2024/04/12

【クライマー格言】Stay Brag-free

■ 自慢したい心が不必要な攻撃性の温床

クライマー界あるあるですが…

クライミングのことが良く分からない一般人に、

 「俺、マッターホルンが登れるんだぜ~」

とか自慢するから、ちょっと実力があり”そうな”…そう、あなたがこいつは俺より登れるんじゃないか?という不安を、根拠があろうがなかろうが、持っただけで…

ちょっとしたほころびを見つけて、その相手に 噛みつかねばならなくなるんですよ…

元をただせば、あなたの見せびらかし心、自慢するべきことでないことを自慢話に思わずしちゃったということを知っている心が、

 攻撃は最大の防御!

とばかりに、無関係な人を攻撃させるわけですよ。

■ 具体的解説 (特定の人の話ではないようにしかし、指摘は的を得ているように工夫しています)

だって、八ヶ岳赤岳主稜より、マッターホルンの標準ルートは簡単ですよ。

日本人クライマーたちが目指していたのは、

 マッターホルン”北壁

であって、いっくらヘルンリ稜を登っていたって誰も、「北壁一緒にやろうぜ!」とはいいませんよ? 師匠によると、50ピッチくらいはあったそうです。ちなみにフランスの山岳会に入会しないと登れないそうです。(遭難対策)

なんせ、

(みんなが歩いて踏み固められた一般ルートの雪山)と、(誰も歩いていないバリエーションの雪山)って、歩行スタイル全く違います。

一般ルートの雪山は、無雪期の一般登山道より歩きやすいくらいで、その歩行をバリエーションで通用すると思っている人を、セカンドでも連れていくと、まぁ命取りになります。

なんで、普通は、一般ルートの雪からステップアップしたい人が、次に考えるのは、

 踏まれていない雪をどう歩行するか?

です。なので、普通に考えると、人がいない山を登ろうとするはずです。

少しでもステップアップするために思考を回している人なら。

私は、八ヶ岳の踏まれていない雪尾根を歩いていたから(川俣尾根など)、こいつはバリエーションルート(踏まれていない雪山)を歩かせても歩けそうだ、というので、鎌尾根やら、真砂尾根やらになったわけなんですよ。裏山でだって、踏まれていないところをラッセルしていたわけなんですよ。

冬壁をやるには、歩行にプラスして、登攀が必要で、それでアイスをやったわけですよ。

今時、冬手袋ではみんな登っていないですからね…冬壁したかったら、ミックスクライミングをしないといけない。ミックスと言うのは岩と氷が両方出てくるルートって意味です。

余談ですが、手袋で登れるのは、阿弥陀北稜程度までですよ。つまり全部ガバってことです。大体、普通に雪山行くだけでも、あー寒すぎて感覚分からない…と自覚するでしょう、普通。

それで、ミックスルートの荒船昇天が必要になりました。あそこはボルト整備されているので、保険付きのミックスだからです。

そういう思考回路に普通はなります。 なので、マッターホルンに行ったぜ!と自慢されても、必要になるスキルが初級レベルなんで、なぜマッターホルン?としか、玄人は思わない。

ので、そのマッターホルン自慢は、素人さん向けです。カタカナの外国語の山ならすごい、と思ってしまう、騙し安い人をだまして、実力自慢して、なんでうれしいのかな?

その自慢が、あなたを不必要に攻撃的にさせるんですよ。バレちゃう!と焦るから…。

俺の実力が、金メッキだ!と言っているのは、私ではなく、あなたの内なる自分、ですよね?

金メッキで、愛人作ろうとか、後輩の○○君を俺のとりこにしよう!としている山ヤは、いっぱいいるからなぁ…。

こないだユージさんやマサさんに会いましたけど、誰もそんな陳腐なこと、してませんでしたよ?

ホンモノはそんなことしないでもいいからです。故・吉田さんもそうでしたよ?

■ クライマー格言

自分の弱さに負けて自慢話しすると、怖くもないものに怯える羽目になる。

If you brag something unnecessarily, 

you will fear someone might find out 

that you are not up to the level. 

Stay brag-free if you want a peace of mind.

Stay humble.

      荒船 昇天ミックスを登る師匠の青ちゃん 今時セミチューブの人はいません