2018/04/27

先輩の役目

ラオスでは脳内ホルモンが出て、クライミングが楽しくなった。

ラオスでは、パートナーに”ひどい目”にあわされている私を、トニーがレスキューに来てくれた。

”ひどい目”というのは、したくないことを強いられている、と、周囲のクライマーの目には映っていたようだ。

それは、私が、したいと言っていないのに、リードを無理強いされていたり、登れないほうが下、という風な関係性で登る羽目に陥っていたからだ。

そもそも、私自身も、なんでビレイヤーで呼ばれて行って、その人のビレイのために、来てあげているのに、いちいちリードを強いられるのか分からなかった。つまり、一緒に行っていた人は、

山岳会の伝統

と同じことをしていた。

しかし、私はその人の会の後輩ではないし、来てくださいとお願いされたから行っており、なんで嫌だと思っていることをしないといけないのか?と感じた。

たぶん、私は苦虫をかみつぶしたような顔をしていたと思う…楽しい海外クライミング♪ではなく、忍の一字。

そこで現れたのがトニーで、彼は日本語がペラペラだったので、グループで登るようになり、リードを強いられなくなり、最終的には、トニーのビレイで、6A(5.10A)をリードで登って、レッドポイントできた。

その後、クライミングの楽しさは一気に向上した。

最初に山を教わった先輩は、したくない人にリードさせてはいけないと教えてくれた。

初心者時代は、自分がリードできる課題が、どれなのかよく分からない。

ので、先輩が「これ、リードできると思うよ」と言ってくれた。瑞牆のツルカメで、初めてクラックをオンサイト出来たのは、このアドバイスのおかげ。

そういうアドバイスは感謝している。が、これをリードしなさいと強いるのは、クライマーを育てるのにあたって、逆効果だと思う。

この逆効果が、山岳会に蔓延していて、それで、万年フォローが出来上がってしまうのではないだろうか?

私はクライミングは楽しくあるべきと思うので、自分の後輩がリードを怖がっている場合は、楽しいと感じられていない、という意味なので、グレードをどんどん下げることにしている。

コニーの場合は、5cをトップロープさせて、できなかったので、5b、5Aと下げて行き、4まで行ってリードになった。それでいいと思う。十分、4をすれば、じきに4には飽きて、5Aに行くんじゃないだろうか?

飽きて、というところが重要なのかなぁ…???

全くの初心者時代の、三ツ峠などは、私がリードしたところをフォローでついてきた先輩が「よくこれリードしたね」と驚いていたくらいで、私の安全マージンは、当時は先輩が、そうあるべきと感じたマージンより狭かったようだ。(たぶん今は広すぎ。もちっとギリギリへ行くべき)

これはこれで、安全マージンが狭いと、先輩としては、「この人、こわいなー」と思うはずだが、それを受け止めてくれるのが、先輩の仕事、っていう気がする。

私は、その仕事はやれる自信がある。