■ 岩場を選択する自由はない
九州に移動することになった時、ガイドさんから、
2000年以降の岩場が安全
というアドバイスを受けました。
しかし、
ローカルクライマーに岩場を選択する自由はない。
つまり、福岡に来たら、福岡の岩場を登るしかない。
日向神すら、3時間も離れているのでとても近場の岩場とは言えず、岩場に通うとか、岩場の主になるということは不可能ですが…
(日向神に関して言えば、岩場のある集落の黒木集落からですら、40分もかかるけどね)
これは、どこの地域でも同じで、岩場ってものが、そもそも、人家から遠いのです。
■ 岩場の性格や性質を客観的に伝える
今まで、
課題のグレード
はあっても、
岩場そのもののグレード
がないのですから、はじめて岩に触れる人は、その岩場を
相対化
できません。結果、日本の岩場は激辛なので、そのことを知らずに育つと、海外にでたら
とっても簡単
ってことになります。(ハイ、私がそうでした!)
辛いところからスタートして易しいところへ行くと、ある意味無難ですが…
自分の岩場の常識
が
よそでも常識
だと思いこむという…とってもいびつなことに…例えば、ロープを残置ビナに直接かけてトップロープする習慣とか…。
九州では、カットアンカーが普通で、え~?!と驚きました。
相対化できていない、客観的に自分の岩場が見れていないと、結局、視野が狭い、ので、これで何が悪いの?ってことになってしまいます。
かといって、誰でもが、日本全国を旅してまわったり、世界各国の岩場を探訪できるという厚遇を得られるわけではないので…結局、広い視野というのは得難い。自分の岩場の変さ、や、逆に良さ、や強み、をも相対化してみることができない。
というので、岩場のそのものに評価を与えたらいいんじゃないですかね?
ロクスノより引用 |
昭和グレード、平成グレード、令和グレード
って、令和が易しい=軽蔑、みたいな路線に必ず、古いクライマーは陥りそうですけど…
現実的には、
練習していないのにいきなり本番でリードはない
のです。そのピンがとおーーーーーい昭和グレードの岩場で登っている方たちも、もともとは、誰か先輩に連れられて、UIAA(RCC)Ⅲ級やⅳ級の岩場で、落ちるくらいならエイドしろ、という育てられ方をして、そもそも落ちないようなところしか登っていないから、ランナウトが平気になっただけのことで… 現代的目線で見ると、まぁ大したグレードではないよね…みたいな話なのです。
クライマー界最弱者の私にリードのお鉢が回ってくるような世界なのですから…
えばっていてもそんなもんです…
挑発に乗って、令和の岩場で、安全に外岩リードをデビューするべき人が、昭和の岩場で、リードさせられるのは、
誰のお得なのか?
俺はもう命をかけたくねー って思っているオールドクライマーの身代わりに
人身御供
させられているのかもしれませんよね?
■ 大事なことは、登るスキルと調和した岩場で、調和したグレードを登ることです。
簡単すぎもせず、難しすぎもしないところを登る、というのが大事なことです。
普通に”楽しい”という感性を大事にしていたら、そこに行きつくはずです。
ひえ~!という経験になったら、レベルが合っていない、って意味かも。
そういうレベルマッチング、という意味でも、
岩場そのものにグレーディングしてある
というのは必要な措置だと思います。岩場もそうだけど、エリアにも、そうしてほしいですね。