2019/07/06

岩場のタイプとそれぞれの習得テーマ

日本では、岩場ごとにクライミングスタイルが違うことや、それぞれの岩場での習得テーマが違うことがあまり語られません。

ので、やってみてやっと分かるということになっています。

岩場ごとの習得テーマをまとめました。

《まとめ》

1)人工壁 ビレイ&キャッチの経験値を上げる
2)ゲレンデ 初歩的な登攀を覚える 
3)スポーツクライミングの岩場 落ちても死なないクライミングになれる
4)フリークライミングの岩場 落ちると死ぬこともあるので、危険を避けて困難に迫ることを覚える
5)トラッドクライミングの岩場 上級クラックの岩場です。

以下、習得テーマのまとめです。

1)人工壁

 人工壁も色々なタイプがあります。

 ボルダリング壁での習得テーマ = ムーブ
 リード壁での習得テーマ =リード壁でしてはいけないこと
              ビレイ&キャッチの経験値(最低、週2半年)

2)ゲレンデ 日和田、広沢寺、越沢レベル
  落ちないクライミング 
  支点構築
  カムのセット
  
 ※ このレベルでは絶対に落ちないクライミングが必要です。Ⅳ級です。

3)スポーツクライミングの岩場 城山
 落ちても死なないクライミングになれる
 日本ではこのレベルは、”初心者向け岩場”とか、”ケミカルボルトの岩場”と呼ばれることもあります。
 
4)フリークライミングの岩場 小川山 ボルトルート
 落ちると死ぬかもしれない岩場で、危険を避けながら困難に迫ることを覚える
 
5)トラッドの岩場 瑞牆
 カムをセットしながら、登るため、リスクをコントロールしながら登る

■ ゲレンデとスポーツクライミングの岩場が軽視されている日本

2)のゲレンデと3)のスポーツクライミングの岩場が、前後することがあるのが、旧式クライマーと現代クライマーの差です。

現代では、1)人工壁が、2)のゲレンデと3)のスポーツクライミングの岩場の役割をかねて、1)から、いきなり、4)になるのが、現代のクライマーの直面する困惑だと思います。

2)、3)で学ぶべきテーマを明らかにしてもらえないので、なんとなく、で見切り発車し、いきなり4)フリークライミングの岩場でリスクを伴う登攀となるため、事故が絶えない。

もっと明示的にテーマを与え、意識的に習得目標を習得させれば、事故は減ると思います。