ 無知の害が顕著

こういう講習があれば、リードクライマー2名を一括でビレイしようとするオールドクライマーの様子が、ありえないビレイであることを理解できる初心者が増えるに違いありません。

年配の方もですが、若年者の方も勉強不足が著しいです… どっちもどっちになっている。

■ 使命

私は自分の意思で山梨に行ったわけではなく、登山をするようになったのは苦肉の策でした…。ので、登山からクライミングへステップアップしなくてはならなくなったときも、自らクライミングがしたい!というよりは、みんなにしなさいと言われるし…と仕方なく。

それでもなぜか、クライミングが楽しくなり、クラックでは吉田さんに出会ったり、自分のノリで飛び出した海外のクライミングではラオスに行ったり、ラオスで仲良くなったカナダ人クライマーと台湾に登りに行ったり、と一花咲かせることができました。

それもこれも、どうしてこういうことになったのか?というと、

伝達する、

という使命があったから、ではないかと最近思っているところです。

私のような遅くに始めた人でも出来るのですから、若い人はどんどん海外に出て登ってきてほしいと思います。




2021/11/14

岩場整備の資金源

■新しい仕組みのニーズ

日本のフリークライミング協会の仕組みでは、岩場は整備が進まず、うまく行っているとは言えないようだ。

台湾の岩場龍洞では、クライミングインストラクターのQXが整備や見回り、リボルトも含めやっており、ビールを飲めばリボルト基金になる、コーヒーを飲めばリボルト基金になる、ということで、とてもうまく行っている仕組みと思われた。ささやかなお金だから進んで出すし、端数が出た小銭も重いの、嫌だから入れちゃう。イラナイモノを出すのだから、あまり負担にもならない。

ラオスは、ゲストハウスを運営して、その営利資金から岩場の整備費用が出たということだろう。地域の観光資源にもなっており、地域にお金を落としているので、地域貢献企業ともいえる。たくさんの外国人を集めている。

台湾と同じことで、旅行中でイラナイモノはみんなが置いていくので、置いて行ってもらったもので、ほかの訪問者が成り立つという仕組みらしい。2度目に行ったら、余暇に読む本が増えていたり、ゲームが置いてあったりした。ヨガマット、私のは置いてきた。

ので、日本の岩場でも新しい仕組みを考えたほうがいいのではないだろうか?

庵はたぶん、先行事例何だろうと思う。

2021/11/13

ボルダーとロープ

このような投稿が回ってきました。

ボルダラーでもロープが使える技術があると、より安全に登れる、という事例として紹介させていただきたいと思います。



命知らずで知られる方です…

ランナウト王子って呼ばれていたよなぁ…

たしか、5.12をフリーソロしていらっしゃりましたが…。

命知らずをPRすることが、いつの間にか自己目的になってしまうと、安全なクライミングができなくなってしまいます…。

クライミングはあくまで遊びですから、命がけではなく、安全に楽しみましょう。

朗報・どんどん更新が進んでいる40年前のカットアンカー

■ 北海道ではクラファンでリボルト資金調達


https://readyfor.jp/projects/tamaru?fbclid=IwAR1fXA4raFA3Jerqig8ymfwzhdEEHbZVrqUKAGJ49DjX3AtsxuBKm7oDyU8

■ 九州では個人口座




■ 劣化ボルトの様子

以下のものは北海道のものですが…九州も大して変わらないレベル感…。カットアンカーです…。

こんなものを うかつに信頼して、バンバン落ちながら登っていたとは…(汗)

本当に無知とは恐ろしいものです…。

■ 25kN

新規設置ボルトでなら、カットアンカーを使って良い、という誤解が根強くある
ようですが、新規設置のボルトでも、カットアンカーは時代の要請にこたえる強度があるボルトではありません…。 25kNが世界的に岩場のスポートルートに必要とされる強度であり、カットアンカーは、施工に成功しても、最大15kNでカムノーマルサイズ並みしか出ません。

文登研の黒田さんの論文にもその旨記載してあります。

2021/11/12

山やの出口…別荘地暮らしに役立つ林業知識?

 ■ 山ヤの出口は別荘暮らし?!

御坂山岳会でもそうだったが、年配の山ヤは、最終的に別荘を山の中に買って余生を過ごそうと考える人が多数らしい。

別荘を買うと、別荘以外に不必要に広大な土地…植林地であることが多い…が、もれなくついてくる。その森をどうしたものか?よく分からないらしく、薪にする、などとして活用している人は、ほとんどいなかったよなぁ…。

私も、当時は伐倒の知識がなかったので、アドバイスしようにもできなかったのだが…。長野などでは、伐倒を別荘暮らしの人に向けて教えたら、喜ばれるに違いない。

■ 伐倒届

伐倒は届け出が必要だ。しかも、かなり前。一か月前には届け出をしていないと伐れない。

 

■ 森林の用途

放置されたら、天然林へ遷移するか?というと、杉はする可能性があるが、基本的にヒノキはほかの木と共存するのは苦手なコミュ障木であるようで、混交林化しないらしい。

ヒノキの場合は人為的にギャップを作ってやらないといけないようだ。カラマツは落葉するから、勝手ににほかの木が入っているような気がするがどうなのだろうか?小川山で観察できるが。

小川山へ行くにも信州峠を通って行けば、大規模な皆伐地を見ることがある。また近隣に昔の牧場跡があるが、大規模なソーラー設置予定地になってしまい、地元の人が設置反対運動を広げている。大平牧場だ。飯盛山にあり、奥秩父全山縦走する人にとっては、入り口、もしくは出口の山。

クライマーはのんきに小川山で必死にグレードアップに励んでいるが…。グレードで、どっちがすごいかという競争に、不毛さを感じるのは、趣味のクライマーばかりではないだろう。昨今、世界のトップクライマーは軒並み子供だからなぁ。

■ 伐採が盛んな地域=災害多発地

皆伐と大規模水害の関連は証明されているので、伐採が多いところ=皆伐地であり、水害の危険があり、下流に農地を構えるのは、要注意である。自伐型林業の先進地区である、高知は入っていない。

各県の森林計画書を見たわけでないが… 宮崎県などは、単層育林(スギなら杉しか植えない森、木のモノカルチャー畑)を是としており…そういう場所はいかんせん、大規模皆伐になりやすい。

山体崩壊が起こっている様子が、普通に林道を走っていて見える。怪しいのは、森林認証みたいなのを取っているようなPRがあることだ。

これでは、都会で自然派で良かれと思った人が騙されてしまう。大規模皆伐で伐採された材を使うことは、下流の災害と災害補助金依存体質をサポートすることになる。

行政が自伐型林業に好意的な地域を選ぶのは一つの解であろう…


■ 直径何センチが伐れたらいいか?

これは宮崎県の場合だが、28cmであれば、私のような非力な女性でも、なんとかなりそうなサイズ感である。

5cmくらいの支障木でも、受け口追い口を入れて講師は伐っていた。一般の人が伐倒した後を最近見ることがあったが、追い口も受け口もなく、当然、”つる”もなかったので、少しがっかりした。それでも何とかなっているということだ。

皆伐だと、ものすごい量を伐るのだそうだが、自伐型林業だと、せいぜい一日5本だそうだ。

クライミングでも、アスリートクラスになれば、毎日部活のノリで一日3時間くらい登っているが…エンジョイクライミングの趣味で登る人たちは、週に一日、もしくは二日、一日5本も登れば、お腹いっぱいである。

■ 間伐してているかどうか

間伐対象がないと合わせると、過半数は間伐していない。間伐対象がないというのは、保安林などにしてしまったのだろう…そのほうが固定資産税が安いのだろう。

切り捨て間伐というのは、山に置きっぱなしということで、拾って薪にすることができる。(生木なので重たい)

結局のところ、約2割しか適切な間伐は実施できていない。

ときどき山に行って薪に必要な分を伐採する、という生活は、成り立たせられそうに見える。自分が使う分なら、伐倒に人件費を上乗せしなくていいわけだしなぁ。

特に長野に別荘を構えてしまって、カラマツ林がもれなくついてきている人などは特にそうだ。



■ 皮むき間伐

埼玉で、皮むき間伐をした人たちが今回研修に参加していて、利点を教えてくれた。伐倒時に軽いこと。材を持ち出すときにも枯らした後なので軽いそうだ。

生木を伐倒しないで、皮むき間伐を行った後、伐倒するというのは、女性に適した方法であるかもしれない。

現在では鹿さんが、勝手に皮むき間伐をしてくれるのだが…。

林業男子 Kindle無料

『 林業男子』という本がKindle無料で読めますが、東京チェンソーズなどのお話が出ています。

https://amzn.to/3D8N8il

自伐型林業=小さい林業、が、水害を起こさない、つまり、大規模な林道を作って林道が壊れる→水害→水害による災害補助金→水害を待ち望む の悪循環を断ち切る、希望の道となっていますが、その先鋒隊?東京チェンソーズ。造林や育林も書かれているので、下刈り、という苦役からは開放されていないかもしれませんが…。

誤解が多いですが、下刈りや地拵えは、自伐型林業、では、行程そのものが不要になります。皆伐(全伐)すると、その後に必要になる作業が、下刈り、地拵え、再造林、です。

森林ファンド、元祖女性林業家、女性の林業者、映画『WoodJob!』の裏話など…気になる情報の裏側がたくさん書かれていて、非常に参考になりました。

映画『WoodJob!』は見ていましたが、東京チェンソーズと関連があるとは知らなかったなぁ。

また、不動産の方で、小規模特定事業者の指定で作る、”空き家リモデル”に私も注目していましたが、その森林版が森林ファンドですね。

この本、無料で読めて、参考になる取り組みが多いので、おススメです。




女子も憧れることができる薪生活

今回のトリップで、一番感動したのは、サーファー加藤さんの家。

彼は、Wwoofingをしながら、理想の居住地を求め、日南に落ち着いたそうだ。薪風呂暮らし。

水上村の人によれば、薪生活は、長野より、九州の方が楽だそうだ。長野だと同じライフスタイルを求める人が多すぎるということなのだろう…。

長野などでスタートした人たちが押し出されて、九州に流れて来ているみたいだ。


五右衛門風呂の様子


ぼっとんのトイレ。よく山小屋で見るけど、雨が降ると水位が上がっておつりがくるという問題がある。












居室は、学生のころ住んでいた長屋とほとんど同じだった。日本の木造建築は、安普請のことが多いよなぁ…。まぁ、町にあるものは仕方ないかもしれない。大阪でも町屋で保存価値があるようなものは、ほとんどない。安かろう悪かろうの家が戦後の焼け残りで残っているということの方が多い。

さて、木造建築を女性が好まないのは、おしゃれでない、からだろう。男性が、自分自身のかっこよさを求めるのと同じ程度に、女性は、見た目的に美しい住環境に身を置きたがる。

木造 × 薪生活 で、こんな住生活空間はいかが~?という図。西洋風である。というのは、現代のおしゃれさ、すてきさは、西洋に対するあこがれがベースになっているからだ。
仕方がない。

すてきなメインベッドルーム。 梁を見せる、でも、和ではなく、洋。日本でも定番の漆喰の壁でも、こんなにおしゃれ。


夫とヨセミテに行ったときに、ヨセミテバムというゲストハウスに泊ったが、こんな感じだった。インテリアグッズだけ、洋風にしたら良し。ホテルと同じだ。

これも、どこにも特殊なお金はかかっていそうではない。

 おがくずのトイレ。ぼっとんだとしても、洋式に変えるほうが現代人受けするであろう…。デイビッドは大阪の長屋に来て、和式のトイレで苦労していた。

これだけは、洋より、和の勝利と思われる…非現実的なセッティングのお風呂。

お湯を沸かす方法がないよなぁ…。五右衛門風呂を洋風化したら売れるかもしれない。白いタイルに変えればいいのではないだろうか?

甲斐駒七条小屋のように、温かい小屋はどうやって作れるのだろうか?

めっちゃあったかいよなぁ…七条小屋。








東京チェンソーズ

最近知った、東京チェンソーズ


ウエアが メット+チャップス。大事なのはチェップスが北欧風ということなのではないのかなぁ…。 

私が思うには、男子の動機の8割は、かっこいい!である。

3Kと言われる山仕事に人気がなくなったのは、たぶん、かっこよくない、と指定されてしまったからなのではないだろうか…?ふと思っただけなんだが…。

東京チェンソーズを支えるのは、東京美林倶楽部のようだ。


■ 男性の動機

男性、というより、男子、だろうなぁ…。

 1)かわいい女性がいる

 2)カッコイイ

これだけで、9割5分を占め、危険だからやりたくない、給料が安いから嫌だ、などというのは、後付けのとってつけたいい訳なんではないのかなぁ…。

本音は、

 ・頑張っても女子の注目を集めることがないから、やだ。

 ・かっこいくないとヤダ

の2点に集約されるのでは…?

だって、アルパインクライミング、超危険ですよねぇ。昔はみんな男のロマンでやっていたわけですが、年を取ると、やらなくなる。理由を聞くと?

 「寒いのはやだ」

と言われて目が点に。だって、30年前は温暖化した今よりもっと寒かったでしょうに…

そもそもやっていることが好き

というのは大事なことだと思います。

東京チェンソーズは、プロモーションの方法がとても参考になると思ったのでした。

男性はかっこよくないと動かないんですよ!!!






2021/11/11

因と縁の解析

■ 因と縁が揃って因縁

仏教的には、因と縁が揃って因縁。


種があっても、太陽と水と土が揃わないと、芽は出ない。

この場合、種=因 である。

クライミングの因は、当然、”登りたい”という思い、だろう。

 では、縁は?

パートナー と ビレイスキル と、練習する環境

の3つ。

パートナーがいない場合は、なんとかゲットする必要がある。普通は、みんな、ここで、”超いい人”化する(笑)。一緒に登ってほしいという相手に対して限定だが(笑)。

ビレイスキルがない場合、何とか身につけざるを得ない。ので、それには、ビレイを教えますと、題売っている講習会に参加するしかない。

他の人のビレイをこっそり盗み見して覚えようとしても、たぶん、間違ったビレイを覚えてしまう。それくらいビレイはちゃんとしている人が少ない。自分の子どもを登らせるのにすら、バッツンビレイで壁に子供がたたきつけられてしまうようなビレイをしているんだが、親のほうはそれに気がつかないでいたりする。(教えても聞かない)。

ビレイヤーが自分より軽いと、この危険は少ないが、私より軽い男性クライマーなんてあったことがないので、大体は下手くそビレイを我慢して登っている。

ビレイの習得は、週2半年と言われている。週4ビレイすれば、3か月で行ける計算になる。週6ビレイすれば、2か月で行ける計算になる。一般の人は週1しかビレイする時間がないと、忘れてしまって全然上達しない。1年経っても、2年経っても下手で、そういう場合は3年くらいは見たほうがいいかもしれない。

練習する環境というのは、人工壁が一般的だ。外の岩に最初から言っても、外でリードで落ちる人をキャッチする経験は積めないので、ビレイのスキルは全然伸びない。

オールドクライマーが新人だった時代には、人工壁はない。いきなり外岩。アルパインと同じ論理で死んでも落ちるな、と教わるため、オールドクライマーは落ちないクライマーをビレイした経験しかなく、落ちるクライマーをキャッチした経験がないので、見ていると、だらりんビレイをしたり、座ってビレイをしたり、支点ビレイをしたりで、現代の教科書には、”けっしてやってはいけない”と但し書きで書いてあることを、当然の顔をしてやっている…。オールドクライマーが新人だったのは40年ほど前なので、その頃の教科書には、フリークライミングのことは書いていない。やっていることが、アルパインルートに行くためのゲレンデ練習から、”フリークライミング”という別のクライミングに変化したのに、そのことにオールドクライマーは気がつく機会がない…何しろ、自分はベテランだと自覚しているから、最近出た本など読む人は少ない。

ので、結局のところ、一番ビレイが下手くそなのが、オールドクライマーということになり、特にトップロープの時は馬鹿にしており、ロープがクライマーの懐でたるんでいても、そのままだったりする。ので、初心者時代に一番一緒に登らない方が良いクライマーが、オールドクライマーなのかもしれない…。

人工壁のクライミングは、”スポーツクライミング”というクライミングで、バンバン落ちるのが当然、というのがその意味するところだ。なので、ビレイを習得したい人はスポーツクライミングをちゃんと教えている人から教わらないといけない。

ビレイを習得し、逆クリップやら、なんやら、を習得してから、外の岩場に出る。大体が、こういうことになるが、外の岩場は外の岩場で別の習得項目があるから、外の岩場に出ることは、大きなステップアップだ。

まぁ、ボルダラーからやっている人は大丈夫だが、人工ホールドを握るわけでないので、ホールドを発見することからスタートだ。

一番ボルダラーがやってしまいがちな失敗は、オンサイトで登らない、すぐに”次のホールドどこ?”と下の人に聞くことだろう…。オンサイトというスタイルが、ボルダーにはない。全員いきなりビデオトポを見て、前に登った人とそっくりの登りをしようとするのがボルダーだ。

フリークライミングの世界でそれをやると、どうなるか? あーあ、と言われるのである。せっかくオンサイトだったのに…と言われる。自分より前に登った人の登りをチラ見しただけで、もうオンサイトではなく、フラッシュになってしまう。その辺を詳しく知りたい人は、漫画版の『孤高の人』を読んでください。

ので、外の岩場に行ったら、自分が登りたい課題を登っている先客がいたら、決してその登りを観察してはいけない。オンサイトを逃すことになるからだ。

スタイルの差だけでなく、価値観の差があるのが、クライミングの各種で、その価値観を無知なために犯すと、あちこちからブーイングを食らうことになる。

現代でもっともおススメできる、リードの岩場にデビューする人への教科書的な本は、北山真さんが書いた、『フリークライミング』という本である。この本を読んでから、外の岩場に行くべし。(こちらにリンクがある)

この本には、1行目に、”支点ビレイはしてはいけない”と書いてある。こんな超・常識的なことも、オールドクライマーは知らない。自分は支点ビレイをしているが何か?と思っている。こちらも、自信たっぷりでやっている人に何かを言うこともできない。

オールドクライマーの無知の被害を受けるのは、誰か? 山は最も弱いものを狙う、とよく言われる。

クライミングも、テンションなしで登れるなら、別にビレイヤーは誰でも良いわけで、フリーソロできるなら、ロープすらもイラナイ訳なのである。つまり、きちんとしたビレイを真摯に必要とする新人にこそ、きちんとした技術的裏付けのあるビレイが必要である。つまり、新人が喰われるのである。

ということから、オールドクライマーと最も組んではならないのが、新人だ。一方の新人の方はそんな事情とはつゆ知らず、落ちた人をキャッチした経験値がもっとも浅いオールドクライマーと組みたがり、命がけの墜落劇を演じてしまうのだが…。

私の後輩は、人工壁1ピン目で落ちていた…がたいの良い男性クライマーだったが。リードフォローの練習をしていた時は、セルフを取る前に自ら手を放して落ちていたが…。彼に関しては、人工壁に来る前に、一般的なボルジムでのクライミング経験が必要と思われた。一般的にジムで5級が登れるくらいでないと、人工壁でも取り付くのは危険だろう…

というので、いかに、因 に対して、縁を取りそろえるか?という話。

■ 師匠と登ったが師匠が教えてくれたことはない

今までパートナーには恵まれてきたが、師匠は二人とも岩場で会った人だ。一人目の師匠は、岩場のてっぺんで会った。いきなり、「流動分散を作ってみせなさい」と言われた。作れた。そうして、「ここに電話しなさい」と言われた。

次の人は、小川山レイバックで会った。その後その人が勤めているジムに遊びに行って仲良くなった。

その次の人は、こちらもその人が知らない岩場に案内してあげ、お礼にその人が知っていて私が知らない岩場に案内してもらった。

米澤先生は、いきなり油山川の岩場で会った。登りに行っていた。相方は一緒に登りたいとは思わなかったみたいだが、しばらくは二人や3人で登っていた。

という感じで、一緒に登った人は、岩場であった人で、岩場以外で会った人で、仲良く一緒に登るようになった人いたっけ?いないな。

岩場に自ら行くようような因があって、たまたまそこにその人がいたという縁がある、というわけだ。因と縁で言えば。

これがパートナーゲットの秘訣と言えば秘訣なのかもしれない。

2021/11/10

下阿蘇ビーチ

 このビーチに行ったのは、本当に良き事だった…。

美々津に行って、津波注意の掲示板を見て、サーフィンと生きるということは、津波のリスクとともに生きることだと理解した半面、下阿蘇ビーチは11月でも冬シュラフが暑いくらいで、車が引っ越し荷物で満タンなので、車中泊ではなくPキャンに変更したんだが、それでも超快適だった。

朝に散策したら、波が砂浜を削って、プチシークリフを作っており、なるほど、こうしてシークリフは形成されるのか‥と思った。

城ケ崎、大堂海岸、台湾の龍洞、それくらいしかシークリフのクライミングは知らないが…石灰岩が山の中のクライミングであることに対して、シークリフは海のクライミングだ。

アルパインをやっていたら、山には行くけど、海にはいかない…ので、初めて城ケ崎に行くことになった時は、「なんで山をやっていて海にいくことになったのかなぁ?」と不思議な気がしたものだった…

自然農をやるつもりで木こりになった、みたいな感じかなぁ…

雪が好きな人は、スキーをやればとよく言われるけど、スキーにまで手を出したらギア代が半端ないよなぁと思って遠慮していた。山梨は雪国ではない。雪ではない乾燥した寒さのあるところ。雪があるところは湿度が高いところで、アトピー体質の私にはあまり快適そうではない…湿度が低いところが好き。

フォッサマグナ→ 皆伐は森林崩壊 → 下界は砂防林がある → シークリフクライミングの可能性あり 

という理解が進んだ。岸良海岸も同じような成り立ちなのだろう…

どこの田舎に住むにしても、農業のスキルと伐倒スキルはベーシックスキルセットだろう。