2019/07/20

リードに対する恐怖心と懐疑の歴史

■ 人工壁無知時代 ・・・2,3か月 

人工壁というものの存在すら知らず、普通に積雪期登山から、雪上確保へ。支点は、スノーバー&デッドマン&ボラート。

当然だが、落ちる気配すら感じない傾斜なので、全くリードが怖いという発想すらない。

リードがいかなるものか?ということについて、七倉沢で、センターの先生が自分がリードするのを私を後ろにつかせて、見せてくれた。盗ませる系。一瞬でリードが何かを理解した。

■ 山岳総合センター時代 …2,3か月

山岳総合センターで、スポーツクライミングのリード講習をリーダー講習とは別枠で受講。リーダー講習は、スポーツクライミングの経験は前提のようだったため。センターでは指導の前提になる知識を整理して伝えることができないようだった。

大町の壁まで、はるばる甲府から出かけていたが、3mくらいで落ち、初めて頂上に到達した時に拍手を受ける時代(笑)。緩傾斜は登山靴で登る。

クライミングジムの必要を理解し、ピラニアやアクティバに、何回か出向く。アウェー感半端なく、アウェー感敗退。

■ 最初の師匠 1年

鈴木さんと三つ峠で出会う。「そんなところにいるとは、さてはクライマーだな!流動分散を作って見せなさい」で作れてしまう。

当時はランナウトなど全く理解しておらず、初めての三つ峠は何も怖いと感じず。ハーケン、リング、すべて信用。懸垂支点も、全部信用。支点に関する信用絶大。

このころは、小瀬の人工壁に毎週週2で通う。 人工壁での基礎的な失敗を重ねる。

1)たぐり落ち。原因は、無理強い。
無理強いされたリードで5.10cを登り、終了点が開けられず、手繰り落ちて、床上50cmで止まる。場が凍り付く。分かっていない先輩にリードを無理強いされたため。

2)無知なビレイヤー
分かっていないビレイヤーに核心部で引っ張り落とされそうになる。ほかの人がビレイを変わってくれる。

3)体重差
トップロープバーで、体重差のある人をビレイして、2mくらい吹っ飛ぶ。

4)ギアの無知
スポーツクライミングしかしていない人が、外のマルチ練習でアタフタするのを知る。

5)ロープワークの重要性
一緒に組もうとした人が懸垂で支点に通さずにロープを投げそうになり、驚く。メンタルの適不適があることを知る

6)無知
会の同期を兜岩に連れて行くが、まったくクライミングに無知と分かる。頭を下にして落ちる

このころは、ランナウトのリスクよりも、ビレイヤーがリスクだった。どの人もビレイを習得していないか、ロープワークを分かっておらず、一緒に登りたいのにきちんと登る機会が得られなかった。

2)トラッド怖い怖い期

ホームの会の先輩らが、

 三つ峠は怖い
 アイスは怖い
 沢は怖い

と、根拠なく怖い怖いと連呼する。特に三つ峠。私は何も怖くなかったのだが、経験値の有る先輩たちが怖い怖いというので、おそらく怖いのだろう、と、怖くないのは私の無知によるものだろうと想定し、三つ峠を避けるようになる。

先輩たちが話していた怖さは、支点の悪さ… 三つ峠は、北アなどでのアルパインを模擬的に練習する場であるので、ハーケンやリングボルトが意図的に設置されたままになっている。先輩たちの”怖い”は、落ちないアルパインの登りと落ちて当然のフリーの登りを混同しているために起こっている話だった。

しかし、当時の私は先輩たちを、自分より知識があり、分かっている人、として尊敬していたため、先輩たちが怖いというなら、その通りなのだろう、と想定。

アイスも同じで、先輩たちの知識体系は古く、アイスの経験値も不足しているために、怖い怖いの連呼だった。アイスはアックスがバチ効きでないと登らないので、別に怖くない。

沢に関しては、会は経験値が低いため、ほんのお湿りの雨ですら、沢中止。しかも、装備不足の新人が来ても、Noと言えない。そのまま、新人に突っ込まさせてしまう。ので、会が心が優しすぎて危険が大きい会だった。

基本的に会は、知識と言う力を使って、リスクにきちんと対応することで、山と対話する会ではなく、こわい、あぶないという先入観で、すべてのリスクを避ける=ハイキングしかしない、できない、に移行する意図が強かった。

この頃は、不必要に、ビビらさせられていたため、自分の能力を下回る、こわごわルートしか行っていない。

師匠の鈴木さんが、これでリードできないなら、もう見込みはない、というくらいの、ビビり具合。

雪は単独で厳冬期甲斐駒まで。山では成長。クライミングは、テーマは何を分かっていないのか? 

フリーはパートナーが不在で、登りに行くことすらできない時代。

■ 外岩正常化期 1年

転機は、岩田さん。岩田さんが小川山で登ってくれるようになり、クラック5.9でもヘロヘロ。トップロープで経験値を積む。フリーのマルチなのに、フォローすらできず、プルージック登攀で解決したりする。

この経験はきちんと教育を受けている山ヤの先輩と登るというので、良い経験だった。

アルパインのクライマーじゃないと知らないだろう技術で、セカンドの務めを全うする。

が、なまじセカンドで技術を出して頼れるため、フリーの能力開発が追い付かないという時期。

多くの人にムーブの引き出しがまだないみたいだ、と言われる。あとになって考えると、これは体側をマスターしていないという意味だった。正対しかない、ということ。

ピラニアに通い、基本的なムーブの習得を目指す。7,8級でツイスト、フラッギング、両方できるようになる。

この頃もランナウトや、リーチの短さで、クリップできないリスクを理解しておらず、よくわからないが、リードが怖い。三つ峠の5.9でオンサイトして喜ぶが、小川山の5.9は、難しく感じる。トラッドの5.9とフリーの5.9に質的差を感じる。

外岩5.10bでたぐり落ちする。この経験で、クリッピング時に安定体制を作ることが非常に重要だと目覚める。

小川山で最も易しい5.10Aのトムと一緒は、リーチの問題で核心前にクリップできないため、怖くて登れない。

師匠の鈴木さんにはジム通いにチクチク言われる。

■ アイス 1年

アイスは、下がふかふか雪なので、怖くないので、アイスで経験値を貯める。小滝で10本ノックの会などで、ムーブを蓄積する。

一般の人と反対だが、アイスで成長。これは良かったと思う。アイスのほうが、指の負担なく、ムーブを蓄積できるので。

アイスのルートで、ロープワークや支点の経験値も貯める。

■ フリーよれよれ時代 半年

小川山のフリーは、難しすぎて登れない時代。

ストレスで、岩は辞めようかと思うくらいなのだが、ラオスに行ったことで、楽しさに開眼。なんと、ラオスはランナウトしていないという点で、ちびっこに最適なルートだった。

つまり、外岩が怖い、という恐怖心のほうが正常で、日本の岩場が特殊であることを知る。

小川山が怖い理由がボルト配置にあることを知る。5.7の春の戻り雪なんて、ランナウトが核心であり、初心者に適しているルートとは言えないことを理解。しかし、それが日本の実情であり、それを克服してきたなぁという感じだ。

メンタルヨレヨレになった理由はそこだと理解。

十分に経験値として登れる自信がつく前に、ランナウトでメンタルチャレンジを受けていただけなのだった。

ラオスへの2回の渡航で、メンタルへの重しを外した状態で、リード経験蓄積したら、登攀力が急激にアップ。 

トップロープでいくら登っても上がらない登攀力が上がった(笑)。

トップロープ登りとリード登りは違うためだ。岩との対話、復活。

■ まとめ

色々振り返って、良くなかったのは、

   根拠のない脅し

アイスは怖いと根拠なく、インプットされたため、かなりその思い込みを解除するのに時間がかかった。基本的に、無知な人たちから言われたことは、信用してはならないのだが、新人の間は、自分が一番無知な人と言う前提があるので、その前提を覆すのに時間がかかる。その人たちが経験豊富であるベテランとして登場したりもするが、そうともかぎらない現実がある。真実を発見するのに時間がかかったりする。

会の先輩も、どくらいの経験を、どんなクライミングで蓄積したのか?教えてもらわないと、言っていることは、その先輩の経験値の範囲だったりして、根拠が希薄なケースがある。

大事なのは、自分でリスクを理解するプロセスを経ること。

通常アイスは危なくない。脆いアイスはアブナイので、それを見極める目を養うことのほうが重要だ。大体若い男子は、それがないので、突っ込んで、アイスが崩壊して、落ちて大怪我している。気温などへの警戒だ。

フリーも同じで、プロテクションへの深い理解なしに、安全とリスクのバランスを適正に保ちながら登ることはできない。

いくら登攀力があったとしても、いい加減なプロテクションに勝ち続けるのは、ただのロシアンルーレットになる。

セーフクライミングには、リスクへの対峙の仕方も大事だ。メンタルというのは、ただ強いだけでは無謀と同じことだ。リスクを前にしたときにバックオフするような人は山ヤには向いていないため、論外だが、勝算という計算なしに突っ込む人もまた論外だ。

勝を重ねていくには、詳細な計算がいる。計算が緻密になる以前は、安全マージンがたくさん必要だということだ。


2019/07/19

『クライマーズコンディショニングブック』

■ 登れないルートを何度もトライするのは良くない

肩が痛くて、気になって購入した、菊池さんの『クライマーズコンディショニングブック』。

”登れないルートを何度もトライするのは良くない”

とあります。

まさに、これは、私が言いたかったもの!!

■ 認め合いの作法

男性クライマーは、おそらくそれが、男性クライマー同士の作法であると思うのですが、お互いを尊敬しあうのに、なぜか、”根拠”、を求めます。 無条件ではない。

「〇〇だから、認める」という、自分にとって相手を認める理由を欲しがります。

その際に、一番安く買える ”認める” が、登れないルートに登れるまで執着する、

執着心、

です。(だから、これを強いられている女性もいました…なんか気の毒でした。)

でも、これ、私には向いていないどころか、遠回りなんです…。

■ 根拠

女性は子供時代に圧倒的に上半身を使う運動経験をしません。

ボールも投げないし、竹刀も振らない。私の握力、左手17Kgしかないです。右ですら26Kg。 

平均握力が50kgある男性が、「なんでこれが保持できないのかなぁ…?」と分からなくても不思議ではありません…。

私の握力は女性の中でも低いとは思いますが、一般に経験の量が足りていないというのは、その通りだと思います。

例えば、アックスを振る必要があったときは、ビール瓶振って、振る練習をしていました…

いくらバランスクライミングと言っても、必要最低限のものは要ります…その最低限が私には、なかったのでした(笑)。え!?そこから???ってレベルです。

■ 悪いホールドは、単に体に悪いだけなんです…

クライミングでは、私は悪いホールドを克服することで、上達した経験はまだなく、単純に、正対と側対を身に着けたことだけが上達の要因でした。

なので、ほとんど、同じ課題を毎回ルーティンにして登ったことで、体に動きが記憶されたというのが、クライミングの上達要因です。

男性のやり方でやろうとしても無理なんだよ~ということが分かりにくいのは、登山の世界が伝統的に男性を対象としているからです。

男性の成功メソッドで女性を教育しようとする、などがありますが、師匠らには誤解を受けつつも、自己主張して成長してきたと振り返って思います。

自分の成長に必要なことは自分で獲得してきました。理解者がいなくて、孤独感で悲しかったこともありましたが、菊池さんの本に思った通りのことが書いてあって良かったです。

クライミングは、男女差が出にくいスポーツですが、とはいえ、女性は、プラマイゼロでのスタートではなく、マイナスからのスタートだと思っておいたほうがいいです。

もちろん、子どもでスタートする場合には、どちらも同じです。

2019/07/16

槇尾山 リード貯め

■ 大阪遠征

今回の大阪遠征はリード祭り、と言うことになりました。

3回の槇尾山訪問で、5.9程度の易しい課題のリード経験を増やしました。

一つ一つのルートは忘れてしまいましたが、オンサイト2本。5.8と5.9です。

やはり知らない岩場だったので、初日はリード負担で、体も心も、結構疲れて、翌日ぐったりしたのですが、今日は3回目で、岩場にも慣れ、ほとんど足で登ったので、全く疲れず。

今日はオンサイト2本でした。

■ 新鮮さを楽しむ

新鮮さを楽しむ、というのが、オンサイトなんだよなーと思う今回の岩場。

というのは、連れて行ってくれた人は、慣れっこで、特に目新しいことがないのかもしれないなーと思ったためです。

未知、というのは、一度、既知になってしまえば、失われてしまう…知らないからこそ楽しいという部分があるため、知ってしまうことが、

喜びの喪失

につながってしまうのかもしれません…。

■ リードの勧め

と言うことを考えると、初心者のころに5.6でも良いからリードして、未知であること、そのルートが自分にとって初めてであることを楽しむのは、とても良いことのような気がします。

私は喜びの大きい道を歩んできたんだなぁ…と今回は思いました。

まだ、大して登攀力がないころから、リードできるところを登るという作戦だったからです。

私がリードできると自分で思う課題よりも、他の人が私に勧めてきてくれる課題が困難である、というのが大きな問題でしたが…。

私は、自分の実力の見積もりが小さいタイプ、です。つまり、控えめ、らしい。

今日はリード負担、特に3回目だったため、そう感じませんでした。ので、初心者のビレイヤーのビレイで登ってあげました。まぁ先輩の務めってやつです。繰り出しが遅くて、クリップしづらかったので、慣れてないんだなーと思いました。(これは良くない習慣だと思いなおしました。2019年8月のこちらの記事参照

初日1日目は、実はだいぶ疲れました…。リードは、精神的にも疲れるので、その疲れが緊張の度合いを意味しますが、段々だらけだ!と思って、取り付いたにも関わらず、結構ホールドが見つからず、疲れた。

緊張すると、やはり足で登らずに不必要に腕に力を入れて登ってしまうようです。

また、心の緊張が、ホールドを見つけることができない時間的焦りとなって、余計見つからなくなるかもしれません。

それは岩との駆け引きなのですが、5.9なら、という気持ちになれた槇尾山でした。大したグレードは登っていませんが、自信がついた。

槇尾山は自信をつけるのに良い岩場ですね。

■ 槇尾山

槇尾山の特徴は、ホールド一杯に見えて、その中で使えるものは限られているということです。

傾斜が寝ているので、足で登れますし、5.9まではガバの連続なので、初心者に足で登るクライミングを教えるのに最適です。

またボルトも10mm 12cmで安心できます。ただ開拓者によるばらつきはあるみたいです。

https://ameblo.jp/avante-ryuayu/entry-10277101384.html より引用

2019/07/12

槇尾山の岩場

インドアジムのために来た大阪なのですが、外岩充実。

2日目にして、槇尾山の岩場。

もう易しい5.9とかを総なめする路線…

だーっと登る系でした。

以前、一緒に登っていたころは、私はリードしないで回収する側でした。

https://ameblo.jp/shioristory/entry-11880800286.html?fbclid=IwAR3rG-uYNRvN6m6RBCZmKQUbKitJ1VeotBqb2Y2gQIIBdc62itEJCA-XbDk

https://ameblo.jp/avante-ryuayu/entry-10277101384.html?fbclid=IwAR1udkfshZGZjudU_qN27Op81jPf6G9ktM9SEzQTCZLSRQ5KLdsorLBarwk

今回は、とりあえず、5.10Aあたりまではロープ抜きます。

首尾よく、西遊記5.10Aオンサイト出来てよかった♪ ほかの5.9もほぼオンサイト。

11は無理でした…コンディションもあるかなぁ。

私は安全マージンが分厚いクライマーです。分厚いマージンで、経験値を貯めれば、マージンを薄くして行けますが、そうでない限り無理。

しかし、一度ギリギリに挑んだ記憶があると、それを覚えているようで、このくらいはゆとりと言うのは分かりました。

この日は、湿度80%な感じで、凸凹して見える割には、意外に持てなかった。インカットされたホールドも、指先が湿って、チョークいなくなる系でした。

帰ったら、結構、疲れていました。バンバン登ったからなぁ。

怪我している間に基礎体力下がったと思います…基礎体力を上げたい。

大阪

■大阪初日

大阪初日は愉快に過ごした。到着したら、なぜかクライミングの師匠が大阪にいて、待ち構えるように昼飲みに連れ出された。本人が行きたいという理由で、梅田のやまと。いつも大行列の店だ。先に並んでおいて!と頼まれる。大阪の名物はもをいただきながら、積もる話を聞かされた。

なんと双子のお孫さんの誕生だったそうだ。それを知っていたら、子どもに役立つようなものをお土産にしたのに。(今回お土産は、高級コーヒー豆)

■ 志賀の岩場

誰もが興味津々の佐久の岩場の感想を聞く。シークレットエリアにJFAの整備が入った先行事例だ。なんと有料の岩場になってしまっていた。驚いた。しかも、入場料1000円…と高い。
外の岩場は無料、に慣れたクライマーに、どれくらい受け入れられていくのだろうか?

今までの開拓クライマーと言うのは、たぶん、みんなで無料で登るために開拓を頑張ってきたのであり、その結果が有料になれば、悲しむかもしれない。

肝心の整備も、2エリアだけでしかも、悪いボルトを間引いて、要所要所を更新したという感じで、一般に想像するような、きっちりした整備ではなく、現状でできる限り安全に近づけた、ということらしかった。しかし、時代の流れだ、という感想だったらしい。有料化にはボルトの質の問題があり、特に終了点は高額だ。終了点は特に重要なボルトだし‥

しかし、開拓される岩場が、そもそもグランドアップではなく、ラッペルの岩場であることを考えれば、トップロープフィックスにして、トップロープソロで登る限り、実はボルトも終了点も必要なく、岩場を痛めることもなく、立木で済んでしまうという実情もある。

実際、私の知り合いの開拓者は、自分でボルトを打っても、使わない。リードしないで登れる岩場だからだ。

こうなると、リードしたい、というのは、自然保護の対立概念 になってしまう。経済性ともだ(笑)。

■ 佐渡の岩場

佐渡の岩場の話を聞く。「これが国際グレードだよ」と整備してくれた国際ガイドの方から、言われて登ってみると、往年のクライマーである師匠にとっては、

「すべてがワングレード易しい!楽しい~!!」

「もうクリップ?」

だそうだった。さもありなん。

体大きめクライマーの本人にとっては、「(開拓者の長身のクライマーに)ここにボルト要るの?」と聞いてしまうくらいだったそうだ。

ところが、開拓者は、「そこはムーブをつなげると、このグレードの人にとっては核心前だから要る」との返事。要するに

核心前にワンボルト、という発想が今まで欠如していた思想なのかもしれない。

■ 2ピン目までが遠い課題

1ピン目ではなくて、”2ピン目”が遠い課題の話をしたら(2ピン目が遠いとプロテクションとして機能しない)、驚いたようだった… いくらボルト節約しても、そんな配置では、ということだ。

プロテクションとして意味のない配置では、岩を傷つけないことを優先してボルト数を削るという発想なら、最初からないほうがまだ主張が首尾一貫している。

なぜなら命を守るというのがボルトの唯一の存在理由だからだ。その役目を果たさない配置では、ただの自然破壊になってしまう。

■ M8はNG

ボルトは昔通用していたM8ではだめだそうだ。M10が最低必要。しかも長くないと。良く落ちる核心前のボルトは、1本に荷重がかかると穴が経年的に大きくなってしまうそうで、最終的には抜けるのだと。ということで核心前のボルトは2個連結がいいのでは?という話が新鮮だった。つまり良く落ちる核心前の1本目が経年劣化で下穴が巨大化して抜けたとしても、次のピンできちんとグランドフォールから守られる配置ということだ。

■ 東アジア最大の氷

東アジア最大の氷の話を聞く。120mと巨大すぎるため、ピンは10mごと。まぁ、上のほうなら、落ちても…、ということだが…。ロングフォールを前提とするため、スクリューは、最大の26cmだけを使うそうだ。

26cmなんてアバラコフ用でしか持っていない…(笑)。

(入れる負担が大きいが確実なスクリューと分厚く固く閉まった氷で登るアイス)
vs 
(入れる負担が小さいが10cmの頼りないスクリューで、落ちたら決して持つまいというプロテクションで、易しく寝たアイスのスラブを決して落ちない登りで登る)

のと、なんか…アイスでも、フリーvsトラッドな図だ。

私はアイスが脆い場合は、数を打てと習ったんだが。

しかし、トラッドのクライマーですら、ロングフォールするかも…という恐怖を感じつつ登るのは、怖かったそうだ。10mランナウトすれば、落ちれば20m。


2019/07/08

3度目の人工壁通い シーズンの訪れ

■ 楽しかった

昨日は、何の変哲もない普通のクライミングデーだったか、それが返って新鮮だった。

普通に楽しく登った。

普通っていうのが、なんで、そんなに得辛い経験だったんだろう… 

一人、意味不明の闖入者のオジサンがいた(笑)。あれは何だったんだろう?

クライマーであることが特権制&資格制の世界、は、たぶん、アメリカから輸入された伝統みたいだ。

しかし、世界は確実に、民主主義に流れていると思われ… ジムでも淘汰が始まって、えらそーなジム、汚いジムは、廃止される傾向にあるそうです。

■人工壁通いのまとめ 

1回目の人工壁通い 2014年の夏 小瀬

2度目の人工壁通い 2016年の夏 ピラニア 3か月約30回

7月: 9級・8級の総復習、熟練化。
8月: パワー、前傾壁、6級楽になる。
9月: 考えるクライミング開始。5級スタート。

以来、5級時代です。ということは、今で3年目?ずっと5級の実力から底上げなしで、外岩ウロウロしているらしいな(笑)。

逆に言えば、ジムで5級あたりが、外岩5.9あたりなのかも?

5級程度でも、インスボンや龍洞、ラオス楽しめます!日向神もです。

■ 今回

2年前に、こちらに来たときは、さー!ジム通うぞー!と燃えていたわけでした…数々の挫折…。

挫折 その① 2017年7月
JoyWall さん。5級の壁を乗り越えるため、クライミングクリニックへ通うことへ。ところが1か月券で、通い始めて2日目で、出入り禁止にされる。理由は、ボルダリングジムのブラボーさんに応募したため。どうも犬猿の仲だったらしい。しらんがな。

挫折 その②
ブラボーさん。課題が面白くない。

挫折 その③
近所のジム。キッズが多すぎ。危険。

挫折 その④
ベアハンズさん。 面白いのですが、課題数が少ないので月会員になるほどでは。

挫折 その⑤
アトウォールさん。 遠い。ついでに通うの無理。

挫折 その⑥ 
アクシオン。 一緒に登る人が価値観を押し付けてきてウザい… 自尊心が壊れるとより悪影響があるので通わなくなりました。

挫折 その⑦
竜岩。リード壁は難しく、低いので落ちるのが怖い。

最近スタンプさんを発見して、なんか気分よくなっています♪ スタンプさんの隣に引っ越したい(笑)。いや、早良区もいいところですが。ジムがない。

色々考えて、私の福岡生活の幸福度回復の主たる要因は、前から知っている先輩と普通にクライミングに行けるようになり、自分の課題に集中できるようになってきたから、です。

八女に一週間くらい泊まりこんで、日向神全課題さっさと終わりたい(笑)。

■ わたくしの今の問題は?

ズバリ、ジムがないことです(笑)。通える範囲にジムがないと、思いついたときに行けない。

ジムでムーブに取り組むというのが、これまで欠乏している点でした…誰しもに必要な時間。

去年はプラトーにいました。
https://allnevery.blogspot.com/2018/06/blog-post_28.html

人工壁は通うべきだと思っても、それはそれで、なかなか機会が訪れないものみたいです。
https://allnevery.blogspot.com/2018/10/blog-post_25.html

最初からアウトドア志向なんだから仕方ないね~ とはいえ、夏の都会は地獄なので、ジムが大好きってなりそう?!

2018年のまとめ 楽しく登れた記録。
https://allnevery.blogspot.com/2019/01/2018-climbing-list.html

現在は、回復期。リハビリも、終了したので、頑張り期 です。

■ 外岩

外岩からデビューした私はラッキーでしたが、だからと言って、理想的な外岩デビューだったとは言えないナーと、いうのは、経験値が増えて分かるようになりました(笑)。

懐かしい、あの頃。セルフ取りました~と言われ、エイトノットを自分に結び始めるような、初々しさでした…(笑)。

現代のクライマーには、

  ジム ⇔ 外岩

の往復反復活動が必要です。九州では、先輩のおかげで一通り、岩場は総なめしました。

概要が分かるということです。ひと段落した上、夏は外岩シーズンではないので、インドアへ。

頑張ります☆






質の高かった多久高校の壁

佐賀の多久高校にクライミングに行きました☆

立派な人工壁で驚きました!!!

http://www.fmsaga.co.jp/blog/201211/20121503.php

アクシオンの壁は、課題の作りが良いとは思えず、ムーブを学習する場とは思えないホールド配置なのです…(汗)。 まぁ、パンプするのが目的で、腕力のトレーニングにいいってくらいな位置づけでした…

それは、後でセッターの人に聞いたら、国体選手の練習のためにある壁で、一般の人への配慮は度外視、そして、セッターとしてもセットしに行くのではなく、メンテをしに行くので、よく熟慮してルートセットするというよりも、限られた時間と予算の中で、できるだけのことをする、ということになるのだそうです。

どうりで、余ったから、付け足したとしか思えない、意味不明ホールドがいっぱいあると思った。

…ということは、私の課題を見る目もだいぶ育っていますね~(笑)。こんなところになんであるの?みたいなホールド分かるようになっているってことです。いるところにないのも分かる。

そういうアクシオンの壁なので、早晩に通わなくなりました(笑)。

それと比較し、多久高校は素晴らしい~。やる気に満ち溢れた壁でした

入ってすぐ気が付いたのは、すごいきれいなヌンチャク!!リッドのヌンチャクでした。摩耗しないように、ロープがこすれるところが、ステンレスのものです。高級品です。

 高さ12mで奥行き6mだそうです。

12の平方根って何メートル?とりあえず、ロープは30mでも足りました。

https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228774

13.4m 斜度63度。傾斜きつー

傾斜が強いため、私はアップの後、一番強い傾斜を現在の実力を測るために計測してみましたが、やっとこさ、4パネル…(笑)。

まぁ小瀬の壁で40度傾斜の11Aを15度にして5.10Aで登っていたことを考えると、この傾斜角度で4パネル行けるということは、それなりに進歩。
 正面から見るとこれです。

左は、被りは2ポイント、だんだん増えます。

高さはそこそこですが、楽しく登れました。

アップの5.9では、腰クリップを意識して登ってみました。

が、あとでコンペの動画をみると、スポーツクライミングは強傾斜のためか、腰クリップを意識しているようなクライマーはいませんでした。

ということは、外の岩でもハングの前に一本というのが正しいボルト配置のように思います。
 納所の廃校になった小学校で、ボルダリング壁があるとのことで、見に行きました。

おお~という立派な壁でした。
 ホールドが整然と…

今の学生さんは恵まれていました。

3億円というのは、ほんとうなのかわかりませんが、毎週東京に登りに行っているそうです。

要するに若い世代には、十分すぎるほど手が差し伸べられているみたいで…

一番悲しい状況なのは、

ロストジェネレーションの我々

らしいですよ…要するに40代です。ただ就職時期が氷河期だったというだけで、一生じり貧。
 小学校は、色々と活用の道を模索されているらしく、これはピザ窯らしいです。

小学校にあるから、ごみ焼却炉化と思ってしまいました(笑)
 まんま、給食。

つらかったなぁ…給食。給食嫌いな子供でした…

食べきれない量なんだもん… 食べれなくて何時間もお皿を目の前に押し黙っている子供でした。


 ちょっとやる気が今一つですが、夏の雲。

佐賀平野は晴れで、帰りに三瀬からはどっぷり暗い雲の中で、福岡だけが日本海側気候で曇りなのだと分かりました。

福岡は大気汚染もひどいですが…、背振山脈が佐賀平野を守っているようです。

あんなに低い山でも山は山なんですね~。

お天気に与える影響は甚大。
 これは久留米の山岳会の募集。

帰国?したら検討しよう。

私は若い人が寄ってくるタイプなので、どこかに属すと、広告塔なんです。

よってきてくれても、受け皿がないと。
 佐賀労山って強いのかなぁ?

労山系は、イメージ、緑山岳会(笑)かなり偏ったイメージですが、強くて事故多そう、なイメージ。


 これは、何用のボルトなのでしょうか?

爪が特殊だな~って。
ベースキャンプさんは、驚くべき品ぞろえでした。

福岡の山道具屋のフォーカスが中高年登山にあることが分かった。

山梨もそうだったなぁ。山梨のICIはなんと関東で売り上げ最下位だそうでした。都会に行くほど、中高年登山度が高まるのかもしれません。都会の中高年のほうが、自然に飢えているうえ、無知の度合いも強いので、”もう一花咲かせよう”と思う、現実認識が欠如した人が多くなるのかも?

とりあえず、佐賀の道具屋さんのほうが充実しており、福岡はイマイチです。


■ 成長を感じた

昨日は、まぁ高校生については、エライ恵まれた環境らしく心配しなくなりました。

小瀬に通っていたころと比べても、自分の登攀が伸びていて、ほっとしました…

やっぱりクライミングは、どれだけ生活に取り入れて頑張るか?というのが、ほとんど活動のキモです。

一部の大天才以外は、大体、あまり個人の資質に差がないように思います。

先日、私と同じくらいの背の人で楽しそうに登っている人がいて、その人は3級や2級をトライ中で、フリーを始めて2年半ということだったので、頑張っていないみたいに思われて嫌でしたが…。

頑張りって、個人の中でのスケールでしか計れないんです。

昨日の自分より強くなっていたら良し!です。

辞めなければ、少しづつでも上達しています!



2019/07/06

岩場のタイプとそれぞれの習得テーマ

日本では、岩場ごとにクライミングスタイルが違うことや、それぞれの岩場での習得テーマが違うことがあまり語られません。

ので、やってみてやっと分かるということになっています。

岩場ごとの習得テーマをまとめました。

《まとめ》

1)人工壁 ビレイ&キャッチの経験値を上げる
2)ゲレンデ 初歩的な登攀を覚える 
3)スポーツクライミングの岩場 落ちても死なないクライミングになれる
4)フリークライミングの岩場 落ちると死ぬこともあるので、危険を避けて困難に迫ることを覚える
5)トラッドクライミングの岩場 上級クラックの岩場です。

以下、習得テーマのまとめです。

1)人工壁

 人工壁も色々なタイプがあります。

 ボルダリング壁での習得テーマ = ムーブ
 リード壁での習得テーマ =リード壁でしてはいけないこと
              ビレイ&キャッチの経験値(最低、週2半年)

2)ゲレンデ 日和田、広沢寺、越沢レベル
  落ちないクライミング 
  支点構築
  カムのセット
  
 ※ このレベルでは絶対に落ちないクライミングが必要です。Ⅳ級です。

3)スポーツクライミングの岩場 城山
 落ちても死なないクライミングになれる
 日本ではこのレベルは、”初心者向け岩場”とか、”ケミカルボルトの岩場”と呼ばれることもあります。
 
4)フリークライミングの岩場 小川山 ボルトルート
 落ちると死ぬかもしれない岩場で、危険を避けながら困難に迫ることを覚える
 
5)トラッドの岩場 瑞牆
 カムをセットしながら、登るため、リスクをコントロールしながら登る

■ ゲレンデとスポーツクライミングの岩場が軽視されている日本

2)のゲレンデと3)のスポーツクライミングの岩場が、前後することがあるのが、旧式クライマーと現代クライマーの差です。

現代では、1)人工壁が、2)のゲレンデと3)のスポーツクライミングの岩場の役割をかねて、1)から、いきなり、4)になるのが、現代のクライマーの直面する困惑だと思います。

2)、3)で学ぶべきテーマを明らかにしてもらえないので、なんとなく、で見切り発車し、いきなり4)フリークライミングの岩場でリスクを伴う登攀となるため、事故が絶えない。

もっと明示的にテーマを与え、意識的に習得目標を習得させれば、事故は減ると思います。

2019/07/05

境界線のあいまいな日本

登山界ではよく知られていますが、外国では、一般登山者と本格的な登山をする人は、まったく歩くトレイル自体も別で、混在がないにもかかわらず、日本は混在しています。

同じことが、岩場にも言えます。

スポーツクライミングの岩場で、アルパインの論理をかざしたり、アルパインの岩場でスポーツの理論をかざしたり…とややこしい…

■徐々にリスクを大きくするべき

アルパインへ行くにも、最初は、スポーツクライミングの人工壁でビレイを覚えないと、落ちる人をキャッチする経験値は積めません。

落ちた人を停めたことがないビレイヤーが「私はビレイできます」と言ってきたからって信頼できます?できませんね?

ちなみに、落ちた人を停めたことがない人は、年配のクライマーには一杯いそうです。ついでに言えば、落ちたことがない人もいそうです。

そののちに外岩に行きますが、最初から瑞牆なんていかないでしょう?

最初はⅣ級のゲレンデからです。

そして、Ⅴ級、つまりフリーのグレードになってからは、最初はボルトがしっかりした城山などのスポーツクライミングの岩場に行きます。

そこで登りが上手になってから、小川山などのフリーの岩場へ。

そういうリスクとスキルの段階的なステップアップをしていかないと、リスクを積極的に取るアルパインクライミングはできないと思います。

安全にギリギリに迫るスポーツ、困難を追求するフリー、リスクを取っていくアルパイン、と背後にある価値観や思想が違うのに、日本では、きちんと色分けされていません…。

結果、どのクライミングでも、肝試し大会みたいになっている。そこが問題のように思います。

私はラオスに行ってとても楽しかったのですが、スポーツクライミングとはいえ、5.13もちゃんとあり、毎年通ってくる強つよクライマーもいます。
そのクライマーは困難を追求しているので、安全でないと困難は追及できないです。

日本では安全に困難を追求できるクライミングのフィールドが限定的なので、世界へ足を伸ばさないと、安全vs困難の追及のバランスが、各クライマーの成長段階によって適切に選ぶことができないです。

そこが、ボトルネックになって、クライマーにとっては、安心してクライミング力を伸ばすことができない、と言うことになっています。

これが登れないんだったら来るんじゃねぇ!という岩場で、その一番易しい課題が登れない人はどこに行ったらいいんでしょう?

その易しい岩場に行ったら、今度は大ランナウトだとすると、その人にとってはどこも難しすぎるか、危険すぎるかと言うことになってしまいます。

多くの人がそういう意味で、ボルダリングジムでだぶついてしまいます。もちろん、インドアジムでクライミングをしている目的が、痩身、とかでもいいのですが。

都会ではボーリングのようにボルダリングが受け入れられており、それはそれでいいと思います。つまり、その先に発展性がなくてもいいという意味です。

しかし、もし、さらに頑張りたいという人がいるのなら、その道は残してあげるべきかなと思います。

今すでに登れる人は自分が登れるから、それでいいということになってしまいますが、その状態になるのに梯子を外されているのが若いクライマーたちです…

それだと、若い人はどうしたらいいのか?となります。

2019/07/02

誰のおかげか?

■ 押しかけ師匠

一番目の師匠とは岩場で会いました。「流動分散を作ってみせなさい!」感謝はしていますが、「弟子にしてください」とかって、私が頼んだわけではなく、「勝手に山に登りますので、結構」と言っていたのに、「いや、山には師匠が必要ですよ」と説得されての、押しかけ師匠でした。

思えば、心配だったのだろうと。

どこでもいいから山岳会入ってと言われましたが、その入った山岳会では一回目の山から、私はガイドする側で、連れて行ってもらうことはなかったのでした。このころは相方ができて、その相方が分不相応にすごい山に行きたがるので、決裂。

2番目の師匠も押しかけ師匠でした。頼んでもいないのにレスキューを一杯教えてくれて大感謝☆ ステキ☆と目がハートマークになり、歓迎しました。このころは山を教わる必要自体は、理解していたからです。

が、どちらの師匠も、別に私が「弟子にしてください」とか言ったわけじゃないんです…。どっちかというと、向こうから勝手に来た。

■ コントロールされるのが嫌でした・・・

それに、1番目の師匠は人工壁に通うと、ぐちぐち文句を言って来たし、2番目の師匠は、私がしたいリード練習をさせてくれないし、どう考えても、

 自分の思い通りにコントロールしようとして来る

ので、その点がとても嫌でした。

なんで、努力してねちねち言われるんだ?!
なんで、誰でも通る普通のリード練習をさせてもらえないんだ?!

と思っていました。登攀力が足りないなら、補わないと困るのは私だし、疑似リードでリード練習したいのは、ごく普通のことです。何も特別なことを頼んでいるわけではありません。

■ 勝手に成長するのが後進です 

私が先輩なら後輩がしたいようにやらせます。それが先輩のあるべき姿と思う。今、疑似リードしたいんだったら、させてあげるし、その代わり自分が登りたいときにビレイヤーで来てもらえばいいだけです。

なんで、このやり方でないとダメ! と二人とも許容範囲が狭かったのか?よく分かりませんでした。 外岩はいいけど人工壁はダメとか、リードはしてほしいけど、カムを自分で入れながらはダメとか。

どちらも理由を説明されなかった。ので、反発しました。

山は自己責任なんだから、説明されないのであれば、反発するのは普通のことだと思います。その通りやって、怪我したり死んだりして、師匠たちは責任が取れるのでしょうか?

■ 自分のおかげ

ということで、今のクライマーとしての私があるのは、一番大きく、誰のおかげか?というと、

私のおかげ

です(笑)。

自分のおかげであることが一番よく分かる事例は、UIAAのトップ、スティーブ・ロングさんとも知り合いになっちゃったことです。なんでか?というと、インスボンで登った時に、アルパインサマーと言う教科書が韓国語で出ているのをみて、

ぬぬ。なんで韓国語があって日本語版ないのー ゆるせーん!

と私が勝手に思ったからです。別に誰から紹介されたわけでもなんでもない。

師匠は私がその本を発見した時、一緒にいましたが、素通りです。目の前にあっても見えるものは、それぞれ違うからです。

■ I am proud of myself!

ので、私みたいな、大してクライミングの才能もない、ちんちくりんの人がなんでクライマーなんだ?!と腹が立つ人もいると思いますが、今のクライマーとしての、自分を形成するのに

誰のおかげだったのか?と言えば、自分のおかげです。

I am proud of myself!

誰に一番世話になったかと言うと? 自分に一番世話になりました(笑)。

■ クライマー=特権階級 は日本だけ

大体、クライマーになるのが、

許された一部の人だけの資格制

のところは、日本国くらいで、海外では誰だってクライマーになれるのが普通なわけですから、そもそも、なんでこんな人がクライマーなんだ?という疑念すら、外国人から問われることはないです。

別に記録を持っているとか、有名とかじゃないとクライマーじゃない、とか、5.9で落ちる奴はクライマーじゃねえ!とか、岩と向き合っていないとダメ、とか、俺は認めない!とか、どうせ愛人なんでしょとか…

その発想からして、差別的で失礼ですから…。

それに気が付かないというのが、まさに日本的発想って気がします。

誰かがあなたを認めない!と言ったとき、あーそう、って言えばいいだけなんですよ。そんなことで、あーだこーだやっているのは日本人だけです。バカバカしい。

■ 無数の善意

さて、誰のおかげかと言うと、そりゃ私自身のおかげですが、

その他は無数のみなさんのおかげ

です。小さな親切が一番ありがたいです。 見返りを求めない親切が一番大事な財産です。

それだけがピュアな心から発したものだから。自分もそうありたいと思っています。

2019/07/01

かっこいいクライミングとは?

■ なんか鬱っぽいです…

今日は、お天気と同じく、気分の落ち込み激しく、非常に抑うつした気分で過ごしています。

というので、かっこいいクライミングとは何か?を考えてみます。

1)自信がそこはかとなく漂うクライミング

私の中でかっこいいクライマー筆頭は、地味ですがハッシーです。いや~かなり地味~にボルダーと向き合っておられました。去年この先輩とスラブのボルダー4級を始めて登り、登れた。そこはかとなく、マットを移動させてくれているのが分かりました…先輩もまさか私が登るとは思ってなかったんだろうな。4級が登れたのは初めてだったので、うれしかったです。そのボルダー2段と4級が共存でした…。段クライマーらしいです。

2)現実認識力が高いクライミング

ギリギリボーイズって誰が所属しているんですかね?の伊藤さんとアイスご一緒したことがありましたが…伊藤さんは小さいクライマーなので、後ろにセルフを取ってビレイしていました。

だよねーって。そういう人を見ると、ほっとします。

3)嫌味でないクライミング?

伊藤さんは、もっと難しいところを登っているだろうと思われるのに、師匠の設置したスクリューにピンクでリードしており、伊藤さんでもやってくれるだなぁと思いました。

ここで、俺は俺のスクリューで登るぜ!ってやると嫌味なのかも?

4)テーマが明快なクライミング

この日はみんなで薄氷に迫り、トップロープでみなでガンガン落ちました… 薄氷に迫るがテーマでした。

テーマって難しくて、行ってみて始めて、今日のテーマはこれか!ってわかることのほうが多いです。

5)その先を見せてくれるクライミング

この日はドライも見せてくれたのですが、クオークをクラックにねじ込み、なんというか冬場のクラック、アックスジャミング?みたいな感じ。

冬壁は昔は皆さんグローブで登っていたみたいですが、今はダブルアックスで登るので、必然的にそれは、ドライツーリングと同じです…

ということがそこはかとなく分かったクライミングでした。要するに、ピッケルというのは、杖から発達した道具ですが、現代のクライミングは杖=足の延長とか、バランス保持のサポートではなく、手の延長としてのアックス、積極的なホールド、としてのアックスと言う意味でした。クライミングが、スラブとオーバーハングくらいスタイルが違う。

6)男気があるクライミング

いや~男気ってそもそも何なんでしょう? 辞書を引いてみたら、義侠心とありました。

義侠心って何? 

自分の損得を顧みず弱い者のために力を貸す気質

とありました。反対は女気。女気もめったに使われないので分からないですね。

弱い者のために力を貸す、というのが、味噌かなぁと思いますが、クライミング自体は、本来は、弱い人は弱い人なりに低いグレードで登っていても、それで楽しいので…弱いか強いか?は、あんまり関係がない世界ではあるのです。

関係が出てくるのは、どっちかというと歩荷とかある山のほうで、やはり歩荷力があると山では余計なものが担げるので、有利です。

しかし、山で、担げない人が厚さ数ミリのマット軽量化して、寝ているときに、180cmの大男が厚さ5cmのマットで寝て、「俺リードできないんでお願いします」と言うときには、なんか違うと思いました…。

ので、男気があるクライミングはこの真逆かなと思います。

7)知的なクライミング

山では、駆け引きなので、その駆け引きで、ギリギリに迫っていたら、結構楽しいです。

その迫り具合で知性が分かるというか…

沢に行ったときに、支点が取れない茅の上なのに、どんどん上に逃げちゃう人がいて、高巻きもクライミングを知らないとリスクだな~と、心底、思いました。

支点がない時に上に逃げるのは自殺行為です。

そういうことが分かるために、普段クライミングしていると思えばいいのかなぁ…

ロープが命綱になっていない場合、知性が低いと思われます。

しかし、アルパインの場合は、基本的には、落ちないですので、スポーツクライミング並みに墜落係数0.3レベルの支点はイラナイです。

そんなことしたら、遅くなって逆に危険だし…

その兼ね合いが絶妙というのが知性です。この辺は、誰かをお手本にできたことはないかも…

■ かっこいいというものを求めていなかった?!

とここまで考えて、私はそもそも、クライミングにかっこよさを求めていなかったかも?

とハタと思いつきました…

では、私のクライミングの価値はなんだったっけっていう話ですが…。

リードで、下のビレイヤーがしびれを切らしているのは分かっているけど、粘って、ムーブが出てくると、なんかうれしいんです…

ムーブ、いったいどういう話で出てくるんでしょう???

かなり焦るというか、切羽詰まらないと出てこないんですが…

でも、力量以上の課題に取り付くと、げっそりしてしまいますし…楽しい~!っていうホルモンは、出る場合とでない場合があり、その出る場合はいつなんだ?

でも、出そうで出ない楽しいホルモン… インスボンやラオスでは出ていたナ~と思います。

ちょうどいい難易度を登らないと出ない。ちょうどいい難易度っていうのが、個人個人で違ってくるのかもしれません。

最近は下で、”え~ねぇーまだー?”ってなっているのは分かっているのですが、甘えさせてもらっています。

ハングドッグしないから、粘っている… これはどうも、格好は良くないクライミングみたいです(笑)。


筑紫野ボルダリング@ボーリング場

 ■ 久しぶりにリード壁

へ、行きました。ここの壁は、短いので、怖いんですよね…(笑)。

短い壁=課題が凝縮していて、落ちたとき、危険が大きい、

と言えます。

これは、外岩でも同じで、距離が短い課題は、より危険が大きく、距離が長い場合は、安全であることが多いです。

一般の人は、高ければ高いほど危険と思っていますが、高いほうが安全…。

かといって、壁が長い、アクシオンは、課題設定が全然、ツマンナイんですよね…。

結局、リード練習するところがない…というのが、インドアボルダリングジムでクライミングをデビューしたクライマーが、外岩に行くときの一つの壁になっているカモです。

インドアでリードしないと分からないことが色々あり、落ちるときやローワーダウンでも、頭を下にしてはいけない、などもその一つです。

 昨日は、スポーツクライミング教室の日に当たってしまい、12時についたのに、3:30からしか登れないということで、廣瀬さんとお話しできたのが、一番の収穫でした。

クライミングは後回し(笑)。やはり、外岩でのボルトについては問題が多い。

想定外に時間ができたので、筑紫野にあるらしい新原さんのジムを目指してみました。



あら~ ボウリング場と併設。

これは、ベアハンズさんと同じですね!

クライミングがボウリング並みに普及すればいいですが、その途中で、

リスク管理がお留守

になりがちです。インドアにはリスクほとんどないからです…








が、この日はインドアでも、リスク100%!!

一つの壁に一人、という原則

は、誰も知らないようです…(汗)。人が多すぎて、危なくて登れない。

ので、あきらめて撤退… すごすごと竜岩に引き返しました。これって、市内のクライミングジムでもあるあるなんですよね…。子供で一杯のジムには行かなくなります…

あぶないので…。

ボルダリングは着地が問題です。着地が問題という意識がある人が少ないというのも、問題。私は大体ジャンプしないで、クライムダウンしています。

 安い!
 新原さんのリード課題は、核心の後にクリップがあって、日向神では怖い系課題です。

私はできるだけ避けています。

でも、ボルジムで強いから、そうなるんだろうな。

しかし、登れることと落ちたらどうなるか?は別問題と習いました。

登れるから取らないプロテクションでは、アイスクライミングなんて、全部ノープロでいいっていう話になります。

アックスバチ効きでないと登らないんですから。

同じことがスラブにいえるようで、落ちないからビレイヤーもランナウトも、あまり問題にならない。逆に言えば、落ちるときは登らない。

筑紫の湯、っていうのと併設のようでした。

なんかビールとか飲んだりできるようで、海外のクライマーが雨の日に来たときにレストができていいかも?

 しかたないので、すごすご引き返したんですが、お腹が空いて、うどん屋に入ったら、なんと激安!

辛高菜うどん 250円!!やす~。となりはなんと大盛肉うどん…300円くらい?(忘れた)。

竜岩とうどんはセットで決まり?!