■アルパインの先輩から、次のようなリード助言をもらいました。
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マルチのルートを登るには?
1)ロープを半分近く登ったら、次のビレーポイントがどこにあるか、前方だけではなく、左右も見て登る
2)フルに登るとロープの流れが悪くなるピッチは、20メートル程度でもそこで切る
50メートルロープで1ピッチで登れても、ロープの流れは悪い=NG
3)ピッチを切るのは早めが確実
4)屈曲するところでは60センチ以上のスリング
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うーん、こんなの、私くらいしか、山行記録を読んでいない人でも、分かっているっていうか、どこかで読んで出てきた話だけどなぁ…
私も自分がリードするときは、ロープ長と流れを常に気にしています。
他の人の記録を読めば、傾斜が変わったり、屈曲が大きいところで普通にピッチを切っていますよねぇ?
沢とかでもそうだし… (沢は初級の沢なら私でもリードが取れます)
一体私の相方だったアラーキーは、何を根拠に、どんな箇所もピッチをつないで、やっぱりロープは60mだね、とか言っていたんでしょうかね? なんか反省力も全然ないみたいで、謎でしたが…。
■ 教わっていないことを知らないのは恥ずかしいことではない
彼は、ロープへのリスペクトが不足しているクライマーとして有名だったので、誘われても、ついていくのは、別の先輩から、「お気をつけて」と言われるくらいでした…
なぜ、クライマーに必要な、アルパインの教育を受ける機会がなかったのか?
不定休の休みで、土日が休めないのではないか?と
察して
気の毒に思っていたのでした…。
私は山梨アルパインクラブの最初のお試し例会に出たときから、もうツルベの仕組みは分かっている人でした…というのは、山岳総合センターで、一年間のリーダー教育を受けた後に行ったからです。
とりあえず、何をやるのかは分かった、あとは実践したい、と思って仲間を求めて行きました。
御坂山岳会ではそのような人への理解があったと思うのですが、山梨アルパインクラブは、名前に反してアルパインではなく、人工壁の練習で、確かに人工壁でのフリークライミング能力は基礎力なのでそれでいいとは思いますが…参加している人たちの基本的な知識があまりにも不足している…と言わざるをえませんでした…。つまり、教えないで放任、自己責任を旗印に放任、という仕組みだったように思いました。
25mのピッチと35mのピッチを50mシングルで来ているときにつないで登り、その後の反省が、やっぱりロープは60mだね!って… 60mで登っても足りませんから…(汗)。
一体どんな教育を受けたのか?
ちなみに私は山梨アには、ほとんど在籍していません。というのは、こんな人たちと登っていたら、殺される!と思って早々に退会してしまったからです。
当時、ジムで会った男性クライマーと意気投合し、その人が入っていたので、義理で入ったという感じでしたし…。
山梨時代は、私は、周囲の男性クライマーは、ベテランたちの誰からも師匠に立候補してもらえないので、気の毒な人たちだと思っていました。
自分で学ぶ意欲が見えたり、自分の足で地味な偵察を繰り返して、登る場所を探していたり、など、地道な努力をしていない人に、師匠が現れることはないのではないか?というのが私の推測でした。
山梨に、飛竜と言う幻の滝がありますが、相方のアラーキーはそれを偵察していたので、どれほど、自分のクライミングに自信を大きく持っていたか?ということを今となって考えますが…
偵察していたということは登ろうと思っていたということで…
自信持ちすぎなのではないか?と思うのですが…
以前、「それで、5.12は登れるの?」「ううん」「5.13は?」「ううん」
みたいな会話をしたことがあるのですが…
今はジムが普及したので若い男性であれば、5.14など普通に頑張っただけでも登れるのではないでしょうかね? 私の知り合いの良いほうの先輩、ハッシーも、会ったころ有段者でしたが、まだ30代なのに、20代のあの頃の俺はすごかった、という感じで、男性の身体能力のピークは、20代前半にありそうでした。
だから、すごい記録、っていうのは、生もの、なのではないか?と思います。
もちろん、グレード以外の能力がその後伸びるわけですが… 50代を超えたあたりから、大幅に老化現象で登れなくなるとは聞いています。
そういう生物の摂理通りに発展していけるというのは、ある種の贅沢だと思いますし、30代になってからクライミングをスタートした男性が、5.12止まりであっても、別に恥じることでもないとは思いますが…
自分のレベルを登山史の記録に載せようとして、過大、誇大に評価するというのは、ちょっと自画像が大きすぎるのではないか?と思いました。
その時代の水準で、優秀だ、優れている、と判定される基準に達せずに、記録に載って、それで何の意味があるでしょうか?
内容が分からない人からの賞賛がうれしい?そんなもの、誤解に基づくのですから、なんの意味もなくないでしょうか… むしろ、
慢心や傲慢を助長する意味しかないのではないだろうか?
と思ったりしたのでした。
最近のツクチェ前衛峰の報告できちんとしたスーパーアルパインとは、このようなことをいうのだ、と思って改めて、あの白亜スラブの愚かな様子を感じたのでした…
朱に染まれば赤くなる、で九州クライミングの悪影響を受けただけだと思いたいです。
■ ネパールの沢
このブログは、私個人の、スポーツクライミングとフリークライミングの基礎力づくりの記録をまとめるために作ったサイトなのですが、結局、アルパイン教育の不足を語ることになってしまいました…
私は、当初、ワイドで体幹を作り、ハンドクラックでクラックを快適に登り、徐々にシン・ハンドやフィストに進み、という予定で、アイスクライミングでは、のんびりドライを学びつつ、6級へ進みたいと思っていました。4級ならリードまで、5級が8割がた終わり、条件によっては…つまり、ビレイの優劣や氷の状態によっては、リードにも進んでよい、というようなレベルで終わったと思っていました。
しかし、九州に来たことで、ほとんどの山が恐怖体験、みたいな感じになりました。
いや~驚いた。
私に、貴重な示唆をくれたアルパインの友人が、ネパールの沢に行くと言っていたのですが、昨日偶然にもその記録を見つけて、楽しそうで、いいなぁと思いました。
しっかりした技術にのっとっていれば、どんどん成長していける、という証拠ではないかと思います。
よって立つ土台があやふやだから、そこが問題なのでは???と思ったのが、山梨アルパインクラブで会った人たちでした。九州の山岳会は輪をかけてそうでした。雪訓なしで、冬山って…ないですよね?
まぁ、私なら、九州から雪や冬壁を志向しようとは思わないですが…山はその土地に適した活動を提供してくれると思うので、真冬も温かい九州では年がら年じゅう沢をしていればいいのではないかと思ったりしました…
そのうち海外の沢に食指を伸ばしていけばいい、ってことなんでは?