2021/06/16

クライミングを習得する5つのステップ

 ズバリ、これです(笑)。

まず、”知る”。知識の壁です。ヤマケイ登山シリーズ 『フリークライミング』(北山真)をきちんと読みましょう。

フリークライミングとは、ロープを前進の道具に使わない、という遊びなのですよ?支点をAゼロしていたら、遊んだことにならないです。

そもそも、ロープの使い方について勉強しないで来る人が多いので、パラパラでいいから、ロープの書籍を見ましょう…『イラストクライミング』に一杯載っています。

エイトノット、ムンター、クローブヒッチくらいは分からないと…。


■ やってみる

体験クライミングのことです

■ そのあとが肝心

やってみたら、何がどう危険なのか?ある程度分かったはずです。

死に筋をはずす=リスクをつぶして行けば、多少間違いを内包していても、死なずに進んでいくことができます。

すると徐々に ”分かる”という状態に近づいていきます。気づきの数は膨大です。

■ している

習慣と言うことです。私もクライミングは、ほとんど習慣になっています。

2021/06/10

開拓のリアルとインスタ映え?

 ■舞台裏が見えないのがいけないのでは?

私はインスタは飲食店ではないので、興味がなく、しないのですが…ツイッターもしないです…なにしろ、情報伝播とかムーブメント作りが狙いではない…ブログは内省が主たる狙いです。

しかし、FBで最近、女性が自分のセルライトとか、醜い部分を自撮りして、加熱する嫉妬の嵐… 自己顕示欲の競争を鎮火しようとしている様子が流れてきた…。

また、開拓者で有名な東さんが、開拓者は報われないと語っていました。そういえば、この写真の小山田さんもそう語っていました…

私も故・吉田和正さんのビレイヤーでしたし、米澤さんの手伝いで、多少は開拓の苦労には近いところにいたかもです…九州は岩場はいっぱいあるけど、すぐ苔でいっぱいになるんですよね。

で、一般クライマーのみんなは美味しいところ、かっこいいところだけしか見ないと思いますが…


これをするためには、これが要るんですよ。



ロープにぶら下がる知識と技術がないと、苔おとしもできないですよね。だから、技術的に無知なボルダラーとかジムクライマーはできないで、アルパインのクライマー上がりばっかりが開拓クライマーにならざるを得ないってことなんでしょう…

でも、そうするとアルパインの人はそんなに登れませんから…。課題の中身、成り立ちが、アルパインの思考体系に則ることになる…50mで3級1本、4級2本、5級3本、みたいな?

そこまで極端には現代はしないとは思いますが、安全は後回しになってボルトルートの意味がなくなるかもしれません…

あ、話がそれましたが、舞台裏のほうが大変なんだよ、って話題です。

2021/06/09

Work "with" nature, not "against" nature

 Work "with" nature, not "against" nature

is what I am learning now. I had learned how to work with nature in my mountain climbing, in snowy mountains.


Also, I had learned how to work with rocks in my rock climbing... 



now I like to expand how to work with nature on my whole life. Not just my holidays... not just when I am going out cragging.  



I was an eco-friendly consumer for a long time but I feel now I like to step forward to a higher stage about working with nature...  like I do not feel the needs of eating what  this season can not produce... because eating against season is unnatural.  

So I guess I should judge my "success" according to 

  "how nicely I work with nature",   since the season never stops.

リーダーシップのレベル

 


クライミングでのお役目は終わりが見えてきました

 ■ 基礎的なクライミングなら、特殊な才能は要らない

クライミングは、基礎的な登攀であれば、特殊な才能がないとできないことではなく、普通は誰でも楽しく登れるものです。なにしろ、アレックス・オノルド君のお母さんは、60代でエルキャップを登っています。スタートは50代だそうです。

また私自身も43歳からのスタートですので、”一般ピープルがエンジョイクライミングするレベルのクライミング”、つまり、5.12以下、は、誰もに門扉が開かれたものであることを証明した、と言えるでしょう。

■ 一緒に登ってくださった方に感謝

ここ数年、私と登ってくださった方、夫が本来するべきことをして下さり、本当にありがとうございました。

最近、クライミングの業…も果てつつあり、やり残した仕事は、ほとんどなくなりました。

九州でのリボルトが進み始め、それを見ることができたのが、ホントに肩の荷が下りたというか…。なにしろ、九州、地元ですからね~。故郷は、私にとって悲しい思い出がある場所で嫌いと言っても、故郷は故郷。身内には良くしたいです。

九州の、私以外の誰も指摘できない、トンデモ終了点の数々の存在が、全国の良識あるクライマーの知るところになって良かったです…。あ、それどころかUIAAの知るところになってかもですが。

ほんと、それを伝えるために山梨でクライミングする羽目になり、そして九州に遣わされたんですかね???

だって、もともと、別に私はクライミング派ではなく、ただただ雪の山が好きで、登れる範囲で登っていただけの人ですからね。

山梨にいるから、山梨でローカルな山をするなら、どうしてもクライミング能力…特にクラック…が必要と言われて、そうか、と取り組んでいただけのことで…。クライミング大好きって言う人種じゃないんですよね。私が好きなのは、自然、のほうで、クライミングの命がけ路線は好きになれない…

なんせ、クライミング自体にそんなに情熱ないし。

とはいえ、ラオスにも韓国にも行くことになった。

それも、数奇なご縁と思っていました…。なんと、それは、このためだったのか!という感じ。

そもそもラオスに行かなければ、日本が変、というのも気が付かなかったわけですから。

インスボンに行かなければ、UIAAアルパインサマーの日本語版が世に出ることもなかったわけですから。

ということで、神(神という言葉が苦手な人には集団的叡智)の使徒としての役目は、大体全うしたかな…と。

■ 使徒として実行した仕事 3つ

UIAAアルパインサマーも出たし、日向神の支点のこともだし、大村にもスピード壁できそうですし…あとは、私はもう、倒れても倒れても立ち上がる、あしたのジョーみたいな、パンチドランカーみたいな状況ですので、ちょっと自分を充電しないと、次の良き出来事を仲介する、使徒としてのパワーも出ない感じです。

まぁ、何をしたら充電になるのか分かりませんが…通常は、旅が充電ですが… とりあえず、良い求人があるので応募してみているところです。

はあ~、長いクライミング旅路だったなー。疲れた。



ここからすべてが始まったフリーの旅路

慢はHumanのマン

 ■ 慢はHumanのマン

今日の仏教説話。人間というのは、どう転じても、

自分をすごいと錯覚

したい存在なのだそうです。とすると、クライミングは、さしづめ

 即席慢

ですね(笑)。

誰でも、登れると、”おお~、すげー”と思います。

比較的簡単に、感動が作れる(笑)。

■ 日本人は自信がない人が多い 

日本では、自信がない人、が多いと私は感じているので、それで、みんなを励ます?自信を持たせる手段として、クライミングはいいな~と思ったりしました。

クライミングは新しいスポーツで、まだまだ世間に誤解が多く、比較的簡単なことが難しいと誤解されているので、俺には無理って思う、ひょろ系男子が、細マッチョで自信があふれる男性に大変貌を遂げる可能性があります(笑)。

ま、そのような体験で作る自信というのは、幻想、とも言えますが、幻想でスタートしても、実際コツコツとした努力を積み上げることへのスターター、起爆剤としては有効です。知恵の領域の小技ですね。




■ 自分の至らなさに気づかされるのがフリークライミング

一方、え~?!人間ってこんなところにも登れるんだ~!という初期段階の感動期を脱して、フリークライミングの領域に来ると… 慢ではなくて、

 自分の至らなさに気づかされていく活動、

と言うことになります。そこでみんなが陥っている泥沼が、競争、です。

クライミングは、どんなに上手でも、さらにその上があるのが自然界ですので…

 他者と比べる心を捨て、自分との対話へ至る道

です。自然界に対して謙虚な気持ちへ転換していくだろうと思います。

よくヨガで言われますが、柔軟性の競争ではないんですよ…。柔軟性の競争だったらタコが一番優秀です。クライミングなら、それこそ、リスとかのほうがうんと上手に登るわけでしょう…

登れる人間が上、というのは、クライミングの外だけでなく、中でも、まったくあてはまりません。

慢に陥っている人は、とても失礼だったりもするので、そこから理解することができます。

周囲の人はリスペクトから、持ち上げてくれるでしょうが、それに動じないでいましょう。

運よく登れる人がもつべき態度は、集合的叡智からの使い手、という立場です。





2021/06/08

自分の都合の悪いことに、どう行動しているか?

■ 表業・無表業

 自分の都合の悪いことに、どう行動しているか?で、本音が見える

と言われています。

まぁ、これが公式ですね。



■ 公式をクライミング業界に当てはめてみると?

  問い)クライミング業界に都合の悪いことNo1って???

  答え)まぁ…ボルトの質の劣化でしょうねぇ…40年間放置問題。

なんと、ボルトが欠損して事故も起きているそうです。

  問い)クライミング業界がどう反応しているか?

  答え)見ないふりをしている 現実逃避

だって、フリーファンに書いてあるの、ソックス特集とかチョーク特集ですからね…。

売らんかな。

なんでリボルト問題みたいな重大問題を語らないのか?

■ 解決案

アメリカでは、ちゃんと冊子になって事故は時系列的にまとめられて、毎年出版されています。


一つの重大事故の陰には、300のヒヤリハットがあると言われています。

300を無視し続けていれば、そりゃ、重大事故、減るわけないわなー。

■ 事故経験談、求む

私はインタビューをして記事を書くスキルは職業レベルですので…ヒヤリハット経験を、ボルト脱落経験がある方、インタビューさせてください。

記事にして、ネット公開させていただきます。

誰もやらないんだかっら、仕方ないですよねぇ

2021/06/07

マインドフルネス・クライミング 一回60分くらいで

 私は個人的にストレス発散にはクライミングが一番効果的と思っているんですが…。

マインドフルネスというのは、

 自分が何をやっているかに超・自覚的 

という意味です。

https://next-sapiens.net/mind/stress/mental-exercise/

によると

 1回 30~60分の運動時間

 1回 90分を超えない

 3時間を超えると運動しないよりもメンタル負荷が悪化

だそうです。

 週に3~5回

 1週間にトータル2時間~3時間

やっぱり、集中することがいいみたいな気がするんですけどね。

自然界の中にいるということが大事なような???

■ バイオフィリア(自然愛)

バイオフィリアという概念もあるそうです。

エドワード・オズボーン・ウィルソン

https://www.weblio.jp/wkpja/content/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%BA%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3_%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%BA%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81#%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E4%BB%AE%E8%AA%AC

自然の中で行うクライミングは、メンタルヘルスに最強ですね!

現代のクライミングの在り方としては、都会からのリセット、ストレス解消、マインドフルネスの実践、うつ病予防、などを、メリット、効果として考えたらいいのかもですね。

そうすることで、永遠に続くグレード競争から脱することができるのではないでしょうかね?



ザイルパートナーがいない場合の対処の仕方

 今日の仏教説話は、パートナーがいない場合

これがお釈迦様の回答。

マイナスになる関係は、時間の無駄ですので、断念しましょう…。誰かと群れていたいというのは、人間の本能のようですが、マイナスの人と一緒にいるくらいであれば、一人でいたほうがむしろ成長できます。というのがお釈迦様の真意で、これは、

一緒にいるべき友人を選べ、

という話です。良い集団に属すことが最優先で、それが叶わない場合は、一人歩め、です。


■ パートナーとの関係を選ぼう

高め合える関係 → ◎ プラスの関係

協力しあえる関係 → プラマイゼロの関係

足を引っ張り合っている関係 → × マイナスの関係

一緒にいる方が、一人でいるより、負担が大きく、成長できないのであれば、単独登攀のほうがおススメです。

トップロープフィックスで登れる岩場を確保しましょう(笑)。

2021/06/06

新人は何が分かっていないのかも分かっていない

 よく言われることですが、事実です。

新人さんは、何が分かっていないのかも分かっていない。質問をしてこないのは、分かっているからではなく、何が分からないのかも、分からないから。


だれも、落ちたら死ぬかもイチかバチかをやりたいとは思っていない

■ 今日の仏教説話

私は毎朝仏教の説話を聞いているのですが… 今日も、学習性無気力に陥ってドツボから出れないのは、自分だという想定で、自分がどうしたらよいか?を知るために聞いていたのですが、

 あ~これ、九州クライミングで見た現実だ~と理解…。

なんで30年前に賞味期限切れになっているボルトをいまだに使いたいのか?理解できないと思っていました。

が、そのようなクライミング界のことを正しく理解する場と言うことになった。

井の中の蛙 + 学習性無気力の象さん の心境になっていたんですね…


■ 外の世界を知ろう! 

例えば、こんな感じ。

(クライミングシーンでは、カットアンカーは使われなくなって、もう30年経っていることに気が付かなかった) 

+ (どうせ何を言っても、誰も話を聞かないのだから、という学習性無気力)

= 30年前の手作りアンカーが継続…

たぶん、こういう事情で、進化を辞めてしまったということですかね?

■ 若い人の方が知見が広いです 

若い人は小川山も行くし、ヨセミテも行くし、世界は昔の人より広がっていると思いますが、その世界を地元に還元しづらくしているのは、ずばり、儒教の教えと思います。年配の人の言うことがすべて正しいとか、年配の人の言うことを聞かないといけない、ってやつ。

でも、ちゃんと言えば、年配の人も話を聞いてくれますよ?

開拓者の米澤さんに、ボルトを購入して提供しますよ~って言っていた時は、一緒に最新のボルトカタログをのぞいていました…Hilti社のです。

年配の人が耳を貸さない、というのは、特定の人たちだけの話なのかもしれませんよ?

■ ちゃんとした人はちゃんといる

私の経験では、米澤さんは若い世代に協力したいという方でした。そうじゃない年配の人の方が多数派であるのは、否めないかもしれませんが、ちゃんとした人は、います。9:1くらいかもですが。

自分自身が、ちゃんとした主張をしていることが、ちゃんとした人をつながりあえる接点になるのではないかと思います。

私は、UIAAに、日本語版の教科書出して~、とリクエストしたことがありますが、ちゃんとリクエストは答えてもらいました。

私の経験では、イケイケクライマーの人たちは、イケイケじゃない人を見ると、一緒に登りたがらなくなります。

■ 外の世界を見よう

数日前にアップした北海道のボルダープロブレムの閲覧数がえげつないですが…(笑)、みなさん、やっぱり外の世界を知らなかったから、北海道ボルダーを見たかったってことなんですかね?

九州から出かけていく、とすれば、大体、小川山と思いますけど、残念、小川山も花崗岩だし、全然、怖い岩場なので、全く参考にならなかったりするんだろうな~(笑)。

行くなら、城山とか、今だと埼玉の二子山とか行かないと、登りの質として、世界が進化して行っていることが分からないのではないですかね?

いつまでも、”ハードフリーの世界観”を引きづっていては…。

私は、ラオスや台湾に視察に行ったらいいと思いますが…。年配の人ではなく、10代の人にこそ、行ってほしいですね。日本の常識、世界の非常識って分かると思います。

年配の人だと、海外の岩場に行っても、同じ登り方で登って現地のカルチャーと接点がないので、たぶん、何も学ばないで、俺んとこの岩場イケテル~と勘違いして帰ってきてしまいます。

■ アルパインのクライマーでカム持っていないって変ですよ?

アルパインクライミングだと、最初ピトンの打ち方を教わります。

私は、本式で、雪上確保から入ったので、スノーバー持っていますし、ボラートがリムーバブル支点で習った初めの一つです。ですので、アルパインの価値体系では、ボルトルートと言うこと自体が堕落です。

本チャンへ行きたいという人がカムを持っていないというのは、九州では当然のようですが、一般に支点がないのが本チャンなので、普通はありえないギア不足なので、本チャンクライマーになりたい人で、カムを持っていないんだったら、最初から連れて行かないことだと思います。

無くても、行けるルートはどこか?というので、自ら探して来て、例えば、関東だと、本チャン向けゲレンデは、三つ峠、です。登れるのは、中央カンテとか、〇〇番クラックとかをつないだラインですが… 腐ったピトンとリングボルトの世界です。

ので、当然、誰もそんな支点を信頼して登っているわけではないです。ノーテンが当然。終了点だけは、きちんとした(と思う)のが整備されています。山世界では、エリートである信大の学生も三つ峠へ練習に来ます。(そしてJDTの懸垂支点を作って残置して降りていて、びっくりしました)

一度、師匠の青ちゃんを連れて行ったら、猫の頭ほどもあるでっかい懸垂支点を、「こんなん信用したらあかんで!」と言われました(笑)。これを信頼しないなら、何を信頼していいの?という巨大な支点でしたが…。三つ峠だってこんな程度です。しかし、三つ峠はアルパインの人以外は来ないです。フリーの岩場とは考えられていない。

師匠とは、すぐに三つ峠のようなアルパイン的な岩場には行かなくなりました…行っても登攀が簡単すぎで、楽しくないから…。 

私は三つ峠は、まだ人工壁通いをスタートして3か月目の時に初回に鈴木師匠に連れて行ってもらい、2度目からリードで後輩を連れて行っています。

後で支点が超ボロイことを知り…、「私、まだ登攀下手くそなのに、2度目からリードしていますが、いいのでしょうか?」と不安になって、先輩に問い合わせしたくらいです。

関東では、大体そのような入り方が一般的で、九州のようにずっとセカンドで連れまわされて、行ったことがある本チャンが高度化する一方で、肝心のシステムの理解や技術が全然追いついて行かない、と言うことはないような気がします。たまたま、私が良い人たちに恵まれたのかもしれませんが。

以前、山梨で同じ会に同期入会した九州から来たクライマーが、行ったことがあるというルート名はすごいので一同期待したのですが、なんにもリードできない人で、フリーの岩場で、全部Aゼロ。で、会の先輩と一緒にビックリ仰天したことがありますが…。それじゃ遊んだことにならない…。その人は九州ではセカンドしかしていなかったそうです。そんな風な育て方は、本州では、誰からも誘われなくなりますね。会の”超”がつく仏の○○と言われている先輩ですら、めんどくさがっていました。

本チャンクライマー養成は、本人がフリーで自己研鑽しつつ、ルート本番は、3年はセカンドで経験値を上げるというのが王道のような?

…と言っても、リードできそうな易しいピッチは、保険付きでリードさせてもらい、構築した支点などに、ダメ出しを貰うのが良いと思います。なにしろ、新人が作るアルパインアンカーは信頼できないので、フォローだって落ちない人が必要です。

そういうのは、易しい雪稜で、SABをしていれば分かります。こんなところで落ちないから要らないよな~と思っても、スタカットが前提です。先輩がこいつは歩けて落ちないと思えば、コンテに変えてくれるかもしれないですが…歩きの技術的確立が前提なので、歩き下手だとロープだされてしまいます。

昨今は、大学山岳部でも、歩きも登攀も下手くそなままで、ロープが必要なバリエーションへステップアップしている場合が多いので…ロープを出すか出さないか?の判断は、迷うようなら出す、にしておかないと事故が増えます。

昔はある程度、足が揃った人しか来なかったところにそうでない人が来る時代が現代… 前穂北尾根とか、阿弥陀北稜とかで、死亡事故が起こる時代なんですから。どっちも入門のところです。師匠は阿弥陀北稜なんて、一日2往復余裕でできるのが当然なんだよ、と言っていました。私もそう思います。大体、赤岳ノーマルルートだって、一日3周くらいできそうな短さですもん。

九州の市民山岳会では、バリエーション未満の北鎌尾根で、死者を出したと聞いています。

以上はアルパインのクライマーの育て方、ですが…、アルパインというのは、支点作りも自分持ちというクライミングのことです。

■ 支点の強度が相手持ちのクライミング = ボルトクライミング

九州では、マルチピッチが、半アルパイン・半フリーみたいなことになっているようですが…本格的な山岳地帯でのアルパインの代わりに、練習場、ゲレンデとして、ボルトを打ってあるマルチがあるのですが、そのマルチがいつしか練習ではなく、本番に変化していったもの…が、九州のマルチの位置づけのような気がします。

ランナウトして、ロープの意味がないマルチピッチの岩場ってことですね…比叡みたいな。

まぁ、落ちないグレードだったら、ボルトが遠くないと、何もスリルがなくて、楽しくない。ということもあったのだと思いますが…インスボンもそのようですし…。

落ちないはずのグレードで、落ちてしまうクライマーが来てしまう昨今…ということなのかもしれません。昔の人はすごく登れる人しか来なかったから、問題にならなかったのに…ですね。時代が変わったってことです。

あるいは、5.9と書いてあったら、ホントに5.9しか登れない人が来てしまうとか…。昔の人は、12登れて、5.9です、という謙遜の美徳だったのが、今の人はジムで5.9登れたら、外でも5.9で登れると思っている人が普通です。そのような新人が外国では当然です。そのためにグレードってあるんでしょ、と一般に思われています。

まとめると

 登れもしない奴が来る

 グレードギリギリで取りつく

の2点です。でも、フリークライミングの世界のルールでは、

 1ピン目掛けれたら、どこで落ちてもいい、

 ギリギリのグレードに取り付いてよい

それが当然ですからねぇ…。その行為を責めるのもおかしい話になってしまいます。

時代がフリークライミングの価値体系に進化しているってことですよね。それに現場が合っていないのです。

■ レッドポイントグレード、オンサイトグレード

本州では、RP〇〇、OS○○と、オンサイトグレードとレッドポイントグレードが違うのが理解されていると思いますが、九州の古いクライマーさんはそういう理解もしておらず、登れる、という言葉の内容が、オンサイトでスイスイ登るのが登れるという意味だと思っているかもしれません。

それだと、5.12を登れると発言して良い人は、佐藤祐介さんだけみたいなことになります。5.12で確実に落ちないと証明して見せたクライミングが、スーパー赤蜘蛛フリーソロだからですが…。

一般にジムで登っていて、5.12登れますという男子は世間にゴロゴロしており、もはや中級者としか呼ばれません。が、それでも、やっとこさ10回のトライで1回、5.12が登れても、5.12クライマー。下手したら100回に1回の人もそう言ってよいことになっているのがフリーです…。

そのような世間の変化を知らない、というのも、齟齬の原因にあるのかもしれません。


■ 原因はなんであれ、大事なのは、世界を知ること

とまぁ、原因の分析に文字数を使ってしまいましたが… 大事なのは、世界が変化していることを正確に把握することです。

閲覧数ごぼう抜きの赤岩青巖峡のボルダーは、5.12、どっかぶり、ハイボル、ボルトあり、です。こんなのをひいひいと苦しみながら、パワームーブで登り、落ちたとしてもボルトがあるから安全、というのが、現代クライマーの好み、ということです。

だれも、落ちたら死ぬかもイチかバチかをやりたいとは思っていないってことですよね。






2021/06/05

詐欺的支点が出来てしまう歴史的経緯

 ■ 詐欺的支点 ボルトなのに危険

無雪期の本チャンルートに行くのに、強固で、落ちれる支点があることを期待して行く人はいない。

だから、ピトンが抜けようが、伸びたリングのリングボルトがあろうが、あるだけラッキーで、”あー、ここでルートファイあってたんだ~”と思うだけだ。

もちろん、残置ピトンは、使わないか、使っても、目印にするだけで、カムを一式持っていく。

私自身も乾徳山でそんなルートをしました。大先輩にフォローしてもらいました。

■ ボルトルート=スポートルート=落ちれるはず、なのに、落ちれない?

変、というのは、ボルトルートなのに、アルパイン、ってやつかもです…。ボルトを見れば、十分な強度があって落ちても大丈夫と、当然のように、100%の信頼をしているのがクライマー。特にフリークライミングしかしない、ジム上がりクライマー。

なのに、そのボルトが強度不足で、落ちれないんだって!ってなったら、詐欺ですよね。

それがピトンだったら、なんも問題ないけど…ピトンってリムーバブル、なんで。

だから、古いボルトで信頼ができないのだったら、抜いてしまえばいいんじゃないかと思うのですが…違うんでしょうか…。

最初からリムーバブルで登るのが、昨今のクリーンクライミングの流れなので。

グージョンが欲しいなら、お金を払えるようになったら、設置すればいいのでは…。

■ インスボンのこと

まぁ、インスボンもそんなルートではありますが…。

もともと、ボルトは、ピトンのステップアップだったからかもしれませんね。

そんなインスボンも、新しい時代の波に合わせて、ボルトは打ち足され、

 恐怖の大ランナウトを楽しむ岩場、から、

 花崗岩の快適なフリクションを楽しむ岩場

に変貌しつつあります。

大ランナウトを楽しみたい人は残念かもしれませんが…自分が楽しむだけだったら、ボルトを飛ばして登れば、問題なし…。

自分が味わった恐怖をほかの人にも味わってもらい、あれがリードできるんですね~すごいですね~と言ってもらえる、という喜びは、過去の遺物となるかもしれませんが… 

他者承認が得られなくなること と、死者が減ること を天秤にかけたら、やっぱり後者が社会の全体善に貢献するわけなので…。

■ 脳の仕組み

命がけでリードできるタイプの人は脳の仕組みがどこか通常人と違うのだそうです。

師匠の青木さんは、腰椎骨折でボルトが何十本も入っている大手術が必要な大事故の回復後でもインスボンリードできたし、その上、そのクライミングで再度墜落して、かかと骨折していましたが、それでもリード。もう、危険認知、という面で見るとスイッチがオフ状態だったのかも?ですが… そんな人でも、11とかいうショートではテンションですから。(時間が余ってショートもやった) 自分の限界はわきまえていました。

韓国人の人たちの話でも、インスボンでは登攀能力が高くてもリードする人としない人が分かれるのが当然という話でしたし… 韓国人と言えば、一般日本人が真っ青になる危険なクライミングスタイルの方たちです…アイスご一緒しましたが…1ピン目地面(笑)。なんじゃこりゃ?ってビレイです…。後ろに取るビレイヤーのセルフの代わりなのだそうです。

そんなんで、登っているアイスだから超危険ですが… 5級がず~っと続くという、やさしくて長ーい系アイスなので、落ちるわけない。ただ楽しいだけなのです。日本みたいに切り立っていて短い、という超危険アイスとはわけが違います。

 易しくて長い=安全管理はおろそかでも登れる

 短くて難しい=リスク管理をきちんとしないと即死亡事故

です。クライミングは地面に近いほど危険なんですよ?だから、高いほうが危険という一般人の誤解とは逆です。

そんなこんなで、私はアイス楽しいだけで、韓国のクライマーにも、上手に登るね~と言ってもらえた…ので、危険ビレイを見ても、自分に害が及ぶことがないなら、そんなに問題と思わないのです。

短くて難しい=危険、なのに、ボルト落ちれない系、だとやっぱり、ロシアンルーレットでしょう…。それはショートで落ちれないボルトって意味ですから… ショート=ラッペルで開拓されている岩場、ってことなので、そういう岩場では、基本的にはフリークライミングのルールに則ってボルトを打ってあるだろう、と想定されることになります。

がその想定と違うことが、事故多発を招いているとしたら、それは想定と違うことが誤りであるのではないかと思います。