たぶん、普段一緒にジムで登っているのが男子だけだと、外岩も男子だけ。
そういう男子が、いざ、他の人にも、ボルダリング教えてよ~と言われても、普段、男子だけで登っていると、会に来た新人さんをどうやって教えたらいいのか、分からないのかもしれませんね?
結果として、”ほかのみんな”を危険に陥れることに…。
悪気はなかったんだよ~ って言っても… クライミングでは、一回の些細な失敗が、生死に直結する重大事件に…
例えば…
・え?俺、手が届くし。→ 手が届かない人は落ちて大けが 例:腰椎骨折 もしくは死亡
・え?これくらい登れるっしょ → 登れない 例:5級以上は、8級も10級も全部5級の展海峰
・マントル?楽勝! → ジムで出てこないですよねぇ? 例:落ちて大けが
・降り方、分かんない?飛び降りて! → むりむり~ 例:2mのところから、150cmの人が飛び降りたら、3mの恐怖。2mのところから、150cmの人がぶら下がって落ちても、50cm。
って感じで、
俺にとってはフツー
ってのを、俺と同じフィジカルがない自分以外の人たち…、子供、女性、老人…に押し付ける…
= 危険&ムリゲー
その上、
え~ なんでできねえんだよ!
とか
こんなんもできねえのかよ!
という、発奮させて相手のヤル気を沸かせるっていう、男性社会では、ふつー の態度を相手に向けた結果、が
九州のクライミングなんだろうなぁ…
という感想でした。身をもって体験したぞ?
小山田さんの、こういう動画って、トップクライマーが、それとなーく、彼らに続く次世代のリーダー君たちに、
”クライミングのリーダーシップって言うのは、こういう風にして行うものなんだよ~”
と示してくれている、ってことです。
俺こそ次世代リーダーだ!と自認する男子は見て学びましょう。
他にトップクライマーが、指導している姿を公開しているとしている動画としては、ジャンボさんと倉上さんの繋ぐ壁という動画があります。
■ 小山田大さんの動画ポイント解説
1)ランディングを先に教える (リスク管理を先に教える)
2)易しい10級からスタート (登れなけりゃ登れる喜びを教えることはできません)
3)無名の人でも、それぞれその人の良いところを取り上げて個人を認めてあげる
です。
男子にまかせっぱにしたら、まずいです。
1)外岩のリスクって、蜂とか虫の話だけに…。いや、それは森に入れば、誰でもすぐ気が付く程度のことに過ぎない。キャンプで学んでくるような話です。じゃなくて、クライミングに特化したアウトドアクライミング特有のリスクを伝授しないと。
そもそも、インドアクライミングとアウトドアクライミングの違い、をきちんと教えてくださいよ。
2)そりゃ有段者には10級は面白くないでしょうが、最初から登れないのに取り付いて、面白いと思う人いると思います?いないよなぁ。なんせ達成感がだいご味なので。
まずは、石ころの上にでも立って、ヤッホーができなくては。
なになに?そんな奴はこなくていい? だから、それが 特権主義 って奴なんだってば!
3)登れる奴だけ認めるって?そんなこと言ってるから、5.17が登れるまで自分を認めることができなくなっちゃうんだよ…。登れる自分も登れない自分も、大事な自分。
頑張るのはいいことだけど、だったら、登れない奴を下に見ていい、ってやっていたら、次は下に見られるのは、君だよ? って分かるよね。
それ、いつまでたっても自分を好きになれない理由だから… 何なに?登れない人とだけ比べるからいいんだって?それで私を呼ばれても困るなぁ。
未処理の恥の感覚を作ってトラウマ体験にしてしまう。
■ 故・吉田さんとマンツーマンの外ボルダー体験
朝、ビレイに呼ばれて行ったら、今日はボルダーです…となり…、ええ~やだなぁ。と思ったものの… もう来ちゃったし…。
いわれるがままに、トライ。
マントルを10回くらい練習させられました。1mくらいの岩で。
その後、おそらく5級か、4級くらいのを登りましたが、一緒にいた二人とは、全然違うホールドを使い、結局、他の2人が使ったホールドでは私は全く登れず。身長で全く使うホールドが違うから、ムーブも全然違うってことが分かった。
私が使ったホールドは、私にしか気が付かないみたいでした…というのは、もっと大きい男性は、もっと簡単に取れるホールドが使えちゃうので、そんなとこ使わなくても…ってなるし…
なので、グレードとしては、私が登ったところのほうが、ガバっぽいホールドが取れる大きな男性が登ったところより、難しいのではないか?と思われました。
マントルにしても同じで、岩の際に登ったら、平面部にあるガバが取れる人はいいけれど、私はとれないので、安心安全のガバ以外を発見せねばならず…
保険で木の根っこを掴めば、楽に登れるのは見て取れましたが、根性で木の根っこは使わず…というのは、使ったら意味ないと思ったので…これはアルパインではなく、ボルダーなんだし…。しかも、吉田さん見ているし…
で、無理くり頑張ってマントル返しました。 これ、1mだからできるけど、3mならできない。
3mから落ちたら、男子は体が頑丈で壊れないかもしれないけど、私は女性であり、関節も柔らかく、つまるところ、筋肉クッションは少なく、そして、骨自体も細いわけなので、物理現象として壊れやすいのですから、3mから落ちたら死ぬかもしれません。死ななくても大けがになるかもしれません。
…という計算が、自動で、計算できるのが、クライマーだという風に私は思っているのですが、どうも、みんなの中では、ツッコんでいくのがクライマーだという話になっているみたいなのですが…
まぁ、どっちがクライマーか?っていう話は、さておいても、
ただツッコむだけで計算がない
人は、原理的にクライマー人生が短くなること請け合い。リスクはシビアに見極めましょう。
この時の吉田さんの反応は、うん、って感じで、良かったです。
以上、姉からの弟たちへの手紙でした☆