昨日は、クライミングを始めて1か月という人に、人工壁でビレイを教えました。
《内容》
・各種の確保器とスリットの幅の違い
・ロープ径と確保器を合わせないといけないこと
・確保器への通し方
・メインアクシス
・シングルストラッド、ダブルストラッド
・一ピン目で落ちてはいけないこと
・逆に一ピン目まではスポットし、ピンを取ったら、ダラリンビレイはダメなこと
・ビレイヤーが立つべき位置
・だらりんビレイはいけない
・引っ張りすぎてはいけない
・ランナウトについて
・墜落係数について
・トラバースで振られること
・確保器の操作の仕方 正しいたぐりかた 制動する手を離してはいけないこと
・トップロープでの確保
・トップロープで登り始めはタイトでいないといけない理由
・同じ位置で落ちるならリードのほうが伸びが少ないこと
・終了点 プーリー現象
・終了点でテンションと言って、テンションがかかるのが遅いビレイヤーは、だらりんビレイだということ
・体重差について 自分が確保できるクライマーの重さ 1.5倍
・お互いに初心者同士で行く場合、怪しいビレイで登らざるを得ないため、初心の時期にもっとも事故が多いこと
・その場合、ワングレード下げて登ること
・クライマーとしてビレイヤーを上から見て、立ち位置を修正してもらうこと
・ぱっつんビレイは どっかぶりでは危険なこと
・軽いビレイヤーは浮いて、落ちてきたクライマーとぶつかる危険にさらされること
・後ろにビレイを取ること
・ビレイグローブ
・”流して止める”は、スラブにはないこと
・足場が悪い場所でのビレイ
・クライマーが落ちたら、後ろに走るなどしないといけない場合があること
・クイックドローの回収の仕方
・コール :「落ちるかも」「頼むよ」
・回収時のヌンチャクでのセルフ ロープに振られる場合
・素早く出すには? 座って立ち上がる&一歩前に出る の併用
・ローワーダウンは両手
・上の手は意味がないこと
・繰り出しの幅
・ハングドッグ時に楽にロープを保持する方法
・確保器が、屈曲で墜落を止めている原理
・オイラーの法則 後ろに大きく下がってビレイすると、屈曲が大きすぎて中間支点にかかる力が大きいこと 許容できる屈曲角度
・その場合、ビレイヤーは前に引かれてアブナイこと
・グリグリでのビレイ vs ATCでのビレイ
・待っているときの保持の仕方
最初は、私がクライマー役をしましたが、案の定、壁から2mくらいのところに、ぼけーっと立っているだけで、まったく警戒心なしで、ダメビレイヤー典型でした。
1ピン目を掛ける前はスポットでしょう、と指摘。
私も初心者のころは、ただ立って確保器を持っているだけで確保している気分だったかもしれないのですが、それでも、
ビレイヤーを信頼できないと、クライマーは登れるところも登れなくなるもの
だってことは知っていました。それから、半年は、週2で人工壁に通い、良いビレイとは何か?を考えて過ごしました。その時期は、
意識的にビレイ習得をテーマにしていた
のです。
■人工壁&マットありで
今回は、当然、人工壁でしたが、この選択にも意味がありました。
人工壁でも下がコンクリートの場所とボルダリング用のマットがある場所があり、マットがある場所をあえて選びました。人工壁にした理由は、外岩に、多分大丈夫だろうと初めて組む人と一緒に行って、怖い目に遭ったことがあるためです。登れるグレードや経験値の長さとは関係なく、初めて組む人とは人工壁がベターです。
登山歴20年とかいう山岳会の長老みたいな、ベテランでも、若い時期に人工壁に接していなかったり、自分の体格が良くてビレイに不安を感じる機会が少なかったりして、壁から10mも離れたビレイをしているベテランもいます。そういうビレイを見て、これでいいんだ、と思ってしまうのは、間違いです。私も、間違いを指摘されて分かりました。
今回は、下にマットがある場所を選び、1ピン目から早速、落ちてみせて、彼に止めてもらいましたが、やっぱり駄目ね~な感じでした。ビックリしている様子からすると、墜落を止めた経験はなかったようです。でも、若い男子なので握るだけで止まりました。
が、私が軽いので、彼にビレイの怖さを教えるには、体重不足でした…残念。
上のほうでもどんどん落ちて、ちゃんと止まりましたが、だらりんが多いので予告して落ちました。なかなか、勇気が必要な役でした。
なにしろ、初心者、立ち位置からしてダメ。落ちてあげて、”あれ?”という体験をしてもらいました。今日はとにかく落ち役で、ガンガン落ちてあげましたが、彼がどれくらい習得してくれたかは、未知数…。
私は落ちるのが苦手ということで知られているので、これがどれくらい私の精神的な負担なのか?(実は相当負担です…涙)は、彼には知る由もないでしょう…。ほんとにギリギリまで頑張って、全然落ちないので、頼れるビレイヤーの師匠たちも「いい加減、落ち慣れしろよ~」って、思っているのです…私のことに関して言えば。
落ちるのが嫌なのは、衝撃が苦手で…何しろ、クライミングを始めて1か月の初心者のころ、登りたくないって、言っているのに、5.10cを登らされ、人工壁の終了点で、腕のパンプにより、たぐり落ちして、床から50cmくらいで止まったのです…。人工壁の終了点って、とっても固いので…開けられなかった…あれは、かなり怖かったです。そこにいた全員が、息を止めて、私の墜落を見ていました…(汗)。それは、無理強いされたリードだったので、それで落ちたので嫌だったのです…。
それ以来、リードも怖くなったし、落ちるのも嫌いになったし、何もいいことがない経験でした。
■ 分かっていないことが分からないのが新人
クライミングは、誰でもそうですが、初心者のころは、分かっていないことが分かっていない。
ということで、きっと教えてもらっても、そのありがたみ自体も分からない。結果、ほとんど徒労に終わる可能性が高い。余談ですが、実際、アルパインが廃れたのは、この徒労感のため、と思われます。
正直言って、私はあまり教えたくなかったのです…。というのは、私には、怪我するリスクだけがあって、何もメリットがないからです…。この人と気が合うわけでもないので、自分のパートナーになるわけでもないし…。やっぱり、肘をすりむく怪我をしていました。
■ 目撃 落ちれないビレイで登るコンペクライマー
気持ちを切り替えた訳は、ドライの練習を見たからです。
前日、ドライの練習で、落ちれないビレイ…すごく怖いだらりん…で、リードしている選手を見ました。そのクライマーは、シーズン初ドライというのに、決死の覚悟でリードしないといけない。お気の毒でした。彼が選んだ課題は初心者課題でした。マグロにも行きましたが、プロテクションが悪くなったあたりで、課題の質が悪いと言って、降りてきました。
これを見て、”ビレイを教えうる機会にある人が、その時期にある新人に教えないことは、クライミング界全体の公害である”、と思い、今回は、クライミングの神様に、この時間をささげるつもりで、時間を取りました…。
■ ビレイは教わるものではない
私自身、この様に詳細にビレイを教わったことはないと思います。
教わったのではなく、盗んだり、どうするべきなのか?を自ら求め、探して、YouTubeを見たり、確保器の取り扱い説明書を、目を皿にして読んだりしました。
自分で危険な目に合い、ロープが流れてヒヤッとしたり、先輩が落石を掴んで落ちるの、を止めたり、墜落されてぶつかったり、だらりんビレイを見て怖くなり、敗退したり、など、経験を通じて学びました。死ななかったのは、単なる幸い。
■ ランナウト
ランナウトについて、口うるさくなったのは、たぶん、アイスでスタートしたからだ、と思います。アイスは自分でプロテクションを打ちながら登りますが、そうすることが初心者でも普通なので、自然に
プロテクションの間隔はどうしたらいいのか?
を、考えるようになります。
しかし、岩の場合は、あらかじめ中間支点が打たれているので、クライミングだけで、アップアップの初心者の時期は、ランナウトについて登りながら思考するような、精神的ゆとりはなく、支点をただ追っかけるだけの登りになりやすいです。
そうなると、その課題を安全に登るのに必要な登攀力が不足し、自分で自分を決死の状態に陥れてしまっている状態になっても、それに気が付けなくなります。
特に、日本の岩の課題は、中間支点の間隔が、十分にクライマーの安全に配慮したものとはなっておらず、ランナウトが頻繁に起こっているため、5.7でも、5.9がリードできるくらいの登攀力がないと取りつけません。
これは、初心者で、春のもどり雪 5.7 3Pをやった時に、「核心はどこですか?」と尋ねた答えが、「あそこの核心は大ランナウトだけでしょう」と言われたことで、理解しました。思案し、結論を導くのに、4年ほど、かかりました。
”核心がランナウト”ということは、決して落ちられない、という意味
です。 決して落ちられないと言う場合、
何が保険か?というと、自らの登攀力以外ない
わけです。つまり、実際の登攀力よりグレード下げて登る必要がある、ということです。
■安全マージンをどれくらい取るか?
次に問題なのは、どれくらいの幅で、グレードを下げたらよいか?ということです。
これはクライミングを始めて初期のころ、ソロイストで登っている人(つまり、ランナウト同様、決して落ちられない)が、5.12を通常、登る実力なのに、ソロイストを使う場合5.7しか登らないと教えてくれたことを参考にしました。
5.12→5.7は、グレード下げすぎのようですが、私の感覚では、5.7がゆとりになるには、5.9で普段、落ちないで登っているくらいは、必要です。5.7と言えども、濡れていたり、ホールドが脆かったりなどがあるからです。
インドアジムグレードだと、一通りのムーブが身についているようなグレード、5級程度?は、登れていないと、と私の基準では思います。ボルダーグレード5級で、デシマルだと、5.10aがコンスタントに登れるくらいではないか?と思います。
5.7を登るのに、5.7の登攀力しかなかったら、核心部で落ちる可能性があり、ランナウトに耐えられない。ランナウトしているということは、落ちたらグランド(地面に激突)ってことです。死は免れるにしても、怪我は必至です。
■ 仲間づくり
この人は自分で仲間を作って登っていこうという意思が見えた…仲間を呼んで練習会をしていた…ので、教えてあげようという気持ちに切り替えました。
自分でクライミングに行かない人は、いくら教えても無駄骨になる、と師匠から、よく言われました。つまり、金魚の糞クライミングです。ただ登れるリーダーについていくだけの人は、主体性をもってクライミングしているわけではないため、いくら、必要な情報や技術を教えても、その重みが分からないから、知識が駄々洩れ、スルーしてしまうのです。
■ 自分の幸福を満たしてから人のことを満たす
また、ごく最近、自分が登りたいところに経験豊富な人と言って、リード3本、で満たされた気持ちになったため、ほかの人にペイフォアードできる気持ちに切り替えられました…。それまで、こんなやつに教えるのは時間の無駄だと思っていました。
自分の心が満たされるクライミングで、感謝の気持ちが沸くようなクライミング、をやったおかげで、人の幸福まで考えられるように。自分をまず満たしておかないと、ほかの人に差し上げうる、親切な心も枯渇してしまいます。
特にクライミングは、そのような精神的ゆとりの枯渇が激しいです…。それは、
命がかかるため
ですね。
小さな親切大きなお世話、という常套句がありますが、まさに逆で、親切を受け取る側にとっては、ほんの小さな親切程度に感じられることが、親切にする側にとっては、かなり大きな負担です、何しろ命がけなので…。怪我しないで済んだら御の字。わたしもこの日は、すりむき傷を作りました。
すりむき傷を作った程度ならいいですが、以前グランドして、頭7針も縫った。そのビレイヤーは、以前からマズいビレイを指摘されていて、誰が指摘しても、なかなか治らない人だったそうですが、その事故後、かなりビレイが信頼できるようになり、落ちて怪我した甲斐があったというものです。
そういう人は落ちないクライマーと登る限定です。「僕はもう100%落ちないから、彼と組めるけど、普通のクライマーはダメだよ」です。
■ クライマーに必要な性格
今回の新人さんは、まだ目を白黒させていたので、まだ理解&消化するのに、時間は必要そうですが、考え方や性格な部分で、あわてんぼだったりということはないので、将来的には大丈夫だと思います。
そもそも、性格的にクライミングに向いていない人もいます。危険認知力がないというのは当然そうですが、あたふたと慌てるタイプの人、慌てると雑になるタイプの人です。
誰でも、急ぐと雑になるので、急いでも雑にならない練習は、誰にでも必要ですが。雑になると、モノを落としたりします。特に最悪なのはロープを落とすことです。しかし、練習しても、理解しても、ダメな性格の人もいます。
■認識の浅い業界
クライミング業界では、
ビレイが確立した技術だという意識が低く、
クライミングの教科書にも、ほとんどビレイについては述べられていない
ことが多いです。
安全で落ちられるビレイは、高いクライミング力の基礎となるもの、
落ちれる安全なビレイ習慣
が広まることを願っています。
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1) Belay device should match with a rope diameter
2) (there are) single slot type and double slot type
3) how to put rope into the slot without falling the
device
4) a climber should not fall until the first clip
5) spot is needed till 1st clip
6) where a belayed should stand (close to the wall no
slack)
7) too much slack is Nono
8) too tight is Nono. Don't pull too much or a climber
will be pull down
9)about runout
10) impact force, 0,1,2
11) traverse
12) how to slack the rope without letting the control
hand off
13) how to belay on TOPROPE
14) why it toprope belay has to be tight in the
beginning
15) if you fall at the same place, the lead has less
fall distance, and why(rope stretch)
16) top rope ancher (it should be double strength)
17) a bad delayer will take a time when you say
"Take!" at the anchor. A good one give you tension really
quickly.
18) how heavy you can belay. Best weight that matches
your weight. 1.5 time as much as your weight, is maximum.
19) most accidents occur when climbers are beginners.
20) Till you are very sure about belay, you should not
try your utmost grade.
21)a climber should check belayer's belay always.
22) too tight catch is nono on hang over
23) too much slack catch is no no on slab
24) a belayer should sometime jump to decrease the
force given in a running point
25) a light belayer need a self arrest behind so he
won't bang into a wall or a climber
26) belay globe
27) bad belay area = self arrest
28) hanging belay
29) how to clean up the quick draws when overhang
30) how to call, "Off belay" and "On belay"
31) you should try to rise a belayer's attention by
saying "I might fall "or something, when it is crux
32)how to slack quickly
33) lower down safely
34) control hand is the most important
35) slack lengths can be controlled by stepping
forward
36) you should always keep watching a climber
37) you should not sit down when belay
38)no answering phone
39)how to wait for a climber when hang dog, easy way
40) why you should stay close to wall, rope angle and
friction
41) too far away means you are pulled forward not
upward.
42) ATC guide and Griguri; difference.
43) back roping” can be very useful for protecting tricky
traverses if you have 2 ropes and some in situ gear is available
to leave one rope clipped too, thus limiting the potential for a
pendulum.
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