2022/03/12

往年クライマーの価値基準で育った現代クライマーは、自分の実力を客観的に評価できない

■ 現代のトップクライマーのレベル

これは、海外の知人が登った、ノルウェーのアイスピラーですが、現代のアイスクライマーのレベルがこうなっているよ!という事例です。これは登っている人は女性です。

若いのに寝ているアイスで実力自慢していることのこっけいさを知ったほうがいいですよ。


見て分かるように、最初から (ハング) × (ドライ) です。

つまり、(薄い氷で怖いよー) × (登攀は易しい) の勝負ではないのです…。全然。

(薄い氷で怖いよー) × (登攀は易しい) だけど (初登)みたいな価値観というのは、40年前の 競争基準だった、ということです。40年前なら価値がある…ということ。

40年前のノリで自慢してもいいのですが…そりゃ、”山は自己満足”、ですから…。 自分さえ満足できれば、”良い山”なので…、一方で、客観視出来ていないのは、

痛い

ものです。 ヒマラヤで、丘レベルの山に登って、初登!と叫ぶのは、K2の初登とか、マカルーの初登とかと違い、”自己満足” ですよね?

現代では、40年前の話の続きは、断絶されて、ほんの一握りのエリートたちが、スーパーアルパインという価値観でつないでいます。その系統と繋がっていない、つまり、ギリギリボーイズの方たちと繋がっていない方たち…は、基本的に全員が一般人です。

”老後の青春”、みたいな記録を自慢するのは、年配の方がやれば、

”懐かしいんだろうな~”
”今では道具の性能が上がったから、楽勝で驚いているかもな~”

などと、ほのぼのとしますが、65歳を超えて、学生時代にやった山が現代ではできるわけですから、レベルは推して図るべし、です。

ご老人がカムバックで登れる実力のところを、半分の年齢の若い人が自慢していたら、そりゃ滑稽、というものです。

そこが分からないと、変なことになります… 昨今では、どうもロクスノですら、分かっていないみたいです。

指導者がおらず、往年のクライマーで、知識や技術をアップデートしていない指導者から指導を受けるとそうなってしまいます。