同じ環境を与えれても、人によって反応は違う、
という事について考えます。
■ 5.12で自信をつけることに疑問を抱かない
九州に来て、わたしのクライミング環境は、大きく変わりました。
山梨=アルパインクライミングのメッカ
福岡=アルパインクライミングの僻地
です。
どうも、ボルダー以外のフリークライミングについては同じではないかと思います。
で、この環境が、与えた影響は、人によって違うなぁと思います。私には、かなりネガティブな影響を与えましたが、同じように山梨から九州に来た先輩には、自信を与えました。
その差は、同じお湯でも、じゃがいもを茹でれば柔らかくなり、卵を茹でれば固くなる、ということだと思います。■ 自己破滅性リスクを考慮する
九州では、「趣味でクライミングをしている」というと、
自己破滅的な人格と誤解を受ける
ことが多いです。 それはクライミングの本質と全く沿っていないというか、
むしろ、真逆、です。
そのような誤解があることが、そもそも山岳地帯での事故多発(『九州の岳人たち』を読みましょう)に伝統的につながっていると思います。
登山は、リスクオフさえすれば、後は楽しく登れますが、九州での最大のリスクは、
自己破滅性を美化する文化
ですね。
余談ですが、九州では、沢のルートも、ボルトです…(汗)365日水が流れるところのボルトって信用できます?それ、スポーツクライミングみたいなルートっていうより、ロシアンルーレットみたいなルートですよね?
山梨では、沢ではハーケン(セカンドが回収する)か、カム持参、もしくは自然物でした。
■ リスクオフしてから、果敢にリターンを求める
クライミングの伝統にリスクオフの教えがあるか?というと、投資の世界と同じで、その誘惑に負けた者から、退場する、というのが歴史です。
マークアンドレが、いくらかっこよく見えても、たったの20何歳かでこの世から退場しているんですよ?
それは、リスクオフしていなかったから。
投資の世界に例えるなら、
ロープ=元本を守る、
登攀グレードをあげる=利率を取る
です。
ロープワークを最初に確実にしていないと、元本である自分の命を取られてしまいます。
登攀グレードは、クライマーなら、クライミング経験を重ねていれば勝手に上がっていきます。グレードを追い求めなくても
そこで、ロープによる確保の正確な知識によって元本を守らずに、グレード主義により、利率だけ上げていくと、投資ではなく、投機、になってしまいます。
投機を美化する文化が、やはり九州にはありますが、綿密な元本死守の原則を無視をすれば、結局は山に食われてしまいます。
さしずめ登攀力は、利率なので、若い時利率が高いときに高いグレードのルートにチャレンジしておかないと、利食い死損ねます。
年を取って、登れなくなる=低利率時代に入る、ですが、利率はきちんと入ってきますので、若い人のようにガンガン登れなくなっても別に引け目に感じる必要はないです。誰だってそうなります。 むしろ、自覚せず、若いときのままに行動するほうが、リスクですよね。
■ トラッドウィークエンド
これは、今日回ってきた情報です。
https://nkbv.nl/actueel/events/trad-weekend-ettringen-ceat.html
こういうのに出れば、世界の流れも掴め、海外在住の友だちもできて良いのでは?
■ 佐藤さんのサイト更新
https://www.sato-alp.com/
世界を股にかけるアルパインクライマーの佐藤さんのサイトが新しくなったそうです。
それでも、彼の実力がにじみ出るサイトとは、まだまだ言えないのかな?という気がしますが…アルパインのクライミングって、実力を、無知な人にも、分かるように伝えるのは、ほんとに難しいことなんですよね…。
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今井:もう「Dawn Wall」とか行っちゃえばいいのに…
兼原:あれだよ、たぶん「NINJA」をもう30ピッチ登るみたいな、そんな感じだよ。そこには、やっぱりシングルピッチじゃない、登山っていう概念が入って、そこがメインなっていくからさ。山頂まで行く手段としてのフリークライミング能力。
ーーーーーーーhttps://www.alteria.co.jp/sport/2022-athletes-meeting-2/ より引用
って言っていましたが、九州の人だと知っているルートが違うので、ものさしが違ってしまって、「NINJA」みたいにクライマーが共通に実感できるルート難度がない。
九州人には、甲斐駒のスーパー赤蜘蛛とか言っても通じないのかもしれないですね。
日本のトップクライマーが北杜市に集結してしまうのは、仕方ないけど、九州の廃れぶり…会でちゃんとした冬山合宿に行く能力すらない…を、思うと、なんとかならないかなと思ったりします。
こちらの会、西穂山荘止まりとか、結局、転進して赤岳とかです。そんなの、会に属していない一般登山者が真似事で行く山ですよね・・・。しかし、それしか行く自信が無いということなので、気の毒だなと毎年思って見ています。