2022/04/05

ジムクライマーに外岩をどう導入するか…の思案

■ 本来、誰だってクライミングできる…わけでない日本の現状

スティーブからは、”あなたはラッキーなんだよ、本来、他の初心者も、君と同じように、クライミングを身に着けることができるべきなんだよ…”と言われています。

それが、私の心に重くのしかかっている…。

何度もトライしていますが、失敗続きだからです。

一方、そう言われてもなぁ…、というのもあります。 私は自分が特別ラッキーというより、自分でも相当勉強熱心だったような気もしますし…。

というか、教えられたというのは、人生が語り掛ける、というような、そこはかとない教え方なんですよね、クライミングの場合…

■ クライマーの青年期、往年期、老年期

若い人にどうやって、
 
 クライミングシステムを覚えたい!

という、高いモチベーションを持ってもらえるのだろうか?

と考えています…。

昨日は、故・吉田さんのプロジェクトだったデイドリームを登った小峰さんのトークを聞いていました。

ジャンボさん、草野さん、小峰さんと連続で聞き、老年期、往年期、青年期の男性クライマーの様子が分かる感じだった。

登るモチベーションもそれぞれ違いそうでした。

■ ジム店長

同じタイミングで、ジム店長と名乗る男性から、岩場ご一緒しませんか~な、問い合わせが来た。その書き方が、なんだか軽ーいノリだった。

九州での実績を考えて、リード技術、つまりクライミングシステムの理解は今から、の人ではないかと思えた。違うかもしれないが…。今まで、このような誘いに応じて出かけたら、てんで、お上りさんだった=ビレイもできない、ロープも持っていない、という顛末がお約束だからなぁ…。

私にわいてきた感情は、義務感…というものであるが…、一方で…

 青年期の男性が、私と岩場に行っても、きっと楽しくない

と、直感的に思った。

若い男性は若い男性同士で、羽目を外すのがいいのでは?な感じというか…。

小峰さんのトークを聞いてそう思ったんだが…。男子は男子で失敗を繰り返しながら学び、その過程で死ぬ人がいても、それはそれでその人の学びなのではないだろうか?(人の命を軽視するようなことは言いたくないが…次回の転生もある)

…というか、そもそも羽目を外したくてやる、バカやりたくてやる、のがクライミングという位置づけなのではないのだろうか?


■ 8年前の三つ峠の思い出

8年前の今日は、三つ峠に行っていたようだ。

人工壁に通い始めて3か月後の、初めてのマルチだったが、山梨の4月初旬は、まだ冬季登攀だったが…

岩のマルチって…

”羽目を外す”とは正反対な行為

のような? 

どちらかというと、集中力を途切れさせない活動、登山よりも、もう一歩上の集中力を要求する活動、

という気がする。

この登攀で、私は全然高所を怖がらなかったので、私は清高さんの信頼を勝ち得たのだった…。落ち着いていたから。

今朝、FBからのお知らせで来たのが、この投稿だが、8年前である。

■ トポがあることを知らせるには、どうしたらよいのか?

人工壁通いをスタートして3カ月後だった。師匠が「三つ峠で一番、登られているルートは、どこですか?」と私に聞いてきて、「中央カンテ」と私は即答でき、相方はトポも知らなかった。師匠は、相方の無知を知らせたくて、わざと私に質問してきたのだった。

当時の相方は、高校で高所登山をしてきた人で初めて岩場に来る人…が、トポの存在すら知らない、というのは、別に九州でのことに限った話ではないかもしれない。とは、論理的に推論できるが…

一方、私はどうやってトポの存在を知ったのか?というと…? 登山をしているころから、『日本登山大系』とか知っていた。

八ヶ岳の雪山しかしていない人が日本登山大系を知っていて、高校山岳部で高所登山をしてきた人が知らない、んだよなぁ…。責めを負うべきなのは高校山岳部?

山梨で、会に属し、人工壁を登り始めたら、周囲の人が普通に百岩場を持っているので、特に誰かに頼んで教えてもらったという訳でもない。

つまり、明示的な教育があったわけではない…。あったのは、環境

「岩場には、トポってものがあってね、三つ峠はここだよ」なんてことが起きたわけではない…

ので、どうやってそれを起こしたらいいのか?って感じだ。

■ 支点についても知らなかった

三つ峠は、2度目からリードしている。

初日のこの日は、横浜蝸牛が、同じ日に行って記録に「まだ冬季登攀だった」と後日書いていた。登らないで帰ったようだった。その記録を後日見て、コンディションを悪い中、凍える手で、師匠が無理して登ってくれたと理解した初・三つ峠な日だったのだった…。(感謝!)

2回目から私はリードしており、残置のハーケンなど怖いとも思わず。というのは、登攀でそうした残置に一切頼っている感じがないからだが…落ちることは、あり得なさそうだったので。

ところが、その後、何回か通ううちに、都岳連の岩講習に遭った。ら…、講習生の人たちは、2度目からリードなんてありえない!とか言い合っていた。

…ので、”マジ?私、2度目からリードしているけど、早すぎるステップアップじゃないの?”と不安になり、会の2段が登れ、高校山岳部からやっている先輩に、”いいのでしょうか…”と不安になって聞いた。無理なリードをしているとしたら、危険だからだ。先輩の答えは、いいですよ、だった。

だから、相談の内容は、”早すぎるステップアップかどうか?”だった。トポとは何ですか?ではない…。

■ 先輩が付き合ってくれない

その後、別の会だが、先輩を何度、誘っても三つ峠は付き合ってくれなかった。

その理由は、後で分かったのだが、支点のボロさ、だった。

それで、支点が不味い=登らないという公式が理解できた…。

えらい遠回しな教え方だ。

■ カム支点

それでも、私は三つ峠は、鹿柵設置のボランティア活動もしたし、友人を亡くしてもいるし、色々思い出がある山で好きだったので、登攀も通いたかった。

…ので、カムを持って行って支点を作ると言ったら、やっと付き合ってくれた。ビレイステーションでは、カム三つ、です。

でも、その先輩と行ったときはすでに知っていて、なんで知っていたのかなぁ… あ、太刀岡左岩稜に行ったときの先輩が作ってくれたからだ。

でも、別に、「こうやってつくるんですよ」とか教わった覚えはないけどなぁ…。

目撃したことを自分もやるというだけで…。写真を撮ってもいいですか?とは言ったけど。

■ 読書がカギなのか?

色々考えても、何も特別には、教わらなかったけどなぁ…。

保科さんの書いた『アルパインクライミング』という本は10回くらい読んだけど…。

どう考えても、”カムで支点を作るときはね…” なんて、手取り足取り指導されたことはない。

■ 信頼できない岩場=行かない&楽しくない

三つ峠は、いやがる青ちゃんを無理やり連れても行ったが…というのは、関西の人に関東の代表的なアルパインの練習場を知らせないのはおかしいと思ったからだが…

猫の頭ほどもある懸垂支点を見て、「こんなの信用したらあかんで!!」と彼は叫んだのだった…

それで、ビックリ仰天したのはこちらで、その懸垂支点、これ以上ないぐらい、がっちりしているからなのだが… 無いと下界に降りれない…。(三つ峠は歩いて上に抜けれる)

さらに彼曰く、登攀が簡単なので面白くないのだそうで、支点がボロく登攀が簡単=登るに値しない、という価値観を伝授されるようになったような気がする。

彼と登り始めたころから、フリーの難度のほうが楽しいと感じるようになったため、私も三つ峠に行くことはすっかりなくなってしまった。フリー=安全、という思い込みが生まれたのも、このころだ。

■ 岩場に行く前にビレイもプルージックもできたけどな…

その前の先輩は、岩田さんで、岩田さんと登っていたころは、月に一回の小川山もうでという感じだったが、私は全くの初心者なので、トップロープでもボロボロだった…

が、この時は、すでにセカンドで登れなくなったら、自主的にプルージック登攀…スリングを二本出してきて自力でトップのところまで何としても行っており… ビレイも出来ていたので… 技術的にどうこうというよりは、登れなくてかわいそうな子、という感じだった。

プルージック登攀はこうですよ…とかは、どこで教わったっけ? 

山小屋バイト中に、毎日練習していたのは覚えているが、プルージック登攀については、学習する会を、地元のガイドさんに講師してもらって、自分が主催したのだった。

ので、具体的には、プルージックを教えてください、というリクエストをそのガイドさんにはしたが、資料を作り、人を集めたのは、私のほうだ。お金儲けしたのもその人。

■ 理解力=受け取る力次第?? 

結局のところ、クライミングの理解力というのは、受け取る力、なのだろうか…?

どうしたら、安全にジムクライマーが外岩に行けるようになるのか?

私にはまったく見当がつかないな。

そういう事例をまだ一件も見ていないからかなぁ…。

周囲を見渡しても、登山から入った人しかいない。そういう人としか、岩場に行っても楽しくないから…なのかもしれないが…。

だからと言って、ジム出身のクライマー(主にボルダラー)を岩場から押し出していいということにもなるまいが…。

■ 草野さんのトーク

下記のリンクでは、草野さんが新しい時代の人を教える文化がない、ということを話している。

登山出身の人が持っているような、自然を大切にしましょうという心、を学ぶ機会がない、とおっしゃっています。

テクニックの話ではなく、理念、考え方、あり方、ということが核心化している。

テクニックなんて覚えようという気になったら、覚えられるようなものだと思う。というか、覚える気にならなければ覚えられないというか。

草野さんレベルの人が、ジムクライマーをどう的確に外岩クライマー化したらいいのか、分からないのだから、経験の浅い私で分からなくても、普通の事ですね…。

ただ、変化は、よそ者、邪魔者、馬鹿者、から…と言いますから、誰か若いクライマーが、これだ!という方法を発見することができるかもしれません。

ともかく、雨後の竹の子のように、多くの人が外岩に行きたがっているというのは、ほんとうです。

■ 子どもはずっと外岩だけで育つ方がいいかも

私は、子供へのクライミング導入もしていますが、中学生くらいだとロープワークを、目を輝かせて学ぶ子もいます。

そういう子供は最初から外岩で教え、インドアジムは要らないかなぁ…と常日ごろ思います。

ジムの壁って、後からいくらでも登れる。一方、外岩の岩の機微を覚えるには、若いほうがいいです。外遊びのほうがリスク感性もついていいのではないかなと…。

森の幼稚園の先生など、子供は自分でリスクを避ける、と言っていました。私も3歳児や5歳児を連れて山に行ったことがありますが、子供のほうが大人より、慎重です。

もしかしたら、青年のクライマーは、子供時代に身に着けた慎重さ…をどこまで、外せるか?どこまでボールドになっても自分は大丈夫なのか…それをテストしたくて、外岩にくるのかもしれませんね? その時、それは危ない、とか言われたら、むかつくかもしれませんね?

■ 大人のジム出身クライマー

さて、子供はともかく、すでにジムで登っている若い男性が、安全に外岩にデビューするには?ということになりますが…、山岳会はすでに高齢化だし、ジムはインドアしか指導できないので、消去法で、やはりクライミングガイドに着くのが良いのではないかと思います。けっこう高額ですが、大人は、お金払えますよね。

■ 一緒に行ってもモチベーションが違い過ぎて楽しくないのでは

私も教えてあげることはできますし、やぶさかではないのですが、

 私の方が一緒に行っても、きっと楽しめない…

と、傍と気が付きました…。というのは、何を楽しいと思うか、違いすぎるからです。

羽目を外すことを楽しいとは思っていない…

私は集中してゾーンに入るのが楽しいので…。

きっと、清高さんも青ちゃんも、私と同じ状態で、だから、”若いクライマーに教えない”という批判を浴びる羽目になってしまったのでしょう…

誰が悪いのでもなく、単に、一緒にいても楽しくない、若手も若手で思うし、高齢者のほうも高齢者のほうで思うし…互いに危険が増えて、安全が増えない…。

羽目を外したい若い男性をずっと見張っていないといけないので、教える側は苦労が多く、逆に若い男性の側は、本来しなくていい、相手の心配、荷物を持ってやらないといけないとか、持病で倒れないかだろうか、とか…。互いに、Lose:Loseの負担増の関係性になってしまう。

頼れるリーダー年齢層、ジャンボさんみたいな40代50代の人…は、一般に山岳会では、ほとんど存在しない年齢層だし…

というので、なんとなく、”教える人がいないし、学ぶ場もない” ことが、なぜ起きているのか、3者のトークを聞いて、分かったのでした…

https://anchor.fm/rainymonkeysradio/episodes/9---24-e191s7g/a-a6o2p4o

私には重すぎる荷なので、荷を下ろすことにします。

2022/04/04

世界的クライマーのトークが聞けるサイト 横山ジャンボさんのトーク

こちらで、ジャンボさんと倉上さんのトークが聞けます。

 https://rainydaymonkeys.sunnyday.jp/2021/10/26/%e3%80%90%ef%bd%b9%ef%be%9e%ef%bd%bd%ef%be%84%e3%80%91%e6%a8%aa%e5%b1%b1%e5%8b%9d%e4%b8%98%e3%81%95%e3%82%93%ef%bc%88a-k-a-%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%9c%ef%bc%89-2-3/

10mのランナウトをぐんぐんリードできる奴=佐藤さん

15kgのバックパックを背負って登山靴で同じところをリードと同じスピードでフォローできる能力=ジャンボさん

”それぞれが足りないものを集めて、一つのクライムを作り上げる、というのが、横山さんのアルパインで、20年やっている”、そうです。

■ どうやって出会うか?

地方に散らばっていたら難しい…。→ やっぱり小川山ですかね? やっぱり甲府かね??

エンベッドもできたので引っ張ってきました。


■ 惹きつける磁力とは?

インスパイアされる先輩が信大時代にいたそうです。周りの人間に助けられて今がある、とおっしゃっています。

若い子でアルパインやりたい、ビッグウォールやりたいという人がいるけれど、頑張って能力もあるけど、いいパートナーに巡り合えていないという人も散見する…お互いに高めあってヒマラヤに行くというのも、すごく大事な要素だ、とおっしゃっています。

■ 世界のどこがおススメか?

けっこうベタなところが多い…パタゴニア=エルチャルテンしか知らない、フォンテンブロー6回行っている、7Aくらいを楽しく登っているだけ、室井さんにフォンテンブローで会った。見たことがあると思ったら室井さんだった。→ 面白い逸話でした(笑)。

フォンテンーヌブロー=産後の復活に好い

って、出産後に良いらしいですね!私も行きたくなりました。7~8級がとっても楽しいのだそうで…。今の私に必要なのは、ここですね!

フォンテーヌブロー=山のためのトレーニング、数を登るマイルをこなす、サーキットトレーニング。

→ 湯川 15m ×7 回 を思い出した…湯川でアイスを登っていたころ、短いので降りないで、連続で回数稼いでいたことを思い出しました…

(※ランナウトの岩場でも構わないですよ! なんせ登りたいのボルダーなので)

2022/04/03

上級クライマーの教え方 × 高みへのステップ

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宇宙全体の中で、あなたがやるようなやり方というのは、他の誰も真似することは出来ません。

あなたが表現しているようなやり方は、今まで誰もやったことがありません。

今もいません。これからもいません。

ですからあなたは、いわば多面体の水晶の一面みたいなものです。

自分で意識していなくても、あなたの生き方から周りの人はすでに学んでいます。

宇宙というのは、全然意味のないことはしないのです。

偶然もありません。

あなたが生きているということ自体もそこに理由があります。

そして、あなたが人と交流する時、相手から学ぶのと同時にその相手にも学ばせているのです。

バシャール

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■ 9時間前の佐藤さんの投稿

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佐藤 裕介

9時間前  · 

こちらも随分と告知が遅くなってしまったROCK & SNOW 095。ここで昨年行った瑞牆開拓、ルート紹介と現人神(5.12b)のオンサイトなどについて書きました。

なんだかクサイ紹介文ですがロクスノの物をコピペしました↓

瑞牆 復活と再生 十一面岩マルチピッチ開拓の日々

初級から最上級まで、無数のマルチピッチルートがそろう瑞牆山。2021年、そこに新たに5本のルートが加わり、さらに2本がフルレストアされた。開拓再整備を主導したのは佐藤裕介。3年前、パタゴニアでの事故で瀕死の重傷を負い、どん底を味わった彼の再生の地となったのが、ここ瑞牆山であった。

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https://www.yamakei.co.jp/products/2821906340.html

■ 弟たち…

元彼のデイビッドがアメリカから持ってきたマッキントッシュSE30をついに処分しました。リネットジャパンから、処分報告が送られてきた…。まるで、”私のサンフランシスコ”が、終わったような、そんな寂しさが…。

日本から出たい出たいと思って大きくなり、15歳で留学先を見つけてきたのに却下され、やっとめぐってきた機会を掴んだのが、カリフォルニアでの就労でした…あの時代が一番楽しかった…最も幸せな日々でした。二日働く以外は、ずっと、教会でホームレスに炊き出しのボランティアをしたり、エイズ基金のための古着屋でボランティアしたり、アンティークショップを訪ね歩いたりし、町の中のカフェで英語を勉強していると、どれどれとおじさんが助けてくれたり、自分のクラスに混ぜてあげるという大学生とか、隣のおねえさんが友達になってくれたりとか…、そうして英語を学びました…。自分で考えて、そうするのが生の英語を学ぶことになると思って、わざとやっていました。

サンフランシスコでは、6回引っ越したんだよなー。懐かしい土地、サンフランシスコ…まさしく、青春の町。ゲイの家はひどかったなー。レズビアンの母子家庭に部屋を得たときは、恋人のデイビッドと二人で行ったので、嫌じゃない?と聞くと、ヘテロの人たちの在り方を娘に見せたいのだ、という話でした…。気に入っているカフェは、ガンショップの隣で、レズビアンがやっているカフェだった。デイビッドが私を心配して、小銃を持たせてくれたこともありました。私がさらわれそうになったからです…。私は体、小さいのでさらうの簡単です。

コロナ時代になり、日本にいても、LGBTの人たちをどう社会に含めるか?というような話がどんどん流れてきます。

だとしても、日本がアメリカに追いつくのは30年では足りないよう… なので、やはり、自分だけの幸福、を考えていたら、あの時点でアメリカに残っていたら良かったな…とか、思わないでもないです。ま、思ったところで、仕方がないんですけどね…

大学が2年残っていて育英奨学金を返済しないといけないという現実があったとしても、私が思想的に全く合わないと分かっている日本という国を選ぶことは、逃避という選択肢だったのか?

でも、どんなにあほな奴でも、弟のほうが可愛いですよねぇ?そんな気持ちです。どんなにしょーもない奴だと思っても、家族だし、みたいな(笑)。

それが私が持っている日本の男性、日本の因習に縛られた社会、日本の登れる方が上とか思ってるアホクライマーに対する気持ちです…

九州の人からは、「え”ー、君がクライミングパートナーにして、怖がってきた人って山梨時代の先輩じゃん、俺らかんけーねー」という声が聞こえてきそうですが…

そして、それは全くその通りなのですが… 

彼は、山梨では、元から持っているイケイケな資質…男の子は、過信しがち…と子育て本でも言われてる過信という資質…を上記の佐藤さんのような人たちの在り方を見ていることで、予防されていたのでした…。”やらかしそうだから、気を付けてやってくださいね”というのが、彼と組む場合に言われることでした。

そう…やらかしそうな人は、みんなで見張っているのが、山梨のクライミングでした…おもいやり、というわけです。命を守るために、見張っている。

実際彼にも、ショートでカムでロープスタックさせたりしていると指摘してやっていましたが、返事は、「えー、なんだよ」ということで、事の大きさが分からない様子でした…だから、インスボンまで連れて行って、私の師匠と無理やり組ませたのです…。彼は何年もヨセミテにトライしており、その様子を語らないところを見ると、全然、登れていないのでは?と思えたからです。何しろ、普通の5ピッチ程度のマルチでも、卒なくは登れていないのに、”登れた”と合格点を出してしまう…過信してしまうような子なのです… でも、どう考えても、そのまま指摘して聞き入れるか?というと?聞き入れないので、

在り方で示す

しかありません。それでインスボンは私が怪我をして、歩くのも、やっとな状態でしたが無理をして連れて行きました… たぶん、それでも師匠のロープさばきから、彼が得るべきものを得たか、は疑問ですが…。

こうした思いやりの連鎖…がない…のが、九州でした…。

なんというか、みんな、自分が登れる奴であることを証明するので一生懸命?

誰も相手の命を守る義務があると思っていない…。それどころか、こんなのすら登れねーのか…とか、落ちろよ!とか…

…なのに、結び替え一つとっても出来る人いないし、ビレイは超懐古調で危険だし、ボルトは40年前だし… 簡単なところではセルフは要らない、とか言っているし…。

ひえ~!そんな”あり方”で登っていたら、事故が起きるのは必然です… まるで事故を起こすためにやっているかのようです…(汗)。

それでも、怖くない、というのが、かっこいいと考えられているようで、その文化的土台が、もともと九州生まれの彼の資質とマッチしてしまったので、せっかく山梨で作ったブレーキが外れてしまった…

さらに言えば、彼の元々持っているクライミングカーストが有効化されてしまい、俺の者は俺の物、君の者は俺の物…で、私の新品のロープで、自分のオンサイト課題を登るし。

俺が登りたいところは俺は登る、君が登りたいところは君が登る、ということで、私の課題のビレイは誰もしてくれなかったのでしたし、君が見つけたクライマーは俺の者、で、パートナーも同じことでした… 

というか、私は、ただのもっといいクライミングパートナーが見つかるまでのつなぎ、として使われていただけだったのです。私はビレイが確実なので、山梨時代から、困った時しか来ない人でした…。

そういう風に利用されたな…という悲しい思いがありますが、私は早くに弟を亡くしており、年下の男は全部、弟にしか見えない… ション便垂れの…泣き虫の…

アメリカから帰ってきたときと同じ気持ちで、それでも、やはり、日本の人のために、何ができるか?と考えてしまうのです。たとえ、利用された、にしても。

■ 高みへのステップ

登山研究所の 高みへのステップ が37年ぶりに改訂されたそうですが、福岡の岳連のサイトを見ても、その旨リンクが張られている様子はありません。そもそも、やる気の減退から、存在しない感じな福岡県の山岳組織。

https://www.smsca.or.jp/2717/

リンクはこちらです。

UIAAの『登山総合技術』はこちらです。

https://www.yamareco.com/modules/diary/1884-detail-221761

九州では、年配の人は、もう、教えられる年齢を通り越して、引退や隠居というレベルです。

高みへのステップは、37年ぶりということですから、そうしたベテランたちがサボってきたというよりは、国そのものも、サボってきた…若者を見捨ててきた…ということで、

集団サボタージュ、

ってことです。日本では、赤信号はみんなで渡れば怖くない、ということになっていることの証明です。

なので、みんなに合わせることは、時に間違いを平然と犯すということになります。

それは、クライミングにおいては、死を、時に意味します。

みんなが出来ていないから、自分もできなくてもいい、というのは、特にクライミングでは、全く、当てはまりませんから、各個人で、自分で勉強しましょう。

私自身は、そうやって、やってきました。


2022/04/02

プロテインを何で溶くか?

 ■ それぞれの特性のまとめ

プロテインがアスリートに必須の栄養素であり、粉末プロテインの導入は、避けれないことですが…その場合、何で溶くか?という問題が残ります。

候補は、牛乳、豆乳、アーモンドミルク、オートミルク、その他の代替え乳、となります。

牛乳…乳糖不耐症のある9割の日本人の体質に合わない可能性が濃く、常用はアレルギー発症の可能性がある(カゼインアレルギー)。下痢をすることで分かるが、アレルギーテストでも分かる。

豆乳…イソフラボン過剰の可能性がある。特に男性アスリートにとって好まなくない可能性もある。

アーモンドミルク…豆乳の代替え乳として有力だが、何しろ手に入りにくい。アーモンドのアレルギーがある人には向かない。ビタミンEが豊富。若返りのビタミンです。食後血糖値の上昇を抑える作用があります。

オートミルク… 食物繊維が1.2㎎と豆乳の0.4㎎と比較して4倍。アーモンドミルクの食物繊維0.5㎎と比較しても倍以上。水溶性食物繊維のため、腸に負担がない。

その他の代替え乳… 例としては、甘酒。実際、グリーンスムージーを作る人などは、どのようなものでも、液体であれば、代替えに使ってしまう。例えば、バナナを入れると糖質を補給することができる。

水… 基本的に無害。

…以上を踏まえると、目的によって使い分ける、ということが、有効な選択肢になる。

■ 目的別使用法

運動前後の糖質補給… 糖質の多い豆乳やアーモンドミルクで溶いたプロテイン。

糖質が欲しくないとき…水で溶いたもの。

食事内容から食物繊維を補給したほうが良いと思われるとき…オートミルク。

寝る前…トリプトファンが取れる牛乳で溶いたもの

■ プロテインのお供

プロテインのお供は、VCとBコンプレックスです。ので、もしスムージーにするなら、冷凍イチゴなどのベリー類とガーっとやると美味しくて一石二鳥かもしれません。

食品からとるVCは量的にそう優位な量が取れるわけではありませんので、メガビタミン療法中は、やはり、タブレットでの接種は必要だと思いますが、食品からとれる、というのが、本来の理想の形ですので、水溶きプロテインの味気無さを回避する意味でも、冷凍ベリーはおススメです。セブンでも買えますし。

そういえば、ワールドカップの選手の方で、セブンで定番のおやつは、

 枝豆

という方がいました。

アスリートには、タンパク質をどうとるか?というのは、非常に重要です。採らないと、筋肉量を落としてしまいます。死亡より先に筋肉が落ちるというお約束です。



ランナウトとか、ルートの状態とか、古い残置とか

 今日、回ってきた佐藤ユースケさんのFB投稿。

ーーーーーーーーーーーーーーーー 引用ーーーーー

パキスタントレーニングその2 瑞牆トレ

3月21〜22日

雪予報だった為、なるべく降る前に登ってしまおうと急遽夜集合。全員ほぼ徹夜で登りだすことに。

23時ゲートを出発。

先ずは、調和の幻想。この頃は5本程継続したいなと思ってました。

取り付き前から雪がチラつき、雪はどんどん本格的になってきて最終ピッチを登る頃には完全な冬壁になってしまった。この手のクライミングとしては近年稀に見る真剣さでなんとか登り切ることができた。当たり前だが雪の壁はとんでもなく滑り本当にアイゼンが欲しかった。いつもは駆け上がるように登る最後のスラブはランナウトするので特に恐ろしく、積もった雪を丁寧に払いながらジリジリと何度も逡巡し恥ずかしい事に何度も吠えながら登ってしまった。内容というか登っている際の実感としては10年前毎週実践していた明神などの本気冬壁のようだった。この手のクライミングから離れていた期間が長く自身の実力不足が浮き彫りになったと思う。落ちてはならない状況で吠えながら突っ込んで行くのは恥ずかしいことです。「10年前はもっと冷静に忍耐強くジリジリと確実に進んでいたのでは」と思ったりしたが、あの時はアイゼン履いてたし、ちゃんとした冬グローブもしていたので単純な比較はできない。シビアな状況でも冷静に確実に登って行く力を夏のパキスタン遠征までに身に着けて行きたいと思っています。

最初は継続するつもりだったが、調和の幻想の終了点で「流石にこれ以上は無理」と撤退決定。怪我しない内に下山しよう。

振り返れば結構頑張った一日だと思う。(昨日のフリークライミングと合わせるとニ日間か?)

反省点、改善点も様々に分かり良いトレーニングとなった。

夏のパキスタン遠征向けてトレーニングを積み重ねたい所だが、私はヒマラヤの沢(ネパール)へ行くため20日間のお休み。

他のメンバーには申し訳ないが、二人でトレーニングを継続してくれるようで心強い。再び瑞牆で進化した二人に会えるのを期待しています。

ーーーーーーーーーーーー

という投稿があった…。 

ランナウトで燃えるぜ!クライマーの比叡の人が見たら、一体どういう感想を持つんだろうか?

まぁ、私も、普通にランナウトにはきっちり”燃えて”対応してきたが、だからと言ってそれが、ありたい自分のクライミングの姿とは思えなかったなぁ。

仕方がなくてしてしまうランナウトには耐えなければ、ただのヘタレだけど、手間を省いただけ、と粋がりのためのランナウトって…だたの馬鹿っぽさ、にしか感じられないのだが…。 

■ 役目を果たしていないボルトって何のため?

ランナウトの正当化のためにミニマムボルトとかを持ち出して正当化するなら、いっそボルトを抜いたらどうかと思うんだが。

なにしろ、命を守っていないボルトって、プロテクションとしての機能を果たしておらず、それこそ、無駄の極みなので…。

信用のならない古いハーケンが、錫杖とかのルートでは抜かれたそうだが、同じことで、どうせ信用できないものをおいておく必要もないのではないだろうか? 

実質的な意味では、完全にフリーソロと同じ意味になってしまうところに、残置ボルトや残置ハーケンがあるせいで、気休め、みたいな効果がでてしまうくらいなら、さっぱりブランクにしてしまって、ハーケン持参、カム持参の人しか、来れなくしてしまえば、誤解も無くなろう、というものだ。

それとも、ルートファインディングのお助けのために、残してあるのだろうか…

 初見でリードなのに、全装でザックごと登らされて驚いた日… 初対面でまさかでした


■ 参考…まぁいいけど…な記録

九州で一回目のルート https://allnevery.blogspot.com/2021/12/blog-post_11.html

ニードル https://allnevery.blogspot.com/2018/04/blog-post_88.html

大長征 https://allnevery.blogspot.com/2018/04/blog-post_42.html

白亜スラブ https://allnevery.blogspot.com/2019/03/blog-post.html

失われた草付 https://allnevery.blogspot.com/2019/02/blog-post_11.html

2022/04/01

紙のトポ=地元とのつながり…小山田発言

昨日回ってきた記事です。私も、紙のトポのほうが良いと思います。携帯のトポは、電池切れたら、見れませんよね?

PDFでトポが回って来ても、印刷して岩場に持って行っていましたけど…

ーーーーーーーーーー 以下引用 ーーーーーーーーーーーーー

 正直、またか、、、という感じである。

自分が関わったエリアで紙媒体のトポを廃止して電子化するという話が持ち上がった。

僕がなぜ電子化を嫌がるかという理由は以前ここで書かして貰った。

賛同して下さる方々のコメントを多く頂き、紙トポを続けていこうという気持ちを保つ励みにもなった。

それなのにだ、これは時代の流れとして変わらないといけない事だと諦めるしかないのだろうか?

笠置のコンビニには本になったトポが置いてある。

初めてそれを見た時に地元とクライミングがちゃんと繋がっているようで嬉しかった。

たぶんクライマーでない人も目にするだろうから「この辺りはこういう事が出来るとこなんだな」とか知る事だって出来ると思う。

地主さんと土地利用に関する交渉をする時もいつも本になったトポを見せて「こういうガイドブックを作って公開します」って説明したしてきた。

これからはそういう時に携帯出して携帯の画面を見せるのか?嫌だな。

こういう事もあった。地主さんにプレゼントしたトポ、その後何年も経ってお会いした時に見せてくれた。

「まだ持ってるよ」って言ってくれて嬉しかった。

なんか、ちゃんと形がある物ってそういう血の通った付き合いが出来るような気がする。

地元のおじいちゃんおばあちゃんにアプリ入れてダウンロードして、、、ってウチの親とかでもまず無理だ。

まあ、クライマー界がどんどん内向きになって開拓する側がクライマーだけに発信出来ればいいやーってんならそれでいいけどね。

僕はコンビニにトポが置いてある光景が好きだから嫌だけど。

なんか何でもかんでも電子化電子化っておじちゃんはついていけません。

簡単便利携帯一個で何でも出来ますってか。

そのうち「まだ本物の岩とか登ってんすか?VRクライミング楽しいっすよ、危なくないし」とか若者に言われそうで怖いわ。

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           タイの友人が作っているタイのトポ



繋ぐ壁


ジャンボさんの登りと倉上さんの登りは同じトラッドを登っていても、全くスタイル違いますね~!

アルパインでスタートした人の丁寧で細やかな足遣い…ジャンボというくらいなので、体格の大きい横山さんが、あんなにも丁寧に足を拾っているのを見ていると、なんだか私がパワープッシュしないことを正当化されたような?そんな応援が聞こえたような気がしました…。

一方の倉上さんは、若者らしい登り。ボルダー出身だけに、ぱっぱと登る。ボルダーってトリッキーって言うのはあまりないんですかね?登りやすいように足を戻すより、体幹の強さで無理な体制も保持してしまうって感じですね。

あ、登りの話ではなく、繋ぐ壁… ローカルから、世界に開かれた岩場っていいな!って思いました。

私がしたいこととも同じです。クライミングは、クライミングそのものが、一種の言語です。マルチなどのクライミングシステムもそうだし、ショートで登る場合も、大体やることは世界共通です。

私はバレエを習い始めてすぐにアメリカに行ったので、アメリカでもバレエのクラスを取っていましたが、日本では、小学生の女の子しかいないバレエクラスに、普通の趣味のおばさんや時にはおじさんまで、老若男女、誰でもが気軽にとれるのがバレエのカリフォルニアでの姿でした… 

日本でも、大人のバレエは、一大ブームになりましたが…参加したのは女性ばかりで、男性は女の園を遠巻きに眺めているだけですが…

その性差を入れ替えたのがクライミングかもですね… 海外では男女ミックスで踊っているバレエクラスも、日本では女性だけの活動のように、海外では男女ミックスのクライミングも日本では男性だけ…マッチョさを発揮しすぎているためか、どちらかというとマッチョに自信がない男性を軽快させて、遠ざけているようで、私の夫など、出来れば参加したくない、と思っているようです(笑)。

それも、これも、楽しむ、ということが、後回しにされた結果のように思いますね…

外に開かれた、オープンでインクルーシブ(多様性重視ということ)なクライミングが広がっていくことを願っています。

2022/03/31

8000m峰の登山は内容から見ると高尾山ハイキングのレベルの登山でしかない。

■ 8000mは高尾山でもすごい人

こちらは長野県の山岳協会の資料です。

http://www.nmaj.org/branch/sonantaisaku/text/004.htm

■ 3mから落ちても非常に危険
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墜落する物体は、重力の加速度Gによって、落下距離が長くなるほど、スピードをましてゆく。たった3mの墜落で27.6kmに達し
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■ 中間支点の間隔 は 最初に頻繁にあとから遠く

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最初の2mは墜落せずうまくランナーを設けたとしたら、落下率0.3にするにはその次のランナーを35cm登ったところで設け、その次のランナーは41cm、その次は49cmで設けなければならない。

実際そんなに細かくランナーを設けて登ることはできない。落下率を小さくするようにプロテクションを構成することができない実際上の大問題がここにある。

仮に、ザイルが20mほど繰り出され、そこにランナーを設け、次のランナーの位置はどの位になるかを計算すると、20mのランナーから3.53m登ったところに設ければよいことになる。

つまり、同じ落下率0.3にするには、登り始めは細かくランナーを設け、高く登るにしたがってランナーの間隙をあけることができる。

ただ、心理的には、登り初めは大胆にランナーの間隙をあけ、高さが増すと恐くなってランナー問を詰めやすい。落下率から言えば、登り初めは細心に細かくランナーを設け、登るにしたがってランナー間隙をあけてもよいことになる。等間隙でランナーを設けていれば、墜落距離は同じであるので、ザイルは長く繰り出され、登るにしたがって落下率は小さくなる。
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太字は、私がいれたところですが、これがボルトクライマーには理解されないことなのかもしれません‥‥。

私はアイスでスタートしたので、最初からプロテクションを打つことが前提のクライミングしかしたことがありませんでした…ので、

 最初のほうが危険で、後に行くほど安全になる、

というのは常識でしかありませんでした。


こちらはトラッドの課題ですが、トラッドでも一番最初の出だしが、もっともプロテクションの設置に気を遣うところです。

下では落ちれない…という感覚です。上になれば、別に落ちても、びよよんとなるだけなので…。まぁ、カムが連続3個外れました、って人も知っていますが…

 
登った後のカムの配置を見て、振り返っているところ。これで良かったかどうか?ということを、登るたびに振り返ると、ちゃんと自分で適切なところにカムが打てるようになります。

5本しか入れていないですが…標準的かなと思います。なにせ日本の岩場は、小さいので、支点を節約するということは、現実的でないです。

上に行けば行くほど支点が節約できる、というのが、論理なので…。

2022/03/30

アレクサンダーテクニーク 骨による動きの身体技法

■ アレクサンダーテクニーク

12,3年ぶり。ブラッシュアップ。バレエは19歳から38歳で山梨に来て継続不可能になるまで続けました。バレエで最終的にたどり着いたのが、アレキサンダーテクニークでした。

筋肉ではなく、骨、で動きを作るので、無駄な力が入らないのです。

登山で役に立った。

■ 事例

筋肉ではなく、骨で動きを作る。

例えば、頭はどこから始まってどこから終わるか?という自己認識(マッピング)は、解剖学的な真実とマッチングしていない。

頭というと、なんとなく頭頂部からあごと思っているわけだが、実際には頭蓋骨は耳の当たりで終わりで、後は下顎はぶら下がっているだけであるので…頭蓋骨の終点となると、鼻の下端になる。

それを分かって動かすと、動かすときの、動きの支点と終点が変わり、腱やら筋やらに、無理のない動きを実践することができる。

■ あの筋肉を使うな、この筋肉を使うな では動けなくなるので‥‥

これは、元々バレエのアンチテーゼとして始めたんだよなぁ…バレエの伝統的な教え方では、これをやってはダメ、あれをやってはダメという禁止令で縛られて、結局、身動きとれなくなることが多いからだ。

ただこの体の使い方…骨による積み上げ式…をクライミングに応用するのは、なかなか難しそうである…。

というのは、クライミングの大多数の男性…トップクライマーではなくて、一般男性クライマー…趣味でスタートした人たちの主要なニーズは、基本的に、日常生活で、ほとんど出番がなくなった筋肉…マッスルパワーを100%使い切りたい、使い切るのが快感だ!というニーズだと思われるから。

■ 骨による登攀

アレクサンダーのような骨による登攀というのは、上級のトップクライマーで、筋肉低下をすでに体験している人が、このままの登攀グレードを維持しつつ、筋力依存なしで登るための技術ということになりそう…

そのような人は国内で一握りの人ということになりそうだ…

例えば、首をむち打ちをしたときにどう登り続けるか?とか…どこか、体に筋肉の拘縮があるような場合に、どう新たな体の使い道を作り上げていくか…とか、そういう場合に役立つと思う。

一般のレベルの人には、こんな繊細なレベルの身体感覚は、単に必要とされていないだけでなく、繊細な使い方ではなく、おおざっぱな使い方、パワープッシュによるオールアウトがそもそもの目的なので、まどろっこしくてやってらんねーなるだろう…

というので、必要とする人は限られると思うが、切実な人にはかなり切実という技術を思われるので掲載。

https://www.atdance-lesson.com/

クライミングも、パンプしてから上手に登れるようになる、と保科さんは言っていたしなぁ…実際、力が抜けたクライミングができるようになると、何十メートルも登っていけそうなハイな気分になるものであり、そういう気分は爽快だ…それに見合うロングなルートが国内岩場にあるか?というと、日本の岩場はロングではなく、みじかしい系が多いので、どうしても一気登りになりやすいんだよなぁ…

アレクサンダーテクニークは、疲れないで長く登りたい人向けです。

上級クライマーの世界観

■ その土地でできる最も良い活動を…

私のクライミングは、仕方なく行った山梨で

 山梨にいるかぎり、それが山梨という土地柄をもっとも楽しめる活動だから、やってる、

っていう風に位置付けていました…ので、土地が変わったら

 福岡では福岡でしかできない楽しい生活

を見出す気でいました…。

■ 運命に導かれて九州の事情を知ることになった

なので、最初の一年は、特にクライミングは頑張っておらず。師匠に遭いに長野まで出かけたりしていました。小川山で皆さんお久しぶりねクライミングなどをしていました。クライミングは年に一回のご褒美でいいか、と思っていたのです。

しかし、どういう運命の流れか、前の会の先輩が引っ越してきた。ので、2年目と3年めに岩場巡りをすることになりました。

そもそもクライミングをしないなら、しないでもいいか、ということだったので、特に登りたい!落としたい!みたいな課題があるわけでもなく、岩場にトポが置いてあったり、結び替えしないでロープ直がけがローカルルールだと言われたり、岩に人工ホールドが付けてあったり…と色々と小川山と違い、お目目まん丸…ということで、”JFAが見たら卒倒するね~”とか言い合っていました。

九州の事情が分かるようになったけど… 

 一体、それは何のため?

■ 意味は作るもの…

私は、意味とは自ら作るもの、と思っているので、色々と努力はしてみました。

八女、八面、長崎大村、色々と働きかけをしてみましたが、どこの岩場も動きが出て、良かった…と思います。

元JFAの井上さんも来てくれて、正しいボルトの解説を若い人にしてくれたし…。

あれは、ホントにうれしかった。

外岩クライマーのためのボルト知識:https://docs.google.com/presentation/d/1U9wQmwuxk38fPiqBEebrRldWjNLj3wlh3kpgE-jLmKY/edit

■ 時差が…

が、頂いた縁を次に繋ぐ人がなかなか現れず…。すごく困っていました…。

ほんとにどういう風に、頂いた貴重な縁を

 意味あるもの、

にしていくと良いのやら…と、途方に暮れていました。

今回、なんとなく繋がれたというか、私の目指したい方向性と同意してくれるクライマーがいたので、ホントにうれしかった。

■ 上級クライマーの世界観

九州では、私だけが分かっていて、みんなが分かっていない、ある種の側面がありました…。それをとりあえず、

 ”上級クライマーの世界観”

と呼んでおこうかと思います。

私はラッキーなことに、最初から、上級クライマーの世界観に接して登れたのだと思います。

■ 事例

山梨では、ジムのお兄さん、が、室井登喜男さんでした。ある時、5級の課題の中でどうしても私が登れないのがあり、相談したらあっけなくスタンスになっているフットホールドを捨て、好きなの使っていいよ、と言われました。あ、なんだ、そもそも届かなければ無理って話、とすぐに分かった。絶対に同じのを使わない限りダメとか、そういうのがないのです。九州の人は、ジムのセット=神のように絶対、と思っていると思います。

クラックは菊池さんと故・吉田さんの講習に行っています。菊池さんは、元々は講習生が結び替えができないと怒鳴って怒るくらいの怖い先生だと聞いていたので、行く前に結び替え練習をバッチリしてから行きましたが…山梨では、もともと公営の人工壁の使用者試験に結び替えが含まれているので、出来ない人はいないです… 一方こちらでは、結び替えを分かっている人のほうが少ないくらいな様子です…知らないのが当然視されている。

故・吉田さんは、歴史に残るクライマーです。特に何を教わったかな?という感じではありますが、講習に使った、クラックボルダーにはロープが掛けてあり、ボルダーだからマット、みたいな自動思考はなかったので、最初から、思い込み、という害がない状態でした。

こちらでは、ボルダーでロープ出していると非常識人扱いされそうです。

■ 九州でのアニキは、田嶋一平さんですよ

そういう”恩恵”に普通のクライマーは、浴してこなかっただけなのではないか?とは、思いますが…九州ではホントに嫌な思いばかりが続きました…。もう嫌…って感じ。

私は岩場に行く前から、当然ですが、懸垂下降できましたが、懸垂だって、自分の意思で学ぼうと思って講習会に行き、なにもせずに、棚ぼたで降ってきて、ラッキーなだけの奴みたいな扱いをされることは、不当だと感じました。

初心者のころから仲間を集めて講習会を開くような人でした。

今まで、こちらに来てから、私の教えた新人さんで、私が新人時代に持っていた情熱を持っている人は、いまだに見たことがなく、むしろ、ギアを無心したり、そんな人のほうが多かったです…。

登るほうは、私は年齢や筋力の不利があるので、すごいものは登れませんし。(そもそも登りたいと思ったことがないが…)

海外に行ったのも、自分に必要なものは、これだ!とひらめいたからであり、”誰かに連れて行ってもらった”ことはありません。一回目のラオスから集合は、”現地集合”です。

どうも九州の人の場合は、何か特別なラッキーガールと思われていませんか?

■ 誰でも気軽にクライミングに接する世界

クライミングをスタートしてから、ずっと気にかかる嫌な面がありました。

クライミングしている人の優越感、一般のハイカーや登山者を馬鹿にする傾向…です。

クライミングは、たかだか、”遊び” です。

例えば、ポーカーが上手でも、それで人間が優れていることにはならないですよね。

熊本高校は、熊本県のトップ高校ですが、勉強ができることは優れた人間である、ということにはならない、とちゃんと学生に教えていたと思います。

なんで、低いレベルで、競い合いになるんだか…。

海外に登りに行って、海外のクライマーと登っていたら、そんなアホなこだわりを持っている人は、ほとんどいませんでした。競争社会、というのは、むしろ西洋の方が強いのではないか?と思われるにも関わらず…。

北海道で登っていたアメリカ人のクライマーのトニーなんて、私が嫌がっているのに登らされているのを見て、助けに来てくれたくらいです…

あるいは、台湾で一緒にマルチに登ったタオは、セカンドしてくれる?という聞き方でした…

ラオスで一緒に登った唯一の日本人のヒロさんは、私が6Aでテンションしてしまって、「すいません!!」というと、「おれらも延々同じことしているだけよ」という返事でした。

はあ~?これくらい登れよ!みたいな人はいない…。

なんせ、クライミングなんて、接している時間の長さだけの話なのです。若い時に接すれば、誰だって上手になってしまいます。

そんな程度のことなので、楽しく登ったほうが誰にとっても良いのです。

やっとそれを理解しているクライマーで、トップレベルの人がいました…。

私がもらってどうしよう…と思っているご縁をつなぐことができ、なんだか肩の荷が下りました…。

■ クライミングカースト 間違った技術も正すことができない

日本人は文化的に上位下達なので、(女性)×(小さい)という、クライミングカーストの最下層に属している私が、何を指摘しても、若い男子はスルーです…。

山梨にいたころの山岳会で、クライミングの下手くそなワタシより登れない男子が、とんでもなく遠く離れたビレイをしたので、危険だと指摘しても、そして、その指摘を周囲の複数の人がバックアップしたとしても、その指摘を受け入れないくらい、クライミングカースト上位の ”若い男性” の ”おごり” は、強大です…。 

その点は、師匠の鈴木さんも、青木さんも分かっていたようでした…。40年、50年と登っている師匠らですら、もはや11以下しか登れないため、クライミングカーストの下位に属しているので、自分より登れないような若い男性ですら、俺の言うこと聞かない、という経験が豊富だったようです。

そういう状況だからこそ、師匠らが私と登りたい、というほうが正しかったかもしれません…

■ トップクライマーになれば王様になれる? なれません

登れさえすれば、どんな横暴でも許され、みんなから人気の自分になれる…あるいは、誰からも尊敬される…注目の的になれる…そんなことは、ありません。

トップクライマーに聞いてみれば、そんな夢物語は、発生しないことが分かります。

トップレベルの人ほど、責任は重く、発言に非常に気を使い、誰のことをも馬鹿にしない発言をしなくてはならなくなります。手足を縛られるようなもので、自由に発言できることはより少なくなる。

菊池さんや中根さんなど厳しいことを言ってくれるクライマーは、評判を気にせず、発言してくれているということで、ありがたい存在です。

存在しない青い鳥を求めて高難度を登ろうと、お買い得課題を探すより、一般レベルの人は、エゴの声を手放して、みなで楽しく登る世界を作るほうが、どれだけ素晴らしいか、と思います。

そういう世界が、ラオスにはありましたし、龍洞で私が一緒に登った人たちも同様でした。

この緑のシャツの子は、フランスのセユーズ出身ですが、初心者でまだ私より登れない人でしたが、だからどうってことはない世界でした。左からフランス人、シンガポール人、アメリカ人で、誰が登れるか?競争している人はいなかったように思います。誰かがリードした後は、それをトップロープで登りたい人がいないか?聞いてからロープ抜くだけの話でした。

■参考

福岡時代の全記録 https://allnevery.blogspot.com/p/log-2019.html

ラオスのベストクライム https://allnevery.blogspot.com/2018/03/b.html

オスカーとトニーの思い出 https://allnevery.blogspot.com/2018/03/blog-post_19.html

台湾の思い出 https://allnevery.blogspot.com/2018/10/12.html

すべてのスタート https://allnevery.blogspot.com/2016/04/blog-post_25.html

アイス 伊藤さんとの初クライム https://iceclmb.blogspot.com/2017/03/blog-post_50.html

https://iceclmb.blogspot.com/2017/03/blog-post_17.html

2022/03/29

多分ベテラン扱いされている人もクライミングを分かっていないかもしれません

■ ベテラン扱いされている人も困っているのかも?

私がこう思うようになったきっかけは、

熊本の会の会長さんを、日本フリークライミングインストラクター協会の奥村さんのビレイ講習にお誘いしたところ、帰ってきた返事が…

「オリンピックのビレイヤーボランティアで講習に出たからビレイは確実なのでイラナイ」

という返事をもらったからです。

…。

”外岩のビレイ” と ”インドアのスポーツクライミングのビレイ” は、天と地と言っていいほど違います…(汗)。

  オリンピックのビレイ=わざと流して、大きく落とすビレイ…

そのようなビレイだけはしてはいけないことは、外岩クライマーの常識…なので…。

この返事をされてから、この方も、もしかして、ちゃんとは分かっていないから、教えられず、教えられないから、はてな?なクライマーばかりを私に振ってくるのかもしれない…と思い始めました。

■ はてなクライマー事例

文登研クライマー…アルパインの基礎を教わっているということで、もともとアルパイン出身の私と息が一番遭いそうでしたが、全然ダメでした… 私に車を出してもらい、おんぶにだっこで岩場に連れて行ってもらう立場なのに、自覚ゼロ…。少しも感謝されない。

なんでそうまでして、この若い男性と行くために、我が家の家計から、高額な車維持費を捻出せねばならないのか、と思ってしまいました…。

確かに私は、過剰に親切で、23歳東工大大学院生と登っていたころは、宿泊まで家に泊めてあげるほどの親切ぶりでしたが、それは、彼がちゃんと沢と尾根も見分けられるし、礼儀正しい若者だったからです。真摯な姿勢に好感が持てた。それに知り合ったのも、お互い雪山キャンプ中でしたし…。(それぞれ単独)

一方の文登研の彼は、運転100%お任せの癖に、「何やってんだよ!」みたいな口を利く人だったので、ビックリ仰天…。当時私は九州来てすぐで岩場も詳しくない。そんな失礼な目には、山梨では、あったことがなかったからです…。よっぽど甘やかされてきたとしか思えない口ぶりでした…。

この人には後に比叡で、ばったり会いましたが、ローワーダウンができないパートナーを連れており、30分以上岩場で膠着していました。普通はマルチに連れていく前に、先輩の義務として、懸垂下降を教えてから行くものです。懸垂くらい公園で教えられます。

私は長野県の山岳総合センターでは最初に懸垂を教わりましたので、懸垂は、初心者のころからカラビナ懸垂もできます。(なぜなら普通の初心者は確保器を落とすことが多いので、バックアップの技術が必要です)

というので、文登研でトレーニングしても、何の教育効果もないようだ…という観察結果になりました。

態度でかい…という印象第一号でした。

■ 小川山に連れて行ってあげた子

その次の子は、18歳で東京方面の大学に進学した子でした… 私と同郷者なので、特別に親切にしていましたが…

やっぱり謎でした…。小川山、行きたいのは分かるけど…九州からだったら、そりゃ憧れだし…。でも、外岩クライミング歴2年で5.12がオンサイト出来るレベルの人が、なんでトポを調べてこないのか、意味わかりませんでした。

しかも、ただのハイキングすら自分一人ではいけない様子でした… え”ー?! 

もう、私のいた山岳会にいたとすると、最初からメンツに入れてもらえる可能性ゼロです。

それでも、同郷の後輩だし、出身校も濟々黌と熊本高校は姉妹校と言っていい仲なので…色々と岩場を紹介してあげましたが、半人前だということを分かっていない。

なので、ホントに困りました…というか、かなり疲れました。車も出してあげてなので、ほとんど引率の先生で、この機会に、若い人をあまり甘やかすのはどうか?という反省をしました。

多分、現地に自力でたどり着けないクライマーはクライマーとは思われていないです、山梨では。

■ スラブで流して止めてあげる

それ以外にも、色々あった…スラブで流して止めてあげると言われて、ビックリ仰天したり…とか(汗)。スラブで流したら、大根おろしの時間が長くなるだけです…。

とはいえ、それは、そのベテランさん自身の無知ではなく、会の人の無知で、それはよくあることなので、あまり気にしないでいました…。

たぶん40年前の常識のまま、アップグレードされないで横流しで教えられるとこうなるのではないかと…。

なにしろ、九州ではジムのインストラクターがグリップビレイを教えているという懐古調でした…。

ところが、会長さんを奥村講習にお誘いした時、自分にはイラナイという返事だったことから、ふと疑問に…

■ ベテランと言われている方も、どういう経歴か表現されていないことが多い

私は、大阪の登山学校で校長先生をしていた青ちゃんと組んで登っていたのですが…最初の3日間は一緒に徹底的に、その辺の公園で、レスキューの勉強をしました。

彼は大阪方面では知らない人がいないようなクライマーですが、私は山梨のクライマーで当然、たぶん大阪のことは知らないだろう…と思って、上級クライマーである自覚がある、自分の方からレスキュー技術の共有を申し出てくれた、と思います。

その前の指導者だった清高さんとは、三つ峠の岩場で出会ったので、清高さんからは、議論を通して、クライミングの技術を教わりました。どこに登るのか?から相談ですが、登りたいと私が申告するルート…が、清高さんが初心者向きと判断するルートと同じだったので、師匠の試験に合格する感じでした。

ただ、私にも失敗はあり、初めて行ったアイスのルートは中津川滑沢で、登攀要素がない癒し系のアイスのつもりで行ったのに、清高さんは命がけクライムをする羽目になり(アイスが脆かった…笑)、帰りにほうとうを奢らされました…。このようなこともあるので、私も初心時代の無知には寛容というか、初心者は何が分かっていないのか分からないというのは、許せるというか…

ですが、ベテランです!と言っている人がベテランとは言えないような不合理な態度だと、どうしてなのかな?と思わざるを得ません。

信頼したいのに信頼してはいけないという葛藤…が生まれます。

そうした葛藤は、アクセルを踏みたいのにブレーキを踏むということになり、心の健康には非常に良くないかもしれません。

■ フリーだから、セルフレスキュー要らない は岩場次第

思えば、セルフレスキュースキルなしで、モッチョムで行き詰った話を聞かされた時から、ちょっとアラートを立てておくべきだったのかもしれません…

しかし、大きな会を率いる人が、まさか定期的なレスキュー講習を端折っているとは思えないので… 常識的に考えにくいからです。

フリークライミングの岩場は確かに、アプローチ10分とか最大でも30分とかで、車が近い=下界が近いのは、本当ですが、それでも、医者に行かなければ意味がありません。私のように肉離れしたのに、2日も医者にかかれない…応急処置もされない…という羽目になるのは、リスクをリスクと認知しておらず、「大したことがないと思ったから」と言われました…大したことがないという判断は、誰がするのか?怪我した本人では?と…思いますが、そう言うことも、普通は、レスキューの共有で、プロトコル化されていれば、防げます。

モッチョムは、隔絶された場所にあるので、フリーのマルチでも、アルパインと同じリスク管理が必要で、屋久島フリーウェイは、外的危険、の認知が必要です。

ロングなので、スピードも必要、ということは、限界グレードの12ⅽが登れるから大丈夫だろう、というのではダメで、ロープワークの素早さも求められます。ほとんど核心は長さ、ですから、日の長い時期に行かないと、ナイトクライミングになりかねません。その上、ロープワークの稚拙さで遅くなっていたら…岩でお泊りになってしまいます。それくらいはシミュレーションで想像がつくことでしょう…

大体、私の経験では若い人は、登れてもロープをまとめる速度が超遅い…。いつまとめて、いつ引きづっていいかも、ベテランほどは、分かっていないみたいです。

米澤さんと野北の岩場に行ったときは、あっと驚く素早さで、ロープをまとめてくれ、驚きました。

私自身もロープワークは初心者なので、山梨では、易しいマルチに行って、相方とピッチを稼ぐ練習をしていました。最初は一日6ピッチしか稼げなかったのに、12ピッチくらいは稼げるようになりましたが…そういう練習をするクライマーというのは、こちらではまだ見かけません。単純に情報が共有されていないだけだろうと思っていましたが、ホントにしていないのかもしれません。

というのは、そもそも、指導する側が分かっていないのでは…という懸念が生まれ、もしそうであれば、アドバイスを若い人に与えていないのかもしれない、と思うからです。

私が思うには、会の指導者、ご自身も、きちんとクライミング教育を受けたことがないのでは?

そのために、会の後進の人たちにも、きちんとした技術を伝達できない状態にあるのではないだろうか?と思うからです。何を練習したらいいか?というようなことです…。2年もやっている人が、トポの調べ先も知らないようでは…。山梨ではクライミングデビュー前に教わります…というか、みんながトポを見ているので、普通にしていてもトポを買うことになります。

会の指導者クラスって…

 1)40年前に大学山岳部だった人…その時に教わった技術からのアップグレードなし

 2)定年退職してからクライミングしている人…周囲の人の見様見真似

の可能性が高く、適切な指導者との接点がないのかもしれません。例えば、奥村さんとか。

ただ、年齢が上というだけで、担ぎ上げられがちなのが日本の社会の慣習ですし、その上、それを重責だと思うよりも、嬉しいと思う気持のほうが、日本の男性の中には強そうです。

しかし、実態は、自分が指導されたことがないのに、指導はできない、となっているのかもしれません。だとすると助けが必要なのは指導者のほうです。

ちなみに私の現在のクライミングメンターは、スティーブです。

■ アルパインでエイド残置に足を掛け墜落…

私がこう考えるに至ったのは、会長さんの穂高での墜落事故を語っているFBの記事が、ずいぶん最近になって、ひょんなことから流れて来てからです。

普通は、アルパインのクラシックルートで、エイドのルートの残置(古いハーケン)に足を掛けて登ること…が、自殺行為であるというのは、クライミング教育の初期に教わります。

なので、会長さんほどのベテランの方がする事故の話としては、あまりに無邪気に自分のミスを語っておられ、それは、普通のクライマーからすると、

「自分はリスク管理がきちんとできないクライマーだ」

と語ることになるので、おや?と思いました。

当初、私はその点には気が付いていませんでした。

例えば、私の二人の師匠は、残置を利用し墜落をしたクライマーには、同情は寄せないでしょう…

■ ボルトルートでの対応

日本国の岩場の作りが全部そうなので、個人のクライマーのせいではないと思いますが、日向神で、支点を信頼する気楽な墜落をしながら、フリーの能力を上げるというのは、ボルトのタイプをよほど意識して教えない限り、非常識だと思います。

トンデモ支点が現役です… 安全なのは、最近作られた高難度課題だけです。

M8カットアンカーが日向神では、通常の市民クライマーレベルの人が登る標準的課題に散見されるだけでなく、終了点の打ち方も懐古調で、他の地域で登っている人でないと、それが懐古調だということそのものにも気が付けない、ようです。

つまるところは、地元で登っている=正しい知識を伝授されていない、という流れになってしまいます。

こういう点は、外から訪れたクライマーでないと気が付けないものなのかもしれません。

私も小川山などでデビューしたクライマーなので、整備が行き届いた岩場しか知らず、九州に来て初めて、カットアンカーという種類のボルトがあることを知りました。

棒フレンズは知っていたけど、カットアンカーは全く知りませんでした。

なので、情状酌量というか、そういうものはあると思いますが…とはいえ、指導するという立場になると、かならず伝えなければいけないことが多少あると思います。

そういうものは、言葉の端々に漏れ出ます…。分かっていない発言ということです。

例えば、違う人ですが、ベテランに、エイドで鍛えてやる、と言われたことがありますが、この発言、分かっていませんよね…。

エイドって、アブミの最上段に載ったとしても、手が届かない人には、届かないものです。

誰が見てもチビの私にエイドでリードせよって… 誰か私をショルダーしてくれるならリードしますけど、そんなことに意味がありますかね?チビをショルダーしてリードさせるより、のっぽが掛けたら、数倍楽に距離が稼げるってだけのことなので…。ホントに分かっていなさそうで、速攻でその会には行くの、辞めました。

一般的に男性は、男性自身の環境設定から、他の人の立場に立つ、そういう想像力を持つ、という能力は少ないことが多いようで、そのために、理不尽ともいえるリスクに相手をさらしてしまって、気が付いていない…ということが多いようです。

例えば、アルパインしかしない人は落ちたクライマーをキャッチした経験が皆無なのに、ビレイできます、とか言う人が多いです…正しくはその人が出来ているのはロープの端っこを持っているだけだったりします…。スポーツクライミングを経由していないと、落ちたクライマーを日常的にキャッチするってことはないからです。

立場の違う人への想像力が低いというのは、男性一般の欠点のようですが、クライミングを長くしていていれば、普通は気が付きます…。

その気付きをベテランに求めないなら、一体、経験って何なのでしょう?

私の師匠の青ちゃんは、クライミングは理解すればするほど、怖くなるものだ、と言っていました…。

彼とですら、アルパインのルートは、遠慮気味にしか行っていません。大山北壁は行けば登ること自体は簡単な場所でしたが、2名で行くと、私は相方の青ちゃんの保険にはなれない…彼に何かがあった時、担げないです…75kgを50kgが担ぐのは不可能です…ので、あと一人いないか、を必死で探しましたが、誰に声をかけても、遠すぎて来れないとか言うので、その時は行くのをお断りしました…。自分が登れないからというのではなく、保険がないからです。

そんな感じの相談ができるのが、今までの2名の師匠でした。そういうことは、この4年の九州でまだ一度も起こっていないので…行くか行かないかオールオアナッシングな感じです。

というので、これは、自称ベテランさんご自身のクライミングに対する造詣も深くはないということではないか?と思います。

普通は、身の丈に合ったチャレンジをしていたら、ロープの相談からスタートし、リスクをどうするか?という話に発展するのが通常だからです。

沢で、逃げ場のないゴルジュに2名で、という話が来たときも、普段フリーでゲレンデを一緒に登っているとはいえ、知らない沢に、初めて沢を同行するのは、ゴルジュってのはちょっとどうかと思いました…普通は、もっと易しい沢…逃げ場のある沢…で、相方とのロープ合わせ・スキル合わせをするのではないでしょうか?いくらパートナーが私しかいないと言われても…。

私がおぼれたときのレスキューを誘ってきた相方ができるのは、誘った手前、当然だとしても、私が相方をレスキュー出来るか?というところがカバーされないと、トップが溺死したら、どうするつもりなのでしょう…?当人だって知らない沢なのに。

というようなことが頻繁に起こるので、九州では、かなり、リスクの理解がいい加減だと思います。

それは、元をただせば、指導している側も、しっかりとしたリスク管理能力は身につけないで危ない橋を渡っているからなのではないか?と思います。もしかすると、九州にはそんなにリスクがあるところがない、ということなのかもしれませんが…。

私も、はた目には危ない橋を渡っているように見えるかも…ですが、ちゃんと小川山レイバックはカムエイドで降りてきています…。 

■今日の仏教説話

ーーーーーーーーーー

自己責任だから逃げてはいけないという考えに捉われていた時は、とても苦しかったです。縁起の法則を知った時は心の中で何かの塊が溶けてなくなっていくようなスッキリした感覚がありました。

ーーーーーーーー

という参加者のコメントが印象的でした… 

クライマーのいう自己責任も同じです。どう考えても自分のせいではない理由で死を選ばさせられるのは、自己責任ではない、です。

誰もがすくすく成長できる、登攀レベルとリスクが見合った岩場の環境整備

 と

合理的で的を得た”フリークライミング教育”の整備

のほうが急務です。

エイドは日本ではフリークライミング教育のカリキュラム内容からは、外れますし、アルパイン教育ではスポーツクライミングは教えていません。私も雪上確保が最初です。山のリスク管理は、スポーツクライミングでは教えませんし、ボルダリングジムは当然ながら、うんこ処理方法は教えません。すべての教育機関の抜け穴、になっている知識が、

フリークライミングの常識、

というような部分になってしまっています。その結果が事故とアクセス問題で、それを若い人の”自己責任”の一言、で済ませてしまうのは、酷です。

大体のクライマーは教わらなくても、できた、と思っていると思いますが、環境が恵まれた、というのは否定できないことだと思います。

現・会長職にあるような人ですら、時に ん?という発言をしてしまうくらいの難易度の高さなのですから…

          市内から30分で行ける岩場 10bのクラック


2022/03/28

スポーツと縦社会

 今日の為末投稿 マジ癒されるわ~。私が作りたい社会は、GCHで見た、和気あいあい登る姿です。

マウント取っている人は韓国人で、マウントされている人は友人の日本人クライマーでした。

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引退してスポーツを離れて良かったのは、スポーツを嫌っている人や、憎んでいる人、やっていたけど傷ついている人がこんなにいたのかと気付かされた事です。おそらくスポーツの世界だけにいたら、スポーツが好きな人と、スポーツによって成功体験を持つ人との接触が極端に多かったと思います。

そもそも私の人生は少し特殊でした。特殊だということに気がついたのも、引退して違う競技の方と話したからなのですが。小学生時代は読書部というところにいて週に一回図書館で本を読んで読書感想文を出すということをやっていました。足が速かったので社交的でクラスのリーダーっぽくはあったのですが、母親はいつも性格の第一番目を「繊細な子」と言っていたので、内向的だったんだと思います。運が良かったのは陸上部の先生が最初に「陸上競技と運動力学」という本を貸してくれたことです。「スポーツは科学であり、合理性を追求すれば強くなる。先生は合理性を追求する同士であり、あくまで走るのは僕だ」という考えがまず生まれました。

先生に対し意見を言って、議論することが当たり前で、自分の目標は自分の目標シートに書いてそれをもとに先生と1on1でディスカッションして目標を決めていました。権威に屈するという感覚が皆無なまま高校時代もその性格を許容されました。先輩に敬語を使ったこともありませんし、中学時代は先生にも敬語ではありませんでした。おかげで世界大会で一番偉い先生に(今一番尊敬している先生ですが)ペットボトルを投げつけるなど大変問題のある選手になりましたが、それもおおらか?に陸上界には許容されました。少なくともスポーツが嫌だなと思ったことは一度もありませんでした。

ただ、スポーツ界にいたので横目で怒鳴っている長距離の監督や、大変な縦社会がある球技を見ていてあれだったら絶対やっていないなと思っていました。まるで違う世界を生きているようなそんな感覚すらありました。

スポーツは素晴らしいと感じることや、スポーツを楽しむことに引け目を感じる必要はないと思いますが、人生のスポーツ体験でひどい思いをして距離を置いたそんなに小さくない集団が「スポーツ最高」と言っている私たちを冷ややかに見ていることはきちんと理解する必要があると思います。もちろんその理由は様々です。特に多いのは体育の授業で嫌いになったという人です。これは現場の教員に努力してもらうこともありますが、学習指導要領のあり方にも踏み込まないといけないかもしれません。また体育会系特有の上位下達、群れ意識、マウントを取る感じが嫌だという方もいます。多少弁護するとどこの世界も中途半端なレベルほど群れやすいのですが、スポーツ界全体にそういう特徴があるのはおっしゃる通りです。

既存のスポーツシステムはスポーツ好きも生みましたが、スポーツ嫌いの方もたくさん産んできました。人間には好き嫌いがあるので、みんなが好きになることはありえませんが、ニュートラルな人間やましてやスポーツが好きだった人間を、スポーツ嫌いにさせてしまうことは大変な問題です。スポーツはいいやという方はそのまま嫌なことをしなくて良く、やりたい人が伸び伸び楽しめる環境を作る必要があります。

スポーツは社会の価値観を増幅させる機能があると思います。ということはスポーツ界が社会のあるべき姿を想像してそこに向けて変わっていけば社会を変えることもできると私は信じています。できるだけ多くの子供にスポーツは楽しいと感じ生涯に渡りスポーツをしたいと思ってもらい、本気で勝ちにいきたい子供はその可能性に制限をかけない形を模索する必要があります。今のスポーツの形を一旦とっぱらい、本来あるべき社会の形はなんなのかからスポーツを始めたいと思います。

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