2024/12/05

【NVC】次のピッチを登る前に、ロープ長を計算してほしい、なぜなら、私は命を大事にしたいからだ

■ 自分の気持ちを”すべき”ではなく、”してほしい”で表現する方法

「なんで次のピッチを登る前に、ロープが足りるか?計算していないの?」

=詰問するつもりでなくても、詰問になり、相手は反発するか引きこもるかしてしまう。

そこで、

 ”なんで~の?” 

を 

 ”〇〇してほしい” 

に変換し、

さらに

  ”なぜなら、私は〇〇という価値観を大事にしているからだ”

をつけ足す。

■ 結果

「(私は)(リードクライマーのあなたに)

次のピッチを登る前に、ロープ長を計算してほしい。

なぜなら、私は自分たちの命を大事にしたいからだ」

■ その他事例

「きちんとした危急時用連絡先を伝えてほしい。

なぜなら、私は、事故に際して、あなたの家族に連絡する義務を負っており、自分の責任を全うすることに価値があると考えているからだ。」

「読図をきちんと会として習得項目にしてほしい。

なぜなら、私は、未知の道をみずからのルートファインディングで歩く、というアルパインの伝統的な価値観を大事にしているからだ。」

「自ら危急時の講習を受け、ロープワークをマスターしてから、マルチピッチのセカンドに立候補してほしい。

なぜなら、クライマーの自己責任という価値観を私は大事にしているからだ。」

「リードを無理強いしないでほしい。このルートを登れと押し付けないでほしい。

なぜなら、クライマーは、自分で自分の登る課題を選ぶ、という自己責任という価値観を私は大事にしているからだ。」

「外岩では、オリンピックで行われるビレイではなく、外岩用の慎重なビレイをしてほしい。

なぜなら、私は、自分の命を大事にしたいからだ」

「パートナーが怪我をしたら、その対応はきちんとしてほしい。

なぜなら、私は、互いに相互扶助するというクライマーの伝統を大事にしたいからだ」