2020/01/07

ペツルだからと言って信用できない事例

■ ペツルでも信用できない

一般に、ハンガーにペツルの刻印があれば、クライマーは、「あ、ペツルだ~」と、ほぼ絶対的に落ちて良いボルトだと感じていると思います。

しかし、ケービング用で、信頼ができないペツルのケースもあるそうです。

まずは、写真を。



中がコロージョンしています。しかも、ボルト、短い! 何?1.5cm???

これはケービング用で、15kNしか強度がない、ペツル ブリーユ という製品です。この製品が、クライミング用に中間支点として、大変多く使われているそうです。

ペツルには

クールボルト スチール  ×  気候変動により酸性雨のため日本では不可
クールボルト ステンレス 〇  スタンダード品
クールボルト HCR    ◎  

と3種のボルトがありますが、どれもグージョンですが、使えるのは、ステンレス以上の 下の二つだけです。 

さらに、ペツル社は、ハンガーだけのバラ売りもしており、ステンレスとスチールを混同して使うと、ガルバニックコロージョンが起きます。

写真のように、中が腐っていても、外からは確認ができないです。

こちらの取説には、

https://www.alteria.co.jp/download/pdf/ifu/P13.pdf

3cmしか埋め込まれておらず、せん断方向に、15kNしか強度がないことが書かれています。これは、落ちる方向に、という意味です。一般にUIAAの規定するクライミング用途での使用は、25kN以上ですよね。引き抜き方向へはNoと書いていあるだけです。

しかも、絵が手打ちの絵ですから、きっと、ジャンピングで打っていた時代のものなのでしょう…

ということで、この手のボルトを信頼しないようにするのが大事です。見分け方は、頭がグージョンのようにネジになっているか?カットアンカーのように平べったい六角かです。

ネジ山が出ているのがグージョン=OK ボルト

ペツルだけど、NGのボルト ケービング用