■ ひさりぶりのパタゴニア
昨日は屋久島の開拓報告会で、パタゴニアへ…。店の場所が移転しており、初めにだいぶ慌てた…。ここんところ、全然、都心に用事がないもんなぁ…。行くのは、畑がある糸島方面であり、全く正反対…。
さて、屋久島。ずっと行ってもいいなと思っており、ほとんど無料で宿泊できそうなゲストハウスの目星もついてはいるんだが…
モッチョムの屋久島フリーウェイなどは登りたくはないので…行きたくないよなぁ…と思っていた。クライミングは愉しみであって、トーチャー(苦渋)ではないから、だ。死に行きたい人はいない。大体、ランナウトに燃えるぜ系の岩場では、セカンドでも殺される可能性が…(笑)。意味が分からない人は白亜スラブの記事を読んでください(笑)。
しかし、”繋ぐ壁”は、地元クライマー達との交流でできたご機嫌な岩場のようだった。
世界のクライマーのバカンスにも紹介できそうな、
クライミングリスクと登攀スキルがマッチした岩場
…ということだ。初心者に過大なリスク…命がけ…を求めないですむ、プロテクション取り放題の緩傾斜の壁…繋ぐ壁…と命名されている…が、倉上慶太さんの一番のお気に入りだ、ということだったので、すごく好感した。
ほんとに、そのレベルでカムセットを覚えなければ、どこで覚えるのだろう…?
いきなり5級からカムで登る羽目に現代クライマーは全員もれなくなるが…教える立場に立つと、やはり、カムのプレースメントが確実になってから、5級へ進んでほしいと思うのが、当然の流れだが、現在の日本では、そのような岩場は、全くない。
(福岡では野北がカムセットで登れる易しい岩場だが、アプローチが懸垂なので、初心者を連れていくのはご法度)
易しい岩場がないと、基本的なクライミングのモチベーションである、てっぺんに登ってヤッホーする、という喜びを入門者に教え損ねる…
その喜びがないと、どうなるか?目先の競争に右往左往させられることになる…
というので、初心者が徐々に傾斜を上げて行って、少しずつ角度がきつくなって行き、それが、てっぺんに登る!という喜びにつながるような…、そんな壁があるそうで、その壁で登れる子供たちは、基本的に大事なこと…競争ではなく、登る喜びや岩との対話…をインストールされて、そのあと、困難度を上げていくわけで、ものすごく、良いクライミングの成長路線だと思う。
余談だが、私自身もそんな風に成長してきたと思う…なんせ、最初は丘レベルの雪山からスタートして、美ヶ原⇒八つ天狗⇒八つ権現⇒赤岳・中央稜⇒鹿島槍鎌尾根⇒立山真砂尾根⇒八つ単独バリエーション⇒アイスバリエーション⇒アイスゲレンデ⇒荒船昇天と進んだからだ。途中で岩と沢をやっている。
だから自然界のリスクを見る、ということに無理がないが…一般クライマーは、このプロセスが全部なく、インドアジムで5級もしくは5.11⇒外岩でランナウトで落ちれない5.9を登る、となっており、全然、間のステップがない…。
始めに山ありきで、段々傾斜をきつくしていくのではなく、最初から被った小さい壁しか登らないから、被っていないところも大きいだけで登れなくなるし、アプローチがこなせない。オーバーハングが登れても、全然歩けない。うんこ処理もできない。山のウエアリングもできない、みたいなことになってしまう…。
そうならないで済むために、取り付ける易しい壁…は、総じて、ボルトが腐った壁になっており…別の意味で初心者にはリードさせられない… ので、勢い、トップロープ祭りになってしまうし…。
この事情は山梨でも同じだったが、クラックがあるので個人の意思次第で回避できた。
が、九州はクラック貧乏なので、トラッドを覚える機会は限られる(が、全然ないとは思えない。油山川がおススメ)
というので、やはり、易しい壁をカムで登る、ということを素通りすると、クライミングのだいご味を味わい損ねる、と思うんだけどなぁ…。
まぁ、倉上さんもボルダーでクライミングをスタートしたそうなので、ボルダラーの人は、また別の喜びがあるのかもしれない…。私はボルダーは、スタートしたとたんに、右ひざ亜脱臼しているので、ほとんど何も分かってはいない。あんまり好きになれないってこと以外は(笑)。
■年配の人は理解できないようだ…
昨日は、つなぐ壁に興味があったのに、屋久島フリークライミング協会の会長さんからは、やっぱり、屋久島フリーウェイに登って帰れと言われ、辟易…。だから、ランナウト大好きの岩場は興味がないんだってば…しかも、開拓者の米澤さんの弁によると、屋久島フリーウェイのボルト、40年前のままで、M8のカットアンカーで、グージョン化されていなかったと思う… そんなところを10代アップアップの人にお勧めされても…。
12cの核心部は打ち換えたそうだが…今のスキルで楽しめるルートか?というと、絶対楽しめないだろう… 12c、下の方で出てきていたと記憶しているし…
それよりも、ジャンボさんがおススメとしていた、原始状態のマルチ…楽しそうでそそられた。…裏から歩いて降りれるそうなのである。ということは、ホントのクリーンクライミングが可能…。タオと登った龍洞のマルチ楽しかったなぁ…。
もう、ずいぶん長いこと、あんな楽しいクライミングはしていない…。
いつも誰かほかのクライマーが、”俺はすごいってことを証明するためのルート” に付き合ってやっている。だから、私本人は少しも楽しくない…。フォローしてやっている、って感じだ。引率の先生みたいに…。(なのに、”連れて行ってやってる”と、登っている方は思っているのだから、たまらない…)
そんな、こんなで国内のクライミングは疲れるので、海外のクライミングに行きたい…。
普通に海外で楽しく、自分のグレードに適したマルチを楽しく登ってヤッホーしたい。
フェイスだけど、クラックでプロテクション取り放題の台湾の岩場