2018/03/24

スーの思い出 初の6Bオンサイト

スーは、スーザンの略称です。スーは、イギリス人のおばちゃんクライマーさんでした。欧米の伝統的なお人形、ラグ人形のアンを思わせるカーリーヘアのスーは、とても内向的で、静かな方でした。アメリカの人みたいに騒々しくない。それが、とってもイギリス人らしいな、という気がしました。

何歳になっても、まだ上達したいと望んでいる、I still want to get better... という言葉が印象的でした。背中は丸まって、完全にクライマー体形…というか、行き過ぎ感あり、でした。

彼女と登った6Bが、私のラオスでの、ベストクライム、でした。

Cannyonに行く、というのは、私の提案でした。前夜、夕食を食べているときに、オスカーが、じゃあ、みんなで一緒に明日はクライミングに行こう、と言ったとき、私が提案したのです。

Cannyonは、去年トニーと行き、11くらいから10代、9アンダーまで、幅広いグレードがあるエリアだから、グレードがまちまちな混成部隊にぴったりと知っていました。水がないゴルジュみたいな地形の場所で、狭い岩と岩の間にルートがひしめき合っているので、最大6人くらいかな。

混成パーティだと、易しいのだけがある場所だと、上級者は楽しめないし、逆だと初級者は楽しめない。それで、ここを思いついたのでした。ロープは80mを借りました。

スーは、きちんと教育されたクライマーだ、と私を判断したようで、私のビレイで、6Bを登ってくれました。その”静かな闘志”がみなぎる、後ろ姿を見て、「私も登れるんじゃないか?」という気になり…なぜか… 登ってみたら、なんかいい感じ~。

隣で登っていたオスカーからも、ムーブがかっこいいね~などと、ほめられ、スイスイと行かないまでも、さしたる困難なく、登ってしまった6B。初のオンサイト!

6B(5.10b)でのオンサイトは初めてだったので、うれしかった♪

あれは、なんで登れたのかなぁ~?

スーの登っている姿を見て、イメトレが良かったのでは?なんて思います。

こんな風になりたいな、と思える女性クライマー像を垣間見せてくれた、スー。

叶うことはないと思うけれど、もう一度組みたいクライマーです☆ 

なんか生き方的に、あり方的に、憧れました☆

生涯、夢中になれる趣味を持つ、というのは、ステキなことです。