■ まずいビレイを受け入れる習慣
今回、私が思ったことは、ベテランに限らず、誰でも自己犠牲は辞めるべきだということです。
マズイビレイを受け入れる
ということを、ベテランは、自らの義務として課していると思いますが…、そう思うのは、私自身が、後輩を連れて行くときに、
”将来、この子にビレイしてもらうためだから”
&
”もうこのルートでは落ちないし”
と我慢して、下手くそなビレイを受け入れるからです。
それは、自分も初心者時代にそうしてもらったんだから、という思いがありますが、別に私のビレイは最初から良かったです…。
人工壁で最初に正しく覚えた人は、外岩でも同じように良いビレイをしそうです。まずいのは、アルパインしかしない人のフリークライミングのビレイかも…?
ビレイは人工壁で覚えないと覚えられないです。
今回、Kowallに行ってビレイチェックを受けて、これらは
悪習慣
だったのだ…と認識を新たにしました。
第三者によるビレイチェックですが、受けてみても、別に、悪い事とは感じませんでした…、そりゃそうよね~!というのが感想です。
自分も登るときにビレイヤー見れないですから、誰か見てくれると嬉しいですよね。
初心者の人にビレイさせると困るのが、
「ビレイはできますか?」と聞くと、
「できます!」と元気よく答えることです。
しかし、
「墜落をキャッチした経験はありますか?」と聞くと
「ないです!」とこれまた元気よく答えます…
じゃ、ビレイが習得できているかどうか、分からないじゃーん!と思いませんか??
私は思いますので、そういう人のビレイでは、落ちるところは登らない作戦にしています。
しかし、これは、あやふやなビレイでも登ってくれる人を作ってしまうということですので、非常に良くないということが、今回理解できました。
師匠の青ちゃんも、ぜんぜんビレイしてくれる人のビレイスタイルを確認していない…ということが観察していて分かりました…。オールドクライマーは落ちないところしか登らないのが前提なのです。なので、落ちないから、ビレイヤーは誰でもOKってことです。
それは、あやふやなビレイヤーが世の中にのさばる原因になっていると思われます。
今回、あるおじさんクライマーが1本目のピンから、ずいぶんと離れているところで、ビレイをしており、私と別のクライマーがツッコミを入れたことがありました。
すると… 「(登っているクライマーを指して)彼は安定しているクライマーだから、まぁ、大丈夫やろ」という答え…
そのとたんに2名のクライマーから 「そーゆー問題じゃない!」とツッコミが。
クライマーが安定してるからいい、という問題ではありません…(汗)。安定しているクライマーしかビレイできないビレイヤーだったら、ビレイしていないのと同じです。
これは、保科ガイドも同じで、アイスのビレイで師匠の鈴木さんのリードクライミングを始めてビレイするので、責任重大だと感じ、ビレイを教えてくださいと言って、参加したら、ただロープを持たされただけで、何も教えてはくれませんでした。アイスこそ、支点が微妙なので、ビレイテク要りますよね?
ビレイのチェックは、Kowall形式で、クライマーではなく、第三者がチェックするのが良いと思いました。