2026/07/22

外ボルダー5段とインドアボルダリングジムの5段

 商業インドアジムにおける「五段(あるいはそれに相当するインドア独自の数字・段級表示)」の評価と、自然の岩場における歴史的な最高難度(V15〜V17クラスの「五段」)の間には、極めて大きな隔たりが存在します。

  • ジムグレードのインフレとマーケティング構造

    • 商業ジムの多くは、顧客に「成長の実感」や「達成感」を提供するために、外岩のシビアな基準と比較してグレードを大幅に甘く設定(インフレ)する傾向があります。特に近年のコンペティション仕様のジムやトレンドを意識した壁では、若年層や競技特化型のクライマーが短いセッションで高段位の課題を完登するケースが日常化しています。

  • 「ジムの五段」と「外岩の五段」の本質的な違い

    • ジムの課題は、人工ホールドの形状が持ちやすく身体の当て方が誘導されており、ムーブのトレンドも洗練されています。そのため、ここで言う「五段」は、あくまでそのジム(あるいは特定のセッターのテイスト)内での相対的な最高難度に過ぎません。

    • 一方、前述したような外岩の「五段(Font 8A+以上 / V12〜V17)」は、歴史的・地球の地形で切り拓かれた再現不可能なフリクション、極限的なカチやスローパーの保持力、そして天候やコンディションといった不確定要素をすべてクリアしなければ成立しない、世界共通の厳格な物差しに基づいています。

したがって、「ジムに五段を登る人があふれている」という現象は、インドア市場におけるグレーディングのローカル化や商業的なインフレを如実に物語るものであり、世界基準の自然岩における「五段」の希少価値や到達困難性とは完全に切り分けて捉える必要があります。


自分がセーフクライマーでも、相方がそうでなければ、死んでしまう可能性があるのがクライミングです。

ジムクライマーに、きちんとリスクが分かるようになってもらうには、クライミング教育以外にはありえないのだということが分かるようになりましたが…私が教育するというのはやはり違うと思います。6Bとか5.10代を登っている人に期待するようなことではないですよね。そもそも、グレードが高い人の言うことしか俺は聞かないと言い放っていますし…。

小山田さんか、草野さんと室井さんが、きちんとした解説書を出すのがいいのではないでしょうかね?外岩の5段とインドアの5段の差について。

トップクライマーによる解説書が、やはり期待されているものだと思います