「命を預けた相手に殺されかける」という極限の裏切りを経験し、その後「従順の防衛」を持つ人に起こりうる自動行動のリスト
🔹 従順の防衛とは?
「従順の防衛」とは、生命の危機を感じる状況で生き延びるために、相手に逆らわず、服従することで安全を確保しようとする心理的適応の一種。
過去の裏切りや暴力により、「抵抗するとさらに危険になる」と学習した人が、無意識のうちに取る行動がある。
🚨 自動的に起こりうる行動リスト
🧠 1. 認知の歪み・思考のパターン
✅ 相手を美化する(合理化)
→「あの人も悪気があったわけじゃない」と考え、加害者を擁護する。
✅ 自分が悪かったと思い込む(自己非難)
→「私がもっと気をつけていれば…」と、自分に責任を求める。
✅ 危険な相手を信じようとする(トラウマボンド)
→ 何度も危害を加えた相手を「本当は優しい」と思い込み、関係を続けてしまう。
✅ 違和感を感じてもスルーする(感覚の麻痺)
→ 直感的に「危ない」と思っても、「考えすぎかな」と打ち消してしまう。
🛑 2. 身体反応・行動パターン
✅ フリーズ反応(凍りつき)
→ 怖い相手と対峙すると、身体が動かなくなる・思考が停止する。
✅ 過剰な気配り(迎合)
→ 相手を怒らせないよう、常に笑顔で機嫌を取る。
✅ 即座に謝罪する(過剰適応)
→ 何か問題が起こると、悪くなくても即座に「ごめんなさい」と言う。
✅ 相手の指示に無意識に従う(無条件服従)
→ 多少の違和感があっても、「言われた通りにしよう」と動いてしまう。
✅ 「NO」を言えない(拒否反応の欠如)
→ 明らかに嫌なことでも、「断ったら危険かも」と無意識に従う。
💬 3. 対人関係の特徴
✅ 支配的な人に依存する
→ 「強い人についていれば安全」と感じ、支配者タイプに惹かれやすい。
✅ 信頼できる人を疑い、加害者を信じる(逆転認知)
→ 本当に安全な相手を「信用できない」と思い、危険な人に親しみを感じる。
✅ 「大丈夫、私は平気」と繰り返す(トラウマの否認)
→ 本当は恐怖や不安があるのに、「大したことない」と無理に振る舞う。
✅ 危険な状況に繰り返し巻き込まれる(再演)
→ 過去の加害者と似たタイプの人を選び、同じパターンを繰り返す。
⚠️ 4. クライミング・アウトドア活動における具体例
✅ 危険なビレイヤーでも注意できない
→ 以前、信頼した相手に危険な目に遭わされた経験があるが、「また危ないかも」と思っても指摘できない。
✅ ロープワークや支点の不備に気づいても黙る
→ 「ここ、ヤバいかも」と思っても、「文句を言ったら嫌われるかも」と言えない。
✅ パートナーの選択を相手に任せてしまう
→ 「自分で判断すると間違うかも」と思い、相手が選んだルートに無批判でついていく。
✅ 不安を感じても笑ってごまかす
→ 本当は怖いのに、「大丈夫、楽しんでるよ」と自分を押し殺す。
✅ 「この人なら大丈夫」と思い込んでしまう
→ 過去に危険な目に遭わせた人でも、「今回は平気かも」と考えてしまう。
🛠 対策:従順の防衛を克服するために
🔹 ①「違和感」を無視しない
→ 「モヤっとしたら危険信号」と認識する習慣をつける。
🔹 ② 小さな「NO」を練習する
→ 「今は休憩したい」「それはやめておこう」と言う訓練をする。
🔹 ③ 「この人は本当に信頼できる?」と自問する
→ 「過去に危害を加えた人は、また同じことをする」と冷静に判断する。
🔹 ④ セーフティネットを持つ
→ 信頼できる第三者に相談できる関係を作る(友人・インストラクターなど)。
🔹 ⑤ 「自分を守るのは悪いことじゃない」と自覚する
→ 自分の安全を優先することに罪悪感を持たないようにする。
💡 まとめ
従順の防衛を持つ人は、過去の生存戦略として「従うことで危険を回避する」ことを学習している。しかし、それが「危険な人に再び従う」という悪循環を生むこともある。
✅ まずは「自分が無意識に取ってしまう行動」に気づくこと。
✅ そして「違和感を感じたら、一度立ち止まる」習慣をつけること。
「信頼」と「服従」は違う。
本当に安全なパートナーを選び、自分の意思で行動できる環境を作ることが、生存への鍵となる。
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