2016/09/04

フリークライミングをどうやって上達していくか試案

■作戦

フリークライミングは難しい・・・しかるに、作戦を立てなくてはならない。

その作戦だが・・・クライミングの歴史を知らないと、ステップアッププランも立てられない。

まずもって、登るべき課題が分からないのである。

しかし、漫然と与えられた課題を登るだけでは、主体的な取り組みとして、楽しむこともままならないのであるから、なんらかの計画、プランニングは必要である。

原則1) 易から難へ。
原則2) オンサイト能力を磨くことが大事
原則3) スラブならスラブだけ、クラックならクラックだけ、フェイスならフェイスだけをやるほうが上達する。

■ 足で登る = スメア

基本的に、初心者はスラブを登ることになっている。というのは、スラブは登山の延長にあり、足で登るものだから。

クライミングは足で登るもの、と言われるが、人工壁に行くと足はついでであり、手で登るようになってしまう。

つまり上半身や腕力、指力ばかりがクローズアップされてしまう。もちろん、人工壁でも、足が切れると登りにくいから、その程度の足の重要性は分かるのだが、人工壁には、スラブもクラックもない。だから、スメアリングも分からないし、足ジャムはさらにワカラナイ。

なので、結局、足で登る感覚はつかめない。私が足で登ると言うことを理解したのは、クライミング2年目にして最近で、今年の春に、集中的にクライミングに付き合ってもらったおかげだ。

それ以降、人工壁でも足で登る意味を理解するようになった。ムーブを起こす時、それまでは、手→胴体→足、という感じだったが、今では、足で押してから、手を考える。

■ このようなローテーションで? 

私が、過去2年、実践して分かったところによると・・・

1) 日和田のような易しい岩場 日参して完全マスターすべし (山梨なら十二ヶ岳の岩場)

2) 易しいフェイス 小川山物語 ムーブを知らなくても登れるため(正対)

3) 易しいスラブ 春のもどり雪 ガマスラブ 足使いをマスター 

4) 易しいハング越え 易しい岩場 
 
   ハングは越えられなければエイドになる。が、エイドするよりフリーで越えれるなら、越えたほうが早いことが多い。越えるには、腕力(パワー)が必要になることが多い。パワーがない人には、ムーブが必要になるため、ここで人工壁に差し戻し審判になる人(私です)もいる。

5) 易しいクラック クラックはリーチに左右されない。易しい課題でカムセットを覚える 

1) 2回目のフェイスへ戻る 

  クラックもフェイスがある程度登れないと、登れない局面に来る。・・・そうなったら、フェイスへ戻る。
  卒業試験をやってから→レギュラーへ 

という具合に、ぐるぐると課題の質を回すと、回している間に、一つずつグレードを上げていけるのではないだろうか?

 1)5.8でスタートしたら、スラブ、クラック、フェイスの全課題で5.8が登れるようになる

 2)次に5.9で全課題

 3)次に5.10Aで全課題

・・・・という具合に、延々と次へ続けて行くのはどうなのだろうか?

岩のハイシーズンは、基本的には真夏・真冬以外であり、雨の降らない時期ということで、3~5月、9~11月、12~3月とすると、1年あたり3シーズン。

スラブ、フェイス、クラックにあるので、3シーズンであれば、1グレード上がることになり、大体、今までの流れと一致する。

一年ワングレードって感じなのだ。

■ ちょっとビビりすぎでしょうという指摘について

ところで、私のクライミングライフにとって、最大のボトルネックは、ビレイヤーのスキルである。

なにしろ、引っ張り落とすようなビレイヤーや、私自身が初心者なのに、連れて行ってください☆という人しか、今まで行っていない。

落ちれないビレイヤー・・・実際、外岩に行く前に人工壁につれて行き、リードしたら、引っ張り落とされそうになり、隣のパーティが変わってくれた。一度の失敗は誰にでもあることだから・・・と外岩に行っても、アイスに行っても、私の方がトップロープを張ってあげる側だった・・・。

・・・というので、落ちれない、と思って、登っているので(特にリード時)、落ちることに対しては、かなり恐怖心を持っているが、ちょっとビビりすぎでしょう、という指摘ももらっている。

その指摘は、上達には必要だが、私に必要なのは、批判ではなく、励ましだ。

それくらいの励ましは誰にだってあげて良いのでは?

今現在は、落ちれるビレイヤーと登っているので、頑張れば良いのだが、そう簡単にモード切替できない。

■ 危険認知 

先日は、ガマルートの右のスラブで、ちょっとした小テラスの上の中間支点が遠く、リーチが遠かったので、ムーブをして落ちるかもしれないと思い、リード中にクライムダウンしてテンションしてもらった。

落ちたら小テラスにぶつかるし、大根おろしになってしまうと予想できた。

下から、「やってみて。止めてあげるから」と言われ、3トライ目ぐらいで登り、なんとかリード貫徹。

降りる際にトップロープで、同じ個所をやってみたが、もうスタンスも分かっていたし、トップロープ状態で怖さもないので、何にも問題なし。

つまりフィジカル的には問題がないが、初見でスタンスが分からないと、恐怖心がもたげ、登れないと言う訳だ。

しかし、このようなケースで、下のビレイヤーが良いビレイヤーだとしても、止めれるかどうか、止めても、テラスに激突だと思うのは、ごく常識的な危険認知ではないかと思う。

そこは、大きい人ならリーチがあって、しっかりしたハンドホールドが取れてしまうところで、私の場合は小さいので、しっかりしたハンドホールドを取る前に、デッド的になってしまうのだ。ほんの一歩だけど。

その恐怖心は、誰にでもあるのではないだろうか?

体格が小さいと、体格が大きい人にとってはデッドにならないような、低いグレードで、心理的負担がかかる、ということなだけなのではないのだろうか?

そこら辺は、もし、同じような状況で、サイズが違ったとしても、誰もがムーブを起こすのに躊躇するのであれば、私が取り立ててメンタルが弱い、という意味ではないのではないか?と思うのだが・・・

そうであれば、不当にメンタルが弱いと言われているような気がしないでもない。

外の岩場では、被った人工壁と違って、バンバン落ちるのは良くない、という指導を受けた。

ランナウトしていることが多いのは、外の岩場。落ちれない。落ちるくらいなら登らない、というのも、一つの見識ではないかと思うのだが。

ビレイヤーとしてクライマーを観察していると、ベテランでも、ちょっと分かりづらいところに行けば、リードでもテンションして、安全に登れると確信してから、登っている。

そういう場合、ビレイヤーとして、私は、”怖さを克服して登れ”と声を掛けたことはなく、”不安なら無理せず降りて来て”といつも、言っている。

不安は、”克服する対象”というより、”危険を教えるもの”であるように思うのだが。

無理強いされたリードで落ちて、二度とリードしないと決めた先輩のことを思い出す・・・

私が最初に教わった人からは

 ・クライマーはビレイヤーが信用できないと登れない
 ・リードを無理強いしてはいけない
 ・ビレイヤーはクライマー側が選ぶもの

という風に教わった。最近は、その逆を期待されているような気がする。

もちろん、ビレイヤーはベテランだから信頼しているし、リードはまだ、自分でどこが登れてどこが登れないのかよく分からないので、ベテランの方が判断が的確だと兜を脱いでいる。

でもビレイヤーはクライマー側が選ぶもの、という原則はうやむや化している。まぁ今一緒にいる人たちはどの人もちゃんとしたビレイヤーと思うので、あまり気にしていない。

特にトップロープだったら、誰でもいいやって感じではある。

が、やはりメンタルについて、指摘を受けると、反発心を感じる。

伸び伸びとしたクライミングに必要な、安心や信頼というものが、いまだに手に入ったようには感じられていない。

否定や批判を感じると、信頼や安心は揺らぐものであろう・・・

とりあえず、落ちれないビレイヤーからは逃れられている。それだけでもありがたいことだ。

そちらのことを念じないといけないのかもしれない。

■ ボルダ―

この問題を克服するにあたって・・・ ボルダ―はどうかなと思っている。

なにしろ、ボルダ―なら、ビレイヤーは要らない。ボルダリングは岩と自分だけの話になる。

易しい課題を数多く触ることもきっとできるだろう。

というので、ボルダ―を検討中。

■ Today's word

Does not ask why people keep hurting you.

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