■ 山岳会衰退の理由=山岳会が陥っていた仕組み
こちらのカープマントライアングルの解説の引用より、
用語の置き換えにて、ケースを検討しています。
https://www.balancedgrowth.co.jp/column/dramatriangle.php
ドラマを演じている状況は慣れ親しんだ場所。1次プロセスです。ここは居心地の良い場所です。
ドラマを演じている場所 → 山岳会
迫害者(=山岳会・先輩)はパワーを駆使して犠牲者(新人・後輩・未組織登山者)を下に落とし込むことで、自分の存在意義を確認でき、自尊心を満たします。
救済者(=山岳会・先輩・あるいは登山ガイド、クライミングガイド)は正義の味方として振る舞う自分にOKを出すことができます。
犠牲者(=山岳会・新人・後輩)は、救済者(=山岳会・先輩・あるいは登山ガイド、クライミングガイド)から気づかってもらえますし、ダメ人間を演じつづければ本質的な努力をしないで済むメリットがあります。
そして、3つの役割全てに言えることは、
オープンな本当のコミュニケーションを避けることができます。
本当の自分を勇気をもって見つめ、それに従って他者との意思疎通を行うのは、大変なエネルギーを必要とします。
一方で、ドラマトライアングルのどれかの役割を演じるのは、とても楽なことです。
これらの沢山のメリット、すなわち:
・慣れている
・相手に能力がないことで自分の能力が相対的に高く見え、自尊心を満たせる
・正義の味方になれる
・本当の努力をしないで済む
・本当のコミュニケーションを避ける
・エネルギーが節約できる
を手放すことがエッジとなり、多くの場合はドラマを継続してしまう(1次プロセスに留まりつづける)ことになります。
一方で、ドラマを演じ続けてはいけないことは、多くの人たちが薄々は気が付いています。そこから現れ出ようとしている2次プロセスとは何でしょうか。
今までは、逃げていた(避けていた)「本当の自分に向きあうこと」が始まります。
■ ここまで読んで、登山界、クライミング界の課題は何か?
・本当の自分に向き合うこと
=山岳会自体のレベル低下
=アルパインルートの荒廃
=クライミング教育の不在
=しょうもない事故の多発
=トンデモボルトなどのその他、不祥事
■ 王様は裸だ!
という役目がワタクシに…(涙)
ああ、大変でした…。
日本人は勤勉ですから、取り組みさえスタートすれば、あっという間に治りそうですけど!
■ 解消法 エンプティチェア療法
相手の立場に立ってみるという心理療法です。
各自に「なぜそのロールをとっているのか?」について考え、気づいてもらう
ここでは、自分以外のロールをとってワークしてみることが有効です。「被害者の椅子」「迫害者の机」といった具合に、3つの異なる場所を明確に定め、その間を当人たちに動いてもらうことが必須です。以下のような気づきが起きるでしょう。
<今まで新人・未組織登山者・後輩だった人>
山岳会の先輩(クライミング上位組織)のロールをとると:楽でパワフルだ。事故は、全部新人のせい(=自己責任)にすればよいのだ。
(先輩、登山ガイド・クライミングガイド)ロールをとると:楽だ。良い人になって心地よい
<今まで山岳会や先輩だった人>
新人・未組織登山者・後輩 ロールをとると:こんなに窮屈なのか。想像もしてなかった。頭が真っ白だ。
先輩・クライミングガイドなどのロールをとると:山岳会・先輩の人は怖い。この役割は安全だ。心地よい
<今まで先輩・クライミングガイド、登山ガイドだった人>
新人・後輩・未組織登山者ロールをとると:予想していたけど、それ以上につらい。
山岳会・先輩、上位山岳団体ロールをとると:パワフルだけど、うしろめたい。