2025/11/19

九州で起きたことのその3。文化的ギャップ疲れ

さて、さて、続きを書きます。

九州って、まぁ全般に、クライミング文化的な”超”へき地化している、って観察結果でした。

でも、実は、これ、ある程度予想していたんですよね。というのは、『日本登山大系』の西日本編がしょぼいからです。

ところが、米澤先生に岩場で出会い、本当の山やに会えた!と思いました。米澤先生のことは、HPの『福岡近郊の岩場』で知っていました。

先生を尊敬するポイントしては、背振の尾根と谷を歩きつくしているという伝統的な山やの価値観を踏襲されているところです。

私は本格的な岳人に出会えて本当にうれしかったのですが、相方のアラーキーは、遭難している老人にあってしまった…と思ったみたいでした(笑)。というのは、沢の一部でたたずんでおられるところに私たちが行き合ったからです。

私はそれで、さっそく、岩場のボルト提供を申し入れることになり…あれ?カットアンカーってことになりました。そもそも、カットアンカー自体を知らなかったので、最初からHiltiしか念頭になく、Hiltiのホームページには、それはそれはいくつも種類があるので、そのどれを購入したらいいか分からなかったのです。

それでJFAに聞くべし、みたいなことになりました。

JFAに会費を払うより、自分が登る岩場のボルトを直接購入する方が、優れた支援方法です。

というのは、私は子供時代が大変だったので18で、働き始めてすぐ、まだ自分が勤労学生のころから、こうしたNPO的なものにはお金を出してきましたが、これって資金の約7,8割が職員給与に支払われるんですよ。私が出していたのはネパールの貧しい子供のフォスターペアレントになるという支援でしたが。ほとんど支援は職員給与に消えると知り、支援は辞めました。なんせ自分が勤労学生。支援される側です。

私はJFAは非常にありがたい組織だと思いますが、井上大輔さんがやっているようにリボルト員を育成する活動にシフトする方が、リボルト自体を生業とするより良いと思いますし、アクセス問題についても、現場の地元の人たちが直接、地域住民と対話を持つ小鹿野式が好きです。そのための、仲介者として手数料取ったらいいのではないかと思います。一件5万円とか。

じゃないと、面倒なことは全部JFAに丸投げし、地元クライマー自体はJFAの監視の目からこそこそと逃げて回ってこっそり登る、誰にも見つからなきゃOKでしょ、みたいなことになる。そのうえ、JFAに権力が集中して、まったくよろしくないです。

地方自治ならぬ、岩場自治みたいなのがいいですよ。

アルパインの岩場とフリークライミングの岩場のあるべき姿も違うので、クライミングという言葉のくくりで、クライマー人種を丸ごとひとまとめにもできないですよねぇ…

たとえば、アイゼンのガリガリ痕。アイゼンで登るなっていうけどさ、フリークライミングのレベル感の岩場では、そもそもアイゼンで登れないですよ。

初登がクライミングシューズの岩場では、アイゼンで登ることができるような難度にないので技術的に不可能です。

逆にさ、アイゼンで登れるようなところを、クライミングシューズで登って登れた気になるなってくらいな、レベル低下を起こしていますよねぇ…。

それって、クライミング最弱者の私ですら、アイゼンで登れたところは、クライミングシューズなら、2度目からはリードですよ。

というのは、山梨にいる頃ですが、広沢寺という岩場の名前が当時の師匠だった鈴木さんのクライミング解説で頻出したので、広沢寺を知らない私には話が通じず、困ったので、ちょっと遠征して、行く必要のない広沢寺に行ったのです。

すると、そこはUIAA4級の岩場で、いつも練習している西湖の岩場より格段にやさしく、みんなオンサイトで登ってしまったんですよ。そしたら、下から見ていた人たちが拍手を送ってきたのです…え~こんなんで、ほめられても…って感じでした。

山梨では私は、へたくそ組だったんです。

つまり、フリークライミングの初心者は、アルパインクライミングの中級者なんですよ。

5.9はフリークライミングでは入門グレードですが、アルパインクライミングでは中級者です。

男子なら、フリークライミングの5.9は特にムーブを必要とせず、普通の腕力と体系、リーチがあれば登れるグレードのことが5.9です。(女子は違います、念のため)

私のいた御坂山岳会では、のっぽの30代新人は、5.8もまともに登れなかったので、私は最初から、会の新人の中では登れる人でした。というか、クライミングは危険だから登りたくないというのが彼の在り方の正しい表現だったでしょう。彼はクライミングはあぶないからしたくないっていう先入観が強かったんですよね。なので、

ほらみて、40代の女性でも登っているよーと、彼を奮起させるために使われた人材ってのが私の正しいポジションでしょう。

一方、同じ時期、私はジム(主にピラニア)では全く登れない子グループでした。だからこそ、ジムに行っていた感じです。ジムでのグレード競争に参加する気は全くありませんでしたが、山梨は田舎なので、ジムグレードが辛いらしくて、行ったジムの中には、登れる課題が1本しかないジムもありました(笑)。翌年行ったら2本に増えており、成長を感じた。

以上のような、ジムグレードの高騰、フリークライミングのレベル感とアルパインクライミングのレベル感の違い、などが、九州ではあまり理解されておらず、ましてや、男女の差などの理解も今からのようで、なんだかなぁ…という感想。

大蛇山

とくに、日向神の大蛇山の件は、とくに嫌だと思った件でした。

大蛇山は、10cでしたが、私は3便ほどで登れましたが、一か所ボルトが遠いのです。長ぬんで伸ばしてもらうと掛けやすいです。

九州では、これがずる扱いなのです。体格によるリスクの差が理解されていない…。山梨では人工壁ですら、体格によっては長ぬんでしたけど…。えー?でした。

わたしだって、マスターで登れるような構成の課題なら、マスターで取りつきたいですけど、そもそも、課題自体がマスターで取りつけるような作りになっていないです。

そこが理解されておらず、長ぬんで登る人を弱虫扱いする=基本的に九州の価値観は、勇気一点主義、って言った方がいいかなぁ…。

でも、クライミング界の最弱者の私に要求します??

なんか競争相手として使うべき人が違うと思いますけど…?

しかも、登ったら直後にリボルトになりました…。これは、”リボルトしてくださいJFA様、ほらこんなおばちゃんだって取りつく課題なんですから…”というリボルト口実づくりに利用されているのではないだろうか?と思いました。

しかも、松井さんと行った別の岩場では、女性クライマーと同席しましたが、どう見ても全然クライミングを理解していない人で、勇気一点豪華主義に疑問を挟んでいないようでした。そんな人とパートナー組めません。

というか、松井さん自身が、勇気一点豪華主義から修正を望んでいるのに、彼の門下生は一向にそこから目覚めることがないのが困っていた点だったのかもしれません。

リスク認知をどうやったら教えられるか?悩んでいたのかもしれませんね。

しかし、だとしても、わたしに期待するのはちょっとお門違いでしょう…。期待はしていなかったかもしれませんが。どっちにしても、彼の課題でしょう。自分の会なんだから。

というわけで、私には、九州ではクライミングそのものが、かなりストレスフルな経験でした。

良かったのは米澤さんとのクライミングのころだけです。それも後で、ケガをしたパートナーに配慮がないということで終わりました。

  • クライミング文化の地域差

  • 男女差の理解不足

  • フリーとアルパインのレベル感の違い

  • 安全性への配慮の不一致

  • “勇気一点主義”という価値観

  • ボルトの遠さや長ヌンの扱いについての認識差

  • 怪我をしたパートナーの扱いが雑

など、多くの“不一致”が積み重なっています。

その中で私は、自分の技術や経験が否定されるような扱いを受けたり、あるいは「利用されているのでは?」と感じさせられる出来事に遭遇したわけですよ。

これはストレスとしてはかなり大きいものです。

心の中で感じた、

「なんで私が?」
「そこじゃないんだよ…」


という違和感、悔しさ、疲れ…が極限まで積みあがりました。

こうしたものが鬱の原因になったんですよ。白亜スラブの件だけじゃなく。

“弱い側”として扱われつつ、実際には、“都合よく強い側”として使われた、ということなんですよ。

実際には、

  • 長い期間、アルパインも含めた多様な経験を積んできて

  • 自分の身体的特性も理解した上で

  • リスクを冷静に判断しながら登ることができる

これは私が“弱い”のではなく、むしろ普通に、成熟したクライマーのあり方です。

それにもかかわらず、

  • 長ヌンを“ずる”と扱われる

  • 登りがリボルトの口実として使われたように見える

  • 「勇気一点主義」の文化の中で、技術や合理性がバカにされる

こうした扱いは、私の評価としてはなんか、不当ですし、利用されているようにも感じられて当然ですよね。

しかも、私は松井さんから預かった大学生男子の小川山デビューまでやってあげたんですからね。

そもそも、もっと感謝されていい行為なのに、逆に馬鹿にされるなんて変ですよねぇ?

というので、かなりストレスを感じていたのですが、唯一のよりどころが、山梨時代から知っているクライマーの相方アラーキーだったんですよ。

彼は、私とは違い、普通にギリ5.12に手が届くかみたいなところでした。男子としては普通です。特に筋肉質でもない文科系出身の私ですら3年取り組んで、5.11がギリ届くところ、なので、男女差を考慮すると普通。

男子で5.11代ノーマルってのは、女子で5.10代ノーマルと変わらないです。なんせ男性のほうに合わせてグレード自体が、つまりモノサシ自体が作られているからです。

で、彼は、”特待生”扱いだったんですよ。そこがまずもって謎でした。

というのは、山梨では彼は普通の人でなおかつ、”あいつちゃんと見てやらないと危ないよ”っていうどちらかというと気を付けてやってね、って対象だったからです。

何がダメだったかというと、ロープワークがどう重要なのか、そもそも、のところがたぶん、きちんと理解できていなかったんじゃないかなぁとトータルで振り返って思うのですが…たぶん、リードクライマー適性はないと判断されて、技術伝授されなかったんじゃないかな?と…。

というのは、私が山梨を出た後一年は彼はまだ山梨だったので、ちょっと本気のアイスのルートなどに師匠の青ちゃんらといったらしいのですが、怖い目に合わされたみたいだったんですよね。

つまり、そんな雑なクライミングをしていたらマジ痛い目にあうぞ、めっ!って経験。

子どもでも、男の子はほんとに痛い目に合わせないと懲りないってありませんか?女性は痛い目に合う前に学習するけど。

アルパイン寄りの価値観を持っている人だったので、余計そうで、アルパイン志向であればあるほど、逆説的ですが怖がりの人が適性があります。アルパイン志向でイケイケだと死への最短距離って感じです。

でも、アラーキーにはお世話になりました。一つ目は相沢大滝で私が師匠の青ちゃんから次はリードね、のプレッシャーで困っていたところ…一緒に行ってリードしてくれたんですよね。青ちゃんはいい奴だったのですが、リーチの差を理解しておらず、アイスのリードの安心が何によるものかも、あまり理解していなかったので、まだ醤油樽や大滝もやっていないのにいきなり相沢55mをピンクポイントでリードデビューって…誰が考えても変ですよね?みたいな感じでした。

いつも疑似リードなしで、プロテクションの技術を与えず、俺のプロテクションでリードしろなのです。

これはトラッドでもアイスでも同じで、これじゃ全くリード取れるようになるわけがないです。プロテクションがあいまいなまま進むのが一番危険だからです。

保険にならないロープを頼るなんて馬鹿のすることです。

あ、話を戻しますと、私が危険な目に合いそうな時に助けてくれたのです。男の鏡!だって、私が危険に陥れられる理由は、男女差の無理解さのところなんですから。

相沢ではその後ふつーに55mではない、普通の距離の無名の滝を青ちゃんのビレイでリードしました。青ちゃんは、ビレイしているだけなのに怖くて怖くて、涙目になっていました。大滝なら寝ていて4級交じりの5級なのに、その小さい滝は立派な垂直6級だったので、短かしい系になってしまい、リスクは高かったからです。これはこれで正しいリスク認知でしたが、私は人のプロテクションで登るのが、ちびにはリスクが高いことを何とか説得するのに、この課題を使ったんです。みじかくて難しくても、プロテクションが自前のほうが、安全で長くて、プロテクションが人の課題より価値がある。それが現代クライミングですよね。

というわけで、青ちゃんでは苦労しました。身を張って、自分のクライミングを主張しないといけない羽目になった。

なんでわからないんだろう…とずっと思っていました。

ちなみにですが、アイスでは、アラーキーよりも私のほうがムーブでは上です。

アラーキーは、ほかに、日向神でこれはちょっと…というランナウトした課題を私が登ろうとしたところ、待った、俺が先に登る、とリードを取ってくれたりしました。のでとても感謝しています。

が、九州クライマーからの特待生という扱いに本人もなびいたことには、疑問でした。

この疑問は、あとで、アイスクライミングでトップクライマーの門田ギハード君が九州では、「あいつは、ひよっこだ」扱いをされていることで、びっくり仰天して、謎が氷解しました。

ギンちゃんとは私は岩根アイスコンペに出た関係で何度か会っており、私の理解では、今を時めく旬の成長中のクライマーでした。アルパイン出身というのも良かったし、九州に来るまで知らなかったけど、大分出身のクライマーでした。

で、ギンちゃん世界レベルで登っているのにひよっこで、アラーキーが普通の人なのに特待生ってなんで?ってなりますよね。

この評価逆転現象を知り、もしかして、重鎮たちは、登山歴数年の私よりも、現代アルパインを理解できないのではないか?と思いました。むしろ、昔のアルパイン経験が邪魔になっているのかもですね。

今の冬壁って、冬手袋で岩に登っていた時代のとは違うんですよ。

今では、アックスでドラツーの技術を山に持ってってるんですよ。5000とか6000とか。もちろん嵐で雪洞泊3日、みたいなのもやってらっしゃますが…。冬壁やる人はみんな、ピッケルとアックスのハイブリッドみたいなクオークでこなしています。中山尾根だってクオークの時代ですよ。

私は冬壁に進む気はなくて、アイスは、ゲレンデと優しい寝ているⅣ級アイスしかやりたくなかったので、バナナピックにしましたが…。しかし、予想以上に上達してしまい、WI5もゆとり付きで登れるようになり、韓国に行ったときに中国人のクライマーに、これで登ってみろと貸し出されたハンドル付きのアックスが次のレベルの到来を私に告げました。

というわけで、私はアイスではある程度のレベルに到達したので、”さー、フリーで頑張るぞー!”と思っていたわけですが、九州はフリーで強くなるには、全く適さない環境でした。

いやはや、ひどい目にあったぞよ。

九州のような価値観の土地でひどい目に合わないためには、男性で最低は5.12をやっているレベル…現代ではごくありきたりな、普通のレベルですが…でいる必要があり、女子にもそれがなぜか適用になります。結果、女子に超厳しく、男子に甘い世界になっている。

私は本来、普通に対等に一緒に登れる仲間が欲しかっただけですが…

  • 技術や安全観を共有できる仲間がほしい

  • 男女差を理解してくれる人と登りたい

  • 長ヌンを“ずる”ではなく合理性として見てくれる人がほしい

  • 勇気だけでなく技術と判断力を尊重する文化と関わりたい

これらはとても健全な願いです。


人がスポーツを続けていく上で、価値観の合う仲間に出会うことは極めて重要ですね。

九州の文化が私に合わないのは、私のせいではない。

しかし、九州にいるわけなので、何とかしないといけないわけですね…

それで、水泳をすることになり、まぁ良かったです。これでクライミングをしなくても、私の運動ニーズは充足されることになった。

水泳では、先生80歳なんですよ。すごいですよね~。しかも女性ですよ。

もう、素晴らしい。リン・ヒルでいくつですか?65とかでしょう?まだ登っているのはえらいですが、教えていないんじゃないかなぁ?

自分がトップクライマーであり続けることはトップクライマーの育成には必要ですが、ある程度のレベルで、一般クライマーの育成は可能です。

トップクライマーの育成より、一般クライマーの育成のほうが指導する側のスキルとしては上が要りますよ。なんせ、一般クライマーって分かっていない奴らなんで。

水泳だって、育成コースってのがあるんですよ。そっちはトップスイマー用の育成です。

最近、北山水泳ってYouTubeチャンネルを見ているんですが、誰か、似たようなクライミングチャンネル作ってくれないかなぁ。そうすれば、きっと九州クライミングのような勘違いがなくなるんじゃないかなぁ。

私はエリートクライミングに行きたいと思ったことは一度もないです。当然でしょ、39歳で登山を始め、43歳でクライミングをスタートしているんですよ?

そんな人に、「ねぇ、リンヒルって、ちびだけど5.13登るんだよ」とか「谷口ケイって知ってる」とかって言ってくる人が謎でした。

俺なんて…という劣等感を、私にも、感染させようとしてきてるとしか思えない。知ってるけど、比べて劣等感、持つはずがないでしょう。

何度も言いますけど、39歳から登り始め、43歳からクライミングしているんですよ、記録はこれ以上ないほど明らかにしているのに、なんでそんなことを言うのかなぁ?

私が登ってきたルートを同じように登れば、誰でも私と同じレベルに到達すると思いますよ?

男性アルパインクライマーたちは、なぜか「俺だって時が時なら佐藤ユースケ」って思っているらしく、それは、古い山書の記録を現代のスキルに重ねるからだと、九州に来て分かった。現代的なレベルで登っている山書がないので、アルパインを登る人は、昔の本を読むしかありません。

そこで、UIAA4級程度のところで、上からスノーシャワーが…みたいな話が載っていると、4級って誰でも登れる難度なんで、俺だってって思ってしまいます。これは、山梨時代もジムクライマーは思うみたいでした。でも、5.11が楽に登れるという梨大生、山岳部新人君たち、北岳バットレスに行って、13時間もかかっていたんですよ。え?!でしょう。

のぼれるだけでも、ロープワークができるだけでも、体力があっても、ルートファインディング力がないと四尾根と思って2尾根に行ってしまったり、ちゃんと4尾根に取りつけても、迷って時間がかかったりするんですよ。

まぁ、佐藤ユースケさんのすごいクライミングのすごさは、山梨県民でも理解できないみたいでした。そもそも、理解できないから、一般クライマーどまりなのだ、ということが分かった。

九州に来て、九州のアルパインクライミングの意味は、全部ボルトを使ったエイドのことなのだということが分かって、納得しました。それってエイドクライミングとは言うかもしれないけど、アルパインの価値を踏襲しているとはとても言えない。

なら、小さくていいから、未知のところを行く方がいい。それもオールフリーで行こうと、すくなくとも、一応考えておいた方がいい。ぜんぶ、エイドで行くつもりとかってあんまりです。エイドは保険で出すものですよ。記録にもエイド出したらそのこと書いてよね。

現代アルパインは、ワンプッシュ・オールフリーとかで頑張っているのに、あんまりそこらのスタイルの進化のことが理解されていないんでしょうね…。全国的に。

年がら年中、5.12を登りきるのにハングドッグしてうんうん唸っているのがフリーだと思っているから、こうなるんだということが分かりました。

それ何年続けても、5.12波状攻撃が、5.13波状攻撃になるだけで…全然アルパインの文脈で進化しない。

だから、進化した人のすごさが理解できない。だって、5.12でいいのなら、おれだってやってるよ、ってなりますよね。佐藤さん、フリーソロですよ、6時間ふつうに山を登った後に。しかも、アレックス君以前にですよ。

そんなこんなで、結局、やっぱりへき地なんだ、文化的辺境なんだ、ということが確認できたということなのかな?

九州文化とのギャップの疲れ?が私のうつ病の大きな部分を占めていたことは確実です。

ギャップの内容はこのようなものです。

  • 長ヌンは合理なのに「ずる」扱い
  • 登りが“リボルト口実”に利用される
  • アラーキーは“特待生”なのに、技術的には危うい
  • ギハードですら評価されない
  • 現代アルパインの文脈が理解されない
  • 技術が理解されず、むしろ軽視される
  • “勇気”だけが基準になる

あー疲れた。これを解説するのでも、結構疲れました。