2025/11/10

楽しい水泳ライフとクライミングの心理学

混んでいたプール

先日誰もいないプールがかなり嫌されたので、日曜夜なら、すいてだろうと、狙って出かけてきたのですが、非常に混んでいて、がっかりでした。

プールで泳いでいて、いつも感じるのが、男性スイマーの”寂しさ”です。これって私の幻想なのかなぁと思っていたんですが違いますね。

やっぱり、「だれか俺に声をかけてくれ」「だれか俺をかっこいいと言ってくれ…」と、かなり切実に思っていませんかね???でも、大人だからそういうわけにも行かないし。

これは、私が勝手にそう感じるだけかもしれず、本当は違うかもしれませんが…。一人で黙々と泳いでいる女性スイマーには、この圧を感じない。だから、合っていると思います。

プールっていか、スポーツって「評価不安」と「社会的比較」が顕在化しやすい場なんですよね。この2つが同時に起こると、人は

「承認されたいのに、避難したい」


という矛盾した行動をとる。彼らは 「弱みを見せたくない子ども」 のような状態に戻っている。

下手な奴はいじめていいという男性の文化


別のプールですが、入水から、水中歩行をやって、ドリルをやって、と次々にレベルを上げていくやり方で順繰りに泳いでいたら…「ここは泳げる人が泳ぐところだから、あっち行って泳げ」と言われたことがあるんですよね…。

そして、そのあとドリルではなくてスイムをしたら、「さっきはごめんね」とその男性、謝ってきたんです。「あんた、泳ぐの上手じゃないですか。上手だと分からなかったから…」

え?意味わからん、下手な奴なら、いじめていいのか?って思いました。

たぶん以上を考えると、男性社会は、へたくそな奴をいじめていい、っていう論理で構成されていますよね?

そして、へたくそな俺を守ってくれるのは誰?

それは、”よりへたくそな奴”であり、”弱者男性のさらに下だ”と仮定すると?

女性。

ということで、

・”泳げない女性”とつるみたい、
・一緒にいることでプールにいることを自己正当化したい、されたい

という心理が働いていると思います。

男性集団では、序列を明確にすることで「自分の位置」を確認しようとする傾向があります。その際、「自分より下の存在(スケープゴート)」を設定して安心するのです。これを心理学的には、下方比較(downward comparison)と呼びます。

これ、私はクライミングでもやられていたんだと思います。

泳げないから練習するんじゃないの


でも、実際は、泳げる人だけがプールにいていいんじゃなくて、泳ぎたい人は誰でもいいんですよ。

でも、その人の世界観では、そうなっていないんでしょうね。だから、拗ねている。それは、へたくその俺のまま、認められたいって感じだからです。

女性に声をかけてもらいたがっている。へたくそのまま受容されるグループを形成したいんだろうと思います。そんなの知らんがな。

昨日のプールでは、そのうちの男性とお話したら、やっぱり自分は下手な理由を色々言い訳されていました。でも、赤の他人の、私に言い訳されても。

一通り聞いた後、「ここで水泳習っていて、教わったことを復習しに来ているの」。と、そのあとバタフライを一本行ったんですよ。そしたら、その男性はいなくなりました。

下手でもいいんですよ~みたいなセリフを吐くのも、大人としてどうかと思うしねぇ。相手を大人扱いしていませんよね?

第一子と第二子


その様子に、子供のころの理不尽な感じを思い出しました。

なんか、第一子として、遊んでいたりすると、第二子が物欲しそうにいつも見て来て、私の真似をしたがる、という子供時代の気持ちを思い出しました。

5歳のお姉ちゃんがしていることを3歳がしたい、と言って泣き叫んでも、まだ3歳だから、できないでしょう?泣いていることで5歳のほうは、責められている気持になるんですよね。

これが、クライミングでも起きていましたね。私は自分で努力して、成果を身に着けていたんですけど。そうでない人たちがうらやましがる。

さて、その後、泳いでいたらレーンがあいたので、長距離レーンに行ったら、隣の女性がベテランさんで、平が上手だったので、ちょっと潜ってみて見て、泳ぎを見て誉めました。

しばらく水泳談義で盛り上がって楽しかった。平泳ぎは泳ぎ方昔と変わって、カエル足ではなくて、女の子足なんですよね。そんなことをシェアして楽しかったです。あと、端っこで泳ぐと流されることとか。カエル足の件は、本当にアップデートされていない人多いです。

あと、8歳くらいの小さい男の子がまだ長距離は泳げないらしくて、途中で立てる、自由遊泳エリアにいたのですが、お手本のようなきれいなクロールだったので、「すごく上手なクロールね」と褒めました。私もちょうど同じようなのを練習したかったので、プルが参考になりました。

まずフォームを身に着ける


きれいなフォームをまず身に着ける、そして、泳げるようになる。泳げるようになって距離を延ばす。

それが私がやりたいやり方なんですが…。なぜなら、下手なフォームのまま、いくら距離を積み上げても水泳を分かったことにならないから。

ロープロジックを身に付けないまま、ランナウトしたまま、登り続けてなんになりますか?承認欲求と老いの競争をして終わりです。それか、ロシアンルーレットです。

現実のプールでは、ほとんどの人が、間違ったフォームで泳ぐ、だから、泳ぐのがつらい。泳げるけど、とてもつらいから、距離を出すことは成果となる。だから、長い距離を泳いでいる人はえらいということになる。偉いから、認めてほしくなる。っていう循環にあると思います。

距離信仰みたいなのができている。そこでは、遅い人が主権を握っている。

この同じ現象がクライミングでは、グレード至上主義でできているんですよね。でも最初から、ちゃんとロープのロジックを学び、リスク管理を学び、その後ムーブを学んだら、あとはムーブを洗練させていくだけですよ。

楽になれば距離は自然と出る


バタフライ楽勝で泳げるようになりました。25mは、もはやなんともないですけど…、距離は結果であって、あんまり距離に成果を置いても仕方ないと思います。

これは、アイスクライミングで楽勝で相沢大滝55mが登れるようになった時と似ています。楽しく登っていたら55m×3でも大丈夫になりました。

また責められる?投影


これを言うと、また「あなたはできる人だから」って攻めてくるんじゃないか?って気がするんですよね。この部分は私の思い込みだと思いますが。

非常に上手に泳いでいた小学生、年配のベテラン女性スイマー、一般男性、それぞれの在り方が交錯するプールですが、修行でもなく、殻にこもるでもなく、余計なお世話を焼くでもなく、たのしいプールライフを見つけたいです。

クライミングライフのほうは、今住んでいる場所は適地ではないです。まったく。