2021/12/27
今の生活の中で世の中に貢献するには何ができるでしょうか?
行縢 『日本の岩場(上)』より ”明日なき暴走”
日本全国を見渡した時、
日本を代表する岩場
はどこか?と 考えるとこの地図が出てきます。
黒伏山▲
谷川岳▲
明星山▲
劔岳
八ヶ岳
甲斐駒▲
穂高岳
北岳▲
富士山
阿蘇山
大崩山、▲
比叡山、▲
行縢山 ▲
(上)に載っているのは、黒い▲の山だけです。つまり、九州では宮崎が、もっと正確に知名を言えば、延岡市が、岩場という意味では、代表的都市、ということです。
ちなみに甲府は、甲斐駒、北岳、のお膝元、です。
延岡市は甲府より、あんまり分かっていないと思いますが…甲府は一応、山岳資料館が芦安にあって、アルパインクライマーの加藤慶信さんという亡くなられた方の業績が書いてありました。延岡でそういうのは見たことがないです。市として、岩場の地位の高さを認識はしていないかもしれません。
ショートとボルダーは取り上げられていませんが、デカい壁があれば、ショートはそれを1ピッチだけ登ったり降りたりしているだけ。ボルダーは当然ですが、石ころを登っているだけ。
ボルダーからスタートした人だと、ショートであってもロープを使うフリークライミングにステップアップする際は、かなり大きな意識改革が必要です。そうですね、年に3分の1登っても、1年はかかるくらいでしょうか。もっと頻度が少なければ、もっと年数がかかると思います。
■ 昔の人と今の人では覚える順番が逆です
ショートのフリークライミングから、マルチピッチ(ビッグウォール)へ進むにも、かなり大きな意識改革、が必要です。
アプローチゼロ分のマルチ(ゲレンデ。つまりフリークライミングのマルチ)と、山のマルチ(アルパインのマルチ)は、全然違います。なんせ、前穂北尾根なんて、6時間の登山をこなしてから、やっとルートの起点に立つのです。一方、ゲレンデである比叡の白亜スラブは、道路から5分です。全然、スタート時の疲れ度合いが違います。
昔の流れでクライミングしてきた人たちは、山を大きくしてから困難度を上げる、という順番で、教わってきたわけです。登山→山のマルチピッチルート→ ショートのフリークライミング → ボルダー… 私も、この順番です。オールラウンドクライマーと言われます。大体、登山から入った人は、この順番ですが、インドアクライミングジムから入った人は、順番が真っ逆さま、です。
オールラウンドの反対で、その分野しか知らない”専門家”クライマーです。
そこが、”ビフォアクライミングジム時代のビギナー”と”アフタークライミングジム時代のビギナー”の大きな違いです。
■ リスク認知が違えば、実力認知の違いを生む
この違いが何を産むかというと、リスクの認識違い、です。
リスクの認識違いが何を産むか?というと、実力の認識違い、です。
このページは、行縢山の山野井泰史さんの開拓ルートです。「明日なき暴走」という名前のルートです。山野井さんは、日本を代表する世界的クライマーでもダントツトップの方です。だだのピオレドール賞ではなく、生涯功労章、を取った方。
”明日なき暴走”のルートグレードを見ると?五級下です。この本にあげてある代表的事例としての5級下は、穂高岳屏風岩緑ルート、谷川岳衝立岩雲稜ルート、丸山南東壁塚田=小暮ルート、です。
AA2は、アメリカンエイド、つまり、カムで、落ちたら、7m落ちる、AA3は、10~20m落ちる、という意味です。その間は、ブランクセクションということです。
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1P目 20mAA2+: フェイス、ハング下レッジナイフブレード多用
2P目 35m AA2: ボルトラダー
3P目 30m AA3: クラック スカイフック
4P目 15m AA2: フェイス
トータルでボルト7本。アプローチは登山道を徒歩30分。
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”ザック一つで国内を放浪していた20代前半、九州の行縢山に一人で開拓したルートは「明日なき暴走」とした”そうです。
■ 一般市民クライマーが登るフリーの岩場でのランナウト
現代では、”フリークライミングの岩場”として親しまれている比叡ですが…
ボルトのランナウト許容度合いが、開拓者の言葉を引用すると、”5級で50mにつき3本”、となると… デシマルに置き換えると、10a以上でも、墜落距離は12~13m。
これは、世界的クライマーの山野井さんの20代のころのエイド記録並みのリスクテイクです。
そりゃ、普通の人には怖いのが当然だわなー。
一般にフリークライミングの場合は、確保理論が国から出されており、それによると、6mからの墜落で人体は壊れるということになっているんだが…(汗)。倍、落ちると、どうなるんだろう?
https://www.jpnsport.go.jp/tozanken/Portals/0/kougisiryou/H24kakuhoriron.pdf
というので、一般市民クライマーに、20代の山野井泰史なみの度胸を要求しているってことになりますが…(汗)。
■ 2グレード ゆとりを
これに対策するには、十分な登攀力のゆとり、が必要です。
私は、2グレードアップと教わりました。
つまり、5.7(4級)を落ちないでリードするには、5.9が必要ということです。
5級は、5.10aから上は全部含まれてしまうので、5.11であっても、5.12であっても、5級…とっても幅広く設定されてしまいます。なので、5級を2グレードの安全マージンを取ってリードするには、5.12aがやっとこさRP出来る実力では、全然足りないのです…
ということは、5.11aをやっとこさRP出来るレベルでは、本チャンでは、まあ、4級が安全になるだけで、何の安全マージンも増えたことにならないです…(汗)。この本が出たのは、1991年で、すでに
30年前
登攀は、1987年の登攀で、さらに4年前。
34年経過しているということです。ボルトラダーのボルトは最低でも34年経過しているということですね。
そのあと、このルートを登った記録は、奥村さんのようです。
http://blog.livedoor.jp/joywall/archives/51762198.html
本当にブイブイ言わせていいのは、こんな記録であるよ、という事例として、
誰からも文句が出そうにない、ダントツクライマーの山野井さんの記録を持ってきました(笑)。
こちらに、2017年の回想が、掲載されています。
https://www.evernew.co.jp/outdoor/yamanoi/2017/20170327.html
■ これを書いている理由
自分が分かったことを相手にも分かってもらう=覚他。2021/12/26
ボルダリングのインタレストグレード
小山田さんがあげていたので、興味深く拝見した。
①岩質
②ラインがシンプルである
③ロケーションが良い
④ムーブがかっこいい
⑥ランディングが良い
⑦恒久的である
■こちらは、いわゆる本チャン(山)のルートグレードの基準
①スケール
②技術的難度
③確保条件
④岩の状態
⑤ルートファインディングの良しあし
⑥エスケープの良しあし、敗退のしやすさ
⑦アプローチ
⑧自然条件(標高、方位、岩場の安定性、安全圏からの距離)
ボルダーだからもちろん、スケールは無視だが、フラクタルであることが分かる。
■ 基準となるルート
ところで、上記の8つの項目から、以下のように分かりやすいように基準となるルートが設けられている。
1級 前穂高北尾根2級 剣岳八ツ峰六峰Cフェイス 剣稜会ルート
3級下 八ヶ岳・大同心 南稜
3級 北岳バットレス
3級上 谷川岳一ノ倉沢
4級 穂高岳屏風岩
5級 唐沢岳幕岩
6級 奥鐘山
お金とチャンスと時間が与えられて、これで世の中に貢献することをしてくださいと言われたら、何をしますか?
■ お金とチャンスと時間が与えられて、これで世の中に貢献することをしてくださいと言われたら、何をしますか?
お金の問題がなければ、
1)天野和明さんに頼んで、北鎌尾根レベルの人が前穂北尾根レベルに行けるために必要な力をつけるための具体的技術をカリキュラム化した講習会を行ってもらう。(昨今の山岳会の人はそこが分かっていないと思われるので)
2)山岳総合センター時代の恩師 村上さんに山岳遭難の実際と山岳レスキューの実態についてのレクチャーを1日、二日目は実際に現役で使われている、レスキューテクニックの伝授を行うための講習会をしてもらう
3)佐藤祐介さんが大崩などの高難度マルチに来たときに、トップクラスのクライマー(5.12がスイスイ登れるレベルで、40kgが歩荷出来、標高差2200mの甲斐駒をワンデイ8~9時間で登って降りてこれる人)を対象にマルチピッチ講習をやってもらう
4)室井登喜男さんを講師にしてボルダリングの入門講習会を行ってもらう ジムボルダラー向け、ランディングなどリスク管理のイロハ。
5)小山田大さんを講師にして、ボルダリングにおける開拓プロセスの机上講習と実際の開拓のイロハを伝える講習会を行ってもらう
6)後藤真一さんを呼んで、沢登り向けの安全講習会を行ってもらう (上の小屋沢を東沢鎌の沢的な講習会定番の沢として確立する)
7)主要なクライミングジムの店長さんを、奥村さんのジムに研修に出して、きちんとしたビレイ指導術を習得して帰って来てもらう その際、終了証を渡す
8)九州の岩場における、入門から初級、9アンダーの人が登るべき課題、9レベルの人が安全に登れる課題のリストアップと習得目的の一覧、10代のステップアップの仕方を整理した外岩入門ガイドブックを作る
9)九州内の岩場での事故を聞き取り調査し、この3年以内の事故統計を取り、事故の内容を公開し、ネットにアーカイブを作る
10)九州で本当に登るべき、良き登山ガイドブックを作る 吉川満さんのご本のビジュアルバージョン 最近の人は文字を読まず、画像で判断するため
11)九州の登山道のコース案内掲示板を韓国並みに整備する(標高差、距離の記述)
12)九州内の山の難易度を長野県並みに整備する 現状だと要らないところにロープが至る所にあり、来るべきでない人も来ることになる
13)人気の山の登山口に韓国並みに、ウォームアップ運動器具、泥落とし場を整備する
弟、いとおし、という弱点
■ どのような関係性で登ってきたか?
昨日は、畑に行った。山が分かるオジサンクライマーと世間話して、とりあえず、
山梨では、素晴らしい山をしてきたんだなぁ…と実感した。
素晴らしい山というのは、
・誠実な山、
・自分の実力に嘘がない山、
というものだ…やっている間、
”向き合っている”
とよく言われた…。課題を一つ一つ、つぶすということだ。向き合っていれば、山は、それに答えてくれた…。
福岡に来て、それがおかしくなってきたが…なんで、同じように真摯にクライミングに向き合っているのに、落ちないで登るのはダメクライマーだとか、否定されないといけないのかな?とか、なんで、いちいち、命がけになっているのかな?と思う。
向き合いにくい環境…と言ったらいいのか?
なぜ、そうなったのだろう???
■ 俺はスゴイことを証明したい心 と モテたい心
それは、他の人のエゴに私が癒着されていたためだ… 課題の分離が出来ていないということ。
俺はすごいということを証明するために行く山に付き合わされるってことだが…。
しかし、男性社会だと、それも多少は必要だろう…と相手の事情を慮る気持ちが強かった。
女性の社会と違って男性社会は、縦社会だから、登れる順であり、登れない奴と思われたら、パートナー探しにも事欠くのだろう…と。パートナーを得るチャネル自体も、ほとんどないし…。岩場に行く以外で相方をゲットできる時というのは少ない。
私はその人には、直接言ってもいるが、まだ結婚していない人だったので、せっかく女性の数が多い九州に来たんだし、エンジョイクライミングを通じて、女性と知り合ったらいいな、と思っていたのだ…。が、どうしても、イケイケタイプの男性は、女性でもブイブイ言わせている人を好むようであった。まぁ、前例を山梨で作ってしまったからな。あとは条件は美人が欲しいということだった(笑)。
つまり、トロフィーワイフ、である。トロフィーワイフを求めること自体が、幼稚だなぁとは思ったが、恋愛だって山と同じで、稚拙な愛から、高度な愛へ進むのが普通だ。要するに経験値が浅いということだろう、と。
あとは、家事要員としてしか女性を考えていない古い考えがうかがえる発言があった。料理ができて自分の親の介護ができる人を欲しいということで、自分の親の介護があるということは相手の親の介護もあるということだと気がつかないようだった。
まあ、単純にその人は未婚だったから、深い意味なく、モテたい、のだろうし、それは未婚の男性なら、まぁ当然の在り方のように思えた。
別の人だが、開拓者が岩場に来ていたので、彼自身の知見を広めるためにも、開拓の手伝いを勧めたら、”開拓者は取り巻きに囲まれているんでしょ”という返事だった…。その返事で、そうかぁ、この人は、取り巻きに囲まれたくて、いきなり2段とか言い出したんだなぁと分かった。
一般に男性は寂しがりなのである。青ちゃんも宴会好きだったのは寂しかったからだろうし、いくら山が大好きでも遠隔地に家族と離れて暮らすのは、時に寂しかっただろう。
ので、孤独は同情するが、2段くらいでは、取り巻きは来ないぞ…(笑)。現実認識が古い。
余談だが、私が岩根でバイトしていた頃、ワールドカップクライマーと不可能スラブを登った女性ボルダラーが、ボルダーに遊びに行っていたことがあるが…当然私はお邪魔虫なので遠慮したが…二人が楽しく登ってきたのは6級とかである。トップクラスの人だって、デートクライミングは6級なんですよ。
2段が登れるより、紳士なほうが、女性にはモテるでしょう…
私は非常に慎重な、リスクを冒さないタイプのクライマーなので、私といると、逆に、相方はリスクを釣り上げて見せる必要が出てしまったのかもしれない…。同じだと思われて、引っ込みがつかなくなると言うか…。
私が思うには、女性と2名で登っている男性クライマーだと、周囲が勝手に遠慮して2名の中に割って入るということがない。
ので、私とジムに行くと、むしろ出会いは減るのではないか?というような気がしたので、特に用事…例えば新人が来て、先輩2名で世話がいるというようなケース以外…は遠慮するようになった。だいだいジムでの練習って、コソ連、って意味だし。
■ 弟という関係性
私は、身長180cmの大男だったアスリートの弟がいた。彼は24歳で急死した。突然の心停止。子供のころはそっくりさんだった。2歳しか年下ではない。
なので、男性は大体、弟、に見える。父親は知らないで育ったので、父という関係性は私には新鮮で嬉しいものだ。
昨日も、畑に行って、70代の往年のクライマーが畑仲間なので、山の話で盛り上がった。気分は、お父さん、である。父娘の関係性。
一方、私にとって一緒に登る男性は、大体が若いことが多く、基本的に、父親よりも弟という関係性に思える。先輩であっても、相手は、私よりも、父親…つまり、師匠から、目を掛けてもらえていない率が高い…つまり、知識的には補佐してやらないといけない対象、と思える。(大体、正しい)
ので、弟と登っている姉ちゃん、というのが私の自意識だ。
■ 相方は弟ではない
そのためにできた”因縁”は、断ち切ったので、それが良かったと思う。
弟のことが念頭にあるために断ち切れないでいた因縁だったからだ…。
どうしても、”頭悪い人”=可哀そう、と思ってしまうんですよね。
しかし、相方になる男性クライマーは、弟ではない。
しかも、30代、40代、ノーマット野郎なんて50代で、私より年上だ。
アホな奴に付き合う必要がなかったのに、なんで付き合ってやる羽目になったんだろう…?
そっちのほうを反省したほうが良い。
クライミングは、どんなに分かりやすく解説しても、分かりたい心(因)がない人には、分かりようがない。
■ 余禄 ノーマットクライマーの二項対立
リアルノーマットクライマーのノーマットの理由=決して落ちない自信があるから。
フェイクノーマットクライマーのノーマットの理由=お金がないから。
リアルノーマットクライマーがノーマットするとき=記録としてアップされる。
フェイクノーマットクライマーがノーマットするとき=何の記録にもならない。
リアルノーマットクライマーの登攀力=有段者
フェイクノーマットクライマーの登攀力=3級
リアルノーマットクライマーの事故時の心境=「申し訳ございません」
フェイクノーマットクライマーの事故時の心境=「死ぬときゃあ死ぬし」
リアルノーマットクライマーの事故ると?=大ニュースになって追悼書籍がでる
フェイクノーマットクライマーの事故ると?=岩場が閉鎖になる
リアルノーマットクライマーが失敗すると?失敗が珍しい
フェイクノーマットクライマーが失敗すると?成功が珍しい
リアルノーマットクライマーがトライするのは?=まぁ最低でも10本の指に入る程度の高難度課題 つまり第10登まで
フェイクノーマットクライマーがトライするのは?=人気課題
どうでしょう?? 思考の遊びです。
2021/12/25
尊敬する人を5人あげるワーク
2021/12/24
Report on Climbing in Kyusyu for about 4 years
Meeting No mat beginner boulderer brought me Ippei Tajima
I met an ingnorant boulerere in Hinokage while I was taking a job training course to be a forest worker in Miyazaki prefectrure...
思えば、私のクライミング行脚は、近所のクライミングジムを訪ねることから始まったのだった…。
近所に田嶋さんのやっているJoyがあったので、当初、私は、福岡は山梨と違って都会だし、自然界は離れていて、岩場も質の良いものが山梨のようにあるわけではないだろうと想像していたので、ジムクライマーとして福岡ではやっていく気持ちだった。
外岩は最初っから捨てていたわけである。
山梨時代は、外岩が良いのでジムに行く理由がなかった。ジムに行くと言えば、外岩でできなかったムーブをピラニアの室井さんに、「すいません、こんなアンダーでもって、遠めの一手を取る課題ってありませんか?」などと質問していた。要するに完全に外岩の攻略用というジム利用法だった。そもそもアイスはインドアでは、できないですし。
というので、やっと都会!ジムに通って、フリーで一皮むけるぞーと思っていたわけだった。
と・こ・ろ・が!
田嶋さんのジムで、「ブラボーのバイトに応募した」と漏らしたら、なんと2日目で出入り禁止にされたのである。まだ月会費払って2度しか行っていないのに。
しかも、言いがかり。「教えないでください!」とかいう…。その時は、ジムであった大学生男子の一団が、私が登った課題が登れず、「どうするんですか?」とか聞いてきたので、「あの一手がとれたら終わりだよ」と答えただけである。これのどこが教えているんだか。
奥さんはどう見てもクライマーじゃない人だった。ついでに言うなら、ジムがあまり清潔ではなく、いや…これは…(汗)という感じだったので、経営面でこりゃ問題ありなジムだな~という感じだった。
が、ちゃんと『Climbing』とかいう雑誌が置いていたので好感。とりあえず、私は九州クライミング事情が知りたかったのだが…そういう情報の入手先として、ある程度色々…例えば、四阿屋は2グレード辛いと言われているとか…分かるまでは、しばらく通いたいと思っての入会だったが…。
ま、上記のような理由で通うことができなくなった。
(なのでどの岩場も前評判を知らず白紙状態で行くことになった)
しかも、以後、ブラボーがまた…。ブラボーはクライマーがやっていないジムなので、採用面接する人にクライミングの話をしても何も分からない。吉田和正と言って分かるか?当然だが分からない。山梨で登っていたと言って分かるか?分からない。ラオスで登ったと言って分かるか?分からない。要するに採用する人もド素人さん、である。(この人が福岡県連会長になったそうである)
なんとか採用になったが、初日のバイトで、カウンター裏にあるブラックリストを見て、「これ何ですか?」と聞いたら、ビレイが危険な人のリスト。ところが、それを言ってくれた人が「この人たちビレイ待機でこういう風に持たないんですよ」とデモしてくれたその手が…ATCなのにグリップビレイ。
つまり、このジムではATCなのにグリップビレイを教えているってことか…と真っ青になって、その日で辞めた。クライミングの掟は、”君子、あやうきに近寄らず”、である。
なんせ、命より大事な仕事など、現代日本にはない。
これは指摘して後から謝罪が来たが…ビレイでこれであれば、一から十まで、”古色蒼然”である可能性が高く、ずっと修正を言い続けないといけないだろうと想像ができ、しかも、年下の男性が店長でその人が職場で目上となると…?いばらの道しか思いつかないので、私個人にそんな自己犠牲を強いてまで、そこで働く必要はないと思われた。
当時は、まだ福岡一年目で、福岡での生活にバラ色を夢見ていた。久しぶりの都会で深呼吸する気持ちというか…。ヨガもクライミングも、趣味としてみると、田舎の山梨より都会の福岡の方が、より都会で人口が多い分、先進的であるのではないか?と予想できたからだ。
外岩は年に一回の遠征でいいやという気分だった。
正直、小川山に行くも台湾・韓国に行くも、コスト的に変わらない。なら、小川山なんかより、台湾の方が、あるいは韓国にアイスに毎年行く方が合理的に見えた。
■ ジムの質が低い
これが私の福岡一年目だったが、驚いたことに九州の東京・福岡で一番難航しているのは、ジム探しだった。
ジムは、福岡は質が低い。というと反論が出ると思うが、
クライミングの全体像
が分かっている人が、超少ないわけなのである。
例えば、室井登喜男さんは、ボルダラーであるが、当然アルパインの事も分からない訳ではない。ので、私みたいなアイス大好き!みたいなクライマーがジムに行って、恐る恐る、「あのー、〇〇ってのを登ったんですが、こうこういうムーブが全然できなくて落ちました。似たムーブの課題ないですかね?」とかいう、ジムの人が作ってくれたルートセットガン無視な質問をしても、は?ここは俺のジムだ!俺の課題を登れ!とか言わない訳である。一緒に考えてくれる。
ジムのお兄さんで、「僕、クライミングしたことないんです」みたいな人はいない。「僕、外岩行ったことないんです」みたいな人もいない。(驚くなかれ、福岡のジムでは普通にいる)。
それどころか、「外岩に行く人が嫌い」とお客さんである私に向かって面と向かって、攻撃してくるジム店長もいる。おそらく、嫉妬の裏返しで拗ねてそうなってしまうのだと思うが、お金を払って、わざわざ嫌な思いをしに行くバカはいない。(余談だが、福岡では殿様若者は大変多い。なんでお客が媚を売らないといけないのだ?)
ので、そのジムには全然行く気になれない。課題も、山梨時代のジムより質が劣るし、その上、都会のジムだから高い。
もちろん、それぞれに特化したジムはある。
スタンプは、コンペクライミングをするのなら良いジムらしく、徳永さんというセッターが良いのだそうだが、私はあいにくコンペクライミングには興味がない。そりゃ当然だ。今からオリンピック選手になる!なんてあるわけない。競技で選手が強くなるための課題より、6級5級でも考えさせる課題があるほうが役立つわけである。
普通のジムは、5.6級なんてルートセッターはセットしていない。つまり低グレードを登る人には、良質のルートセッターは、接点がない。
大体、外岩を登るのに、ジムグレードでは3級程度までしか要らない。ので、段の課題でいくら質が良くても、外岩クライマーには無用の長物だ。
ジップロックもボルダラーになるには良いジムだと思えたが、一日いただけで指が痛くなった。課題がボルダー寄り、なのである。ボルダーとは突破力のクライミング。指への負担が重い。外ボルダラーになりたい人に最適なジムだろう。指が痛い=通うには向かない、全身運動にはならない、である。課題は好みというかとても楽しかったので、たまにボルダーが好きな人には、勧めている。
フリークライミングと言えば、普通はロープクライミングである。その名の通りのジムがあり、リードというリードができるクライミングジムもあるが… は、リードエリアが狭すぎて小さすぎ、ビレイヤー同士がぶつかりそうで危険。結局リードするより、ボルダリング壁に落ち着くことになってしまいそうで、意味なし感がある。ここも課題は良かったと思う。
公共のかべでは、アクシオンはタダの筋トレ。しかも、ビレイが怖い人が揃っている。いきがった片手ビレイとか、壁から離れたビレイとかで、そんなものに身をさらしながらやる筋トレは、恐怖耐性筋トレである。恐怖は、ムーブの習得にマイナスであることが科学的にも証明されている。
というので、まぁどれもやっても得るものがないわけではないが、コストに見合わない訳である。そんな無理してまでやらないでも…となる。
なら、ジム代を交通費にかけて無料の外岩に行った方が楽しい。
なんと、福岡で自宅から30分で行ける岩場が近所にあり、これは、山梨時代を更新する岩場の近さ。スラブで良いなら、近所の公園で済ませてしまえる。
ので、結局買い物ついでにスラブに登って、その辺の石垣でスタンスを拾って足置き練習をするのが一番安上がり。しかも、ハンデつけてクロックス。
話がそれたが、つまり、福岡は、クライミングという面では、ぜんぜん九州の東京、ではないということだ。Pump2みたいな良質のジムはない。
ので、シリアスクライマーは、どんどん県外に流れていくということになっている。
私も、この状況ではそれがいいだろうと思う。
■山梨との比較
その点を山梨と比べてみると、山梨は、人口の割にクライマー人口が多く、シリアスクライマーが流れてくる先、流出側ではなく、流入側である。
こんな県は他にはあるまい。長野に流入するクライマーも多いが、基本、北杜市、がクライマーのベストロケーションというのが一般的な認識のようだ。(ユージさんのいる入間も、岩場のある奥多摩に近いが、奥多摩、登攀禁止エリアがあり過ぎでややこしすぎますよねぇ‥)
■外岩
と上記のような事情から、山梨時代の先輩が引っ越してきた時点で、ジムは諦め、ほぼほぼ、山梨アルパインクラブとしての2名での活動が始まった感じだった。
とりあえず、九州の主要な岩場巡り…2年で一巡、出来た。ほぼ主要な岩場は、すべて回ったので、岩場を掌握している感は現在ある。
回った結果、分かったことは、九州のリードクライミングが流行っていない理由。
なにしろ、ボルトがぼろかった…。20年前どころか、40年って感じだった。
見たことがない、ヘンテコ終了点オンパレードは、同時に”生と死の分岐点、展覧会状態”と前に誰かが言った、そのままだった。
見たことがない終了点は、使い方が分からないので、いちいち長野の師匠に聞いていたら、いちいち、外野から、あーだこーだという指摘が入り、遠くはチェコから、格式の高さではUIAAの事務局長から、アドバイスがたんまり来て、これがうわさに聞いていたトンデモ支点なるものか…!と、これまで本で読んで話に聞いていたことを実体験することになった。
人気ルートの手作り終了点一番ポピュラーな道端エリアのシャックル直付け終了点
■ トンデモ横行中
支点や終了点だけではなく、これが噂に聞いていたトンデモクライミング技術か!という経験も、たんまりたまった。
まず最初のトンデモ経験は、
5.9なのに10bムーブ…である。地方での岩場で課題が辛いのは、別に珍しいことではない。問題は、5.9なのに10bムーブが要求されるその状況を好ましいもの、と捉えていることだ。にやにやしながら嬉しそうにそう語る。それが疑問だ。
普通に考えたら、何も知らない5.9が限界グレードの人が取りついたら、10bが要求されるわけで、当然落ちる。つまり、落とすことを意図している。
それでも人工壁だったら落ちるのが当然なのだからいいのではないかと思うが。外岩でそれ? ま、もちろん、その課題で10bのムーブが要求されるところは、終了点間際の上部で、落ちても別に大きな問題にはならないようだったので、問題ではないかもしれないが…。
この騙して、落とす発想が、その岩場では主流だと思われ、不安になった。しかも、支点が奇天烈(上記)。
一事が万事というのが大体クライミング業界だからなぁ…。つまり、発想が幼稚な岩場ってことである。
まぁ、その課題は私がオンサイトできたくらいなので、5.9で妥当だろう。なんせ、そこで最も易しい課題だからだ。下手したら山梨では5.8が付いているかもしれない。
ちなみに、そこは佐世保の海軍の兵隊の若いアメリカ人を連れて行ったが、登れなかった。
この課題の後に続く次の難度(10a)の課題を登ったが、それもオンサイトできた。
後日だが、私が特に喜びもなく静かにオンサイトできた、その課題を、”俺ってかっこいいだろどーだ!”オーラを発しながら登ってくれた若い男性クライマーがいて、かなりシラケた。
43歳からクライミングしている人が、3年程度の修行して登れる程度の難易度のところで、若い男性がカッコつけて、かっこいいのだろうか?
現代のクライミングのレベル感を鑑みると、どーだ!俺かっけーというオーラをしょってよいのは、5.13から上みたいですよ?その辺も疑問に感じるのが九州で、ブイブイ言わせるグレードが低すぎるというか…。
師匠の青ちゃんは、インスボンをすいすいリードしてくれるが(しかもケガした足で)、常に”俺なんか全然登れない”と言っていて、それも慰めるのがめんどくさかったが、現代のクライミングレベルを考えると、青ちゃんの方が正常だと思う。
普通の若い男性は、まじめにやれば5.12くらいは登れるものだろう。なんていったって、握力17kg、身長152cmの私で5.11が見えているわけだから、男性の11なんて自慢の種になるわけがないのである。実際、小川山で一緒に登っていた男性クライマーで11で自慢していた人はいない。むしろ、引け目に感じているほうだと思う。
ブイブイオーラというのが、これが九州の基本にあるようで、これも、余り易しい課題でやると、滑稽ということだ。すくなくとも一般的に10代でブイブイは変だ。山梨ではそんな人には会わなかった。
その後も、古色蒼然としたアルパインの伝統に触れることになったが…基本的に、みんなあんまり、フリークライミングとアルパインクライミングの差を分かっていないんじゃないか?と思えた。
なにしろ、アルパインクライミングの技術しか教わっていない人がフリークライミングの開拓をしているので、両者が混同されて、意味が分からないことになっているのだ。それどころか、アルパインクライミングの技術もきちんとは教わっていないんじゃないだろうか?
というのは、普通はアルパインのクライマーは、支点はリムーバブルが当然だ。
九州では、それが、ぜんぜん当然にはなっていない。ほとんどの人がカムを使うスキルもなければ、ハーケンも打てない。スキルを身につけないといけないとも、思っていないようだ。
ボルトルートスキルしかないのに、本州の本チャンに行って残置で登る気でいるらしい。それは、自殺行為に等しい。
なにしろ、ちゃんとした本チャン、つまり残置に頼らないクライミングを練習する課題が九州にはない。残置で登る=危険行為ですよ、と明確にメッセージ化されていない。
例えば、本チャンアルパイン的ルートの代表、白亜スラブは、残置などなくても、カムで登れる課題だ。
普通のアルパインのクライミング論理では、残置なんぞ、頼らないクライミングをするのが普通だ。私の旗立岩を高度化したものである。
そんな支点構築スキルが求められて当然の本チャンルートでも、古い信用ならないボルトなんかがあると、ボルトがあれば、落ちて良いと考えてしまう非熟練クライマーが来てしまう。
私と先輩など、終了点を見落としたせいでロープが足りなくなり、中間支点1点のボルトに仲良く2名がぶら下がる羽目になった。あのボルトが抜けていたら、二人とも、さよーならー、である。そして、その支点は、信用ならないカットアンカー。現代のボルトで、”普通”はグージョンの事である。
その経験も悲惨だったが、そもそも、終了点を見落としてしまうとか、ロープスタックさせてロープアップできなくなるような、未熟なクライマーを呼び寄せないようなルートの作りが必要なわけである。
ボルトを抜けば、そんな奴は来ない。
本当の実力が示せるってわけだ。オールナチュプロという言い方が混乱を招くのかもしれないが、同じルートでも、残置で登るクライマーは下手くそ、オールナチュプロで登ってちゃんと登ったことになるのが本チャンだ。
なにしろ、山に残置があるわけがないのだから、残置を頼らずに登るのが、普通にアルパインの完登と言え、それにふさわしい課題だろう。
もちろん、支点さえ自前であれば、エイドを出しても、テンションしても、アルパインだからOKだ。つまり、完全フリーは求められないのがアルパインスタイルだ。
逆にフリーのルート(ゲレンデ、練習用)として性格づけたいのなら、ボルトはリボルトして、落ちれるようにちゃんとメンテすることだ。フリーは、エイドを出さず、完全にロープに頼らず、登るものだからだ。全然、アルパインとは指向性が違う。
大体、最近のクライマーは、どんなお粗末スタイルで登っても、終了点にたどり着いたら、”登れた”と言ってしまう。
終了点見落とした、ロープスタックした、なんて登れたと、普通は胸を張って言うことはできない。復習山行の対象だ。
ま、この事件で、相当懲りたわけである、私は。
これに行ってしまった理由は、単にフォローがいなくて気の毒だなぁ…と、先輩後輩の絆があったためである。
■ 10代が危険
アルパインの論理で、フリーのルートが作られている率は、5.9~5.10代の初級ルートに多い。(おそらく、もともとアルパインのクライマーは全然登れない人が多いからだろう。)
その悲惨さNO1は、八方が岳のボルトラダーうち替えで、1m置きにリボルトされた10c。
現代の一般的なクライミンググレードが登れる人がリボルトしているのではないため、古いボルトの置き換えで思考停止しているわけなので、岩がもったいないことになっている。
その課題をさも、自慢げにお披露目されたときには、ああ…ここまで何も分かっていない人たちだったのか…と目を疑った。いわゆる山岳会の人たちと行ったからだ。本人たちは、自信たっぷりなので、こちらはなにも言えない。
■ アルパインとフリーのルートの最大の差
は、グランドアップか、ラッペルダウンか?である。もちろん。
これが何に現れるか?というと、クリッピングチャンスの捉え方、である。
アルパインの人は、基本をリッジ登攀に置いている。つまり、基本的に落ちない傾斜のベースにところどころ落ちるところがあるわけで、その落ちるところ、というのは、難易度というよりも、おかれた場所の危険度、である。
例えば、高さ30mに置かれた足場板は危険だが、高さ1mにあれば危険でない。なので、難易度というよりも、危険度が問題であり、アルパインだと易しいからと言って、支点を取らずどんどん高度を上げてしまうというのが、初心者が陥りがちなミスだ。
私も過去にやらかしており、初めて行ったアルパインのジョーゴ沢では、核心の大滝でロープを出さずに超えてしまい、師匠に「そんな山は教えていない」とこっぴどく怒られた。しかし、その一度だけであり、しかも一本目で超初心者だった。
アルパインルートでは、危険個所、つまり核心以外は支点がないのが普通だ。言い換えれば、ガバがあるところは、快適に登攀中なので取らない。もちろん、地面が近い間は、取るのはフリーと同じだ。
一方、フリークライミングというのは、そもそも絶対にロープがないと登れない傾斜を登るものだ。だから、フリークライミンググレードは、5.XXというように5から始まるわけだから。3級や4級はロープが要らないグレードなのだから。
なので、フリーでは、落ちること前提である。そこが、アルパインの人は切り替えできないのだろう…。
ガバ=クリッピングチャンス、というのがフリークライミングの前提だが、アルパインクライマーが作ったのではないか?という課題は大体が、ガバ=ボルト飛ばし、になっている。
その結果、フリークライミングの課題なのに、なぜか落ちてはいけない課題、ということになってしまっている。例えば、八面。
私がオンサイトで、見ず知らずのビレイヤー(つまり、信用はまだできない人)を相手に登れたくらいなんだから、5.9でいいとは思うが…なんじゃこりゃ!と思った。
昨日聞いたら、そこは、新人にはトップロープでしか登らせない課題ということだった。んじゃ、トポに、トップロープ課題と書いておくべきである。まぁ、登れたからいいけど。
大体、一番真ん中の良いところにある5.9だったら、その岩場に初めて来た人は、普通に喜んで取り付いてしまうだろう。
余談だが私が登っていた時に、誰でも知っている有名アウトドアウエアのメーカーで店子をやっている男性たちが集団で登っていたが、同じ5.9、若い男子でも全然登れず、TR以外ない感じでしたよ。
まぁ、そんなこんなで、支点の質が40年前であることや、課題の質がアルパインの論理で、作られていること、などから、色々と想定していない、きわどい目に遭った。
いや、ひどい目以外は合っていないというほうが正しいくらいのレベル感だ。
■その他
その他、色々と疑問な出来事が起こった…
最近起きた 公開されている岩場でノーマット
なんて可愛いもので、
クラックなのにボルト、とか
外岩なのに人口ホールド、とか
支点ビレイをされているのに、されている本人が気がついていない、とか
背の低い私に向かって、エイドで鍛えてやる…とか。
最期のやつなんて、死の宣告に近い。
昔のエイドルートって、ボルトが打たれたのは、40年以上前だろう…フリー化以前だからだ。つまり、ボロい。そして、背の低い人が、いくらアブミの上段に載ったところで、手が届かないものは届かない。
エイドというのは、困難度は常に距離である。距離と比例してリスクが増すからで、つまりランナウト核心と同じことだ。A1、A2、A3と困難度が上がる内容を調べれば誰だってすぐ分かる。それをちびの新人に向かってやってあげるよっていうのだ。こんなの、殺してあげるよ、喜んでね、と言っているのと同じことだと分からないのだろうか?フリーにおけるAゼロだって、手が届けば出来るが、届かなければできないものだ。
それ以外にも、私のリード中に、他のクライマーをリードさせて、一人で2名をビレイしたトンデモクライマーから、連れて行ってやっても良い、と言われた。そんなトンデモビレイで登らないといけないなら、登らない方がいい。そもそも、2名が一名をビレイするなら分かるが、一名が2名をビレイするなんて、マルチのセカンドを上げる時以外ありえない。連れて行ってやるのは、どう考えても、こちら側である。
要するに、みんな考えてはいないで、周囲の空気に流されてやってるのだろう…。
つまり、新人は騙されている気配が濃厚だ。ありがたくもなんともないものを、高額で買わされているようなものである。
このような状況なので、山岳会には入らない方が良い。入ったら殺されてしまうかもしれない、ということになっている。一人で2名をビレイするとか、間違った技術を広めているのは、むしろ会のほうなのだ。
■グレードは適正に…とはいえ
一方、グレーディングが辛い、というのは、開拓者が置かれた事情を鑑みて、ある程度は理解できる。
あるグループで、自分が一番登れる人になってしまったとしよう。あるルートを開拓したが、自分以外は誰も再登できない。
となれば、今まで自分が登ってきた最高難易度のものと比較して、それより難しければ、1グレード上げ、易しければ1グレード下げるだろう…それしか、参考になるものがないからだ。
もし、私のように10代がギリギリで、5.9はまぁ落ちないレベルの人が登れば、私が落ちるようなところなら、5.10cかなとかいう付け方ができる。あるいは、何トライでレッドポイントできたか?カウントすることでグレードを与えることができる。私のレベルなら、10cは、2回か3回でレッドポイントが今のスキルなので、レッドポイントにかかった便数で、グレードが図れる。
しかし、開拓において豊富なテストクライマーが得られることは、ほぼないので、一つの岩場の中で、グレードが易しい順から難しい順にきちんと整列していたら良し、というべきだろう…。
■それより問題なのはランナウト
そもそも、フリークライミングは、どこで落ちても死なない前提のクライミングなので、問題になるのは、グレードが辛いことより、ランナウト、である。つまり、落ちてはいけない作り、である。特に、その岩場で一番易しい課題。
何しろ、初めて行った人は、一番易しい課題に取り付くのである。その課題が5.9と書いてあって、10cであっても、どこでも落ちれる作りなら、「あー、難しかったー」で、終わりだ。
ところが、落ちれない作りの課題だと、追い込まれて、やむなしで落ちて大怪我してしまわざるを得ない。四阿屋のインディアンフェースである。行った初日にグランドフォールで腰椎骨折した方に遭遇した。
お気の毒だが、フリーファンには事故報告は乗らなかった模様だ。事故の情報がどこにも載らなければ、事故がその岩場で起きていることも知られないままになる。
もちろん、これがアルパインのクライマーなら、ここで落ちたらヤバい!と思った時点で、エイドの道具、例えばスカイフックなどを出して、安全に降りるなどの対処が可能だが、普通のフリークライマーがスカイフックを持って、岩場…しかも、ゲレンデ…に行くかというと?当然だが行かない。スカイフックなんて名前を聞いたことがある人自体がいないだろう…。
当然、本番でもないゲレンデにスカイフック持っていく人も普通はいない。
というわけで、普通のフリーのクライミングしかしない人向けに、ランナウトした課題、落ちれない課題には、Rを正直につけておくべきだ。
大体、フリークライマーというのは、スポートルート、つまりボルトルートでは、ボルトへの信頼をベースにして、俺は安全なクライミングを選んで登っている、と思っている人たちなのだから、ボルトルートに取り付いて、まさか、自分がRつきを登っているとは思っていないのだから。
そもそも、フリークライミングの教育に、エイド技術で急場をしのぐなんて出てこないのだし。
もちろん、落ちたら、ビレイヤーが後ろに走る、とか教わらない。
そんなことを知っているのは、昨今アルパインのクライマーでもいない。アイスのクライマーくらいだ。
アイスでは支点の数が限られるので、できるだけ本数節約で取るので、下のビレイヤーは、「ねぇ、もう、早く取ってよう…これだと私だいぶ後ろに走らないといけないじゃない…」となる。
もちろん、ビレイヤーの方が軽かったら後ろに走ろうが、落ちられれば、前に引かれるので、意味なしである。それどころか、前に引かれてアイス激突して下手したら、ビレイヤーの方が死んで、落ちたクライマーの方が雪のクッションで助かるレベル感である。
■ 総括
というわけで、総括すると、
アルパインの本チャン的ルート = ボルトを抜いて本来の支点を自作するルート設計へ
フリーのルート=ランナウトの問題解決して本来のボルトが信頼できるフリーのルート設計へ
という二つのことが課題なのが九州だ。
あとはトポの充実。ちゃんとトップロープ課題とか、RとかXとかつけておくべきだ。ボルトの設置年月日と施工者名も同様。
要するに、クライミングが怠惰化したのだろう…なにせアルパインのクライマーにとっては支点を自作しなくて良ければ、タダの快適クライミングである。
怠惰でなければ、好意的に考えて、カットアンカーが現代では適切なボルトでないことを知らない=無知だった…のであろうが、どちらにしても、その期間は40年間、で、尊敬に値する行為か?というと?答えは明白であろう。いくら九州が僻地でも、10年遅れとかくらいまでだろう、その言い訳が許されるのは。
フリーのクライミングルートがフリーの論理で貫かれていないことも、基本的には、意味あってつけたグランドアップ課題というよりは、ボルト位置に失敗した、というだけのことであろう。
断っておくが、私は5.11が登れるようになってから取り付く5.9があっても良いと思う。憧れのルートということだからだ。しかし、それには歴史的経緯が必要だ。しかも、そういう性格のルートだということを広く認知され、トポに書いてある必要がある。なにしろ、トポはそのためにあるのだから。
九州では前の世代のツケ…2000年代でも、本州ではとっくにリタイヤしているカットアンカーのボルト付き本チャン、ボルトが信用できないフリールート…に、延々と後世の世代が付き合ってきたわけだ。
その際に、危険になるのは、昨今、10歳以前からエリート教育を受けている最精鋭のコンペクライマーではない。
普通に趣味としてクライミングに接し、クライマーのやっていないクライミングジムでクライミングに接した、一般市民クライマー達だ。彼らにはコーチはいない。師匠も当然いない。クライミングジム店長も頼りにならず、九州では、クライミング講習会も開催されない。
そういえば、御坂山岳会の先輩が九州に転勤になり、その先輩はとっととクライミング辞めてしまっていたなぁ…。それはこういう訳だったのだ。
というので、これで4年間のクライミングの総括、お終い。
やっとこれで、クライミングしなくても良くなりそうでうれしい。
自己責任を求めながら設置者責任放棄しているけどね…
ボルダリングの岩場にもマット使ってくださいと書いて貼っておけばいいのかも?
シャックル直付けは辞めよう。あ!もったいない!天野和明@高千穂 天岩戸 The original myth of ancient JAPAN
このうち、二名が山梨在住クライマーです。天野さんはご実家が、甲州アルプス(大菩薩嶺)のあたりで野山を駆け巡って大きくなったそうです。
2021/12/23
愛される理由違い
色々、考えていると不思議な気がしないでもないです…
というのは、
安易に落ちないクライマーである、
という、まさに
山梨時代に愛された理由
が、
九州では愛されない理由
になっている…。
エリクソニアンダブルバインドというのがあります。
例:
例えば、「わからないことがあれば何でも聞きなさい」「わからない場合はすぐに聞きなさい」など、普段から親切に接してくれる上司が、実際わからないことがあって、いざ質問をしてみると「少しは自分で考えろ」「何でもすぐに聞くな」など。
よくあるのが、お母さんが、「あなたの好きなのを選びなさい」と言ったのに、ホントに選ぶと、「こっちにしなさい」と言われる…とか。
かなり、あるある、ですよね。
クライミングでは、当然ですが、どんな形態のクライミングも、落ちないで登るために登っています。
それで、落ちろ落ちろ…と言われるのは、どれだけ嫌だったか…。
大体、落ちなくても、ムーブ解決スイッチが入ったら、ムーブが出てきて登れたことが、何回もありました。私に必要なのは、むしろそっち、でした。切羽詰まると出る、ムーブ。
「すぐ落ちるクライマーは俺は嫌いだ」といった師匠の言葉どおり、私もすぐ落ちるクライマーは、嫌いです。支点強度、考えていない。ついでにすぐに人に頼ろうとする、下手くそが多いと思います。
ハングドッグ2時間とか付き合いたくないです、そもそも。
健全な市民クライミングを日本に
■ テレビの害?現代病とは、俺が俺が病だそうです
これは昨日、友人から投稿されたメッセージである。
クライマーのみんなは、もしかして、クライミングを、
人に自分を認めさせる道具
にしてしまっているんじゃないでしょうかね?
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昨日、久々にちゃんとテレビを見たのだけれど、他人に認められる事(成功だとか他人の為だとか)が最大の価値観のように扱われている世の中の"常識"というのが何とも恐ろしく見えた。
それは大多数の民衆の暴力への認可だと感じる。
自己を否定され、自己を否定し、他人への承認を求める方向へと進む。
他人への承認は満たされない欲望であり、終わりのない欲望はついには暴力へと発展する。
自己肯定というのは自分に何か付加価値がある事によって生じるのではなく、何者でもない"私"が自己により全肯定される事によって為されるものであり、本来の自己に内包されている根源的なものだと私は感じている。
"存在"というものは、そのまま肯定されているから"存在"しているのである。
ただそれが幼い頃から否定され、見えなくなってしまっているが故に、自己否定と承認欲求という形の問題としてあらわれる。
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■ ラッペルダウンで作っているんですよ?
総じて、日本のクライミングシーンは、ヨセミテのグランドアップ開拓の理念からその先の時代へ世界が進んだのに、日本だけが進み損ねているような印象を持っていますが…。
山梨時代に一緒に登っていた先輩など、トップロープ禁止にしていたので、そのせいで上手になれないでいる、と5.13を登るツヨツヨクライマーが指摘していました。
ハラハラドキドキがクライミングの魅力だとすると、どうせリードの方が楽しいのですから、リードしたくなるのがクライマーです。
なので、別にリードしたほうがえらいわけじゃない。それは昔の、アルパインのトップを一部のエリートクライマーだけしか努められなかった時代のノリです。
ラオスでは、自分がリードした課題をほかの人が登りたくないか?周りに聞いてから、ロープを抜いていました。
そこで登っているクライマーは全員が海外旅行中ですし、ラオスなんて医療の整っているとは思えない国ですから、屁のツッパリとかで意固地にリードに拘り、怪我をした方が全員にとってマイナスです。
なんせラッペルダウンのルートは、開拓者だってオンサイトしていないんですよ?
試登しないと、ボルト位置だって決められないんですから。
■ 一般市民クライミングとエリートクライミングは別物ですよ?
大体、5.12がやっとこさでも届く…というレベル感が、かつての山岳会のリーダークラスの人に最低限、必要だという登攀力だと思いますが…、そのくらいのムーブ能力は、最近では12,3歳の子どもにとって、ウォーミングアップなのだそうです。
クライミングは、バレエと同じで非日常の動きなので、動作をやったことがある量、が、まぁ、才能を別にして、そのまま、ムーブ能力、です。
要するに、3歳から始めるお稽古事、伝統芸能とかと同じレベル感です。幼くして始めれば始めるほど、単純に有利。
私はバレエは19歳でスタートしていますが、その当時、世の中には、大人のバレエ教室はないので、12、13歳の子供たちと一緒に混じって教わっていましたが、その後、アメリカでもバレエレッスンを取ったら、60代、70代の人ばかりで、私がダントツにうまかったです…。でも、子供たちに交じれば、ダントツに下手くそです。
同じことが起こるのが、昨今の山岳会。60代で初めて山登りを始めました、みたいな人に交じって、40代で初めて岩、登っています、みたいな人が岩トレしたら、ダントツで上手な方に、自動的に入ってしまいますが、だからと言って、一般のクライミングジムに行ったら?当然20代、30代の男性が主体なのですから、ダントツビリけつです。
当たり前のことが当たり前に起きているだけです。
私はいつも変わっていません。40代女性の平均的な能力を提示しているだけです。
バレエと同じで、クライミングも、エリート教育、早期教育でのレバレッジが偉大です。
大人になって始めた人とは、3グレードも違うのです。
昔の山岳会では、野北がリード出来たら尊敬されたそうです。私もリードで登っていますが、特に難しさを感じない岩場でした。つまり、5.8~5.9レベルです。
そんな世界で、5.12が登れる才能をたまたま有していたら、周囲の人から見たら、まるで神レベルです。誰もがひれ伏すでしょう。
昔は若くして岩登りをスタートするということ自体が稀で、特権的出来事でした。大体、超有名クライマーって、その時代としては、例外的に、若年齢でクライミングをスタートしています。
しかし、今は、多くの人が若くして始められるので、10代で5.12とか普通です。
それは登った年齢と量の問題で、誰でも量をこなせば届く程度なのだそうですから、現代で才能がある、というのは、5.13以上のことになります。
昔、5.8~5.9が登れたら尊敬されたというレベルがスライドアップして、5.12くらいになってしまっているのです。
短く言えば、時代はもう2022年にもなろうという時代なんですよ。昔の常識は昔の常識。
これも、クライミングウォール、落ちても死なない人工壁や、ボルダリングジムができたおかげです。
昔は練習したくても、そんなに身近に練習することができなかったわけです。
登れるグレードの因果関係を見ると、そんな程度のことですから、ある集団の中で自分が、どの程度上手かで、威張ったり、謙遜したり、と態度を変えるのは、滑稽というものです。
■ 結局のところ意志の問題
結局のところ、クライミングのムーブ能力をどこまで上げたいか?というのは、
意志の問題
です。オリンピックの選手になりたいなら、そりゃ毎日やっていないとなれるわけがありません。
バレエでも、世界のトップクラスになり、ロイヤルで踊るようになった人は、毎日4,5時間踊り、ローザンヌに出て、留学権を得て、さらに毎日8時間踊って、競争をくぐりぬき、主役の座を得るわけですが、そんなこと、趣味のバレエの人がしたいです?したくないですよね。踊ること自体が楽しいので、レッスンは何か他のためにある時間ではなく、人生そのものです。
同じことで、毎日登って特訓している、現代のコンペクライマーがスゴイ登攀力を持っているのは、その通りですが、その代償は、グレードで計られ、比べられ、自尊心を常に傷つけられているってことです。
■ それと同じ価値観を一般の市民クライマーはしなくていいですよ
日本人は全体主義なので、誰しもが全員、オリンピック選手になるために頑張っているかのように、一般市民クライマーに序列をつけてしまいます。
それは、昔の共通一次世代の遺跡なのでしょうか?
現代は、個性の時代ですし、大人になってまで共通一次しなくていいです。
つまり、トップレベルクライマーがやっていることを一般市民レベルクライマーがやらなくていいってことです。
エリートクライマーになりたい人は、子供から練習してなればいいし、市民クライミングで楽しみたい人は、グレードで他者から承認を求める世界に無理して生きなくて良い、ってことです。
昨日は下呂でボルダリングで、何かに対して努力するという価値観を見出して、人ともきちんと繋がれるようになった10代の男の子の話がNHKで取り上げられていましたが、尊いことだと思いました。
団体競技が合わない人にも個人で行うスポーツのクライミングは合うことがあります。
せっかく市民クライマーで、グレードに縛られないでよい、自由な世界にいるのに、なんで、次々と性急にグレードを上げて行かないといけないんです?
自分の好きなペースで成長できるという贅沢を享受しましょう。
■ プロセスを味わって進んだほうが、お得
私は、クラックを目指していたのですが、小川山レイバックでスタートですが、一回目に連れて行ってもらったときから、最終的にRPするまで、3年くらいはかかっていますが、そういう風にじっくり成長するのは、楽しかったです。
グレードより、思い出。
自分にとっての、いわくつき課題がいっぱいある。そっちのほうが、私にとっては、味わいあります。
良き思い出がたくさん作れる、それが急がなくて良い市民クライミングのだいご味なのでは…。
グレードより、良き思い出。
2021/12/22
A kind of mountain I love
夫の仕事の都合で、行くことになった甲府。駅前にある舞鶴城跡からは、南アルプスの
雪を抱いた白い稜線が、いつもくっきり見えます。
夫婦共働きから、一転。バリバリ働く女性から、専業主婦となった私。流産後でもあり、心身共に深い傷を負い、次なる生き方を模索している…そんな私を癒し、導いてくれたのが、日本の山の大自然です。
初めて見るカラマツの植林は、秋になれば黄金色に輝き、厳冬期ともなれば凍り付いた白い雪や霜が、繊細なレースのように美しいのです。春は、みずみずしい黄緑色の小さな星型の新芽が一斉に出てきて、とても愛らしい…。
カラマツの森はとても明るい。カラマツは、落葉する唯一の針葉樹です。日本原産の唯一の針葉樹なのに、針葉樹と言えば、九州の放置されたスギやヒノキ林しか見たことがなかった私には、とても新鮮でした。
「山が呼んでる…」
明るくさわやかな森は、明るい青年の笑顔のような森です。
広葉樹ならダケカンバ。落葉して枝だけになったダケカンバの木は、樹幹辺りがうっす
らと赤みを帯びて、何層にも重なったダケカンバの森は、それはそれは美しいのです。
初めて見る植生に心が惹かれ、”山を見るために”、始めたのが登山でした。
登山と言っても、白い雪の山がスタート。美しいからです。
11月の北ア山頂ではテント泊を
私のやっていた山登りでは、四季ごとに違うアクティビティをします。
それまで四季のない都会暮らしをしていた私たち夫婦に、四季とともに生きる生活がやってきました。
年末はクリスマス寒波が来る前に、雪崩が起きるような傾斜のルートは済ませてしまいます。というのは、雪崩には時機というものがあるからです。
そして、厳冬期は、私の大好きなアイスクライミングのハイシーズン。毎週アイスクライミングに出かけます。その途中、凍った谷底を見るわけですが、その美しいこと!冬には冬の愉しみがあります。
春の愉しみは4月のスプリングエフェメラル。森の妖精と言われる、先行して花咲く山野草です。
カタクリやニリンソウ、フクジュソウ、セツブンソウなど…トレジャーハントのように花を探して歩きます。これは九州でもできますね。
夏は沢登り。川を遡行します。急な増水に備えて、ロープで逃げ道を作ってから、タープの下で就寝。寝るのは土の上。増水時、閉じ込められないためです。水辺であれば、山火事のリスクはないので、焚火を燃やして暖を取り、焚火で料理することもあります。
タープ泊が沢では通常です。焚火もできないと、夏でも寒いです。
「なんて愚かだったんだろう…」
何シーズンか、こうした四季のある生活を繰り返していると、山の声が聞こえてくる…。
例えば、太陽光発電のこと…。
都会のOLだったころは、当然のように推進派でした。代替エネルギーだったら、どんなものでも善だと思っていたのです。ところが、皆伐し、山を切り開いて太陽光パネルが設置されている様子を見かけるようになると、本末転倒していると分かるようになりました。
都会に暮らしているころは、まさか森を切り開いて太陽光パネルを置くというような、愚かなことが起こるとは思ってもみなかったのです。当然、そういうことは避けられて、空いた土地に設置されるものだ、政府に任せておけばそうなるんだ、と、なんとなく思っていたのですね。
それだけ、世間知らずだったということですね。空いた土地って、どこ?ここは日本なのだから、空いた土地は、99%山林です。頼まなくても、岩の上にさえ木が生えるのが日本の植生なのです。
例えば、燃料のこと...。
山小屋勤務も経験しました。昨今の山小屋は、薪を下界から買わないといけない。というのも、周辺の森が天然記念物指定されていて、薪用に不要な木を伐るどころか、拾うことすら、許されていないためです。そうなると石油を担ぎ上げるも、薪を担ぎ上げるも、同じことになってしまいます。
そのような状況なので、石油をヘリで上げるのではなく、薪を歩荷で上げる山小屋は、環境問題に体当たりで頑張っている山小屋です。昔の木こり小屋があって、炭焼きの跡があるような山でも、国立公園等に指定されてしまえば、山小屋が生活のために、薪を自由に伐って良いというところは、めったになくなりました。
私も良く、登山道の入り口に薪を積んであるのを見かけて、2、3本ザックに結わえて担いで上がったものでした。
「山の文化の喪失が悲しい…」
山の師匠は、山の文化や民俗も大事にするという方針の人でした。
鹿島槍に登るなら、カクネ里のことを知りなさい。『黒部の山賊』を読んでから、黒部ダムをめぐる立山三山を登りなさい。そうすれば、感動もひとしおだよ…。
「鹿の被害、深刻です」
あるとき、いつものようにルンルン気分で、尾根をひとつ降りていたら、銃を構えた猟師さんに、ばったり。猟師さん、がっかり。こちらは、びっくり。
作物の取れない冬の時期は狩猟期です。この辺の農家はみんな、猟銃免許を持っているの
が普通だそうです。鹿と猿が主な狩猟の対象。田畑を荒らす有害鳥獣の駆除ですが、直接の駆除というより、全体的な狩猟圧を高める活動です。もちろん、お肉にして食べることもあります。上手な猟師さんが処理した鹿の肉は絶品です。
鹿に食い荒らされた森…残っているのは、毒草のコバイケイソウばかり。美しい山野草は、
おいしいためにすっかり食べられてしまいます。
三つ峠という山では、ここと北海道の礼文島でしか見られない、アツモリソウの保護のた
め、鹿柵を設置するボランティア活動をしていましたが、設置したとたんに植生が回復。
「天に唾しない生活をしたい」
地下鉄と会社の始業終業のリズムから一転、山のリズムで暮しはじめ、山で過ごす日々が増え…そうして、私は、消費を中心とした生活から、”自然に寄り添った暮らし”の世界に入って行ったのでした。
山小屋では雨が降ったらラッキー!です。雨水が溜まって、お風呂に入れる。ウキウキ、さっそく薪を割って、五右衛門風呂を沸かしましょう。
冬季の避難小屋に行けば、ダルマストーブが置いてあります。外はマイナス17度。火をつける技術があるか?どうかは、今夜の快適さの大きな分かれ目。ここは頑張りどき!です。
そうやって、”山のスキル”を培うことは、そのまま、”生きのびる力”です。文字通りです。
自分に必要なところへ行く
自分の課題を克服する旅路の中で、それぞれの土地で、それぞれのクライマー達が、その土地なりの”自然と共生した暮らし”を広げ、文明との折り合いをつけている姿を目にすることができました。
韓国ではクライミング基地だった山小屋は、環境省の方針で廃止となり、クライマーは下界から、1時間半ほど歩いてあがります。なんのことはない、本来の姿に戻っただけなのです。岩場まで5分で寝食を山小屋が丸ごとお抱え、っていうほうが、特例だったのです。
「人間、水と火があれば、大体のことはオッケーなんだなぁ」
地下鉄も、インテリジェントオフィスビルも、タワーマンションも、ハイテクスポーツカーも、ハイテクトイレも、デザイナーズブランドのスーツも、実は人間の幸福には、そんなに必要なものじゃなかったんですね。
本当に必要なものは、ほんの些細なことだった。
清浄な水、清浄な空気、温かい住居、雨をしのげる屋根、安全に使える火、そして、楽しい仲間。
今の目標は、人間の生活が自然を破壊するのではなく、自然界の営みの一部となる暮らし。
2021/12/20
その考えで幸せになれますか?
■縁と因
今日の仏教説話から。 因と縁でいえば、同じクライミングしたい!という気持ち(=因)を持った人がいたとしても、
山梨では良縁であると思う。一流のクライマーたち…室井登喜男さん、佐藤祐介さん、などがが普通にその辺に市民として存在しているので、そういう人たちが、グレードを鼻にかけていない様子を見れば、10aが登れただけでかっこつけてしまう…というような陳腐なことは起きない。
他にも、天野和明さん、伊藤仰二さん、沢なら後藤真一さん、成瀬陽一さん、ちょっと足を延ばせば、平山ユージさんにも会いに行ける。
クライミング講習会は、菊池敏之さんとか、もう亡くなってしまったが杉野保さんのが行列であり、故・吉田和正さんもしていた。中根穂高さんも講習会をしている。
ピラニアにも別にビレイ講習会とかはなかった。だから環境として優れているのは、トップクライマーがいるということだけで、教えてもらえるか?というとそんなことはない。
■ 教育機関はわざわざ出かけていくものですよ
車で3時間の場所の大町に長野県山岳総合センターがあり、一年間のリーダー講習を受けることができる。
私の班の講師は、村上周平さんで、八ヶ岳の遭対協の副隊長なので、リアルタイムで遭難情報が回ってくる。もう一人の講師だった高橋さんは、小川山の”春の戻り雪”の開拓者だった。小川山で登っていたら、どちらの方にも時々会うので、”どこそこで登っています”と一声かけておけば、保険付き、という感じだ。
山梨でも一つの会だけで、ちゃんとしたクライマーになるための初期教育が満足にできることはなく、基本的に、会ごとに分業で、オール山梨、でないと、山や教育を完了できないし、本人の勉強熱心さが、会から教わることを上回る。
必要なのは、
・スポーツクライミングを教えてくれる会
・合宿を教えてくれる会
・本チャンを教えてくれる師匠
・沢を教えてくれる会
・危急時の講習会 (普段一緒に行く仲間と共有しないと意味がない)
・フリーを一緒に行ってくれる相方
・クラックを一緒に行ってくれる相方
で、
・アイスを一緒に行ってくれる相方
は、オプション。アイスクライミングは、特殊なクライミングです。が、アイスの進化系の
・ドライツーリングの仲間
は、海外クライミングの常連であり、海外クライミングが初心者に有効なクライミングであるという情報はドラツー仲間から得ました。ドラツーからの情報がなければ、永遠に、ヨセミテに行って上がり、ということになっていたかもしれません。
ここには、ハイキングに行く仲間は含まれていませんが、ハイキングは個人で普通に済ませてしまえるからです。冬の小屋泊まりハイキング的雪山くらいまでは、個人で済ませてから、でないと、足も出来ていないし、お天気を見るというような基本さえも身についていないので、山岳会に行っても、お荷物になるだけです。
ハイキングの山…つまり、ロープが出ない山をやる人の最高峰は北鎌尾根です。東京方面でも、北鎌尾根を登って上がり…という登山者は多いそうです。北鎌尾根で落ちるような人はアルパインに適性はないかもしれませんが…北鎌尾根は、登る人のクライミング力、つまりムーブをこなす力によってはロープを出さないと危険レベルの山です。ので、太っている人などは、とても不利です。登山では体が大きいこと、つまり体重が重いことは、歩荷ができるということで大きな不利ではないですが、クライミング要素が出る山では、体重が重い事は、かなりの不利です。体格であきらめてしまってここで辞める人もいます。
古い方法論では、尾根→沢→雪→岩→氷と進むので、次は沢になりますが、沢登りは、とても危険が多い登山形態なので、仲間が必要です。
しかし、これはメンバーの頭数が難しい。沢は、谷なので携帯電波が入らないことが多く、事故になった場合、外部との連絡を取るのが難しいことが多いです。
九州でも、山岳雑誌『のぼろ』の編集長が、洗谷で墜死しています。福岡の近郊の沢です。もともと、登山道だったくらいの沢なので、大したレベルがあるとは聞く限りでは思えないですが、死者がでるということですから、登山者のレベルが下がったのか、沢のレベルが九州では高いのか分かりませんが、単独は、辞めたほうが無難です。
大体、4-5人が一番いいです。2名だと負傷者についておく人、と連絡に走る人、と分けられません。斜バリなど、レスキューをしっかり学ぶのが沢です。尾根のリスクは風ですが、谷のリスクは、もっと深刻で複雑です。
沢登り時代に学ぶのは、登攀のオーダー(順番)とか、沢で一泊するときは、増水時に逃げるためにロープを張っておくとか、焚火とか、あるいは、ゴボウとか、後続の簡単な確保、あるいは弱い人をどう守るか?です。
一般のフリークライマーはこの辺は知らないので、お助け紐、とか出し方、知りません。ハーケンの打ち方も沢で学びます。
雪は九州は関係ないので割愛します。ピッケルとか滑落停止とか、雪訓の山です。
岩は、2段階構成です。アルパインの人は岩トレが必要で、普段クライミングをしない人でも、山岳会にいれば、一年に一回くらいは、岩トレしているハズです。岩トレで、登攀が上手になることは基本ないですが、知ってると知らないでは雲泥の差です。
特に大事なのは、懸垂下降で、フリークライマーのようにちゃんとした確保器などの道具を持っていないでも、カラビナ一枚とか、肩がらみ、などでも、なんとか降りれたり、3分の1システムを学んだり、あるいは、介助懸垂を学んだりします。
その段階が終わったら、エイドは大体のことが出来ているハズなので、普通にフリークライミングにステップアップしたい人はそこへ、そうではない人はハイキングの山を極めます。極め方は個人によって、いろいろで、私はシブ好みなので、南アルプス深南部へ行きました。鎌ナギとかです。
フリークライミングになると、複雑性が増します。ビレイの習得がまずは課題になるので、スポーツクライミングの会に属して、週2回半年は最低人工壁に通い、ビレイを習得します。この段階で間違った会に入ると、壁から離れたビレイなどをそれで良いのだと勘違いしてしまいます。体重差など、学ぶことが多く、事故が一番多いのがこの時代です。ハイリスクグループということです。
スポーツクライミングのクライミンググレードで、アルパインのルートが登れると勘違いしてしまうことも良く起きます。岩トレの段階で岩場のグレーディングについて理解を深める機会がないとか、自分で山行計画を立てる習慣がなく連れていかれて終わり、だとそうなります。
ビレイが習得出来たら、外の岩場でも支点がしっかりしていて、ほぼ落ちないようなのに通います。ロープ慣れがないと、何ピッチも登る場合は、ロープに使われてしまって時間がかかるので、主に登攀力よりも外岩ではロープの処理の練習会です。
登攀力を上げるのは、ボルジムで個人練習で、せっかく二人そろったのにリードフォローをしないのは、もったいないからです。機械喪失です。段々早くなり、最初は一日かけて5ピッチしか稼げなかったのに、段々と12ピッチくらいは時間内に終われるスムーズさを身に着けられるようになります。超ベテランは20ピッチくらいだそうです。マッターホルン北壁とか50ピッチもあるそうで、そんな山でロープワークに時間がかかっていたら凍死してしまいますね。ヘルンリ稜は下山路だそうです。
余談ですが、ガイド登山でヘルンリ稜に行くという話は誰もしてません。ガイド登山というのは、登山者ではなく、登山客がすることなので、最初から思考の中にないわけです。
さて、そういうロープでピッチ数を稼ぐ特訓を経ていないトップとマルチに行くと、ボルトルートでも痛い目に遭います。登攀力ではなく、ピッチを稼ぐことができない…という下手さが核心で、時間がかかって、下手したら夜になってしまいます。懸垂でロープが足りないとか、ブッシュに向かって懸垂してしまうとかも、不慣れなクライマーという意味です。
次はクラックの相方を見つけて、クラック修行です。なんせ現代の支点はハーケンは稀で、カム時代です。カム以外にナッツなどのパッシブのスキルも必要なので、そういうのを知っている人を見つけたら、大ラッキーです。
この段階でも、登攀力を上げるというのは、ボルジムで個人練習でいいです。一緒にいる時間があるときは、外でしか登れないクラックとか、マルチとか、インドアではできないことをします。とくにクラックはジムではぜんぜん練習できないです。
この段階の人がリードを強要されることはほとんどないハズです。いたら、その先輩はおかしい。外岩に行っている目的を共有していないかもしれません。もちろん、登っても落ちない登攀スキルがあれば、リードの方が楽しいので、リードを勧められます。私も、三つ峠は行って2回目からリードしています。この時は、2度目でリードって大丈夫なのかな?と思ったので、信頼できる先輩に「ほかの人を見ていると二度目でリードしている人はいないですが、私はやっていいのでしょうか?」と聞きました。よほど登攀が確実でないと新人さんの段階ではリードを勧めてくる人はいないと思います。
”アレヤコレヤ…”と表現される色々な知識が溜まるのに、しばらくかかります。
毎日クライミングに行けば違うと思いますが、普通の人は土日毎週行く程度が限界だとすると、3-5年程度はかかると思います。昔の大学山岳部は年間130日、やっていたそうで、そういう場合は、1年でいいようです。ロープはなぜダイナミックなのか?とか、墜落係数とか、ビレイヤーのセルフとか、登山の歴史とか、フリークライミングの歴史とか、色々机上でも学ぶことはあります。結び替えができないとか、この時点でないハズです。
その後になって、やっとフリークライミングです。この段階で、ロープクライミングか、ボルダリングか、指向が分かれると思いますが…
フリークライミングで限界グレードを上げていくクライミングは、ロープに確保されるので、ビレイヤーとの信頼関係を築きながら登っていくクライミングです。
ボルダリングは、石ころを登るので、ビレイヤーは要りませんが、大体の人はグループで仲間と登っています。マットがたくさん必要です。
ロープのクライミングは、持久力。ボルダリングは突破力。ロープのクライミングで長いところを登っても、ロープの長さいっぱいが限界です。5.12でも、全部が5.12というわけでなく、スタートは10ぐらいで、まんなかあたりは11くらい、核心部が12で、トータルは12とか、ムーブで要求される能力自体は11くらいだけど、長いから12とか、そういうグレーディングなので、ある一部の核心ムーブができない!となれば、ボルダーでやりたくなるかもしれません。
ボルダーで突破力をつけてから、その課題に戻れば、その核心部は越えられるはずだろうからです。
私も、たいていは特定のムーブが苦手…私の場合は、アンダーとか、マントルとか苦手です。ので、そういうのを練習しに行く先がボルジムでしたが、外のボルダーはそのような人には便利というか、外でやれば、ホールドを見る目も養えます。
ムーブの洗練を求める人は、ボルダラーになってしまうと言われています。
またロープのクライミングでも、傾斜がない、つまり、スラブやフェイスと、オーバーハングの石灰岩だと必要な能力が違うので、集まっている人たちも違います。
上半身のパワーがより必要なオーバーハングなどでは、当然ながら、男性や若い人が多い傾向があります。
どちらにしても、体重が軽いほうがクライミングでは有利で、極端に太っている人を見ることはまずありませんが、それだけに、太っていて登れると尊敬されます。スラブは体重が重いほうが安定するそうです。
どちらかというとリードは知性が、ボルダーは身体能力が必要になりそうです。
書き損ねたのは合宿ですが、合宿の経験がないと、集団生活でのテント泊やパーティ行動での歩調の合わせ方とかわからないかもしれません。自分と同じを相手に期待してしまうということです。
女性と山に行ったことがない男性登山者は、朝一からハイペースすぎ、休憩が長すぎる、というのが、大体の女性登山者の悩みです。女性はぜんぜんペース早くないですが、休憩がほとんどいらないです。休憩が要らないペースで登っているというほうが正しいかも…?
一方、男性は瞬間的に力を出し切ることが喜びなようで、ボルダリングなどはその最たるものです…でも出し切ってしまうので、出し切った後は、しばらく使い物にならないです。
このように男性と女性では、指向性がまったく反対ベクトルという傾向がありますが、それはおおよそで、個人により、女性でも瞬発力タイプ、男性でも持久力タイプの人はいます。
ボルジムでの延々と長物をやって楽しそうな男性とか、女性でもダッシュで登ってダッシュで降りてしばらく伸びている人、とか…。
クラックでも、フィンガーが得意なのは女性ですし、ワイドは体幹です。ワイドはアルパイン人がいうワイドとオフィズスのワイドでは意味が違います。アルパインのワイドは、ステミング登るだけで、核心はプロテクションです。登攀は易しいですが危険です。オフィズスは、色々と細かいテクがいっぱいあって難しいです。こちらは大型カムは、販売されています。ビックブローというプロテクションもあります。
全体で見れば、その人の個性に合った快適なスタイルを見出せばよく、私は、外ボルダーにはそんなに喜びがなかったというか、これなら、歩いているだけだとしても山の方がいいな、と思いました。
一番好きなのは、やはりアイスです。アイスはダンスと同じでリズムがあるからです。
あとは、ドライツーリングがありますが、冬季のオーバーハングクライミング、だと思えばよく、アイスは難しくするのは限界がありますが、ドラツーであれば、人工壁もあるので、どれだけでも難しさを追求できます。
その意味で、真のフリークライミングレベルの困難度が求められるのは、ドラツーに行ってからで、外アイスは、あるレベルを超えると、危険度の争いになってしまうので、楽しみがない、と感じる人もいると思います。
私もそうで、5級はリードでき6級もトップロープなら登れると分かってしまうと、脆さという方向性に伸びようとするのは、生命保存の法則に反するので、テクニックを磨くには、ドラツーに進むのが得策、となりました。
アイスは九州では関係ないと思いますが、ドラツーは外アイス環境は不要なので、九州でもアックスを使った高難度フリークライミングとしてドラツーが広まれば、海外へ登攀へ行く扉も開くのではないかと思います。
なにしろ、海外のクライミング人口は当然ながら、日本より多く、ということは、初心者向けルートや教育体制も日本より整っているということだからです。
■ 良縁
良縁を活かしたことが、私のクライミングでの成功の秘訣です。
私の登攀力を見れば分かるように、楽しくクライミングするのに、登攀力は後付けでいいです。
クライマーならほっておいても勝手にグレードは上がっていくものです。
本来なら、10代が登れる人は誰でも、私のように韓国にマルチに行ったり、台湾にクラックに行ったり、ラオスに一人で行ってパートナーを見繕って登ったりできるのが普通なのです。
誰でもやれてしかるべきことがそうなっていないのは、縁、が揃っていないからです。因は、本人が勉強するかどうか?なので仕方がありませんが、縁は本人の事情には寄りません。
日本全国に良縁が張り巡らされ、趣味程度のクライミングで死んでしまう人が減るように願っています。
カムが使えれば、台湾では色々と登れますラオスで一番多いのは、5Cとかの課題です