2022/03/23

『人生クライマー 〜山野井泰史と垂直の世界〜』


山野井さんは、誰の前に出しても黙ってくれるワイルドカード、みたいなクライマーですが… 昔の価値観と今の価値観をつなげる数少ないクライマーです。

現代のちゃんとしたアルパインクライマーで、フリークライミングを基礎力にして、最低限、5.12が登れる、というところまでいかなかった人はいません。

私が見たことがある人で、30代くらいの新人男性で、まだ9くらいしか登れないのに、鹿島槍北壁に行こうとした人がいましたが、大丈夫かなぁ…と不安になりました。

九州では、有段者のクライマーはボルダラーでは珍しくないですが、一級のエイハブ船長が登れても、5.9の普通のリードが大学生の後輩はできませんでした…。

リードと突破力だけでなんとかできるボルダーの登りは別物です。突破力が必要な人はボルダーしたら、ちょっとの努力で、今まで登れなかった課題が登れるようになるかもしれません。

どちらにしても、グレードに照準を合わせず、技術課題に照準を合わせるほうが、より正確だと思います。技術課題とは、例えば、カチ持ちをマスターする、とか、ジプスに乗れることをテーマにする、とか…支点をテーマにする、とか、ビレイをテーマにするとか、です。

グレードだけを成否の基準にしてしまうと、お買い得課題を血眼で探す羽目になります。