2022/03/23

アスリートのための分子栄養学

■ なかなか良書がない栄養学の教科書

世間では、最高の健康だの、最強の食事術だの、ハーバード式○○などが、非常に盛んに読まれており、それ自体は探求心をくすぐり、非常に良いのだと思うのですが、問題はそのあとに、包括的に学ぼうとしたときに、適したテキストがない、ということです。

クライミングも同じで、そうか”55m登り返しを教わらないといけないらしいぞ”という気づきを得たとして、誰に教わりに行きますか? UIAA『アルパインサマー』の日本語訳ができたのは、小さな一歩前進ですが、本を読んで出来るか?というと、まぁ当然ですが、実践がないとできないです。

実践する際にも、危険が伴います。無知な人が本を読んだだけで実践すると、公園でやっても、頭打って死ぬとかありえます。その時、知っている人に援軍を頼んだとしても、プルージック登攀はこうやるんだよ~くらいの見本は見せてくれるでしょうが、そのあと降りれなくなってしまうのが関の山かもしれません。プルージックから下降機への切り替えは、リスクポイントです。本来はそのために山岳会があるのですが、会としてきちんと技術が身に着くまで特訓しているような会は見たことがありません。やったとしても名目上のポーズ、に過ぎない会がほとんどでした。結果、レスキューを職業にでもしない限り、55m登り返しができる人って誰?って感じです。

結果、岩場は、俺はできるという人のプライベート空間となることになり、一向に若い人がチャレンジできる場とはなりません。

その結果、日本国内から、チャレンジの精神が失われて、日本は世界に後れを取るばかりになります。

登り返し練習なんて、その辺の公園だってできるようなことです、きちんとやり方を知ってさえいれば。若い人は間違ったアドバイス…経験者を頼れ…を与えられ続けています。

正しくは経験者を頼らず、自分たちでリスクをつぶしていく思考回路を身に着けろ、です。

シミュレーション能力があれば、練習時にどんなリスクがあるか?くらい予想できる能力が、誰にでもあるはずです。

さて、『アスリートのための分子栄養学』は、巷の栄養本で、今までの常識を疑うことになった方が最初に手に取る教科書として最適です。

従来型の栄養学 ⇒ ビタミンcが足りないと脚気になる、などの欠乏を防ぐための栄養学

現代の栄養学 ⇒ 自分の体を最高のパフォーマンスに導く栄養学

です。一般に、部活などで、考えられている栄養学は、いまだに従来型で、例えば、私は岩根山荘で、サッカー合宿を見たことがありますが、いまだに牛乳飲め!です。子供たちは吐くまで食べさせられています。

そもそも、消化されなければ食べ物は栄養になりません。その人がもつ消化力以上に食べ物を詰め込んでも、体が大きくなるわけはないのです。

また体の大きさだけで、栄養の成否を計るのもどうか、という感じです。大きいほうが良いことだ、というのは、日本人の持つ西洋人コンプレックスの一つではないでしょうか。

昨今は、食物アレルギーの子どもたちも増えています。牛乳が飲めない、というのは、アジア人には、牛乳を消化する酵素がない、ということが科学的に事実として知られています。お腹が緩くなる人は牛乳を飲んでも消化できていないということです。

また米国産の牛乳などには、母牛に母乳を出し続けるためのホルモン剤が与えられていることが知られており、ホルモン剤の影響で、男性の女性化が心配されています。

強くなろうと思って飲んでいる牛乳で、体内に女性ホルモンを増加させているっていうこともあるということです。

包括的に、一度、古くて間違った栄養学の知識…何十年か前に小学校や中学校で教わった知識をブラッシュアップする必要がある、という方は、このアスリートのための分子栄養学がおススメです。

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