■ 泣く胸がない
昨日、書いたこの記事を読んで、「私は本当に頑張ったんだなぁ…」と、目頭が熱くなった…。
https://allnevery.blogspot.com/2022/03/blog-post_57.html
私は、殺されそうで怖かった。
岸良での肉離れと膝の亜脱臼くらいで済んで、よかった…。
これは、潜在意識が、怪我を完治させないことで、私を生かしているのだ。潜在意識は常に守ってくれるものだ。
もし、膝が治ってしまえば、今いる超危険エリアでリード経験を積み上げないといけなくなってしまう…そうならないために、潜在意識が膝を完全治癒させないでいるのだろう。
だから、今、生きている…息がある…のは、本当にラッキーなことだ。
クライミングから足を洗って1年近くなり、やっと距離が取れて、今、クライミングしなくて良い状況で、本当にほっとしている。
■ 中級者へのステップアップ 岩バージョンをどこでするか?
アイスでは南沢大滝リードのレベルまで行った(実際は、リードしていない。青ちゃんと二人でシーズン終わりの大滝に行ったら、登りは超簡単の段々になっており、一方氷の質は、溶けかけて脆くなっており、シラケてしまったのだ。リードで命かけるほどの価値がある滝ではなくなっていた。つまり、4級40mランナウトと同じ意味だ。でも今のアイスクライミングのスキルは大滝リードがそつなく完登できるレベル感だと思う)。
つまり、初心者は抜け出し、自他ともに中級者で、これからバンバン、リードしていいよの許可が出るってことだ。
大体、氷瀑で登っていたら、周りの他会の人たちが、あんなにスイスイ登ってくれちゃって…と舌打ちするレベルに行った。
そこまでアイスでは行った人でも、岩は別の話になる。
■ 岩のほうが氷より危険
なにしろ、岩はプロテクションを自分のために打つことができない。クラック以外は。
ボルトルートは安全、というのは、海外でのできごとで、教科書的な話であり、日本のボルトルートは、古いルートであればあるほど、易しいルートであればあるほど、”ランナウトがしびれるぜ病”に侵されており、決して安全ではない。
しかも、私はアイスでは、打ち込みパワー以外の何の不利もないが、岩ではリーチで徹底的に不利なのである。リーチの問題は、根本的に改善不可能。
身長170の男性が立てるスタンスでクリップして5.9のところは、スタンスが極小のに立たないとクリップできない位置にボルトがあれば、そこに立たなければならなくなり、そのスタンスに立つムーブが5.9とは限らない。5.12で要求されるレベルの極小スタンスに、5.9の課題ですら立たざるを得ないことは頻繁にあるのである。
そういうことに対して、男性はすべからく無理解であり、特にボルダーをやらない人にはわからない。ボルダーではシットスタートのほうが難しい。級だった課題が急に段レベルになるのは、珍しくない。
しかも、私は山梨でビレイヤーに落とされて頭7針縫っているんで、もう2度目はない。
しかも、見たことがないヘンテコボルトを色々と質問していたら、そのボルトは、なにやらカットアンカーとか言うやつで、40年経過しており、今にも腐って抜けそうなロシアンルーレット状態なのだそうだった…。海外の権威ある団体から、そう言われただけでなく、JFAが援軍に来たくらいの真実だった。
そんなので、落ちながら登れって言われるのである。
それでも10歩譲って、きっとみんな私のために、背中を後押ししてくれるのだろう…と善意に解釈していた。
なんせ、ラオスも台湾でも、一人で行って、現地の人と登ったため、リードしかしてないから、リードしない奴と言って、馬鹿にされるいわれはない。
”リードしない”のではなく、”リードできるようなボルト配置にない”ので、したくても、やりようがないのが、日本の岩場なのである。そこのところの理解力がある人が誰もいない。
こんなかわいそうな目に遭っているのに、怖い怖いと訴えているのに、私が逃げ込める、頼りになる胸がない。
俺のビレイに任せておけ、と言ってくれる人は誰もおらず、安心して登っていいよ、と言ってくれる人もいない。
岸良でそれが分かったのである。私が登りたいと言っているクラックの前で誰もビレイを申し出てくれる人はいなかったのだった…。しーん…。こいつらは友達でも何でもなく、ただ私がいつでも空いている呼べばやってくる都合の良いビレイヤーとして重宝していただけだ。
■ 夫がクライマーでないことの致命的な欠陥
生死の恐怖を味わっているとき、頼りにするのは、当然、配偶者だと思う。心のよりどころとなるために、普通は配偶者というのはいるものだ。
だが、夫は、クライミングはしないから、私がどんなひどい目に遭っているのか、夫には分からない。夫に理解を求めようにも、クライミング業界にいるクライマーだって、5,6年は掛けて中級者レベルにならないと、理解のしようがないようなことを今言っているのだ。
カットアンカーというボルトタイプがあること…なんて、山梨のクライマーで知っている人見たことないレベルのクライミングオタクレベルな知識だ。(レトロすぎて誰も知らない)
結局、夫が言えることは、
そんなに嫌ならやめたらいいんじゃないの
というような低レベルな話で、結局そうするしかなかった。
せっかく7年かけて作り上げた、生きがいになるような活動が、私の手から取り上げられてしまったのに、そのことも、彼には分からない。
私は泣ける胸が欲しいのに、どこにもないっていうわけだ。
やっと整理がついて、ほっとしている… もうこれで、苦しい目に遭わないですむはずだ…
説明がついたことは、切り離されてしまうからだ。
良かったね、ワタシ…今生きていて。
右足君、犠牲になってくれてありがとう。これからも、一緒に歩いていこう。
私が好きな山はこのような山でブイブイ言わせる山をやったことはありません。
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