2024/08/07

【近況】山小屋ワーケーション敗退&私が山を下りた訳

 ■ 山を下りました… ごめん、仕事にならん。

山小屋ワーケーションという新しい取り組み?実験的にお互いに試してみましょう、という取り組みで、立山の小屋まで出かけてきたのですが、昨日下山し、大阪の自宅に20時頃、帰宅しました。

最大の理由は

  仕事にならん!

です。

■ 仕事にならん訳

1)ワーケーションを多分理解していない

うーん、オヤジさんは、ワーケーションとワーキングホリデーを混乱しているのではないかなぁ。

ワーキングホリデーは、若者に世界を見せるための仕組みで歴史が長く、働きながら旅ができる仕組みです。

海外の人を雇いたい場合、ビザの問題で学生は雇えません。が、ワーホリの人は就労制限がありません。

文字上にリンクを張り付けておいたので、見てください。

一方、ワーケーションの人は、自分の仕事を持ち込んでいます。旅先でリフレッシュしながら、仕事する、っていうあいまいな定義になっています。

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ワーケーションとは、普段の職場や自宅を離れて、旅先でリフレッシュしながら仕事(テレワーク)をする、場所と時間を選ばない新しい働き方・旅のスタイルです! ワーケーションは、個人・企業・地域の三方にとってメリットがあります。 旅行者である個人は心身のリフレッシュと多様性のある働き方の両立が可能になります。

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今回は、平日、自分の仕事をして、お客さんで混雑する土日は、小屋のバイトを行うという合意で来たのですが…、結局、他のバイトと同じ扱いになり、平日も小屋の仕事をすることに… これじゃ、自分の仕事ができません。自分の仕事が出来たのは、一日だけ…(汗)。

土日は逆に、小屋のための時間を空けてあり、使ってください☆状態なのに、3時間しかシフトを割り当てられず…え?!これじゃ、時給3000円になっちゃうよ?という状態…

2)トレーニングができない

仕事をしていると、羨ましいまなざしを受けたので、ん?ほかのバイトの人は、私が宿泊費を払って滞在していることを分かっていないのではないかな?と思ったんですが…。(一般的に小屋バイトは無料宿泊です。それがメリットで働きたい人が多い)

しかし、今回私は宿泊費を払って、小屋に住んでいたので、平日は全部自分の自由な時間、つまり、小屋からネット経由で仕事をする時間に充てれるはずでした。

しかし、これが全く理解されず、できませんでした…。ほかの小屋バイトは、いいなぁ~と私を見ていることになりますので、こちらもやりにくいです。ネットの入り具合の都合で、食堂以外はつかえませんし。

3)運動不足になるのはいやだから

小屋バイトは、必ず運動不足になります。主婦が小太りなのと同じ理由です。自分の時間がないから、自分のメンテナンスは後回しになり、太るのです。いつもスタンバっている=動かないという羽目になる。

私はアキレス腱断裂からの回復中で、それは避けたかったので、運動不足になること決定の小屋バイトはないな、と思ったのですが、ワーケーションなら、毎日、標高の高い場所で、トレーニングと仕事を組み合わせて、なおかつ、週末小屋を手伝うことで宿泊費の補助にできる、と思って、参加しました。

しかし、上記のような理由で、小屋バイトとワーケーションの人の区別がついていないので、仕事もできない上、全然トレーニングもできなかった…(汗)。トラベル用のヨガマットや、筋トレグッズも持っていきましたが…。毎日、早朝に大日岳を往復して、肺を鍛える、も小屋の都合の手前できなかった。

ので、これ以上、運動不足を甘受できない…と思い、おりました。

と以上3つの理由で、全くメリットを感じられないワーケーションでした…。一番の理由は、平日仕事にならないのでは、困る、からです。

■ 原因の分析

1)そもそも小屋バイトにシフトローテーションがいらない = 主婦業にシフトローテーションはない

小屋の朝は、早い。4時です。でも、そんなの山やってたら、普通です。その分、夜が早く、8時には就寝なので、6時に起きて10時に寝るのと、なんら変わりないので、別に朝が早いことに遠慮して、朝番した人は夜シフト入らなくていいよ、とか配慮は不要なのです。2,3日もすれば、早寝早起きに慣れます。

小屋のバイトの勤務体制に、シフトの作り方に、かなり問題がある状態でした…。一日の中で、数時間の仕事が、朝と夜に細切れに入る…というのでは、誰にとっても拘束時間が長く、自分のしたいことは何もできない、非常に不便の多いシフト体制です。例えば、私の先週末の土曜のシフトは、朝3時間入っただけ。これで一日拘束されると嫌ですよね。誰でも。

まぁ、それが主婦業…と同じなんですけどねぇ。山小屋の仕事って基本、主婦業と同じなので。世の男性は、専業主婦って楽でいいよな、とか思っていると思いますが、そう思うなら、小屋でワンシーズン働いてほしいですよねぇ(笑)。

主婦業をシフトローテーションでやる人います?いないでしょ。だから、朝シフト入ったら、夜を入れない、などの配慮は要らないです。

そもそも山小屋バイトの中身自体が、重労働ではなく、軽労働ですから。食器洗うとか、掃除するとか。

それより、一日の全体の仕事が見えており、自己判断で、休憩を入れることができるほうが、働く人にとっては、楽です。つまり、〇日は〇〇君ね、というほうが楽です。

そうすれば、自分のしたいことも、その細切れの休憩時間に入れることができますし。あと2時間はお客さんが来なくて暇だなぁ、と思ったら、近所の山にピストンで登ってくることもできる。

たぶん、親父さんが、変にバイトに気を使って、ただでさえ、数が多すぎて人手が余っているバイトメンバーに、十分仕事を任せないので、やることがないのに時間を自由に使えないという、変なストレスを全員が抱えることになっていました。

その状態のところにワーケーションの私も加わることになって、何もやることがない時間にすら、仕事してない!みたいな非難のまなざしを浴びることに…(汗)。あるいは、仕事がないにも関わらず、拘束されている人が、自由に仕事している私を見て、うらやましい!と思ってしまうことに…(汗)。

みんな、私はお金を払って、ここに来ているんだよ?分かってる?って感じでした。

一度ヘリが来る日に、雷鳥沢に降りて、テン泊してきたんですが、理由は、手は十分以上足りているし、みんながバタバタしている場で、仕事している人がいても、落ち着かないから、でした。

同じ理由で、平日の朝の掃除の時間に、オヤジさんが私にも仕事を振ったのですが…その時間は私は大日岳にトレーニングに出かけて、みんなの掃除の邪魔にならないようにしようと思っていたので…かなり、すれ違っていました。きっと、オヤジさんは、俺なら、どうせ仕事にならないから、みんなと一緒に働く、と思ってくださったんでしょうね…。

でも、私はオヤジさんではない。別の個人なので、オヤジさんとは別の考えを持っていました…朝の掃除の時間は、大日岳で歩荷トレとかしようと思っていましたが、11日間の滞在で、大日岳に行けたのは2日だけ…(汗)。朝は一日だけ。

このペースだと、甲府時代に愛宕山を毎日20㎏歩荷でトレーニングしていた時代より悪い。

■ 親父さんはいい人ですよ?

なんか、個性的な反応というか、些細なことで、大慌てする性格みたいではありましたが、そもそも、どうでもいいような些細な点だったりしたので、高校生バイトですら、誰も動じることがないようでした(笑)。

例えば、一度、朝食の客食出しで、まだ、具が載っていないお皿がいくつかあったのです。それは、調理台にしばらく他のものが乗っていたので、別の小屋バイトにより、お皿がいくつか別の場所によけてあり、盛り付ける人は、特定の具をのせるタイミングで、お皿がよけてあることをしらないので起きたのでした。お皿がよけてあることを知っている人が、お皿を調理台に戻しただけ。そもそも全体の数が少ないので、気が付いた時点で具を出して盛り付けても、何の問題もなく、別に構わないのです。

ところが、オヤジさんが逆上して、一つの具をのせるときに最後までやらないからだ!と言い出し… そんな逆上に耳を傾ける人がいると思います?誰もいません…。そんなのに付き合うより、さっさと具を盛って、問題解決したほうが早いからです。その指摘も間違っているし…勝手な思い込み、って奴です。

そんな感じで、なんでもかんでも、

 個人の資質せいだ、

 &

 お前のやり方が悪い 

にこじつけようとするのですが、そのこじつけっぷりが、全く的を得ていないので、誰も聞かないのでした(笑)。バイト君たちは、そんなこじつけは、スルーして、手が空いたら、楽しく談笑。その後ろで、オヤジさんが、落ちない米粒と格闘する、みたいなことになってしまっていました…。で、実は、その鍋、米粒、落ちないから、今、お湯につけているところで、放置されているだけで、誰も仕事したくない訳じゃない…のに…。親父さんの背中は、

 なんでおればっかり…

と言っているみたいに見えました。でも、違うのです。なんせ仕事の量が少ないのに、バイト多すぎるだけなんです。

五龍山荘で働いたときは、3人で100人回したんですよ? 13人に3人って、一人当たり、4人…こりゃ手が余って当然です。朝食13皿なんて、一人で十分です。

■ 察しろ!は、ムリゲー

実は、私の母も、気を利かせろ!ってタイプでした。母はASD受動型でした。だから、少し、やらねばならないことが多いと、焦ってしまい、あれもこれも…あー、もうだめ、お手上げ、となる人でした。

そんな母親がシングルマザーで、3人兄弟で、長女で過ごしたんですよ?私。どうなるか、分かります? 子どもであっても、私が問題解決をしないといけなくなるんです。

結果、8歳から10年、主婦業を子供ながらにすることになりました…いや、あれは疲れた。

今回の小屋でも、小屋バイトに出す、賄いがボトルネックでした。親父さんが、朝、昼、晩とまかない食を作ると、オヤジさんは本来の仕事ができない。

しかし、そのことにワーケーション中の私が気を利かせて、まかないを作り始めたら、どうなります? ワーケーションに来たのに、自分の仕事ができないばかりか、休暇もできない、ってことになります。専属まかないシェフをやったうえに、宿泊費を払う人なんていません。そんな不平等条約あるわけないでしょ。今回、何食か作りましたけど、出血大サービスですよ。

特に下山前の最終日は、他のバイトにも一泊二日の休みをあげたいというオヤジさんの優しい心に免じて、自分の仕事もあるのに、丸一日捧げました。

賄いは、小屋のバイトメンバーだけで、回すべきで、オヤジさんはノータッチでいいと思います。

今は、作りたい人が作るルール、なので、作りたい人が誰もいない場合は、腹を空かせているべきです。

なんせ、困らないと、人間は成長しないのです。

一日、腹を空かせれば、学習するでしょう。

私の弟や妹も、私がいなくなってから、やっと料理を覚えました。

人は弱きもの、すぐ安きに流れるもの、わざと厳しい環境に追いやられないと、人は、成長しません。

男子バイトが、激マズの食事を作るのは当然です。それを くそまず~と思いながら、任せるのが、親の愛ですよ(笑)。

それに、そうじゃないと、いつも、おいしい食事を作ってくれる、お母さんのありがたさは分からないでしょう(笑)。

察しろ、気を利かせろ、って、発達障害の人は思いますけど、小屋の賄いをどうするか?は、ワーケーションに来た人の問題ではない(笑)。なんで俺のことを分かってくれないんだ、という思いが、どのような機序で、共依存になりたがるのか?長いこと、関連がつかめませんでしたが、それは、発達の問題があるから、発達の問題をこみこみで、自分を分かってほしいと思うからだ、ということは、今回、納得したので、私も子供時代を振り返り、母を許すための良い時間になりました☆

そういえば、青ちゃんも、そんなところありましたっけねぇ…前のクライミングの師匠です。

■参考 

小屋で大好評だったインドカレーの作り方

・玉ねぎをスライサーで薄切りにして、あめ色になるまでフライパンで炒める。玉ねぎは冷たいフライパンに入れ、ごくごく弱火にする。焦がさないこと。

・野菜を適当に一口大切る、肉も適当に切る(チキン、あれば骨付き)。ここはテキトーでよい。

・煮込み用の鍋を用意し、アメ色玉ねぎを入れ、湯を注ぎ、ニンジンなどの火の通りの遅い野菜から先に入れ、煮る。煮ている間、ターメリックとローリエを入れる。ターメリックは入れすぎると、苦くなる。目安は1リットル1さじ。黄色の汁になればよい。

・湯が沸騰したら、肉を入れる。肉は、水から入れると味が水に出てしまうため。

・冷たいフライパンにオリーブオイル、にんにくのみじん切りを入れ、フライパンに火をかける。ゆっくり低温からオイルから温めて香りを出し、にんにくの香りのついたオイルを鍋へ。

・クミンシード、コリアンダー、ガラムマサラ、などのスパイスを冷たいフライパンに入れ、多めのオイルを入れ、低温で火に掛け、香りを引き出す。同じく鍋へ。

スパイスは、クミンシード、コリアンダー、ガラムマサラ。辛いのが好きな人は、チリ。ショウガのすりおろし。

鍋がジュっというので、びっくりしないよう注意。

献立は、スパイスカレーのお供には、大根のアチャールやニンジンのラペなどの酸っぱい系。

最後に、甘めのミルクティーを出せば、献立が整います。ミルクティーには、ほんとは、カルダモンとか入れるけど、日本人にはスパイスがないほうが受けがいいです。豆乳にすれば、さらにヘルシーです。

                山で火の鳥