昔(20年前)
・積極的には打たない
・プロテクションは必要な人が打てばいい(必要とするほどダサい、弱いというノリ)
・グラグラで怖いと思った人が打てばいい
・会員数も少なかった 数百人レベル
今
・クライミングブーム
・クライミングジム 500件
・私費で打つ人が増えた あいまいなボルトの選択と曖昧な技術
・高いグレードを登れる人が、良い開拓者であるとは言えない
・破断事故、すっぽ抜け事故が増え、危機感
・会員数 3000人レベル
■ ボルト見極めの4原則
1)材質 → ステンレスが標準
2)ボルトタイプ → グージョンが標準
3)サイズ → M10 以上
4)施工者 → 人的ミス
■ リボルトvs新規開拓
新規開拓のほうが、すでに打たれているボルトの撤去がない分、作業は簡単です。また、新規開拓の場合、開拓者の栄誉がありますが、リボルトの場合、それはありません。ボルト自体も、選択肢が幅広く取れますが、リボルトだとケミカルという選択肢しかありません。
つまり、新規開拓より、リボルトのほうが、より技術的に難しく、得るものがない、ということです。
さらに進めると、現時点でM8などの
強度不足とされているボルトを打つことは、貢献ではなく、むしろ負の遺産、
ということになります。
■ 考察
どのような資材を使うべきか?ということについて、考えない開拓者の人はいないです。
十分強度がある、というのは最低限考えていることだと思いますが、M8では、すでに強度的に十分とは言えないのだろう、ということは、ペツルのボルトが、M10以上であることからもうかがえます。
日本の多くの岩場では、気軽な墜落をするよりも、
テンションで静荷重のほうがいまのところ、安心である状況だ、
というのは言えそうです。特に体重が重い方は。
怖いと思う人が打ち換えれば良い、という論は、打ったボルトが負の遺産となってしまっている現在では、開拓者の無責任、ということになってしまっています。というのは、
リボルトのほうが手間が多く、なおかつ、外から見て、強度を確認する方法がない
からです。
間違ったものがあるよりは、初めから何もないほうがマシ
かもしれません。特に作業量的には。
それでは、現在打たれているボルトで登るリスクを受け取りたくないと考える人は…、見極められないと、安全を自己責任で取れ、と言われても、見極めようがないため、登らないという選択肢しかなくなり、それは、岩場に来るなという非言語メッセージを送っているのと、同じことになってしまいます。
実際、岩場に来る若い人は大変減っている、というのが実情です。きちんと若い世代はメッセージを受け取っている、ということです。
次に登る人がボルトを評価できるよう、開拓者は開拓したルート、もしくは岩場で、使用したボルトについて、
「この岩場では、M10ステンレス製グージョンを使用しています」
「リボルトでケミカルアンカー 〇〇ミリを採用しています」
などの記載が、トポに掲載されてしかるべきですね。そうでないと、どうやってメーカーの取説を見たりして、自己責任、を全うできるのでしょうか?
外から見て分からない腐食したペツル |
現代的に強度不足のボルト |
現代的に強度不足のボルト |