2021/12/26

弟、いとおし、という弱点

 ■ どのような関係性で登ってきたか?

昨日は、畑に行った。山が分かるオジサンクライマーと世間話して、とりあえず、

 山梨では、素晴らしい山をしてきたんだなぁ…と実感した。

素晴らしい山というのは、

・誠実な山、

・自分の実力に嘘がない山、

というものだ…やっている間、

”向き合っている”

とよく言われた…。課題を一つ一つ、つぶすということだ。向き合っていれば、山は、それに答えてくれた…。

福岡に来て、それがおかしくなってきたが…なんで、同じように真摯にクライミングに向き合っているのに、落ちないで登るのはダメクライマーだとか、否定されないといけないのかな?とか、なんで、いちいち、命がけになっているのかな?と思う。

向き合いにくい環境…と言ったらいいのか?

なぜ、そうなったのだろう???

■ 俺はスゴイことを証明したい心 と モテたい心

それは、他の人のエゴに私が癒着されていたためだ… 課題の分離が出来ていないということ。

俺はすごいということを証明するために行く山に付き合わされるってことだが…。

しかし、男性社会だと、それも多少は必要だろう…と相手の事情を慮る気持ちが強かった。

女性の社会と違って男性社会は、縦社会だから、登れる順であり、登れない奴と思われたら、パートナー探しにも事欠くのだろう…と。パートナーを得るチャネル自体も、ほとんどないし…。岩場に行く以外で相方をゲットできる時というのは少ない。

私はその人には、直接言ってもいるが、まだ結婚していない人だったので、せっかく女性の数が多い九州に来たんだし、エンジョイクライミングを通じて、女性と知り合ったらいいな、と思っていたのだ…。が、どうしても、イケイケタイプの男性は、女性でもブイブイ言わせている人を好むようであった。まぁ、前例を山梨で作ってしまったからな。あとは条件は美人が欲しいということだった(笑)。

つまり、トロフィーワイフ、である。トロフィーワイフを求めること自体が、幼稚だなぁとは思ったが、恋愛だって山と同じで、稚拙な愛から、高度な愛へ進むのが普通だ。要するに経験値が浅いということだろう、と。

あとは、家事要員としてしか女性を考えていない古い考えがうかがえる発言があった。料理ができて自分の親の介護ができる人を欲しいということで、自分の親の介護があるということは相手の親の介護もあるということだと気がつかないようだった。

まあ、単純にその人は未婚だったから、深い意味なく、モテたい、のだろうし、それは未婚の男性なら、まぁ当然の在り方のように思えた。

別の人だが、開拓者が岩場に来ていたので、彼自身の知見を広めるためにも、開拓の手伝いを勧めたら、”開拓者は取り巻きに囲まれているんでしょ”という返事だった…。その返事で、そうかぁ、この人は、取り巻きに囲まれたくて、いきなり2段とか言い出したんだなぁと分かった。

一般に男性は寂しがりなのである。青ちゃんも宴会好きだったのは寂しかったからだろうし、いくら山が大好きでも遠隔地に家族と離れて暮らすのは、時に寂しかっただろう。

ので、孤独は同情するが、2段くらいでは、取り巻きは来ないぞ…(笑)。現実認識が古い。

余談だが、私が岩根でバイトしていた頃、ワールドカップクライマーと不可能スラブを登った女性ボルダラーが、ボルダーに遊びに行っていたことがあるが…当然私はお邪魔虫なので遠慮したが…二人が楽しく登ってきたのは6級とかである。トップクラスの人だって、デートクライミングは6級なんですよ。

2段が登れるより、紳士なほうが、女性にはモテるでしょう…

私は非常に慎重な、リスクを冒さないタイプのクライマーなので、私といると、逆に、相方はリスクを釣り上げて見せる必要が出てしまったのかもしれない…。同じだと思われて、引っ込みがつかなくなると言うか…。

私が思うには、女性と2名で登っている男性クライマーだと、周囲が勝手に遠慮して2名の中に割って入るということがない。

ので、私とジムに行くと、むしろ出会いは減るのではないか?というような気がしたので、特に用事…例えば新人が来て、先輩2名で世話がいるというようなケース以外…は遠慮するようになった。だいだいジムでの練習って、コソ連、って意味だし。

■ 弟という関係性

私は、身長180cmの大男だったアスリートの弟がいた。彼は24歳で急死した。突然の心停止。子供のころはそっくりさんだった。2歳しか年下ではない。

なので、男性は大体、弟、に見える。父親は知らないで育ったので、父という関係性は私には新鮮で嬉しいものだ。

昨日も、畑に行って、70代の往年のクライマーが畑仲間なので、山の話で盛り上がった。気分は、お父さん、である。父娘の関係性。

一方、私にとって一緒に登る男性は、大体が若いことが多く、基本的に、父親よりも弟という関係性に思える。先輩であっても、相手は、私よりも、父親…つまり、師匠から、目を掛けてもらえていない率が高い…つまり、知識的には補佐してやらないといけない対象、と思える。(大体、正しい)

ので、弟と登っている姉ちゃん、というのが私の自意識だ。

■ 相方は弟ではない

そのためにできた”因縁”は、断ち切ったので、それが良かったと思う。

弟のことが念頭にあるために断ち切れないでいた因縁だったからだ…。

どうしても、”頭悪い人”=可哀そう、と思ってしまうんですよね。

弟がそういう風に扱われていて、私としては、”そうじゃない、彼にも分かるように言ってやっていないだけだ”、という気持ちを子供心に強く持っていたので。


しかし、相方になる男性クライマーは、弟ではない。

しかも、30代、40代、ノーマット野郎なんて50代で、私より年上だ。

アホな奴に付き合う必要がなかったのに、なんで付き合ってやる羽目になったんだろう…?

そっちのほうを反省したほうが良い。

クライミングは、どんなに分かりやすく解説しても、分かりたい心(因)がない人には、分かりようがない。

■ 余禄 ノーマットクライマーの二項対立

リアルノーマットクライマーのノーマットの理由=決して落ちない自信があるから。

フェイクノーマットクライマーのノーマットの理由=お金がないから。


リアルノーマットクライマーがノーマットするとき=記録としてアップされる。

フェイクノーマットクライマーがノーマットするとき=何の記録にもならない。


リアルノーマットクライマーの登攀力=有段者

フェイクノーマットクライマーの登攀力=3級


リアルノーマットクライマーの事故時の心境=「申し訳ございません」

フェイクノーマットクライマーの事故時の心境=「死ぬときゃあ死ぬし」


リアルノーマットクライマーの事故ると?=大ニュースになって追悼書籍がでる

フェイクノーマットクライマーの事故ると?=岩場が閉鎖になる


リアルノーマットクライマーが失敗すると?失敗が珍しい

フェイクノーマットクライマーが失敗すると?成功が珍しい


リアルノーマットクライマーがトライするのは?=まぁ最低でも10本の指に入る程度の高難度課題 つまり第10登まで

フェイクノーマットクライマーがトライするのは?=人気課題


どうでしょう?? 思考の遊びです。