2022/10/13

山とお金 お金があっても買えない価値

■ 栗城劇場

栗城劇場は、多額のお金をかけた”ビッグな夢を語る俺かっけー”登山劇場であった。欲望という煩悩の果てと仏教者には見えるだろう。

■ 私も、お金を稼ぎたかった時代もあった…

んだよなぁ… その昔。15年ほど前だが。その頃は、社会人ビジネススクールに自腹で参加したりしていた… それでMVPを貰ったりもした。

 んだが、別にお金のニーズが下がったというか…。

■ 山ヤに必要な能力は、カネで解決できない

山ヤに必要な能力って金で解決できない問題ばかりが、解決課題だったりするんだよなぁ…

例えば、体力。どんなに金を積んでも、トレーニング以外、体力問題を解決することは不可能。

クライミング技術…たしかにロープとか、クライミングシューズとか、高いんだが、それは一時的なこと。結局、ノットを勉強するだとか、ロープを素早くまとめるだとか、凍らないように登るたび手入れする、とか、全部、実践しないと身につかない。

実践のことを”コソ連”って言うんだが…。こそ連は大事だが、結局、本番に行かないとコソ連だけをしても、身にはつかない。

読図…山で失敗しながら学習するしかない。家で磁北線を書くとか当然です…という感じで、結局、あんまりお金の威力(金さえあれば何も努力しなくて良い)を発揮できないのが山なんだよなぁ…。

■エベレスト一山 700万円

そう言う風に言うと、700万円あれば、誰だってエベレストに登れる!と主張する人がいて、たしかにそれはそうなんだが…。

700万円さえあれば、だれでも登れる山に登って、自己肯定感だの、自信がつく…人って、結局700万円で自己肯定感を買うって意味。

山としては、歩くだけで、全然魅力がないというか…、おもしろさに欠けるというか… なんで面白くないことに700万円も払わなきゃならんのか?となる。

青ちゃんはデナリですら退屈だとおもったらしくて、BCで寝ていたそうだ…(笑)。

ただ歩くだけで到着する山って、クライミングをスタートしてしまった人には、価値が感じられなくなるらしいんだよなぁ… 

だよなぁ…と聞いて思った。

初心者のころ、あんなに憧れた前穂北尾根、一体なんで、あんなに憧れたのか?山の本を読みすぎたとしか、今となっては思えない…。

フリークライミングのレベルに来たら、6時間も歩いたのに、クライミングちょっぴりだなぁ…とか思ってしまう。(堕落ともいえるが)

 かといって今、フリークライミングのルートに行きたいか?というと、そうでもなく、瑞牆のマルチに登りたい、というのは、私の中の夢には全く入らない…。誰かほかの人の夢だなぁと思う。

世界中の岩場を登りまくりたいというのもなく、世界一周したい!とかって、なるほどザワールド世代の幻想なんじゃないの?それ、ホントに自分の夢なの?って思う。つまり、洗脳なんじゃないの?って感じだ。

ラオスには、おし!という感じで行ったが、自分の実力を伸ばす岩場だと確信があり、それがたまたまラオスだったから。しかも、ラオスに行ったら、登攀ではなく、世界観が気に入ったということで、作り出したいのはクライミングの世界ではなく、ラオス的世界のほう。(質素、テレビなし、Wifiなし、平等、ビールはドネーション、ということです)

台湾の岩場も、現在の実力とマッチしているので、誰か一緒に行ける人がいたら、行きたいが、行けなくても、まあ、いいかな~な感じ…。スコーミッシュはどうも楽しいらしい。

というので、特に何も困っていない。充足している、ともいえるんだが…、充足していることは感謝すべきことで、その逆ではない…。

 8年前の北穂池…初級者でアルパインで道がない山をしたい人にお勧め

クライミングは、私は、命を懸ける対象とは思えないし、大枚をはたく対象ともなぁ…まぁ30歳若かったら違うかもしれず、それでも遅いスタートではあるが、夢を追いたい!とか思うのかもしれないが、38歳のスタートなんで、最初から夢の賞味期限は切れているスタートなのである(笑)。当然でしょう。

そんな私が、ラオスや韓国、おまけに台湾までクライミングで行けるわけですから…

みなさん、これは、ある意味、お買い得って意味ですよ?なんでそう思わないのかなぁ…

私だったらチャンス!と見て飛びついちゃいますね。

さてと私は、せっせと仏教勉強することにします。なんせ、アメリカ式仏教、私のドストライクゾーンっぽいです。