2021/11/07

初・林業アルバイト!

■ 自伐型林業・就業者支援講習

私は、大阪OL時代から、森林の保全活動には興味があり、間伐ボランティアなどに良く行っていました。山梨へ転勤になった際も、初めて出かけた山は、芦安ファンクラブ主催の南アルプスの登山道整備ボランティアです。(こちらが当時の様子

今回は、自伐型林業の講習に出ています。

■ 女性でもできる林業のバイト

偶然ですが、外ボルダーで全国的に有名な日之影町の方が、チェーンソーの講習の先生でした。工藤建樹先生です。(日之影トポ http://hinokageboulder.com/

福岡から延岡まで通うのは遠すぎて、お財布ピンチよ!と訴えたせいか?先生、助け舟を出してくれました(笑)。

そんな事情だったら、

   女性でもできる林業のバイトを紹介してあげるよ!

ということで、出かけてきました。

■ 山は複数 の鉄則

講習会の仲間と3人で参加。どうも林業の世界では、

  ”スリーマンセル”(Three man cell)

と言うらしいですね。安全対策のために3人一組で行動しましょう、ということ。

クライミングも、一人でもできるけど、怪我をしたときに救援が…というので、仲間と行動するよう、指導を受けます。まぁ、聞かない人も多いですけど、単独だとリスク行動取れない(笑)。リスクを取るのが楽しいのですから、リスクが取れないと、つまり、楽しくないかもしれない(笑)。

なにせ、足をねん挫しただけで、”這って帰った”とか、良く先輩から聞かされます。昨今、若い人は、山岳会に行かないので、こんな話を聞かされていないのかもしれませんが…。

余談ですが、私がいた御坂山岳会では、事故ゼロ&ヘリ出動ゼロを誇っていました。が、よく考えたら、這って帰っているだけ、だったのかもです(笑)。会の宴会で聞かされることと言えば、ピンチをどう乗り越えたか?って話ばかりだからなぁ。 

  ”山は自己責任”

と言われますが、山を甘く見て、自己責任を取る羽目になったらどうなるか? そんな話が聞けるのが山ヤの宴会(笑)。あ、でも、死んじゃったら、這っても帰れないよなぁ(笑)。

■ ステキなロケーション!一面のススキ野原

さて肝心のバイトですが、

  こーんなステキなロケーション! 気分の良い野っぱら

で、初アルバイト!

 佐藤さんとおっしゃる方の下請けでした。佐藤さんは、60代(と思う…多分)の山のベテラン。

道具持っていない!と訴えたら、ちょいちょいと山の小灌木を刈払機できって、さすまた(猪八戒が持っているやつ)を作ってくれました!なんてワイルド!びっくり~!

いつも田んぼの電柵下の草刈りで使っている刈払機が、丸ノコみたいで驚いた!

  「”あさり”をつけるんだよ」

と教えてくださりました。これがその”あさり”とあさりをつける道具。


あさりというのは、のこぎりのように、刃が左右に開いているという状態のことです。

奥の四角い治具で、刃を押し倒して、あさりを付けます。これだけのことで、刈払機が丸ノコにバージョンアップとは!もちろん、キックバックをさせない技術力あってのことだとは思いますが。(アサリ出し動画

刈払機は、農業では、みんなプロテクターもつけないで、「あーあ、また草刈りかぁ~、草には勝てないよなぁ~」と、トホホな感じで使っている、おなじみの道具です。林業の刈払機は、ワンランク上な感じですね。パワフルで、驚きました。

■ 地拵え

私たちが依頼を受けたのは、
   
  地拵え(じごしらえ

と言って、皆伐跡地に植林を行う作業の前段階、準備作業です。

明るいカヤ畑になっていた。早速、ベテランが作業のデモ。


刈られたカヤを列に集めて、植林する苗を植える地面を見えるようにする、という作業です。

植林するにも、地面が見えないと植えにくい、ということなんですね。

これがビフォーとアフター。
ビフォー

 アフター

こちらが佐藤さんに撮っていただいた動画! 私と相方が作業しています。たまたまですが、二人とも青い服、着てる。


作業は、屋外作業なので、トイレ、当然ですが、ありません(笑)。ま、山ヤの男子で問題になる人がいるとは思えないけど。女子も当然、お花摘み、です。

農業などの野外労働では毎度のことですが、あっという間に休憩…。休憩多いな~と、普通の人は驚くかもしれません。9時にスタートしたのに、10時半には休憩、12時はもちろん休憩、15時にも休憩…休憩だらけだよなぁ。しかも16時であがり。

でも、これも、疲労を貯めずに、体を大事にして働く工夫なんだろうな。疲れていなくても従うに限りますね。

で、休憩中、とにかくススキが満開できれいだった。

しかし、なんでススキばっかりなんだ?!と思ったら、どうも、鹿がほかのは、全部食べちゃって、残るのがススキだけ、ってことらしいです…。

ほおずきが、時々、出てきて、見つけたら、パクっ!

薄いベージュのカヤの中で、オレンジ色が光っています。

けっこう、おいしいほおずきだったよ。

昔の人は、ほうずきを食べると流産すると言ったそうです…。









■ 鹿の食害 深刻

鹿の食害は、深刻らしく、この日は同じ現場で、他の講習生仲間が、遠くで鹿柵設置のアルバイト中なのが見えました。

そういえば、山梨県の三つ峠でも、鹿柵設置のボランティア活動をしましたが、設置したとたんに植生回復したんですよね。鹿、ホント困りますね。

別件ですが、鹿肉のロースト、今までの人生で食べた中で、一番美味しいロースト肉だったなぁ…。岡山のクライマーに貰ったものでしたが。ローストビーフと同じ手法で作れる。

■ 一日の成果


こちらが、今回、どうなったか?遠くから見て撮影した結果です。プロは、同じ時間で、この見えている範囲の下のほうまで終わってしまうのだそうです。えっええ~?すごい!

そういえば、林道を運転していて、山が横のシマシマのストライプ模様になっているよなぁと、よく思っていました。カヤを寄せたものを下から見るとストライプになっています。

これだったんだなぁ。

   森が本当に、ひとつひとつ手作りで作られていること

に感動しました。黙々、粛々と作業できる、瞑想チックなバイトでした。

帰りは、心地よい疲れを感じ、日之影温泉に入って帰りました。外ボルダーの筋肉痛とは、全然、違うな。全身で運動したなって感じでした。まぁ、やっていることが、大きな箒で掃く、みたいな動作だからですね。

お天気が良い日で癒されました☆

工藤先生、佐藤さん、お世話になりました!

2021/10/21

正見

 今朝、やっと正見が開けた。

仏教説話をしてくれている、おかもん先生に感謝している。毎朝、旅行中以外は欠かさず、仏教説話を聞いている。その講師のおかもん先生にはとても感謝している。

不思議なことに今日は執着の話を聴いていて、突然、正見が開けた。

■これまでの経緯

私は、一般登山が嵩じ、アルパインクライミングをスタートしたのだが、そこから、何かがおかしくなり始めた…。おそらく、それは、顔の見えない大衆や夫からの嫉妬、だと思う。今、振り返って、そう思う。

山を知る喜びや発見をつづった文章が、むしろ、人々の”嫉妬”や”人を引きずり下ろしたい気持ち”などの、ネガティブな感情を刺激していたらしい…と今は分かる。しかし、当時は、私は、自分の立場を恵まれた立場というよりは、”被災民”のように感じていたので、その嫉妬に面食らうばかりだった。

こう何度も、自分の都合でも意志でもない転勤で、ころころと転地していては、まともな仕事にありつくこと自体がそももそ不可能であり、やりがいや生きがいをほかのこと…つまり、趣味に見出さずにはおれない、というだけのことだったからだ。趣味にだって仕事並みに全力投入すれば、誰だって私くらいの成果は出せるだろう…いや、もっとすごい成果が出せて当然だろう。

私は生い立ちがアダルトチルドレンで200%の人だ。つまり、出来ていることも、出来ていないと感じる、どこまでも、自分にOKが出せないというのが基盤にあるということなんだが、長い社会人生活でそれを克服してきた。

ところが、その面がクライミングでは足元を見られるようになった…。例えば、車。車がないクライマーがクライミングできないのは、当然の事なんだが、そうはこちらでは受け取られていないようだ。あるいはギア。カムを持っていないアルパインクライマーなんてルートに行くことすらできないのが普通だが、それもなし。カムどころか、ロープすら人のだったりする。ギア不足で当然というのは、自立したクライミングではない。ビレイスキルがない、も同じだ。

私にとってはあって当然、できて当然のことが、他のクライマーには、出来ないということになっている。

200%の人は、50%の人のターゲットにされる。ので、なかなか釣り合う人がいない。有料で教わったことを無料で教える羽目になっている。

結果、自分自身の喜びを山で追及できなくなった。自分のことが後回しになるということだ。

これはおかしいということで、色々なところに救いを求めたが、ギーターの勉強したり、心理学を勉強したり、チベット僧のターパさん、サンフランシスコのマイケル牧師、人生のメンターが必要なのか?と思って、古い友人との交流を再開したり…長い間、模索が続いた。

模索する中で出会ったのが、おかもん仏教説話だ。仏教にも、学生時代から何度かはチャレンジしていて、やっぱり違うなぁ…と過去になった経験があり、あまり期待しないで聴いていたが、おかもん先生の仏教は、ターパさんと同じで、ブッダが言ったこと、また法(ものごとの理)だけを立脚点にしているので、変な宗教的色付けがない。それが気に入った理由だ。私が子供のころから信じてきた、善、と最も近い。お葬式に大枚はたくのが仏教だと思っていたら間違いですぞ。

仏教なら誰でもいいのか?というと違い、大愚和尚のYouTubeを見てみたが、それも違う。

ので、おかもん先生にはとても感謝している。

おかもん先生に教えてもらって開けた知恵は、

 クライミング仲間が、ガリガリ亡者連中だ

ということ。自分の登りたいところを落とすためなら、パートナーが危険にさらされても良い、それは相手の責任だ、という歪んだ自己責任論で犯されている。そこには自分さえよければよいがあり、仲間意識はない。仲間意識がないということは、分かち合いの意識もない。そんなところでやっていきたいとは思えない。

というので、最近やっとスッキリ…。クライミングの業(ごう)は深かった…。

私は、すっかり手放す気満々で福岡に来たのに…色々な人に誘われて、全然手放せなかった…

私はクライミング歴が浅いクライマーで相互監視の中で登りたかった…だから、仲間が欲しいという気持ちが執着として残り、クライミングはとっくに賞味期限が切れた趣味だったのに、手放すことができなかったのだろう。

クライミングは危険な行為なので、仲間同士で助け合い、相互監視する間柄が必要だと、九州クライマーは思っていない。どちらかというと、どっちのほうが命知らずか?競合しあっている。そんな関係性で登って行けば、早晩、命が無くなる。

ただでも危険なことをしているのがクライミングなのだが、それをより危なくなるように、わざわざランナウトさせているのが九州のクライミングルートの形だからだ。まぁ、これは小川山もヨセミテ流を継承しているから、同じなんだが。

したいと思っていないリードも無理強いされて不愉快だった。

というのが、明らかに見れるようになるのに、業が深すぎて、4年かかった…(汗)。 

アイスでワンシーズン35回、登りまくって楽しく成長したのがたったの1年の事で、その35回のクライミングで作った業を燃やしつくすのに、4年もかかったのでは割に合わないなぁ(笑)。

おかもん先生に大感謝だ。

■ 僻地

九州に来た当初から、九州では山やクライミングをやらないで、他のことに取り組みたいと思っていたんだよなぁ…。何しろ、登山業界として見ると、九州には特に見るべき山はないんだし。

日本登山大系という立派なシリーズがあるが、穂高は山ひとつで一冊なのに、関西以西は四国、中国、九州をまとめて一冊程度の話にまとめられている。そんな状況を知っていたから、最初から気分は盛り下がっていたのに、なぜか、次々とクライミングでやっておくことが出来てしまい、ずるずると断ち切れずにいた…。

それは、やはり、私が山が好き、という執着があるから、だろう。

高度な登山をする以前から、森林ボランティアで間伐に行ったり、山梨でも山一発目は登山道の整備活動だったり、だからなぁ…。

山が好き、自然が好きという執着が、こんな形でしか昇華させられないとは… まさに、”私の不徳の致すところ”という感じだなぁ…。

もしかして、BMCトラッドフェスに行っておけばよかったのだろうか?いや、そんなことをしたら、嫉妬の炎はより強く燃え盛っていただろう…。つまり、もっと悪口を言われていただろう…

というので、人の目を気にして生きている、ということも分かった次第…。スティーブには悪いことをしたなぁ…。せっかく誘ってくれたのに。

このような悪いチョイスをしてしまう業は、私の”禁止令”にあると思うが…。うしろめたさということを感じているのは、それだけの努力をしたという気持ちがないからかもしれない。

たしかにクライミングも別に頑張ったわけではなく、能力を100%出し切ったわけではない。ただ、山のご縁がつながって、どんどんと広がっただけだ…。山梨でいただいたご縁はすごかったよなぁ。まぁ、半分は下心で支えられていたような気がするが。

九州で担っている役割は、私よりも能力があり、適任の人が担うべき責任だという気持ちがどこかにあるよなぁ…例えば、九州クライマー連絡会とか。

私の実力そのままの山で言えば、甲斐駒積雪期単独、阿弥陀北稜積雪期初見で単独、そんな感じかな。明神主稜も自分の山だ。フリーはまだ初級で足踏みだし、この怪我でさらに後退中だ。まぁ、だからと言って惜しいと思っていない。そこまで私に喜びをもたらさないからだ。

ドライの練習はしたいんだが、岩根まで行っても練習するのは相手の問題でできなかったからなぁ…。

とりあえずやれることはやっている感、あります。

2021/10/14

九州に来てから起きた感謝できないことのまとめ

1)はじめての四阿屋でランナウトによるグランドフォールを目撃

2)やってはいけないビレイと最初に教わる支点ビレイを目撃

3)座ってビレイされる

4)分かっていないロープワーク講習会を目撃(自己脱出の支点にレボルバー)

5)見たことがなく、どう使っていいのか悩む支点類

6)カットアンカーが20年以上前のレギュラーで現代ではグージョンであることを知る

7)マルチで2名のリードクライマーを一名のビレイヤーがビレイしていることを知る

8)壁から離れたバッツンビレイをされているかわいそうな子供を目撃

9)背の低いクライマーに向かってエイドで鍛えるという発言から分かっていなさそうなことを推測

10)せっかくの市販の終了点であっても、ボルト位置が近すぎる(八面)

11)せっかくの整備であっても、ボルトラダーの置き換えで1m置きにボルトで分かっていなさそうだということが推測される

12)会に属していて3年経ってもなんの理解も進行していない人を目撃する その会では教えていないことが推測できる

2021/10/07

チェーンソーが使えるようになりました

  20日間林業就業者支援講習

チェーンソーが使えるようになりました。

・安全服 チャップス義務化

・メット、バイザー、ホイッスル、イヤマフ

・防振手袋、安全靴(つま先鉄板入り)

開拓クライマーも防振手袋と目の保護くらいはしても良いような気がしますね。

あと、かかり木の処理は、メカニカルシステムと同じです。いきなり玉伐りしているような気がするなぁ。

やはり、きちんと学ぶと、素人さんレベルがいかに危険なことをしているのか…と思います。

以前、ピオレドール賞を受賞した伊藤さんとお話しする機会があった時、毎回、死の覚悟が必要な山はできないと私が言うと、

「でも、よほど素人さんたちのほうが危険なことをしているよね」

という答えだった。本当に九州に来てその通りだと思う。

2021/10/03

中古のギアは使用しない

 あまりにも当たり前のことなので、誰でもそうしていると思ったら違うようでした…

カムやアイスアックス、その他、ギアの貸し借りは、自立したクライマーはほとんどしません。コンペに出るのに、ほんのちょっとの間、アイスフックがいるとか、試しに振ってみたいとか、そんな話があるときは、借りたり使ったりしますが、最初からカムを買いそろえる気がないままに、クラックの岩場に行くとか、自分の本気トライで、人のロープで登るとか、ありえませんよ。何しろ、リスクのコントロールを楽しむのがクライミングなので、人の土俵で相撲を取るようなことになります。

印象的だったのは、私が初心者時代に確保器を落とした時、先輩が残念そうに

「落としちゃったら、内部に見えない亀裂が入るから、もう使えないね」

と残念そうに言ったことです。それくらい、ギアの性能には気を遣うのが通常です。



2021/10/01

移住するシリアスクライマー

 ■ 山梨県北杜市の若者クライマー

は、みんなクライミングのために移住してきた人たちで、私のように、たまたま山梨に来て、なら登ろっか…みたいな人はいない。

クライミングのために移住してきているシリアスクライマー達だ。

しかし、かわいそうなことに、仕事がないので、結局、生活のためにクライミングできなくなってしまっている…。コンビニバイトとか、ナナーズで働くとかでは、月収13万円でやっとこさ暮らせるレベル感になってしまうからだ。

気の毒で見ていられないが、来たのは本人の意思だからなぁ…

■ 地元は無知

山梨でも、地元は、クライミング?なにそれ?美味しいの?レベルだった…。

桃とか葡萄とか有名すぎて、クライミングとかどうでもいいレベル…つまり、桃やブドウが廃れて、流行がクライミングに来ているということが業界外だから分からないということだった…。

クライミングのメッカ、小川山がある川上村も、クライミングには全然興味がない…。そもそもレタス豪農の年収2500万円の村だからなぁ… 雇っているのは、全員外国人研修生で、彼らは委縮しており、人目につかないようにしている…世界的な人権センターから是正勧告を受けたほどの人権無視型外国人雇用… 

そんな村の再奥地にある小川山も、フリークライミングのメッカなんだが…まぁ、正直、国際的に胸を張って、安全に登れるとは言い難いよなぁ…。

けど、この岩場はアメリカ型だから、それでいいと思う。花崗岩の岩場は、みんなアメリカ型でいいんじゃないのだろうか…つまり、カムで登る。安全は自分で確保するってことだ。

現代クライマーは、そんな”自己責任型”クライミングはあんまり好きでないようで、小川山でもボルダラーが優勢だ。

アルパインの人やロープの人は、ボルダラーを見て、ああなっては堕落だ…と思っていたりする…。

が、最近の若者に人気があるのは、小川山でもボルダー。理由は、小難しいロープワークやリードするためのリスク管理を勉強する必要がないから…。ロープのクライミングは教わりたいと思っても、教わる教育機関がない。山岳会に行っても、教えられる人がない。

ちゃんとした会に行くと、登れるように教えてはくれないのに、山行計画にダメ出しばかり貰って永遠に山に行けない… それは本人の行きたいルートと実力に乖離があるためなんだが、そのことを説明すらしてもらえないので、フラストレーションになる。

…例えば、私が最初に行ったジョーゴ沢から硫黄岳山頂を目指すアルパインのルートは、2か所の滝の核心があるだけでごく簡単だった…ロープを出さないで超えてしまったくらいだ…が、伊那の方の山岳会は、私たちが行くのにビーコンを無理やり持たせたくらいだ。

というので、ボルダーなら、そういうめんどうがなく、誰にも文句言われることなく、登れるということなのだが、実を言えば、ボルダーは非常に怪我が多い。

■ ボルダーではランディングとマントル返しが核心

ランディングとか、マントルとかちゃんと教わることがないから…どっちも外で登らないと出てくることがないから、誰もがいきなりぶっつけ本番になる。

アルパインのクライマーは、当然読図ができるので、沢に行ったり、アイスに行ったりして、新しいボルダーを見つける。

ボルダーしかしない人は、地図の見方も知らない。そのため、結局、人が作った課題を登るくらいしかできることがない。

ついでにどこをホールドにするのか?ということすら、Youtubeで確認…つまりオンサイトは不在だ。登れさえすれば何でもいいことになってしまう。どこがホールドなのか、先に見ないと登れない…とオンサイトというのは初めからない。ボルトも使わないので、開拓に向かうこともない。

…だからボルダーの課題がTRで試登で開拓されていることも分からない…現代クライミングは開拓者は最初からリードなんてしていないですよ?ラッペルダウンでの開拓が普通になっている。

ボルダラーの人が悪いわけではないが、YouTubeと同じムーブをするための課題になってしまったら、そこにはクリエイティビティはない。人のまねがあるだけになってしまう。

AさんとBさんが、同じことが同じように出来る…を目指していたら、自分でムーブを編み出すということはないので、一生懸命トレーニングと言うことになってしまい…最高グレードに達した後は、だんだん以前できたことができなくなっていくだけだ…そんな未来が予想できることに、私などの遅くからスタートした人は全く魅力を見出すことはできないんだが…

魅力を感じる人によれば、パワーをオールアウトできるのが楽しいのだそうだ。

男性の肉体パワーを使う機会がほとんどない現代社会、そういうニーズがあるなら、有償のお金になる仕事でそれを使ったら、どうなのだろうか?

例えば、架線の会社で働くとか…


2021/09/30

体は魂が宿る聖なる寺院です

一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)より引用

健康習慣をつけるには
「私の体は私ではなく私のもの」
という主人意識をもち
内臓を偏りなく使う必要があります。
心臓だけをたくさん働かせたり
腎臓だけを過度に使ったり
肝臓を酷使したり
胃に負担をかけすぎたりすると
体の調和が崩れやすくなります。
心臓はまだ元気だけれど
肝臓が無理をして
命が危なくなると
心臓はどれほど悲しいでしょうか?
いつの日か安らかに息を引き取りたいなら
偏りなく内臓を使う必要があります。
全身をムラなく使うために
ウォーキングほどいい運動はありません。
ウォーキングは体を構成している600以上の筋肉と
それと一緒に動く約200の骨を動員する
全身運動です。
涼しい風が吹く
ウォーキングにいい季節になりました。
歩数を増やし、健康習慣をつけてみましょう。

私たちの体は健康な生活習慣によってのみ

健康になることができます。

2021/09/29

5.12の悲喜こもごも…

 5.12

と書いて、トゥエルブ。現代フリークライミングのスタートは、12から。というのは、子供から登っているキッズクライマーにとって、5.12はアップ課題だからです。

一方、キッズクライマーでない大人のクライマーにとっては、5.12は、今でも、目標。往年のクライマーでも、5.12に届いた人は少なく、まぁ大体は、イレブン止まりです。イレブンって、私がもしかして登れるかも?みたいなグレードです…要するに、誰でも登れるよって意味です。私は握力17kgしかなく、身長は152cmしかありません。意味としては、これ以上、不利な人はいないって意味です。

ので、多くの人が5.12登ってしまえば、フリーはもういいや~となる。そこまでプライドで頑張る、みたいなことになっている。

それはクライミングにおいてグレードが上のほうがエライみたいになっているからですが、それは、アルパインのほうの伝統で、昔は、次のリーダー格と目された人が、”リードをお前に任せたよ!”と年配者から指名されることが多かったからです。

しかし、フリークライミングの時代になったら、リードしても、アルパインのようなリスクはない。

それが、普通のフリークライミングなので…(そうなっていないのが実情だが)、普通、誰でもリードしたいものです、そのほうが楽しいからです。

そういう訳で、リードとフォローで、上下関係が存在しなくなるのが、フリークライミング…

…という世界にいまだに上下を持ち込んでいるのが日本のクライミング…(汗) 

海外に行ったら普通に、5.8を終わってから、5.9に行き、5.9を登り終えたら、5.10Aに行きという世界なので、成長に無理がないです。

日本ではグレードピラミッドという考え方をすることができないので、1本登れたら、もう次、というわけで、グレードを稼ぐために、お買い得11とか、数ある12の中で一番易しい12とかを稼いで、”見かけの実力”を誇示するので、インスボンで5.8のワイドが登れない5.13クライマーとかが量産されることになる。

つまり、体裁取り繕いって感じで、本当の実力っていうことより、体裁のほうが重視される傾向にあります。

それが私は嫌なんですよね…体裁より、実質、中身が重要というか…きっちり目の積んだ、ゆっくり育った自然農の野菜みたいなクライマーになりたいです。

どこかのスポーツルートで5.12登れても、別のところで5.9で返されることがある、というのなら、その人はまだ、5.9の熟達者とは言えないクライマーなんで
はないでしょうかね?


2021/09/28

九州から来た新人が謎だった話

 ■ 全部Aゼロで登って

トップロープを作り、ロープ掛けてあげたよ~と言ってくる人が、山梨にいたころの同期入会の50代男性だった。自衛隊。九州から来た人。

ロープひっこ抜いて、そこ私リードしたんですけど…。兜岩です。甲府のローカルなら親しんでいるフリーの岩場。

その自衛隊の新人は、入会した時、会の先輩があげる九州のアルパインルート全部に、「行ったことがあります」と返事をして、ずいぶんと期待されたのですが、なにしろ、こんな様子だし、自分のロープも持っていない。北岳バットレスに行ったときは、なんとバイルをバスに置き忘れる…ので、徐々に先輩たちも、”おかしいな…”と思い始めました… 

”「クライミング歴5年です」はホントなのか…?”

それでよくよく聞くと、「年に一回人に誘ってもらって岩場に行ってトップロープしかしたことなくて5年」なのだそうでした…。それって5年じゃなくて、5回ってやつでは…

人工壁で私を引っ張り落とした…。隣の人が気の毒がって「ビレイを変わってあげましょう」と申し出てくれて登れたんでした…。そのあと、彼にもビレイの練習が必要だ、とビレイしてくれた人が言うので、やってもらおうとすると、”いい”と言ってビレイの練習すらしなかった。

その自衛隊、何年たっても一向に自覚せず、会の中では、だれも登ってくれる人がいなくなり、ついに九州にいる私に泣きついてきて、私が帰省?したときに、小川山での師匠と登るお久しぶりねクライミングの会に混ぜてあげたんですが…私がリードしたスラブ、彼はトップロープ。

やっと一言、「私は今まで色々と分かっていなかったんですね」。

私には、さんざん恩着せがましく一緒に行ってやるぜモードだったのでしたが、こんな様子なので、行ってあげているのは、どちらかというと私のほうだったのでした…。でも、礼儀正しい人は、恩着せたりしません。このときも、世界的に有名なクライマーとのクライミングに混ぜてあげたのでした。

こういう人を見ているので、最初から、九州で教わってきたという人には、なんか大丈夫なんかな~と思ってしまいます。

私がいた会の先輩なら、みんな、うんうん、と思うことでしょう…


大分県中津市 八面山の岩場  リボルト基金への協力のお願い

以下、池田さんのFB投稿からの転載

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大分県中津市 八面山の岩場 

リボルト基金への協力のお願い

北部九州の多くのクライマーに愛されている八面山。

上部、中部、下部の3つのエリアを持つ、大分県でも屈指のクライミングエリアです。

その八面山のリボルト作業が2021~2022年に行なわれます。

1990年代に開拓されたこのエリアも、他のクライミングエリア同様ボルトの老朽化が進んでおり、また開拓当時は普通に使用されていたボルトや終了点も、現在ではその強度が不安視されているものが多く含まれています。 

また、八面山は県立公園内に位置し、景勝地、名勝地でもあります。そのため、まずクライミングエリアとしての認可、次いでリボルトの許可を申請する必要がありました。

各方面の方々のご尽力があって、今春クライミングおよびリボルトの許可を大分県ならびに中津市の各関係部署からいただくことができ、リボルト講習会(2021年夏開催予定)ののちに本格的な作業に入っていくことが決まりました。

このたび本グループを立ち上げたのは、リボルトの現状をリアルタイムで広く情報提供できる場を作る必要があった事と、募金活動の母体が必要であったためです。

耐用年数と八面山の岩質を考慮すると、ケミカルボルトを使用する必要があるため、施工から丸1日(※夏季の場合)は登ることができません。どこのエリアでどのルートがいつまで使用不可であるかなど施工状況を周知する媒体としたいと思います。

募金については

既存エリアのボルトの多くはリボルト対象と言われており、かなり大規模な作業が必要です。材料代だけでも相当な額にのぼることが予想されます(※ケミカル中間ボルト1本の施工に約2000円。終了点の設置に5500円ほどかかります。1ルートだと2~3万円の材料費となります。人件費別)。

安全なクライミングエリアの存続のため、八面山リボルト基金へ、クライマーの皆さまのご協力お願い致します。

2021年6月28日

八面山リボルトTeam一同(仮称です)

ご寄付 振込先

paypay ID   mt8mem

(メッセージにてお名前入力ください)

セブン銀行

店番107 バラ支店

口座番号 2131713

※銀行口座は近年の特殊詐欺対策のため、任意団体名の口座開設が困難なため、口座名義が世話人の池田の個人名になっておりますが、ご了承ください。

※各お問い合わせはメッセージ経由でお願いいたします。

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2021/09/27

アルパインクライマー馬目弘仁さんの職業…林業施業者(特殊伐採)

■馬目弘仁さんの職業

馬目さんは世界的に有名なアルパインクライマーで、ノース・フェイスのサポートアスリートです。

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大学卒業後は就職し、埼玉県に移住するも、アルパインクライミングは継続。その後4年半勤めた会社を退職して長野県松本市に移住。以来、20年以上、いまも同市を拠点に活動しています。

移住後は

 松本広域森林組合に就職し、

現在はクライミング技術を応用しながら

 高木を安全に伐採する「特殊伐採」のチームに所属。

また、近年は伝染病によるマツ枯れの伐採作業にも携わり、

  森林現場作業歴は20年以上

に及びます。

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アルパインと両立できる職業としての林業。

他にギリギリボーイズ伊藤仰二さんも、農業を選択されています。

米二町、トマト8畝だったと思います。