2020/03/08

右ひざのこと

右ひざのこと

右ひざの脱臼は、やはりまだ完治には程遠く、寝ているときに右を下にして、寝返りを打つ動作が痛くて、目が覚めます。

1)膝をひねる動作がある足ジャムは微妙。
2)ジャンプで着地しないといけないボルダーはNG
というわけで、まぁできることは
1)オーバーハングでツイスト登り 落ちるときはびよよん
2)落ちないで歩けるスラブ
以上終わりかなぁという感じです。ともかく足を突くという着地がNGですので、びよよんだけが安全。

MRIを取ったら?とも言われたのですが、脱臼って腱が伸びきってしまったという状態のことなので、まぁ、時間が解決するしかないかなと思っています。

温泉で回復したいなー。福岡は九州にある唯一の温泉貧乏国なのです(><)。特に海側。ので、その点がちょっと残念。

2020/03/06

What's the meaning of taking your own risk?

Photo A
 This is what I see familiar in Japan.















Photo B


What's this?

I don't know...












Photo C






This is the proper bolt.

M10 goujon.





















Photo D





This is what I saw in the latest sea cliff climbing..












...and its environment.

 Sea cliff as it is obvious.














Until you open the bolt, even a developer can NOT know if the bolt is alright and trust worthy...

So climb at your own risk... the words sound so empty...

What the heck dose it mean????  It means "Don't blame me if the bolt fails!" ???

But in reality, the law has already decided it is the developer's fault...

■ Experienced climbers too can not know

Even experienced climbers too can not know how strong the bolts are...

so their solution... is DOES NOT FALL... so did I.




This is a unique anchor I saw near by crags...

which even the developper climber does NOT use...

since he doesn't need it to practice.

Why use it when the developer himself does not use it?

Because you want to lead climb?

You might be better to lead climb till you hold the tree...


I was feeling uneasy and my mind was trying to find the answer... why why why...

may be that is why I like to climb outside of Japan.

カットアンカーの中身は開けてみるまで分からない=クライマーに自己責任で登れと言われても困る

写真A
 これはよく見かける、ごくありきたりなペツルと思ってしまう、ボルト

なんか見慣れたサイズ感…














写真B
これは? よく分からないボルト。
















写真c


これはグージョン。






























写真D





これはM10カットアンカー














 の置かれている環境。

で、これは、このシークリフと似た環境であるシークリフでカットアンカーを開けたら、どうなっていたか?っていう話。























ボルトというものは、開けてみるまで、開拓者本人すら、そのボルトが信頼できるのかできないのか?分からない…

そんな状況で、クライマーの自己責任で登れ、ってセリフは、どういう意味を持つのか???

いや~ 意味深ですなーほんと。探偵並みの知性がいりますな。クライミング業界ってところは…

■ ベテランの判定

最初の写真のは、見慣れた感じがしますが…正解はM8カットアンカー…(汗)。これを見慣れてしまって、危険認知できなくなっています(汗)。

それは、ワタクシだけでなく、大ベテランも同じだそうで…。

写真DのM10カットアンカー@シークリフでは、使って登るそうでした。登攀歴30年くらいの方。シークリフはケミカル一択でしょう。


師匠の青ちゃんに不安になってお尋ねしたこの終了点…。

開拓者本人は、上の木からトップロープを取る…その行動を見て、不安になった。

結論:

無くても登れるから、なしで登る系…









というわけで、九州クライマーらしく順調にボルダーに押し出されるわけですな~

ボルダーの次に安心なのは、クラックだとクライマーは気が付いていない。

ボルトルートは、外からは検知できない危険が一杯。









追悼:杉野さんの記事から考察する ”支点整備の方針”

以下、追悼のため、ポイントを整理します。赤字当方。

-----引用‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

大体において、私の場合は、前からルートを整備するということがあまり好きでなかった。

なぜかというと、初登され、発表されて、作品としてルートが公になったものには、初登者のこだわりとか主張とかが感じられるまま、ボルトがさびようが、終了点がなかろうがそのままの状態にしておき、そのルートにトライしたいのだけれどもボルトに不安があると感じた人が初めて、初登者に了解を取った上で打ち替えなどすればいいのではないかと思っていた。
 今となっては、理解できない人の方が多いとは思うのだけど、私は終了点はなくてもいいとすら思っていた時代もあった。(ここでいう終了点とはボルトアンカーなどの岩に残置した支点のこと)終了点は登るためには必要ないからだ。 うわっ何いってるんだこいつ、という声が聞こえてきそうなのでもう書くのやめようか、いや、でももう少し書こう。
 私がクライミングの影響を受けたのは、どうしてもヨセミテで、そして実はジョシュア・ツリーなのでもある。ジョシュアにはルート中、登るために必要な本当に最低限の残置物しかなかった。ナチュラルならその岩には何もなかった。終了点もない。岩の頂上には木もない。大体ナチュプロで終了点を作り、フォローしてもらうか、ロワーダウンで回収したりするのだが、ではその終了点はどうするかというとその岩塔の他のやさしいルートを再度登って回収し、そのルートをクライムダウンするのである。とまあ恐ろしく面倒くさいことをしていたわけだが、でもこれが妙に気持ちいいのだ。今登ったこの岩には人が登った痕跡が全く残らない。
 だから、私のルートは、自分の事しか考えず、どうしても最低限の物資で作られている場合が多い。

 そんな私が、幕岩と城ヶ崎の整備をしようなどといいだしたものだから、D助はそれは驚いていたようだ。
 私が整備をする気になったのには訳がある。
 まず第一に時代は流れているということだ。スーパーイムジンの最後のボルトはどうしてもうち変える気になれないが、上から開拓されたルートなら、ボルトは新しくて頑丈なのに越したことはない。つまりグラウンド・アップで打たれた訳でもないのにその貧弱なボルトを使い続ける理由はないということ。それにレッジ・トゥ・レッジのクライミングの発想どころか意味も薄られてしまった今、終了点のないルートはルートでないといっても過言ではなくなってしまった。
 二つ目として、鳳来での美化活動に少しだけだが関わって、ルート整備(美化)の意味と必要性をあのような方向からも再認識し、カモフラージュされたボルトときれいな終了点を見て妙にスッキリした気分になったこと。そしてやはりJFAの他メンバーによってほとんどケミカルに打ち変えられた城山南壁を見て、それまで感じていたボルトの違和感を感じなくなったこともある。岩場再生という言葉がぴったりだった。
 第三に、自分が講習会で使っているエリアでもあるわけだし、私のような職業の人はすすんでやらなければいけないことだと今更ながら思ったこと。講習会をしながらいつも思っていたこのグチャグチャな汚いスリングの終了点早く何とかしなきゃの思いは、今は岩場のノーモア・スリング運動につながっている。
 そして最後に自分も変わった。スティッククリップも投げ縄ならOK。こうやって人は時代に流されていくものなのですね。
 ジョンバーカーは今でもジョシュアの終了点を抜いて歩いているのだろうか。(わけないか)
 さ、というわけで何日かD助と幕岩、城ヶ崎の整備をおこなってきた。しかしこれはまだ始まったばかり。城ヶ崎などほとんど手つかずのままであるが、気になったことをいくつか書いてみたい。
 シーサイドや二子、鳳来のように、ある程度フリークライミングのことが分かっている人が行く岩場なら何の問題にもならないようなことが、幕岩ではおこっている。
 対物ビレイ全盛の、リングボルト1本で対物ビレイしていた輩に注意した藤原雅一氏が、「アルパインやったこともない人にそんなこと言われたくないね。」と罵られたというのは有名な話だが、そんな時にくらべればここやJ山での、生と死の分岐点博覧会状態は激減したものの、それでもやっぱり終了点のビナは持って行かれてしまうんですね、これが。ひどかったのは幕岩の「蟻さんルート」周辺の終了点だ。
 整備1日目に終了点をチェーンタイプに交換し、カラビナ2枚をとりあえず残置。その3日後再び訪れるとその間は平日だったにもかかわらずきれいさっぱりカラビナはなくなっていた。まあ予想はしていたけどこんなに早く無くなるとはなと思いつつ、今度は終了点の一部であることを強調すべく結束バンドできちきちに固定し、ヤマタケ作製の注意点を記したカード(写真)をチェーンにつけた。今度は大丈夫だろうと新しいロックビナを残置。しかし、その一週間後そのロックビナもあっと言う間になくなってしまったいたのである。このときのD助の落ち込みようといったら無かった。私もこの日は整備する気が失せた。結束バンドから強引に抜き取ったあとを見ると間違って回収したとかは考えられない。あきらかに取ろうとして盗っている。だったらいっそのことFIXEのチェーンごと持っていけばいいのにと思うがそこまではやらないようだ。(やらないか普通)
 このビナや、終了点はみなさんの会費で買ったものだ。それが、当然会員ではないであろう誰かによって持ち去られるというのはまったくもってやるせない気持ちになる。
 それから、やはり気になるのが、終了点リング直がけトップロープ軍団だ。これは、カードを付けなかったJ山ではかなりの人がやっていた。まあ、そうすればいつでも回収できるし気持ちはわかるけど、リングは減るし、他ルートと共有の場合とかロワーダウンできないわけだからやめましょうね。でも、これ読んでる人はすでにそんなこと百も承知なんだよね、読んで欲しい人ほど読まないんだよな、FFみたいなこういう雑誌って・・。
 終了点のセットは難しいことは何もない。それぞれのハンガーにヌンチャクを1本ずつかけてロープを通すだけでいいのだ。よくわからないのが支点を自分で作っておきながらも、リングにも通しちゃってる人。リングや残置ビナは最後に回収するとき以外は空けておいて下さい。
 さあ、というわけでルート整備もまだ始まったばかり。最近整備したルートは別紙の通りだが、まだまだほんの一部。これから城ヶ崎や小川山、そして鳳来と手をひろげていかなければならない。この辺で支点整備の方針をあきらかにしておく必要があるだろう。

ただし、これは私が勝手に考えたもので、JFAの総意ではないので念のため。

1.終了点について
 スリングなど貧弱なものの場合はチェーンタイプにうち変える。
問題は場所だが、基本的にオリジナルの位置を尊重する。
 しかし、ルーフなどでイグジットムーヴがあきらかにそのルートの一要素であり、
そのために終了点を高くしたことによって、深刻なロープドラッグやリップとの擦れなどを起こす場合(以前の「鳳来/クライミングショウ」など)は、初登者と話し合いの末、終了点の位置を変更する。

 そのために、そのルートのオリジナリティが失われてしまう場合は、新規トポや、各メディアなどを通じて「このルートは最後はたちこんで終了とする」といったように情報を伝えることで対処していく。
  
2.プロテクション用のボルトについて
・アンカー
 10mm以上のステンレスで、錆や変形の発生がなく確実に打たれているものならそのまま使用することも考えられるが、それ以外は打ち替え。ハンガーは変形や腐食したものはもちろんだが、形状自体が危険なもの(不必要に大きい、バリがあるなど)も交換したい。
 しかし、比較的やわらかい岩質や、城ヶ崎など腐食の激しいエリアのものは、ケミカルに打ち直す。
・数
 よっぽど理不尽な理由でランナウトを強要するものでなければ、例えロングフォールの危険があろうとも、初登者の意向を尊重し打ち足しは行わない。
(逆に数が不必要に多い場合は、撤去することはありえる)

・場所 
 やはり、場所は基本的にオリジナルの位置を尊重する。ケミカルの場合はできるかぎりオリジナルのボルトを撤去し、その穴を利用して設置する。

同じ場所に打てない場合は、最低でも20cmは離す必要があるので、多少の位置の変更は
 初登者に了承してもらう。また、ロープの流れや岩質の問題上、オリジナルの位置から大きく離れてしまう場合も同様。

 しかし、オリジナルの位置が次の場合は積極的に位置を変更する。

1.あきらかな設置場所のミス
2.最初からドローやスリングが、かかっていることが前提になっている位置決め
3.あきらかに「とりあえず」の位置決めで、それが習慣的に使われてきた場合
4.本来のルートとは無関係な、不自然なクリップムーヴを強いられる場合

以上に該当しないのであれば、そのルートの本質と初登者の意向を尊重し、例えロングフォールの可能性があろうとも大幅な場所の変更は行わない。

初登者が、位置の変更を依頼してきた場合はその限りではないが。

・ボルトや終了点のカモフラージュ

 全ての人工的支点は、一般観光客やハイカーに目立たないよう、
岩と同色にペイントすることなどにより、「適度に」カモフラージュする。

(「適度に」というのは、目の前にあってもわからない位見事にカモフラージュ
されるのも、それはそれで問題だから)


ーーーーーーーーーー以上引用終わり

■ まとめ

昔のクライマーの考え方 

方針
1)ルートを整備するということがあまり好きでない
2)初登者のこだわりとか主張とかが感じられる
3)終了点はなくてもいい
4)終了点は登るためには必要ない

影響を受けた岩場
1)ヨセミテ
2)ジョシュア・ツリー

当時の考え方の結果
ルートは、自分の事しか考えず、どうしても最低限の物資で作られている


《現在の考え方》

現状認識
1)時代は流れている
2)上から開拓されたルートなら、ボルトは新しくて頑丈なのに越したことはない
3)つまりグラウンド・アップで打たれた訳でもないのに、その貧弱なボルトを使い続ける理由はない
4)レッジ・トゥ・レッジのクライミングの発想どころか意味も薄られてしまった
5)終了点のないルートはルートでない
6)講習会で使っているエリア
7)グチャグチャな汚いスリングの終了点が美しくない 
8)ステッククリップOK
9)現代のルート整備は、”整備”ではなく、”岩場美化”であり、”岩場再生”。

影響を受けた岩場
・鳳来
・城山南壁

現在の考え方の結果
カモフラージュされたボルトときれいな終了点

■ 文章から抜き出したあるべき姿

1)シーサイドや二子、鳳来のように、ある程度フリークライミングのことが分かっている人が行く岩場なら何の問題にもならないようなことが、幕岩ではおこっている。

→ 上級者の岩場と入門者の岩場は分けるべき

2)対物ビレイ全盛の、リングボルト1本で対物ビレイしていた輩に注意した藤原雅一氏が、「アルパインやったこともない人にそんなこと言われたくないね。」と罵られたというのは有名な話

→ 九州でも支点ビレイをするクライマーが時代遅れとは気が付いていない。危険だと指摘されても、言うことを聞かない人は昔の山岳会の自慢話をする。

3)生と死の分岐点博覧会状態

→ ノーモアスリング活動

4)終了点のビナは持って行かれてしまうんですね、これが。ひどかったのは幕岩の「蟻さんルート」周辺の終了点

→ 終了点のビナを持って行かない →残置ビナ文化を辞め、結び替え習得させる

5)やはり気になるのが、終了点リング直がけトップロープ軍団

→ ぬんちゃく2本で終了点を作る

■ 方針のまとめ

1.終了点=チェーンタイプ
2.ルーフは要注意
深刻なロープドラッグやリップとの擦れなどを起こす場合、初登者と話し合いの末、終了点の位置を変更する
3.変更がない場合「このルートは最後はたちこんで終了とする」といったように情報を伝える
  
4.プロテクション用  最低10mm以上のステンレス もしくは、ケミカル
5.ロングフォールの危険=OK (※グランドフォールの危険ではない)

6.位置変更
 1.あきらかな設置場所のミス
 2.最初からドローやスリングが、かかっていることが前提
 3.あきらかに「とりあえず」の位置決め
 4.不自然なクリップムーヴ

7.ボルトや終了点は「適度に」カモフラージュする。

以上、まとめ終わり。

■ 考察

印象に残っているのは、やはり、レッジToレッジを基本としなくなったクライミングスタイルのことです。終了点でローワーダウンすることが前提だと、ルーフでロープドラッグが起こってしまい、下からビレイするスタイルだとロープがこすれて危険です。その場合、リードフォローで上で確保したほうが安全です。

去年はしばらくアルパインのオールドクライマーと登っていましたが、オールドクライマーはルート整備をしてくれたとしても、登り方のスタイルが現代のクライマーのスタイルでは、登らないので、ルーフの後に終了点を作ると、ロープがこすれてアブナイ、という発想自体が持てないのだと思います。



杉野保さんの事故死

今日は朝から衝撃のニュースでした…杉野保さんの伊豆でのフリーソロ中と思われる事故死の話。

1)いくら慣れていても、フリーソロは危険
2)単独でなければ発見が早く、命拾いしたのかも?
3)簡単なところだから、ロープをつけないでいたのか?トップロープソロならよかったのでは?

などなど…疑問が浮かびます。

思い起こすのは、青ちゃんの湯川でのトップロープソロ中の懸垂失敗による墜落事故。
1)近所に他パーティがいたのに、見えない場所で発見してもらえなかった点。
2)アイスベテランだった点。
3)携帯電波が入らない湯川…。
4)ソロ登攀中

パートナーがいないと、事故の場合、見つけ出してもらえないという問題があります。

■ 杉野さんこそ、本物のクライマーだったようだった…

私は杉野さんは面識がないのですが、行列ができるクライミングガイドと伺っていました…。

一度お会いして、クライミングへの考え方、などの伝授されたいというか、感化されたかったなぁ…。

素晴らしい岳人だったそうです… 面識を得る前にお会いすることは叶わない人になってしまった…。

杉野さんの思想を知りたいと思い、OldButGoldというロクスノの連載記事を探しています。

お持ちの方、どなたか貸していただけないでしょうか…


2020/03/04

クライミングにおける女性性vs男性性

■ハーネスすら買えなかった話

俺が始めたときは、ハーネスを買う金すらなかったぞ、というスティーブ・ロングさんの話が回ってきました。

ハーネスは今でこそ、基本装備とされていますが、アルパインの基本からスタートすると、最初のスタートは、簡易ハーネスです。つまり、簡易ハーネスで登れるところしか登らない。要するに、そんな易しい、緩やかな、傾斜しか登らないって意味です。ちなみに簡易ハーネスに落ちると、かなりおまたが痛いハズです(笑)。

■ベイビーステップの遵守

ベイビーステップというのは、小さい小さいステップと言う意味です。

多くの現代クライマーに、私が、成長を拒否しているように見えているか、と思いますが…、5.9を十分にやることなく、ジムでクライミングスキルだけをあげ、クライミングピラミッドの底辺が狭ーい状態で、5.11に進むことに抵抗しているだけで、成長そのものにNoと言っているわけじゃないんですよ…

でも、まぁ今は怪我の回復期で、成長期ではないです。

どんなことでも、成長プロセスにおいて、事故や怪我を最小化する手法は、ひとつひとつの成長ステップの幅を非常に小さくする、と言うことだと思います。

まあ、時には大胆な手法も必要ですが、それはたまに、で、平素はベイビーステップです。

■ 女性性vs男性性

その幅が、男性から見たら、どんだけ小幅やねん!みたいになっているとは思いますが、まぁ仕方ないですね、それが女性らしさと言うことなんで。繊細さです。

結果、”できないです、できないです、と言いながらできる”、っていうことになりますが、それが安全につながる姿勢で、”できる、できる、って言いながらできない”、のがクライミングでは一番、危険です。これ、大胆さ、ということで、男性性、です。

去年、夏に、佐久でそんな初心者に会ってめっちゃ腹が立ちました…50代女性です、なんでも、行く行くって…。でも一般に”イケイケクライマー”のほうがクライマー間には評判が良いです。その人は他者から評価を受けるのがうれしくて、そう行動していたみたいです。

”行く”って気持ちが自分の、”行く”っていう気持ちなのか、それとも”他者が行け”と思っている”期待”に応えての”行く”なのか?気を付けましょう。

周囲も、チャレンジを応援しすぎないようにしましょう。

チャレンジ精神というよりも、教えるべきなのは、

 リスクとチャレンジの兼ね合い、

みたいな部分です。大体2グレードですよ。

私は、できないと明らかに分かっているリードを取りたがる人は評価しません。また、ビレイヤーを選ばないで登る人も評価しません。

■ 資金乏しく、物事を始める

スティーブさんは、資金乏しく物事を始めることの美点を語っておられます。

事例としては、今の時代、なんでもかんでも、ドメインドメインで、売れてもいないのにドメイン代金払っている人を見ると不思議に思います。

そんなの売れてからやればいいことなのに…。資金にゆとりがある人のやり方で、やらないで、ゼロでやれることからやるというのが、色々なリスクの取り方を覚える手段です。

なので、たいていの起業家は最初は2足の草鞋です。じゃないとリスクの取り方が分かるようにならない…と思います。

クライミングでは必須と言われるハーネスすら、実はなくても、クライミング自体はスタートすることができます。

ロープがなくても、ボルダーができる。
シューズがなくても、肌足クライミングという手もあります。
チョークは、大体は冗長なので、なくても可能。

まぁアイスクライミングでアックスがないとか、無理!ですが、ほぼ要ると言われているものは、ナシで実践可能ですので、小さくスタートすると

その装備で可能なこと、

に目が行くと思います。事業も同じで、今ある資源でできること、に目が行くと、

ある

に目が行き、

ない

に目が行かなくなると。そこが本当のスタートでは?

2020/03/02

ミクロトワンソンとめちゃうまの無農薬トマトジュース…

■ パーティ自立の掟、という囚われ
 
実は、アイス初年度で、鈴木さんと言う師匠さんに、初めて湯川に連れて行ってもらったとき、私は、靴を忘れて行ってしまい、結局、登れなかったんです。この時は、いつも畑用に入れていた長靴で対応。

その時、ミクロトワンソンで、保科ガイドが講習していて、そのかわいそうな私を見て、トップロープを貸してくれるって言ったんですよね…。

ところが、師匠の鈴木さんがそれを断っちゃったんです…(><)。なんで~?!

私のことを覚えていてくださったのだと思い、私はロープを借りたかったのですが…。保科さんのガイド講習で私はアイスをスタートしたので、講習生特権発令の大チャンスだったのに…。

どうも、他パーティからロープを借りるのはいけないという、パーティ自立の掟?が、あるらしいという気配でした。

■ リード至上主義という檻

この写真の時のミクロトワンソンは、
危なくて登れない系です…ほかの時も、下地が水たまりで、微妙。

しかも、その後に一緒に行っていた師匠はアルパイン系の人だったので、リード至上主義なので、下地が悪くても、歩いてトップロープ張れるというのが、ミクロトワンソンの美点なのに、リード以外ダメって人で、もうビレイヤーの私は大変でした…。

水たまりビレイ。むしろ、この時、長ぐつを掃きたかったですよ…(><)。

私にもリードを強要したので、水たまりのため、ビレイヤーが離れる位置に立つミクロトワンソンは登っていない…。

当時は、トップロープソロの方法を教えてもらっていませんでした。

最初の師匠の鈴木さんは、クライミングは遊び、という割り切りがある人で、伝丈沢アイスでは、滝つぼが解けたアイスを二人でトップロープで遊びました。ビレイは滝上からです(笑)。マルチのセカンド確保と同じですよ。

一緒に行っている相手が反対だったらよかったのに。

ので、私の未練の一つミクロトワンソン。

2度までも、師匠らが、自ら入っている檻のために、登れなかった記憶のアイス。

■ 俺なんて平凡クライマーという檻

これとトマトジュースがセットになるのは、これも

”自ら入っている檻”

を思い起こさせる事件だから…。

このトマトジュース、某ギリギリクライマーの方が作ってくださった無農薬トマトジュースなんですよね…。

師匠の宴会に、その超有名、厳冬期黒部横断の方が来るというので、自分が知る限りの甲府の若いクライマーに声を掛けたんですが、誰も来ない…。 

私が言っているチャンスがチャンスと分かる人がいなかったんですよね。ギリギリの人に会っても、私みたいな初歩をやっているクライマーだと、出会いを生かせないというか…。

せっかく、未踏のルートを登るときにどういう作戦をしたらいいか?聞けるチャンスなのに…

でも、今のクライマーが興味があるのは、未踏のところに行くことではなく、自分がどうやってグレードピラミッドを上がるか?のほうなんですよね… 

欲しいのは、周囲から尊敬と自分の力を試したい!のほうが主たる動機だからなぁ…。知らないところに行きたい!って人は少ない。

…というので、おいしい無農薬トマトジュースを持ってきていただきましたが、私みたいなチンチクリンの人がおいしくいただくことになったのが象徴的でした…。行っておきますけど、私はおこぼれを頂戴しただけですからね。

私が幸運に恵まれているのは、

入っている檻

が、ただ少ないから、かもしれません。

2020/03/01

外ボルダーデビュー対策

■読了『みんなで子育て』くらし編

これは良書でした☆  https://japama.jp/chioichiran/

クライミング=遊び。

遊びの中にいかに危険を上手に持ち込むか?

という問題意識で読みました。

私は子供たちにクライミングの愉しみに接してもらいたいな、とも思うからです。

■ 危険は避けるものではなく、コントロールするもの

私は子供には危険を伴う遊び…遊びじゃなくても、例えば、

・ストーブに火をつける、
・包丁で何かを切る、

など…させるタイプですが、その際の注意は?

子育てのプロはどう言っているのでしょうか?

■ 大事なことだけを教える

何をしたら致命的なのか?

を教えておくということです。

子供の場合は、

それが定着するまで、大人が一緒にプレーする。

■ ビジョナリーカンパニーでも…

これは同時に読んでいた『ビジョナリーカンパニー4』で出てくるアムンゼンとスコットのエベレスト登山隊でも同じです。片方は成功して、片方は失敗するのですが、

戦略的悲観主義

というもので、

1)一番起きてほしくないこと、を想像して、備えておく
2)それ以外は何をやってもオッケー

という態度のことです。

■ 外ボルダーへも応用すべき

外ボルダーでは、一番起きてほしくないことは、

 着地で失敗して足を怪我する、
 頭を打つ

などです。なので、外ボルダーに行く際には

1)着地の練習

が、あってしかるべきでしょうね。

インドアでも、アウトドアでも、ボルダリングで、落ち方を最初に教えている人、いますかね?いませんね?

■ 故・吉田さんの教え方

ちなみに吉田さんは私にボルダーを紹介してくれた時は、

 最初にマントリングばかり

やってくれました…。マントルでの失敗が一番多いからです。

■ ボルダーは、スタイル不問=ちょっと、ずる??

ボルダーは、今のところ、登れたか?登れなかったか?の二者択一しかありません…が、もし、スタイルの優劣がありうるとしたら? おそらく
 どんどん、マットを少なくするゲーム、

が成立するのかもしれません。そうしたら、今2段の人も2段は登れないかもしれませんね。クライミングは伝統的に安全マージンの薄さに迫っていくゲームなので。

いまんとこ、ノーマットって言うルールは、一部のゲテモノ好きの人の嗜好とされていますが…(笑)、クライミングというゲームの正当な一面である、ということは否めません。

自分に取れるリスクは何か?そのリスクコントロールの兼ね合いが、だいご味、ってことです。

だいご味では合っても、ブイブイ言わせる、とは違うので、要注意です(笑)。

■ まとめ

1)外ボルダーのリスクマネジメントは着地
2)着地は熟練するまで、大人がついて練習する
3)マントリングも熟練するまで練習する
4)登る課題は自分で選ぶ (リスクテイキングのトレーニング)


2020/02/29

ボルト基金のためのクラウドファウンディング情報収集

■ 寄付型クラウドファウンディング

ボルト基金に適したクライウドファンディングの調査です。

とりあえず、リストアップ

まとめサイト
https://cf-hikaku.net/kifugata/

https://readyfor.jp/

https://readyfor.jp/projects/hatukaichi_2014-8-20

https://readyfor.jp/projects/aladdin

■ クライミング系&実績

ガマスラブ
https://otsucle.jp/cf/project/2156.html

岸良ロックフェス
https://camp-fire.jp/projects/view/206765?fbclid=IwAR2UdXFoEDF_30FIoSO1O-PIyNUIlqxsfzoFkgEgZhYJ15clcQou0rEa-yc

笠間
https://camp-fire.jp/projects/view/220818?list=search_result

パラクライミング
https://camp-fire.jp/projects/view/78239?list=search_result

スピード壁
https://camp-fire.jp/projects/view/91900?list=search_result

■ キャンプファイアは 実績多数

ガマスラブで使ったOtsukleさんより、Campfireのほうがなんとなく、クライミングを再度説明する手間が省けそうな気がしますが…。

両方に、相談を持ち掛けてみると、色々はっきりはするか。


悲しみの岸良海岸

■ 世代間格差

世代間のことを考える。

岸良海岸のクラックは、現在の私の登攀力に適した易しいクラックで、カムの設置も難しくなく、素直なパラレルクラックが、そう長い距離は続かないため、現在の私のスキルで、ぜひ全ルートオンサイトを済ませておきたいような場所である。

まぁ、ビレイヤーがいないので、去年は一人でも行く予定だった。

その当時、師匠であったY澤さんが来てくれることになったんだが…。Y澤さんは九大山岳部の顧問をしており、本州の山に大学生の遠征で、いつも一人で運転手だそうだった。「運転どうしているんですか?」と聞くと「交代はさせられないから一人で運転している」と言う… なんと気の毒な。 

去年の岸良は、一人で行く予定で、そして、Y澤さんがついてきてくれた。クラックをやらない人にとっては、岸良に価値はないだろうが、私には、長野の湯川に代わる岩場であり、カナダのスコーミッシュに代わる岩場だ。

去年ここを登ってから、スティーブに誘ってもらっていたBMCロックフェスに行くか行かないかを判断する気でいた。せっかくクラック本場イギリスに行くのに、クラックが登れないでは、悲しいだけだからだ。

クラックは、ラオス帰りに後退して帰ってきたクライミング形態だ。クラックの特徴は、何といっても、ホールドが縦に一直線のこと…。 ラオスの石灰岩は3Dクライミングなので、アイスの氷柱登りが、なんと上達して帰ってきてしまった…。 湯川の難しい氷柱をスイスイ登ってしまい、一同唖然。あれま!やっぱり形状が似ているんですね~と相成ったがクラックは…。

というので、岸良が、まぁ私には最もご近所の岩場という訳なんだが、Y澤さんが来てくれると言ったものの…、”?”な点もあった。どうも、宴会が目的らしかったのだ。

予定した日は、雨の予報だったため、実はリスケしたかったのだが、宴会があるため、リスケもできず、初日の1日以外は、どうも宴会日まで雨で、雨なら登れもせず、私は観光することには、興味がないので、山の本とDVDをどっさり車に積んで出かけた。日がな山の本を読んでいれば、私はハッピーに過ごせるからだ。

でも、人を宴会に送り届けてあげるためだけに、3泊を投資か…高くつくクラックだな…というのが私の側の事情だった。

まぁ、そんなこんなで、宴会と言われて、ちょっと最初から嫌な予感がしたんだが、そこは、まぁ仕方ない…と飲み込んだ。

大体、私は易しいクラックのリードを済ませるだけに足かけ5年… 小川山レイバックで、ビレイの怪しい人を連れて行ってしまい、カムエイドで降りてきてからの長年の便秘課題だ。

ということで、まぁ、やっと便秘解消の機会だもんね、ということで。

ところが、これは、1本も登る前に足を肉離れしてしまったのだった。3本は根性で登ったが、みるみる黒くなり腫れる足…。

それを見ても、Y澤さんはなんとも思わないみたいで、あそこに、これがある、あれがある…というのだが、私は立っているだけで苦痛で、それどころではないのだった…。

ギアを担ぐのも苦痛だが、道路までは上がらなくては…というので大変だった。その後2日間も、痛みを我慢して、何度も、”歩くのすら痛い!”と訴えた続けたが、分かってもらえないまま、やっと、ご老人を捨てることができそうな湯治宿に連れて行き、そこで別れて、私だけが福岡に帰宅する案を提案した。あと二日、宴会まであり、どうせ雨だし、その宿で、2日すごせば宴会に彼は行けるわけなので。ところが、一緒に福岡に帰るという…。

シンドバッドの冒険で、川を渡れなくて困っているおばあさんを負ぶって川を渡ってやったら、川を渡ったあとまで、あそこに連れて行け、ここに連れて行けとシンドバッドが追い回され、疲れ果て、機転を利かせて、ブドウ畑に連れて行き、おばあさんが発酵したブドウのワインで、よっぱらって、ようやっとのことで、開放されるというお話がある。

まさに、シンドバッドの心境…。私の喫級の課題は、開放されること…ということだった。

その岸良での肉離れは、歩けるまでにベッドに縛り付けられる生活2か月。その後、ゆっくりクライミングは再開したが、膝の亜脱臼で、再負傷。

膝の脱臼のほうが怪我としては深刻。肉離れのほうも、7cm×7cmの大きな瘢痕がふくらはぎに残っている。感覚としては、つる感覚だ。

膝の靭帯のほうは、一度ゆるくなったものは、固まるまでに半年から1年はかかるそうで、日向神で会った年上の女性クライマーに、今が正念場と教えてもらった。治ったと思って無理をすることが一番悪い。

右足はルルベできない。ルルベというのはつま先立ちということだ。ようするに足を突っ張ることができない。下りで重たい荷の荷重に膝が耐えることはできない。ので、下りは歩きでも、特にロープに頼らないと危険だ。登りは、重たい荷を持つくらいで、ちょうどいいのだが…。

というので、結局のところ、岸良で分かったことは、どんな優秀な人であっても、人は年を取れば、言葉は悪いが、お荷物になるということだった。

あとで謝ってくれたが謝り方が…「経験から大丈夫と思った」

経験があることが価値だと分かっている人が、その経験を盾に、無理強いして、完全にベッドに縛り付けられて、全治2か月という怪我をさらに悪化させるなら、そんな経験値は糞ってことだろう…、と悲しかった。

私は怒っていたというより、悲しかったのだった…。すでに知恵でも何でもなくなってしまっている経験値、とやらが…。

他にも似た経験があった。福〇山の会と言う山岳会…重鎮と言う人が「あなたが望むなら連れて行ってやってもいいよ」という態度なのだが、”連れて行ってやる”のは、たぶん…むしろ私のほうになるみたいだったのだ…。

そりゃ、どこで集合するかとか、そういうローカル情報はありがたいんだが、その情報の価値は、連れて行ってやるよ、と高値で売れるほどじゃなくなってしまった昨今。

…というわけで、岸良は、私に負の遺産としては多大なものを残し、将来のクライミング人生に禍根を残したうえ、さらに、日ごろのトレーニング人材も事欠くことになった…。しかし、これ以上お荷物を抱えるわけには…。損切は早いほど良いというのが論理だ。

さて、めぐってきた2度目の岸良遠征。

今回は、外ボルダーのフェスとセットと言うことで、ロープはちょっとだろうが、まぁ易しいし、1日あれば登攀は済ませられると思っていた。

クラックにデビューしたいと言っているボルダラーを連れていたので、その人をビレイヤーにしていればいいかと思っていたんだが…。まったく興味なし。なら、来なきゃいいのに…なハナシだった。

1本も自分が希望したクラックは触れず。

私がこの岩場で経験したことを共有している人もいたので、そのことが悲しかった。

自分のニーズが優先することが当然の人ばかりとつるんでいる私が悪いのだが…。私のニーズは、当然のように後まわしって意味だった。

まぁ、若い男性&すでに前回のパートナーと同じ程度の年配の男性なんだから、まぁ仕方ないと思った。

日本の男性は、総じて相手のニーズをおもんぱかる能力は世界最低レベルだ。

その上メンタル習慣として、すべからく、女性のニーズに自分のニーズを優先しても、それが変だと気が付かない。お母さんを引っ張って、遊んでいる小さな男の子と同じことで、お母さんにもニーズがあるってこと自体に意識が希薄だ。

そういえば、師匠も、二人の子供がいる人だが、子どもを育てたのは、俺1割、嫁9割って言ってたもんなあ…。自分は、子育てについて、フリーライダーだと、分かっていても、それが変だと思わない人たちなんだったよなぁ…。普通はそのことに、多少の後ろめたさを感じて、負い目を償おうとするものだろうが、その負い目はないようだった…。

ので、そのセリフを聞いて奥様にいたく同情したのだった…。娘を愛しており、お父ちゃん、と呼ばれると目を細くして喜ぶ師匠だったが、どう見ても、山岳会でもお荷物になってきているらしかったし…。

それが気の毒で、別の平日クライマーで超有名なフリークライマーを紹介したら、二人は全然、合わなかったんだったが…。遊び友達は誰でもいいってわけではなくて、自分を立ててくれる人限定、なのだと、後で分かった。ので、吉田さんには悪いことしたな、と思った。

というわけで、結局のところ、岸良のステキなクラックを登る喜びを分かち合う人はいない。

ボルダーのほうで、見ていたら、ボルダラーで上手な人も、クラック触らせたら、超下手くそだった…ので、ボルダラーであっても、易しいクラックから学ぶところがないクライマーは、いないはずだ…と分かったのが、せめてもの今回の収穫か。

クラックがホールドとして使えるということは、2級などの難しいボルダーをサクッとクラック登りでオンサイト可能だ、ということでもあった…。

まぁ、そう言う学びがないわけでもなかったが、岸良は苦渋と悲しみの岩場となったわけだった…。


2020/02/28

安全軽視の価値観=カットアンカー

■ カットアンカー

カットアンカーではだめだということが、やはり、現代のクライマーには理解しがたいことのようです。

カットアンカーのボルトで落ちた、ということも、考えが浅かった事例にはなっても、武勇伝にはならないので、〇〇で落ちました、と言うときは、気を付けないと、自分の勘違い路線を露呈することになってしまいます。

カットアンカーでいいんじゃないか?と考えてしまう理由は

1)他の若手開拓者も資金の都合でカットアンカーで妥協している人がいる
2)つまり、周囲と同じレベルなら自分もそれでいいんじゃないか=他人軸
3)価値観: 例、ボルトにはお金を掛けれなくても、ウエアには掛けれる

です。

例えば、私たち夫婦は、一人4万円もする労山の雪崩講習に出ていますが、夫と雪の山に行く限り、それは必須だという価値観でした。セルフレスキューは、一緒に行く人と共有しないと意味がないですし、雪の山を独学するには限界が。でも、原資には限りがありますから、そのためにウエアなどは辛抱しなくてはなりません。

どちらを優先するか?というのが価値観となり、現代では、ウエアはお金を出しても、講習会にはお金を出さない、と言う価値観が主流で、そのために、遭難者続出です。

が、それは、まぁ物事の当然の帰結ですよね…。難しい言葉では、原因と結果の法則と言われています。

おしゃれにお金を出しても、安全にはお金を出さないのですから(笑)。高額ウエアに身を包んでお亡くなりになる、が帰結となってしまうのは、想像力の範囲で、予想できてしまいます。

同じことで、ボルトに関しても、ボルトの設置講習や現代の最新の知見を貰うことなく、見よう見まねでカットアンカーを仕込むことは、基本的には時限爆弾を仕込むことと同じですし、それでは、貢献、ではなく、公害、です。

たとえ、それが周囲の皆さんがやっていること、であっても、それに流されるか、流されないで、

自分の良心に従い、知性が教えるところを実践することができるか?できないか?

が人間力ということです。

現在のボルトがあまり信頼できない実情が広がっているのは、設置された当時の知見では、正しいと思われたことをしていたためで、それが覆った現代でも、情報不足のためにそれが正しいと思い込んでいる人に対しては、それも人間だから致し方ないね、と言うことになるわけですが、

現代の最新知見を聞いたうえで、

金銭的にボルト費用や講習費用は妥協して、なぜかウエアだけは立派、


では…。トホホな事例成立と言わざるを得ません。

2020/02/27

25kN

■25kN

現代のボルト強度は25kNと確保理論で教わり、ペツルハンガーがついているボルトは、みな25kNの強度があるものだと思っていた、あの頃…。

うぶでした。九州に来て、あんな支点やこんな支点を見かけるようになり、見慣れない支点で微妙に自己評価に自信が持てず、師匠に写真を送っては、「これってどう思います?」と聞きました…。きっと、今までそんなことをしていたクライマーがいなかったんだろうと。

開拓者に会ったときは、素晴らしい出会いだと思い「ボルトを提供させていただきます」と言いました。ボルト提供案は、なんという妙案だったことか…。

さて、ボルトですが、25kN出ているのは、M10グージョンとケミカルアンカーだけです。

M10カットアンカーは、正しく施工され100%強度が出ても、15kN。プアな施工だと5kN出るかしら?

でも、カムってレギュラーサイズ、14kNですよねぇ?スモールカムで4kN。

懸垂用途には、基本的に静荷重しかかからないことになっているので、中間支点よりも強度が落ちることは問題がないらしく、それでどうも、九州の支点は、立木でとることになっているらしいですが… 立木で支点を取るのはいいけど、その場合、木の上に生えた立木の強度は…?何kNなのか、評価不可能。

そして、懸垂は失敗が許されない。
中根穂高さんが、立木は抜けて落ちた事故報告があるけど、ボルト2個もろとも、抜けた記録はないと言っていました。ただし、そもそも、事故報告自体が上がらないので、報告にないと言われても、信用ならないですが…。何事も100%はない。

ちなみに70代で、まだ生き残っているクライマーは、トップロープソロ時は、ダブルストランド。ビレイループすらダブル。

現代の若者は、JFAですら、シングルストランドでぶら下がっていますが、1本だと1本が切れた時終わりですよねぇ?

オールドクライマーは、冗長の法則をかたくなに守っていました。それが生き残りの秘訣なんではないですかね??