2019/10/21
重たいクライマーの墜落で下のビレイヤーが頚椎を痛めている事例
■ 安全は下のビレイヤーも大事
体重差が大きすぎるパートナーだとこういうことになりがちです。
登っているクライマーに対する衝撃緩和については考えている人も、下のビレイヤーが受ける衝撃の大きさには、無関心なことが多いです。
私は一度、1ピン目で落ちるクライマーを停めて、ビレイヤーの私と衝突し、私は衝撃でふらふらになっているのにも関わらず、ビレイヤーの私を思いやらず、再トライして登ろうとしたクライマーに、ビレイをお断りしたことがあります。
■ ビレイヤーはクライマーの下僕じゃないよ
ビレイヤーはクライマーの下僕、という日本のノリは行き過ぎです。
クライマーでも、ビレイヤーに墜落の合図をしないで落ちる人も良くありません。落ちそうなときは、落ちそうと声を掛けるのが、マナーです。
ビレイヤーなんだから、止めて当然だろ!という態度は傲慢で、日本の悪しき習慣です。
■ 二人で作り上げるのがクライミング
クライミングは、ビレイヤーとクライマー双方が協力して作り上げ、二人の精神的活動です。
精神的寄り添いができないクライマーは一人で登るべしです。
つまり、落ちないところを、ビレイがあやふやな新人を連れて登り続けるということで、それだと永遠に上達はないです。
■ 上下関係ではなく、相談、で。
日本のクライミングには、グレードの上下による上下関係がつきものですが、それだと、12歳の子どもが一番偉いということになります。
その次は、クライミング歴の長さによる上下関係がついて回ります。これだと、クライミング歴だけがいたずらに長い人で、分かっていない人を排除できません。
最も良いのは、相談して、作り上げる、ということです。相手にどうしてほしいか、ということを話すと同時に、自分の正直なところを話して、してほしいビレイ、してほしいクライミングを作り上げていくというのが、良いことです。